June 17, 2010

役に立たなければ意味がない

長持ちさせるだけでなく、安全のためにもメンテナンスは重要です。


ただ、メンテナンスと言うと、自転車の本体やパーツに関してのことと考えている人がほとんどでしょう。せいぜい、あとはビンディングシューズくらいでしょうか。しかし、メーカーは、ヘルメットにもメンテナンスが必要なことを忘れないでほしいと言います。

Giro(ジロ) INDICATORLAZER(レーザー) 2X3M SPORT



そんなに難しいメンテナンスではなく、基本的には使った後に乾かすのが重要ということです。雨や汗などで濡れたヘルメットは、しっかり水分を取り除かないと、ヘルメットの内部の緩衝材に使われている発泡スチロールが劣化してポロポロになってしまい、イザという時に役に立たなくなるからです。

よく、魚や冷凍食品などを入れる発泡スチロールの箱が、スーパーの裏などに置いてあったりしますが、確かに雨ざらしになった発泡スチロールは劣化してポロポロになるようです。軽くてクッション性が高い発泡スチロールですが、水には弱いので、雨ざらしなんてもってのほか、使用後はよく乾かして保管することが必要なのです。


一方でヘルメットの外側、シェルに使われているFRPやABS樹脂、プラスチック系の部品は、熱に弱くなっています。乾かすと言っても暖房器具などに直接当てて乾かすのは厳禁です。クルマの中など、温度が上がる場所に置いておくことも避けなければなりません。

水や熱以外に、有機溶剤などにも弱いので、ラッカースプレーなどを使って自分で塗装すると、素材が変質して弱くなってしまう可能性があります。もう一つ、うっかりしがちなのが衝撃です。強い衝撃が加わると、ヘルメットはその衝撃を吸収して、内部の発泡スチロールがへこんでしまいます。

衝撃を吸収するのがヘルメットの役目ですから当然ですが、問題は元に戻らないことです。発泡スチロールの箱などで試してみるとわかりますが、一度潰れてしまうと元に戻りません。外見は問題なくても、内部の発泡スチロールがへこんだままになってしまい、中に空洞が出来ている可能性があるのです。

そうした状態だと、元のような衝撃吸収力は期待できません。一度、事故などで衝撃が加わったヘルメットが、見た目に問題なくても使えないというのは、このためです。事故でなくても、ヘルメットを不用意に落としたりすると、衝撃吸収力が弱くなってしまっている可能性があります。


ヘルメットを投げたり、ヘルメットの上に座るのも同じ理由から厳禁です。そうでなくても、ヘルメットは経年劣化により、性能が落ちていくとされています。メーカーのつくる業界団体によれば、ヘルメットの性能の有効期間は購入後3年、粗末な扱いをすると、さらに寿命が縮むとしています。

自転車用のヘルメットは、その用途に似合わず、デリケートな用具というわけです。丁寧に扱い、乾燥させておくのはいいとしても、そうすると、一番重要なメンテナンスは、ヘルメットが劣化して充分な性能を発揮できないことが無いよう、確認しておくことになってきます。

しかし、中の発泡スチロールがへこんで空洞が出来ていないかなんて、見てもわかりません。見えないのに、安全性が維持されているか判断するのは困難です。メーカーの言う性能の有効期間を信じないわけではないですが、事故もないのに、3年で定期的に買い替える人は多くないはずです。

Crash helmet with a useful smellこの課題に解決策を示したのが、ヨーロッパ最大の応用研究機関であるドイツのフラウンホーファー研究機構の研究所の一つ、フラウンホーファー材料メカニズム研究所(Fraunhofer Institute for Mechanics of Materials )です。その方法は、なんと臭いで破損を知らせるというものです。中のスチロールが破損すると、臭いが出るのです。

このフラウンホーファー研究機構は日本にも代表部を置いており、ヨーロッパ最大と言いますから相当に権威ある研究機関のようです。サイトを見ると、「癌の早期発見を促すセンサー」、「宇宙向け超精密光学システム」、「レーザー溶解による骨置換技術」といった難しそうな研究成果が並んでいます。

そんな中に、「匂いで破損を知らせるヘルメット」というのが並んでいるところが、なんとなく可笑しく見えてしまいます。学術的な評価は私には出来ませんが、匂いで破損を知らせるといっても、簡単そうに見えて、実はかなり高度な技術なのでしょう。

同研究所の Christof Koplin 博士によれば、ヘルメットの緩衝材の内部に、臭いの出る物質を閉じ込めたマイクロカプセルが組み込んであると言います。通常は、高気密なメラミンホルムアルデヒド樹脂の層で保護されていますので臭うことはありません。しかし、一旦緩衝材が潰れて壊れると、臭いの分子が放出されるという仕組みです。

OGK LEFF小さなクラックが出来ると、徐々に臭い始めます。大きな断裂となると、すごい悪臭がすると言います。逆に言うと、臭いがしないうちは、ヘルメットを交換する必要がないことになります。誰でも簡単に、ヘルメットが性能を維持しているかどうか確かめられるわけです。安全にも大いに貢献するでしょう。

もちろん、この技術は臭いセンサーと組み合わせることで、確認の難しい場所にある配管の断裂など、他の用途に応用することも視野に入れられています。高温高圧にも耐えるので、いろいろな分野で、経年劣化などによる見えない破損を知る技術として、重要な役割を果たす可能性があります。

残念ながら、どんな臭いがするのかは書いてありません。すでに使っているヘルメットが、汗でスゴイ臭いがするという人もあると思うので、相当強烈な臭いが必要になりそうです(笑)。ただ、少なくともヘルメットメーカーにとっては、速やかに買い替えを促すわけですから、案外早く市場に出てくる可能性があるでしょう。

ヘルメットに寿命があることを知らなかった人、腰かけたり、乱暴に扱っていたという人も多いと思いますが、これが製品化されたら、そうはいかなくなります。近い将来はメンテナンスのため、食品が腐ってないか確かめるみたいに、ヘルメットの臭いをクンクンかぐ(笑)のが普通になるのかも知れません。


    
FOREVER 21 Japan    


私はしっかり見ましたが、周囲にはカメルーン戦を観戦しなかった人も少なくなかったようです。やはり、かなり盛り上がりを欠いていたのでしょう。でも、これで期待も高まってきましたね。楽しみです。

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最近ヘルメットにも、いろいろなデザインのものが増えてきている。

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見た目には分かりづらくても定期的に交換すべきものは当然ある。

いかに危なっかしく見せるか
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この記事へのコメント
作業用ヘルメットの内側の発泡スチロールは暑いからと外している人はよく見掛けました。作業用ヘルメットは外側のプラスチックで頭を守ると思っていました。私がアンパンマンに興味を持ったきっかけは、子ども用自転車用ヘルメットのアンパンマンでした。10年近くの自転車用ヘルメットは作業用ヘルメットと同様に厚いプラスチックで覆われていました。そのヘルメットが傷んで新しく買おうとしたら、発泡スチロールに薄いフィルムがついているだけでびっくりしました。作業用ヘルメットみたいに発泡スチロールを捨ててしまうと薄いフィルムしか残りません。発泡スチロールだけで頭守れるのか不思議でした。勿論、私は発泡スチロールを捨てた事は有りませんが、外側のプラスチックが欲しいです。

昔の自転車用ヘルメットは通気穴が無かったので、雨が降った時の雨よけになりました。

ママチャリに似合う大人用自転車ヘルメットが欲しいこの頃です。 
Posted by ジャムおばさん at June 19, 2010 14:56
自分を出品する大学生
携帯URL

http://auction.mobile.yahoo.co.jp/p/auction/page/view?aID=n89917404&guid=ON

買い手は現るか?

パソコンからは知恵袋で
高木郁枝で検索。
Posted by ア at June 19, 2010 23:00
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
作業用もそうですが、オートバイ用のヘルメットなんかでも、緩衝材を剥がして乗っている人がいました。道交法上しかたなくかぶっているだけで、頭部保護については、気にしていない人もいるようです。作業用もそうですが、事故が起きる可能性を考えていないのでしょう。
最近はいろいろなタイプのヘルメットがあるようですね。フィルムだけになってしまうものもあるんですか。
ヘルメットは消耗品なわけですが、使い捨てにせず、緩衝材だけ変えられるといいかも知れません。
今のヘルメットでも、雨が降ったらレインカバーをかけることで、雨よけになります。
大人用でカジュアルな感じのヘルメットもありますよ、右下のcycleroadにリンクをしておきましたので、ご参考まで。
Posted by cycleroad at June 20, 2010 23:02
アさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車で日本一周したいから、その資金を稼ぐために自分を出品ですか。普通にバイトするとか、自炊しながら旅をする気はないんでしょうね。
それとも話題づくりを狙っているのでしょうか。(その後、少し内容が変えられたようですが..。)
面白い情報、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at June 20, 2010 23:13
 
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