July 05, 2010

自転車の使い方にも差が出る

トヨタ自転車が、レクサスなどのリコールを届け出ました。


時事通信の記事から引用します。


レクサス、節目の年に痛手=リコール続発で正念場−トヨタ

トヨタ自動車は5日、高級車「レクサス」など8車種のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。エンジン部品に不具合があり、最悪の場合は走行中に停止する恐れがあるという。レクサスは、5月にもハンドル制御装置の不具合で4車種をリコールするなど品質問題が続発。来月末で国内展開から丸5年を迎えるトヨタの最高級ブランドは正念場に立たされている。

レクサスは、トヨタが1989年に米高級車市場をターゲットに導入。米国での成功を引っ提げ、2005年8月に国内展開を開始した。しかし、仮想敵としたベンツなど高級輸入車の牙城を崩すには至らず、販売台数が目標を下回る苦戦に直面。金融危機が起きた08年には、前年比25.4%減もの大幅ダウンを強いられた。

その後はハイブリッド専用車の投入などで顧客層を拡大。政府のエコカー購入支援策の後押しもあって昨年後半から巻き返しに転じていたが、今回のリコールで冷や水を浴びせられた格好だ。(2010/07/05 時事通信)


レクサスは、今年5月にも、ハンドルの不具合で国内外の1万台あまりをリコールしたばかりです。また、レクサスブランドは、アメリカでも6月に1万7千台をガソリン漏れでリコールにして販売を見合わせたほか、2月にもブレーキの不具合でリコールしています。

技術的な内容はよくわかりませんが、ニュースで見ている限りでは、走行中にエンジンが停止するとか、ハンドルの不具合とか、ガソリン漏れとかブレーキとか、高級車とは思えないような不具合が連続している印象です。これだけ品質問題が続出すれば、正念場と書かれても仕方がないでしょう。

レクサスもちろん、リコール続きはレクサスに限ったことではありません。昨年から今年にかけてのトヨタ車の大規模リコール問題は、北米のみならず、中南米、ヨーロッパやアフリカ、中東、中国と世界中で7百万台の規模に広がりました。アメリカ議会の公聴会にトヨタの社長が召喚され、会見で謝罪したのも記憶に新しいところです。

アクセスペダルが戻らなくなるといった苦情を無視し、結局は大規模リコールに至った一連の騒動に対し、トヨタの品質に対する驕りが招いた、安全を犠牲に利益を追求した、リコールの費用を浮かせるためだったといった非難も相次ぎました。真実はどうであれ、販売は大幅にダウンし、イメージ的にも大きな痛手となったのは間違いありません。

日本でも、プリウスのブレーキが問題となりました。これを運転者の感覚の問題だとして、運転者の責任に転嫁するかのような発言をして多くのユーザーの反感を買いました。結局、こうした発言がきっかけとなってリコールに追い込まれ、社長が再び謝罪会見を開く羽目に陥りました。

その後も他の車種でプロペラシャフトなどの不具合のリコールが続き、オイル漏れの可能性があるとして、国内外で160万台で自主改修するなどの措置も発表されています。そして今度はレクサスなど高級車種のリコールです。問題が続出している感があります。

技術的な問題はよくわかりませんが、ここまで問題が大きくなった背景には、対応のまずさ、判断の誤りといったところにも原因があったような気がします。つまり経営的な問題であり、ネット上で「こども社長」と揶揄されるような未熟としか言いようのない稚拙な部分を指摘されても仕方が無いところでしょう。

レクサスレクサスは、日本での販売が極度の不振だと聞きます。クルマの販売事情については詳しくないので、その理由についてはよくわかりませんが、デザインが悪い、個性が無い、売り方が殿様商売だ、ブランドイメージが悪いなど、いろいろ言われています。明らかに戦略の失敗だと指摘する人も多いようです。

同じエンジンのトヨタ車を、多少パーツを変えてレクサスにした途端、何百万円も値段が違うなんて、ユーザーをなめているという話も聞きます。そのほかにもいろいろ言われていて、少なくとも日本で不評なのは確かなようですが、トヨタにもメンツがありますから、売れなくても、おいそれと撤退は出来ないのでしょう。

レクサスのクルマを悪く言うつもりはありません。レクサスに乗っている方にすれば、売れていようがいまいが、あまり関係のないことでしょう。しかし、意地とプライドをかけた最高級ブランドの不振、追い打ちをかけるようなリコールの連続です。トヨタはいったいどうしたのでしょうか。

日本を代表する企業が、大規模リコール問題で、日本の他の製品の信頼性まで疑われかねないほど、大きなイメージダウンです。2兆円もの営業利益を上げていた超優良企業であり、世界一の販売台数を目指し、また品質管理のお手本のように言われていた企業の、あまりにも急激な暗転に驚くばかりです。

豊田社長の会見を見ると、なんとかイメージを挽回しなければという切実な思いが伝わって来ます。でも、大切なのはトヨタという名前のついたクルマを守ることであり、信頼の回復は第一でも、顧客の安全が第一という姿勢は伝わって来ないと感じた人も多いのではないでしょうか。

レクサスは、「地球を想う」など、エコなイメージを強調しています。しかし本当に地球にことを考えるのなら、そもそも大排気量のエンジンや日本の公道では使いようの無いパワーを誇るのは矛盾しています。ブランド戦略、あるいは販売戦略が疑問と言われても仕方がない部分でしょう。

当然、市場には高級車のニーズもあるでしょうし、そういうクルマを欲しがる人もいます。しかし、無理やりエコだと言い張って売ろうとするから、高級車が欲しい人にもソッポを向かれてしまうのではないでしょうか。今どき、エコと言わなければ売れないと考えるのかも知れませんが、中途半端で、チグハグな感じがします。

レクサスの自転車

昨年のロサンゼルスのモーターショーでは、なんとレクサスブランドの電動アシスト自転車まで登場させています。それでも、レクサスブランドの自転車を発売するつもりはないと言います。では何のための自転車の出展なのでしょうか。まさか自転車のエコ・イメージにあやかろうと言うのでしょうか。

しかし、この自転車のセンスの無さは、多くの自転車乗りからも笑われています。おそらく有名なデザイナーがデザインしたのでしょうけど、フレーム剛性などを考えているとは思えず、奇をてらっただけのスタイルに見えます。電動アシスト自転車ですが、このフレームでわざわざ小径のタイヤにする意味がわかりません。



もし発売されれば、レクサスブランドということで相当値段の高い自転車になるのでしょうが、重量も重いですし、細かい点でも実用的ではありません。少なくても普通のサイクリストが、これを買うとは思えません。発売しないという点では正しい判断だと思いますが、果たしてこれをモーターショーに出す意味があったのでしょうか。

フォルクスワーゲンも“Bik.e”という自転車を提案しています。こちらは、ペダルの無い電動自転車ですが、そのコンセプトは明快です。スペアタイヤを搭載するスペースに収まる折りたたみ式の電動自転車なのです。クルマに搭載されている間に、バッテリーが充電されるようになっています。

フォルクスワーゲンの電動自転車

スペアタイヤの代わりに、パンクした時に使うのではありません。渋滞が激しく、駐車スペースの乏しい都市部へ行く場合、都市の周辺部に駐車して、この“Bik.e”に乗り換えて移動するという選択肢を与えるものです。ヨーロッパには、ロードプライシング制度で都市への流入に課金している都市もあります。

都市部の駐車料金を大幅に高く設定している都市もありますから、乗り換えての移動は経済的にもメリットがあります。もちろん、自転車でも充分な都市部の移動ではクルマを使う必要はないわけで、そのぶん温暖化ガスの排出を削減できるというメリットもあるわけです。

これは優れたコンセプトだと思います。今年の北京モーターショーで展示されたものですが、少なくともモーターショーに出品する意味があります。この形で発売されるかどうかはともかく、レクサスの自転車と比べると、同じ自転車の使い方でも、こうも差がつくものかと思わずにはいられません。



私は、別にトヨタに恨みがあるわけではありません。無理やりエコだと言い張るようなコンセプトに疑問がないわけではありませんが、自転車乗りだからと言って、クルマは不要などと言うつもりもありません。ただ、世界的な優良企業が、ここのところ何か変調をきたしている気がします。

一連の大規模リコール問題で、その品質や信頼性、ブランドに陰りが出ています。アメリカでもユーザーの神経を逆なでし、火に油を注ぐ結果を招いた顧客対応も疑問です。公聴会の後で涙ぐむ社長の姿は、日本ではともかく、アメリカの一般市民には理解されない部分かも知れません。

袋叩きになるような状態にも危機感の乏しかった経営に疑問符がつくのも確かですが、日本を代表する企業です。クルマ産業の裾野は広いので、景気や雇用面でも期待されます。日本経済という面から言っても、イメージダウンした日本のものづくりの失地回復のためにも、トヨタにはぜひ頑張ってもらいたいものです。


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ブラジルもアルゼンチンも負けてしまうとは思いませんでした。いよいよ準決勝、あと4試合ですか。

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この記事へのコメント
VW 開発者 Hackenberg の電気自転車の乗り方がお見事。自転車・自動車に関わらす、基本的に乗り物は乗って楽しいものでないと。
トヨタが日本の産業を牽引しているのは、わかりますが、楽しそうな企業体と印象がなさそうなことが残念です。 VW 以上のコンセプトを目指して頑張ってもらいたいです。
Posted by bajorgasse at July 06, 2010 13:43
レクサスブランドの自転車、初めて見ました。
ロードバイクのような小径車なんですね。ロードバイクに乗った事がない人は怖くて乗れないかもしれませんね。ハンドルよりもサドルの位置の方が高いですから(笑)ブレーキもかけにくそう。これは自転車と言うよりも、単なる造形物ですね。

四輪車の売れ行きが悪いので、じゃあ自転車でも作ってみようじゃないか、エコブームだし。と言った具合でしょうか(笑)管理人さんの仰る通りエコと言うイメージにあやかろうとしたんでしょうね。欲を言えば、電動じゃない方が本当のエコだと思うのですが。
Posted by 通行人Ω at July 06, 2010 18:33
bajorgasseさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
昔から、トヨタのクルマは真面目だが、遊び心に欠けるみたいに言われる事が多かったようですから、レクサスが人気ないのも、楽しさに欠ける部分があるのでしょうか。
スペアタイヤの代わりに、電動自転車をたたんで入れておくなんて、ちょっと楽しくなるアイディアですよね。
Posted by cycleroad at July 06, 2010 20:38
通行人Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
最初にデザインの斬新さありき、みたいに見えてしまいますね。フレームをわざわざクロスさせて細くさせて、デザイン的に奇をてらうことで、ボディ剛性とか乗り心地は犠牲になると思います。
レクサスブランドというだけで買う人もいるかも知れませんが、純粋に自転車に乗る人にとっては、評価は低いと思いますね。
ハイブリッドということで、人力+電気の電動アシストにしたのでしょう。販売しないのは、自転車を作っても儲からないし、クルマじゃなくても自転車でいいやという人を増やしてしまいそうで、ジレンマもあるのでしょうね。
Posted by cycleroad at July 06, 2010 20:53
車のCMって変なのが増えてきた気がします
「子ども店長」とか「減税」とか車の魅力とは関係ない部分でしかアピールできないから乗りたいとは思いません

自転車と車を使い分けられる自動車は良いアイディアです
駐車場から目的地まで歩くときには便利そう
Posted by 職人気取 at July 07, 2010 16:07
トヨタの城下町豊田市に住んでいます。トヨタは義理で使っていますが、デザイン的に魅力な、ニッサンかマツダを買いたいです。
最近のトヨタの好きなデザインは2代目プリウス、最終型セリカ、プロシードですね。

エコと子供店長はあきました。
Posted by トヨタ市民 at July 08, 2010 12:51
職人気取さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、減税、補助金、と連呼するCMば多いですね。クルマという商品を人々の感性に訴えるようなCMが減っているのは間違いなさそうです。
クルマとしても、行動範囲が広がるのは悪くない話ですよね。
Posted by cycleroad at July 08, 2010 23:18
トヨタ市民さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
なるほど、義理や仕事の関係などで、仕方なくトヨタを選ばされている人も多いのでしょう。
組織力で売るみたいな部分も必要なのでしょうが、クルマの魅力で選ばれなければ、本物とは言えないですね。
こども店長は人気が出たみたいですが、引っ張りますね(笑)。
クルマは本来エコでない部分を否定できないわけですから、いい加減エコで売るのもやめたらどうなんでしょうかね。
Posted by cycleroad at July 08, 2010 23:34
初めまして。
私のお客にもLS600HLの4人乗り1700万円超に乗ってる方がいます。どう見てもエコでは無くエゴです。
部品は普通にトヨタの部品だし。
信頼回復も、顧客の安全を考えて初めて信頼が付いてくると思うのですが、そこら辺勘違いしているような会見でしたね。
VWの自転車?いいですね。
Posted by 通りすがりです at July 22, 2010 15:46
通りすがりですさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そんなに高いんですか。トヨタの同一車種とかなり違うのでしょうね。
トヨタも完璧ではないといった趣旨の発言もしていましたが、完璧どころか、顧客の安全をおろそかにするような会社だったとしたら、ハッキリ言って、お先真っ暗とと言わざるを得ませんね。
Posted by cycleroad at July 23, 2010 23:29
自転車勉強中の1955年式男です。
 トヨタに期待しない!とのご意見をみて嬉しくなりました。ヤマハのエンジン技術をパクリ、スバルのレオーネ4WDコピーしたカリブ、WRCでイカサマ、低コストのボディーは衝突安全性能が最低ランク、今はスバルの水平対向エンジンを取ろうとしている。
こども社長とは上手く言うと思う。
 35年来トヨタ批判してきた私、トヨタ対アメリカのリコール対決にアメリカを応援してしましました。
売上高イコール優良企業などとメディアが取り扱うのもいけないと思う。(広告料を頂くと口止め料の役目をする・・敵も沙流者)
 しかし、日本製品は立派な物ばかり!トヨタは紳士になって問題解決してほしい。
 
トヨタハウスもあったが、トヨタ自転車やめて下さい。

Posted by 狼イマイ at September 09, 2010 13:43
狼イマイさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
お言葉を返すようですが、トヨタに期待しないわけではありません。そうとは一言も言っていません。
トヨタの、大排気量だろうが何だろうが、エコだと言い張って、売れればいいというような販売手法には疑問を感じますし、パワフルなエコだとか、エコ換えと、まだ乗れるけど買い替えろと迫るCMのセンスに、首をかしげるのは事実です。
世界一を目の前にして、顧客第一や安全を重視する姿勢がおろそかにしていたのなら問題だとも思います。
しかし、トヨタは日本を代表する企業なのは間違いありませんし、そのイメージが悪くなるのは、日本の他の企業にとっても大きなマイナスです。
個人的にトヨタが好きかどうかは別として、客観的に見れば、日本経済にも大きな影響を与えるのは間違いありません。
むしろ、景気や雇用面からも期待しますし、失地回復のため、ぜひ頑張ってもらいたいと書いています。
日本のものづくりのため、また日本製品の印象を悪くしないためにもしっかりしてほしいと思うだけです。
Posted by cycleroad at September 10, 2010 22:43
 
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