May 18, 2010

街と社会を良くするための種

新緑が目に映える季節です。


自転車に乗っていても緑が美しく、陽気もいいので気分良く走れます。郊外はもちろん、街でも道路脇に植えられたツツジが花を咲かせていたりして、道行く人の目を楽しませてくれます。住宅街でも、きれいに手入れされた庭先の花々が見事だったりするのに出くわします。

花で歓迎自転車で走っている途中で、道端などに思いがけず、花がきれいに植えられているのに気づくことがあります。同じ植栽が続く通りに、一部分だけ花が植えられているのは、あきらかに行政によるものではなく、沿道の住民が植えたものなのでしょう。

自らの庭先に飽き足らず、近くの道路脇や、雑草が生い茂っているところまで手入れをし、花を植えたくなる人は少なくないのだろうと思います。明らかにそれとわかる場合もありますが、景観とマッチして、よく見ないと、なかなかそれと気づかないこともあります。

そういう花好き、ガーデニング好きの人はどこにでもいるようです。もちろん今に始まったことではなく、日本だけでもありません。海外にも、いろいろなスタイルで、花や緑を積極的に植える人たちが存在します。中には、グリーンゲリラとか、ゲリラガーデニングなどと呼ばれる、一見、物騒な名前の活動を行う人達もいます。

花の庭共通するのは、市街地の空き地や道路脇などの荒れ地に、言わば勝手に花などを植え、緑あふれる空間にする活動ということです。身近にある殺風景な場所に花や緑を植えることで、環境の美化に取り組む人たちで、NPOなど組織されたものから、友達同士の小規模なグループまで含め、世界各国に似たような活動が存在するようです。

行政がフェンスを張った空き地などに、種と肥料と水を混ぜた団子状の土を、ゲリラになぞらえ、緑の爆弾よろしく投げ込んだりする市民グループもあると言います。頼まれもせずに勝手にやるわけですし、自分たちの土地ではないわけですから、最初は不法侵入に問われたりということもあったようです。

しかし、空き地を緑化することは景観を改善するだけでなく、犯罪の防止になって治安も向上するなど、今はその活動が理解されるようになっていると言います。作物を植えようとしている農地でもなければ、普通は迷惑がかかるわけではないでしょうし、花や緑に癒されて、文句を言う人は少ないに違いありません。



それをグリーン・ゲリラと呼ぶか、花好きのご近所さんと呼ぶかはともかく、洋の東西を問わず、昔からあったわけですが、最近はそれを街ぐるみで推進する動きが出てきています。地域によって、いろいろな呼び方があると思いますが、一般にコミュニティーガーデンとして知られています。

地域にある未利用の土地などを使って、その地区の住民が自主的に花や野菜などを植え、育てる取り組みです。個人に貸し出す家庭菜園などとは違い、住民が共同で作業に当たるところが特徴です。一緒に作業をすることで、住民同士が交流を深めるきっかけとなり、コミュニティーが出来るというわけです。

バラのアーチ都会では、近所づきあいが希薄になっていると言われて久しいわけですが、これは、その意味でも有意義な取り組みです。ご近所が顔見知りになるだけでも、地域の防犯力は向上します。住民同士の連帯が高まることで、防災活動や災害発生時の避難、お年寄りの見守りなど、多くの波及効果が見込まれます。

もちろん、人工物ばかりで自然の少ない都会では、貴重なガーデニングの場、土をいじれる機会として、住民にも大好評です。自分で育てた野菜が食べられたり、子供に農作業や収穫の体験もさせられます。多くの自治体で、コミュニティーガーデン用の土地の利用を募集すると、応募が殺到するというのも頷けます。

自治体にとってもメリットは少なくありません。どこの自治体でも財政が悪化する中、公園整備などに予算が回らず、塩漬けとなっている土地が多くなっています。こうした土地を活用出来て、その維持管理コストが節約できます。しかも住民サービスにもなる一石二鳥です。

公園用などに取得した土地以外でも、活用しにくい細かい半端な土地もあるでしょう。経済情勢の悪化により、差し押さえられた不動産や、国に相続税として物納された土地の払下げなど、公園にするには中途半端な土地、利用価値の低い土地、売却したくても売れない土地を利用できるのもメリットです。

草花の魅力そのまま置いておいても除草などが必要になり、ただの未利用地として維持管理コストがかかります。これが、住民に管理を任せられる上に、安いとは言え利用料が入って来ます。無料の場合もあると思いますが、タダだと有効に活用されないこともあるからか、低額な利用料が設定される場合が多いようです。

未利用の空き地は犯罪や非行を誘発することも多いと言われています。治安の向上に貢献するのも大きな利点です。もちろん景観が向上し、都会の空気を浄化し、ヒートアイランド対策にもなります。空き地にゴミなど不法投棄されるのを防ぎ、その処理費用を低減する効果も見逃せません。いろいろ考えると一石二鳥どころではありません。

私は正直言って、ガーデニングにあまり興味のあるほうではありませんが、家人が借りた家庭菜園で手伝いをした経験などはあります。やってみると案外楽しいもので、無心になって作業に没頭しているのに気づくこともありました。土いじりの楽しさ、ガーデニングの人気は理解できます。

花壇たまに、花壇に植えられたチューリップなどの花が無残に切り取られる事件がニュースになります。何のための犯行かわかりませんが、ひどい話です。うさ晴らしに、傘などで薙ぎ払ったりする犯人もあるようですが、自分で丹精を込めて、植物を手入れした経験があれば、なかなか出来ることではないはずです。

現代人、特に都会の人には、土に親しんだり、植物を育てたりといった体験が不足しています。人類が古くから農業などの形で接してきた土や植物との関係は、DNAに刷り込まれた部分があると思いますが、都会の人には不足している栄養素のようなものなのかも知れません。

コミュニティーガーデンは、それを補う貴重な機会でもあります。もちろん、自発的な参加によるもので、強制するような話ではありません。ただ、経験がないと、その良さも分からないと思いますので、こうした活動を推進して広く参加を促し、もっと多くの人が体験できるようになるといいと思います。

自転車で走行していると、ゴミなどが不法に投棄されている場所も目にします。しかし、花が植えられ、きれいに手入れされているところには捨てられません。やはり、人間の感情として捨てにくいのでしょう。草花の手入れをして、街の美化という気持ちがわかってくると、なおさら捨てなくなるはずです。

ゴミ集積場に花のプランターを置くだけでも、ゴミ出しのマナーが向上すると言いますから、花の効果は強力です。コミュニティーガーデンが広がり、道端や未利用地にも草花を植える人が増え、緑が広がっていけば、ゴミを捨てる場所もなくなり、不法投棄が減ることも期待出来るでしょう。

道端やコミュニティーガーデンなどに草花を植えて手入れをしていると、そこは自分の庭のような気がして愛着がわきます。街全体がきれいになっていけば、自分たちの街への愛着も高まり、さらに街の美化が進むでしょう。それが、我が国土へと意識が広がっていけば、日本中がきれいになっていくかも知れません。

草花を植えて悪いことは、ほとんどないはずです。かたや良い影響が見込めることはたくさんあります。人々の気持ちが和むだけでも損はありません。ガーデニングが趣味でなく、詳しくもない私が言うのもナンですが、ガーデニングをもっと盛んにしていくのは、悪くない選択だと思います。


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この時期、土日はあちこちへ出かけています。すぐに暑くなりますし、梅雨もありますから、いい季節と言っても、あっという間ですからね。

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5月は好天が続きますが、綺麗な花も咲いて、気分が華やいできます。 いつも、買い物に行く八王子駅の広場では、ボランテイアの方々が、綺麗な花を飾って、毎週のように手入れしたり植え替えたり、私も楽しませてもらっています。        ところが、これはコミュニ...
コミュニティーガーデン【ヨッシーのページ】at May 31, 2010 11:23
この記事へのコメント
河川敷を勝手に不法占 拠して自分専用の畑にしたり、公園の空地で大麻草を育てたりのニュースを見ると余り良いイメージは有りません。正規の共同利用するにしても、この花が良いだの、野菜がなったら誰の物か揉めそうです。

私は公的な空地は公的な団体が行うべきと思います。例えば小学校に園芸クラブを作って、シルバー世帯の元教師や園芸好きな方に指導して貰うと、子どもに土と触れ合う機会が増えて、シルバー世帯には生き甲斐になります。

都内では違法なケシが自生しているそうです。
Posted by ジャムおばさん at May 21, 2010 06:15
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
まあ、草花を植える人の中にも、いろいろな人がいますからね。確かに、街の美化と治安の向上に貢献する人たちばかりではないと思います。
しかし、不法占拠や大麻なんて、ごく一部の話でしょう。コミュニティーガーデンでも、揉める人はいるでしょうけど、そんな人ばかりのはずがありません。
これだけ広がってきているのですから、素直にその事実に目を向けるべきではないでしょうか。
公的な団体が何を指すのかわかりませんが、NPOではいけないのでしょうか。自治体が自ら管理するのでなく、NPOや自治会など、住民グループに委託するからこそ意味があるわけで、当然、園芸好きな方に指導をしてもらっている場合もあるはずです。
Posted by cycleroad at May 21, 2010 23:40
広い意味での公的な団体のつもりで言いました。土に親しみたい人地域の人がが誰でも参加出来る所、自治会や子ども会等が主体になるのが一番だと思います。公共の土地で一部の人だけが楽しむ事無く、公平で有って欲しいだけです。

実は私も園芸好きなので、色々植えたい方です。
Posted by ジャムおばさん at May 22, 2010 20:55
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
地域によって事情はさまざまだと思いますが、コミュニティーガーデンは自治会など住民の自主的な組織が主体となるのが普通のようです。
募集する側の自治体も、公共の土地を一部の人にだけと非難されるのを一番恐れますから、公平さには気を使っているはずです。
多くは抽選などにしていると思います。ただ、自治体の動向に気をつけている人と、そうでない人だと、知らないがゆえの、不公平感が出てしまうかも知れませんね。
Posted by cycleroad at May 23, 2010 23:25
 
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