June 08, 2010

楽しみながらリスクを減らす

日本で去年1年間に死亡した人は114万人余りです。


厚生労働省のまとめによると、そのうち、がんによる死者は34万人4千人に上っています。死因としては全体の約3割を占め、統計を取り始めた明治32年以降、最多となっています。次いで、心不全や心筋梗塞などの心疾患が16%、脳梗塞や脳内出血などの脳血管疾患が11%と続きます。

先端医療もがんは、1981年以降29年連続で日本人の死因第1位ということになります。男性は肺がんがもっとも多く、次いで胃がん、大腸がんの順です。女性は大腸がんがもっとも多く、次いで肺がん、胃がんと続きます。男女ともに肺がんや大腸がんが増加傾向にあると言われています。

今や、日本人のおよそ2人に1人ががんになり、約3人に1人ががんで亡くなる時代です。死因のがんの割合が増えたと言うことは、がんにかかりやすくなったようにも見えますが、がんの脅威が高まっていると言うより、他の疾病の死亡率が減少したことで、結果的にがんの割合が増えているということもあるのでしょう。

昔は、言ってみれば、がんになる前に亡くなっていた人が多かったわけですが、他の疾病で死ななくなったことで、つまり日本人の寿命が延びた結果、がんにかかる人が増えたという面もあるのでしょう。長生きになったぶん、誰でもがんにかかるようになってきたというわけです。

医療の進歩かつては、がんと言うと不治の病のように思われていた時代もありましたが、今は克服される方も大勢います。今や2人に1人がかかる身近な病気となり、日進月歩でがん医療も進歩しています。がん検診の普及ともあいまって、治療技術の発達により、急速に治癒率が向上しているがんもあります。

とは言え、死亡原因の1位であり、手ごわい病気であることには間違いありません。原因は発がん性物質、遺伝、活性酸素、免疫力の低下など、いろいろ言われます。部位によっても違うと思いますが、がんは加齢と共にリスクが高まり、言わば必然的に発生してくる病気のように思われています。

ところが、最近は、がんは予防できる病気だとする考え方が広がって来ました。予防可能ながんとして知られているのが、ワクチンで防げる子宮頚がんですが、ほかにも、多くのがんは食生活や生活習慣の改善などで予防できると言います。確かに、がんの原因を取り除けるならば、リスクが下げられるわけです。

がん医療の進歩DNAの変異を誘発したり、免疫力を低下させるような要因を、間違った食生活や生活習慣を改めたりすることで防げるとするなら、言ってみれば、がんは生活習慣病の一種と言えるのかも知れません。もちろん、がんを予防する物質を摂取したり、免疫力を高めることも予防になるのでしょう。

よく言われるのは、喫煙、他人のタバコの煙、過度の飲酒、肥満、塩分の取り過ぎ、脂肪分の取り過ぎ、熱い飲み物を飲むなどでしょうか。一方、リスクを下げる可能性があるものは、食物繊維や、大豆、魚、果物、ビタミン類、カルシウムなどが挙げられるようです。

このあたりは、比較的よく聞く話です。しかし最近は、運動不足もがんの要因になることがわかってきました。がんと運動の関係を調べた研究は多いと言います。アメリカなどでも、数十万人を数年間にわたって追跡するような大規模な調査が実施されています。

技術の進歩研究や調査によって当然バラツキはありますが、日常の運動量の多い人は、少ない人に比べて、10%から30%というような割合で、がんになる確率が減ったり、死亡した人の割合が低かったりしています。運動をほとんどしない人は、胃がんや大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がんなどになりやすいという報告もあります。

運動によるがん予防のメカニズムも研究されています。運動することによって、細胞分裂を促すホルモンの分泌が下がるとか、逆に運動によって、発がんを抑制する物質が活性化されたりすると言います。メカニズム的には、まだ解明されていない部分も多いですが、がんの予防に運動が有効というのは一致した見方のようです。

肉体を多く使う仕事に従事している人ほど、がんになりにくいという結果も出ています。国立がん研究センターは、がんを防ぐための12ヵ条を発表していますが、この中にも運動の項目が入っています。参考までに、その12項目は次の通りです。


がんを防ぐための12ヵ条

 1.バランスのとれた栄養をとる −いろどり豊かな食卓にして−
 2.毎日、変化のある食生活を −ワンパターンではありませんか?−
 3.食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに −おいしい物も適量に−
 4.お酒はほどほどに −健康的に楽しみましょう−
 5.たばこは吸わないように −特に、新しく吸いはじめない−
 6.食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる −緑黄色野菜をたっぷりと−
 7.塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから −胃や食道をいたわって−
 8.焦げた部分はさける −突然変異を引きおこします−
 9.かびの生えたものに注意  −食べる前にチェックして−
 10.日光に当たりすぎない −太陽はいたずら者です−
 11.適度にスポーツをする −いい汗、流しましょう−
 12.体を清潔に


運動のタイプは、やはり有酸素運動が有効なようです。有酸素運動が脂肪を燃焼して肥満を是正することや、糖尿病や高脂血症、高血圧症など、いわゆる生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防になるのは知っていましたが、がんにまで有酸素運動がいいとは意外な感じもします。

考えてみれば、人類の長い進化の歴史の中で、現代ほど飽食の時代はありません。人類の歴史のうち、ほとんどの期間は飢餓と隣り合わせでした。それが、これだけ短い間に栄養状態がよくなり、肥満が増えれば、いろいろな疾病に見舞われやすくなるのは、ある意味必然なのでしょう。

子宮頸がんワクチン集団接種同じように、人類は長い間、危険から逃れたり、食糧を得たりするために、非常に活発な身体活動を行わざるを得ませんでした。それが、ここへ来て化石燃料などを使うことによって、急速に身体を動かさなくなっています。そうしたスパンで考えれば、運動不足が身体の異常をもたらすのも自明、がんをひき起こしても不思議ではありません。

生活習慣病やメタボに自転車がいいというのは、もはや常識です。これまでにも、認知症予防にいいとか、うつ病予防になるとか、寝たきり予防になるなど、自転車の健康上のメリットをさまざま取り上げてきました。さらに、がんにまで効くとはトクした気分です(笑)。

2人に1人ですから、いずれ覚悟が必要だとしても、もしならないで済むなら、それに越したことはありません。もちろん、予防だけではなく、がん検診による早期発見や早期治療が重要です。予防も運動だけではダメでしょうが、少なくともリスクが減るのであれば、運動習慣を続けていきたいものです。


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菅内閣が発足しました。支持率は急回復し、国民の期待は高まっているようです。期待が大きかったぶん失望も深かった、前首相の轍を踏まぬよう頑張ってほしいものです。

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うつ病の予防に関しても、身体を動かすことが有効と言われている。

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お年寄りの寝たきり防止には、徒歩より自転車のほうがいいらしい。



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