May 24, 2010

最悪のタイミングという必然

間が悪いことというのは、しばしば起こります。


ちょっとズレていれば、なんてことはないのに、よりによってこのタイミングで、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。運が悪いというのか、ついてないというのか、ここしか無いという最悪のタイミングで起きてしまうことというのは、意外にあるものなのかも知れません。

もうずいぶん前のことのように思えますが、3か月前のバンクーバーオリンピックでも、そういう場面はありました。多くの方が覚えてらっしゃると思いますが、男子フィギュアスケートの織田信成選手のスケート靴のひもが切れたのも、オリンピック本番最中という、まさに最悪のタイミングでした。

後から明らかになった情報によれば、ひもは切れかかっていたのだと言います。しかし、ひもを新しくしてしまうと、微妙な感覚が変わってしまうので、そのまま騙しだまし履いていたわけです。普通の人には思いもよらない話ですが、一流選手にしか分からないデリケートな部分なのでしょう。

フィギュアスケートの特別展実は、盒饗臺總手の靴ひもも切れかかっていたそうです。でも、やはり感触が変わるのがイヤで、そのままにしていたと言いますから、例え切れかかっていようと、本番を前にひもを変えたりしないのは、一流選手の間では、ごく当たり前のことなのかも知れません。

しかし、盒饗臺總手の場合、本人は全く気づかなかったそうですが、コーチがこっそり前日にひもを交換しており、本番で切れることはありませんでした。結果、高橋選手がメダルを獲得したのに対し、織田信成選手はよりによって本番中にひもが切れてしまい、涙を飲むことになってしまいました。

それにしても、本番前日に交換しないのは仕方がないとしても、もう少し前、切れかかる前にひもぐらい、あらかじめ交換しておけばいいのに、と思った人は多いのではないでしょうか。いくらなんでも、一週間やそこらで切れることはないでしょうし、定期的に交換しとけよ、とツッコミを入れたくなった人も多いに違いありません。

では、そのツッコミを入れたくなった人、自分は定期的に交換しているでしょうか。くつのひもではありません。普通の人の靴ひもが切れても、問題にはならないでしょう。ビンディングシューズのひもだったとしても、突然切れて問題になることは少ないと思います。

ブレーキケーブル定期的に交換すべきなのは、自転車のブレーキワイヤーです。滅多に切れることはないと思いますが、とっさのブレーキ、いわゆるパニックブレーキをかけると、通常よりも強い握力で握ることになるので、ワイヤーが劣化していた場合、一気に断裂することも充分あり得ます。

わずか1〜2ミリのワイヤーですから、劣化していれば突然切れても不思議ではないですし、完全に切れないまでも、ワイヤーがほつれて伸びてしまい、ブレーキが効かなくなることも考えられます。それがまさに急制動したい時、パニックブレーキをかけた時という「間が悪い」時に起きてしまうという可能性も高いわけです。

パニックブレーキでなくても、ブレーキを多用している最中に切れることも考えられます。例えば峠道の下りなどで切れたらと想像するとゾッとします。ブレーキワイヤーが最悪のタイミングで切れたら、それこそ命にかかわる事態です。その意味から言えば、深刻さはフィギュアスケート選手のスケート靴のひもの比ではありません。

ブレーキシューついでに、ブレーキシューも消耗品であり、すり減っていなかったとしても、紫外線などによって劣化が起きます。使い方によりますが、通常その寿命は2年ほどと言われています。もちろん普段から走行前に点検しておけばいいことですが、意外とブレーキワイヤーやシューの劣化を見過ごしている人は多いのではないでしょうか。

ブレーキワイヤーは細いですが、更に細いワイヤーをよって出来ています。それがほつれていたり、サビが出ていたりすることで、断裂の危険が出てきます。ブレーキのパーツというのは、いわば命を預けている部品ですから、早めの余裕を持った交換を心がけたいものです。

サイドプル、センタープル、カンチレバー、Vブレーキなど、乗っている自転車によってブレーキのタイプは違い、交換のしやすさも違ってきます。自転車のパーツはシンプルですので、慣れれば、ほとんどの部分が自分で交換出来ますが、自信が無ければ、自転車店に依頼したっていいわけです。交換後は、初期伸びの調整等も必要です。

ブレーキキャリパーVブレーキ

パーツを自分で交換するようになれば、愛着も増しますし、日々の点検や調整のやり方なども分かって来ます。特にブレーキの信頼性は重要です。ブレーキの状態が良ければ、乗っていても気持ちがいいですし、自分でメンテナンスすれば、何より安心して乗ることが出来るはずです。

ブレーキレバーサビやほつれを放置しておけば、大きな力がかかった時、すなわち最悪のタイミングで切れやすくなります。これに関しては、間が悪いことが起きるのも道理です。織田選手は、当然切れかかっていることを知っていて、そのリスクを承知で交換しなかったのでしょうけど、ブレーキの場合、知っていて交換しないという判断はありえません。

4年間の努力が水泡に帰すというのも気の毒ですが、命を失ったり、人に大怪我をさせたら、目も当てられません。「オリンピックの本番前なのだから、スケート靴のひもくらい交換しとけよ。」と思った人は、「自転車に乗るのだから、劣化したブレーキワイヤーくらい交換しておけよ。」とならないよう気をつけたいものです。


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出来もしないのに、最低でも県外などと無責任なことを言い、今さら、抑止力のためはないでしょう。そんなことは最初からわかっていた話です。期待が大きかっただけに、怒りや落胆が大きいのは、普天間問題だけ、沖縄県民だけではなさそうです。


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気づかないうちに鈍る切れ味
ちょっと手入れをすれば、見違えるように乗りやすくなることもある。



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この記事へのコメント
最近はタイミング無視して人の前に車線変更してそのまま左折右折する車に合います、困ったものです。
それはいいとして、ブレーキワイヤーの交換は大切ですね、毎日乗ってる方は1年に1回インナーだけでも交換しましょう、シューはギザギザの部分が無くなったら交換しましょう。
あと軽視しがちですが、乗る前のブレーキの点検確認は必ず行いましょう、マナーです。
自分の身も心配でしょうが、人を巻き込む危険だってあるんですから。
Posted by 小径者 at May 25, 2010 22:58
本当に各部品のメンテナンスって大事だと思います。それを気づく為にはよく掃除をすると部品を見ていると変化がわかります。

自転車は最近、精密機械なのかもと思っています。月に1回は必ず掃除すると部品の磨耗がよくわかっていいですよ。
Posted by Supple at May 26, 2010 06:41
ホムセンで売られてるようなママチャリをメンテする人は皆無だと思います。私もシティサイクルに乗ってた頃は、タイヤが凹んできたら自転車屋でポンプを借りて空気を入れる程度で、フレームやチェーンの錆びなんて気にもしていませんでした。

しかし、それなりに高価(自分としてはですが)な自転車に乗るようになってからは、自分なりに掃除・注油やワックス掛けなどメンテするようになりました。

ママチャリだってメンテが必要と頭で分かっていても、消耗品という意識があるのでそれを実践するのはなかなか難しいもんです^^;
Posted by Mr.ポテトヘッド at May 26, 2010 11:35
小径者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車のスピードがわかっていないのでしょうけど、追い越しざまに左折するクルマもいますね。こちらがブレーキをかけないと突っ込みそうなくらい、きわどかったりします。
このプログを読んでくださっている、キャリアの長い多くのサイクリストの方々には釈迦に説法ですが、そうした部分に無頓着な人も、けっこういます。気にしないと言うか..。
おっしゃるように、整備不良の自転車は、即周囲に迷惑をかけかねませんね。ブレーキが効かないまま突っ込んで来られたのではシャレになりません。
Posted by cycleroad at May 26, 2010 23:25
Suppleさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
一般的な意味で、いわゆる精密機械とは呼ばないでしょうけど、最近のグレードの高いコンポなど、自転車のパーツの精密度は高いです。そういう意味では、精密な機械ですね。
確かに、まめに掃除をしていると、状態が把握できます。おっしゃるように、メンテナンスにつなげる上でも、清掃は大事ですね。
Posted by cycleroad at May 26, 2010 23:33
Mr.ポテトヘッドさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、両方持っている人でも、ママチャリとスポーツバイクでは、メンテの仕方が違うと思います。
乗り方も違うでしょうし、家での保管方法も違うでしょう。もともと、製品としてママチャリは、メンテナンスフリー志向ですし、チェーンカバーなどがあったり、構造的にメンテしにくいのもあります。メンテが疎かになるのも、ある程度仕方がない部分でしょう。ママチャリは、雨ざらしでも平気な人は多いはずです。ただ、そのぶんママチャリは頑丈に出来ていますが..。
自転車は、メンテをすれば、そのぶん確実に快適になりますし、安心して走行できます。気分もいいです。
それはママチャリでも同じですが、どうしても疎かになりがちなのは、やはり値段が違うというのもあるでしょうね。
Posted by cycleroad at May 26, 2010 23:45
 
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