May 30, 2010

のんびりブランコにゆられて

昔と比べて様変わりしたものはいろいろあります。


住居もその一つです。特に都市部ではマンションなどの集合住宅が多くなりましたし、一戸建ての住宅にしても、昔ながらの日本家屋は少なくなってきました。例えば、昔の家屋にはあたりまえのようにあった「縁側」などは姿を消し、それに伴って生活のスタイルも変わりました。

Photo by 663highland,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.縁側に出て夕涼みをしたり、日なたぼっこをすることもなくなりました。ご近所さんが玄関から上がるのではなく、庭先をまわって、縁側に座り込んで話しこんでいる光景も見なくなりつつあります。縁側は、お茶を飲んだり、将棋を指したり、近隣の人とのコミュニケーションの場でもあったわけです。

下町では当たり前のように見られた光景ですが、近頃はご近所づきあいも希薄になりましたし、縁側に出て夕涼みするより、冷房の効いた居間でテレビを見るのが普通になりました。縁側が無くなって、こうなったのか、こうなったから縁側が無くなったのか、いずれにせよ様変わりしつつあります。

この日本家屋における縁側と似たものが、アメリカの住宅にもあります。それはフロントポーチと呼ばれる構造です。よくアメリカ映画にも出てきますが、アメリカの住宅の玄関の脇に設けられたスペースです。椅子が並べられていたり、ポーチブランコとかポーチスイングと呼ばれるブランコがつけられていたりします。

Image Front Porch, www.vadeck.comImage Porch Swing, www.thisoldhouse.com

イメージ的には、ポーチブランコや、フロントポーチに置かれたロッキングチェアに座ったおばあさんが、椅子を揺らしながら編み物をしていたりする感じでしょうか。やはり縁側と同じで、このスペースで夕涼みをしたり、昼寝をしたり、外気に接してくつろぐスペースです。

通りに面しており、開かれていますから、近所の人が来て談笑したりもします。日本の縁側と似た役割、位置づけと言えるでしょう。しかし、古くからあるアメリカ住宅の特徴的な構造のフロントポーチも、最近、特に都市部では姿を消しつつあると言います。このあたりも縁側と似ています。

フロントポーチでくつろごうにも、都市部では行き交うクルマの騒音や排気ガスを浴びることになってしまいます。それよりは冷房の効いた居間でテレビを見ていたほうがいいでしょう。ご近所との交流にしても、都市部では希薄になりつつあるのは日本と変わりません。

縁側と言うと、祖父母の家にあったなどと懐かしく感じる日本人は多いと思いますが、アメリカ人にとってのフロントポーチも、郷愁を感じる存在なのかも知れません。そのフロントポーチに取り付けられたポーチブランコにも、思い入れがあるアメリカ人は少なくないのでしょう。

The SteamRollerPortable Porch Swing

ポーチブランコが懐かしかったのか、ポーチスイングに座ったまま移動出来たら便利と考えたのかわかりませんが、ポーチブランコを自転車にしてしまった人がいます。単に並列の車輪の2人乗り二輪車というだけではなく、シートが前後にスイングするところがポイントです。まさに移動するポーチブランコです。



動画を見るとわかりますが、左右に並んで座った2人が、それぞれ1輪ずつをこいで回すように出来ています。ハンドルがないので、曲がる時は、曲がる方の人がこぐのを止めて、そちら側へ曲がるわけです。逆回転も出来ます。2人が息を合わせないとうまく走らないのもユニークなところです。

並列2輪作者は、その形からスチームローラー(The SteamRoller)と呼んでいます。スチームローラーとは、日本で言うところのロードローラー、道路を舗装する時に使う工事車両、アスファルトを固めるローラーのことです。別名、“Portable Porch Swing”、運べるポーチスイング、ポーチブランコと言うわけです。

ちなみに、前後の2輪ではなく横に並列の2輪と言うと、日本だったらリヤカーとか、大八車とか、人力車とか、何かを運ぶ車両が思い浮かびます。アメリカ人の場合は、並列の2輪でも自分でこぐ乗り物が発想されるのかも知れません。セグウェイなんかも並列の2輪の乗り物です。

セグウェイはハイテクを駆使して開発され、確かにその技術は先進的です。でも発売前、世界的に関心を集めたわりには、フタを開けてみると、立って乗る近距離用の電動カートという意味で平凡な乗り物に過ぎず、非常に高価なのにスピードも遅く、実用上は自転車の代わりにもならないと評判を落としました。

Legway



Legway

この方、そのセグウェイに似た、“Legway”という手作りの並列2輪も作っています。さらにシンプルな“Universe Cycle”というのもあります。近距離の移動ならハイテクを使い、資源やエネルギーを消費しなくても、自分の足でこぐ、自作のシンプルな乗り物でも充分という意味では痛烈な皮肉です。

Universe CycleUniverse Cycle

クルマの発達や冷房の普及など、現代生活が便利で快適になったのは間違いありません。縁側やフロントポーチが姿を消し、街が様変わりしていくのも仕方がないのでしょう。ただ、そんな忙しい現代社会の中でも“Portable Porch Swing”のような乗り物でのんびり移動するので充分、あるいはかえって魅力的な部分もある気がします。


    
    


ここのところ北日本や東日本では、また気温が低くなっています。自転車に乗るぶんには、かえって好都合ですが、農作物への影響などが懸念されますね。

関連記事

宿・ホテル予約ならじゃらんnet新しい都市の乗り物への挑戦
左右並列の2輪という形は、これもその仲間と言えるかも知れない。

自転車は寡黙な乗り物なのか
左右に並んで乗ることが出来るタンデム自転車というのも存在する。

子どもの頃の発想を形にする
自転車を自作して楽しむ人というのは、意外に多いのかも知れない。



このエントリーをはてなブックマークに追加




Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。

にほんブログ村自転車ブログへ
 自転車・サイクリングの人気ブログが見られます。













この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/cycleroad/51648348
この記事へのコメント
懐かしい縁側の写真があったので・・・

かなり前に僕は「縁側文化」という言葉を使っており、この言葉は自分が使いだしたんだと自負してネットで調べたら、すでにいくつかのサイトで使われていました。

僕のホームページのトップに「子供をほめよう」と書いていますが、縁側が作り出した文化が廃れてしまい、子供への関心も薄くなっていったと思っています。
縁側の持つコミュニケーション能力に多くの人が気付き「縁側文化」の言葉を使われていたんだと思います。
もう家を建てることはありませんが、今度は縁側のある家を建てたい。
フロントポーチもいいですねぇ。こんなところでコーヒーを飲みながら、ゆっくりと読書したい。
Posted by トンサン at June 05, 2010 10:55
トンサンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、縁側が作りだす日本独特の文化と呼ぶべきものはあるでしょうね。
そして、コミュニケーションの場としての縁側が廃れたことと、少子化、核家族化と相まって、日本の家族の形も変わってきたのでしょう。
縁側は、家と外の際とか、近所の人との関係を演出する部分があると思いますが、似たような役割のものが、アメリカにあるのも興味深いところです。
おそらくヨーロッパやアジアにも、それぞれ似た役割を持つ構造や、場のようなものがあるのでしょうね。
Posted by cycleroad at June 06, 2010 23:08
 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)