July 23, 2010

もっと使える部品にする為に

自転車のパーツの中には、あまり使わないものもあります。


人によって、あるいは場所によっても使用頻度が違うので一概には言えませんが、「ベル」はその一つでしょう。チリンチリンと鳴らす、あのベルです。危険を知らせる時に使う「警音器」なので、必ずしもベルではなくブザーでもいいわけですが、いずれにせよ、滅多に使わないと言う人も多いはずです。

ちびベル中には、取り付けていないという人もいます。未装着で摘発されたという話は聞きませんが、法律上は違反です。道路交通法には定められていないという指摘もあって、確かに道交法には直接書かれていませんが、関連する法律を調べてみると、やはり法律違反には間違いないようです。

道交法の54条で、自転車を含む車両は、標識等で指定された場所などでは警笛を鳴らさなくてはいけないとあります。見通しが悪くて危なかったり、危険回避のため鳴らす必要に迫られる場合もあります。いつでも鳴らせるよう装着しておく必要があると解釈すべきでしょう。省令や公安委員会規則には明示されているようです。

道交法62条にも、いわゆる整備不良の車両を運転してはならないとなっています。自転車も軽車両という立派な車両ですので、この条項に該当します。一方で道路運送車両法という法律の45条で、軽車両についての構造や装置を定めており、その中に警音器も含まれています。つまり、装着する義務があることになるわけです。

法律で装着を義務付けられているベル(警音器)ですが、鳴らしていいのは、見通しが悪いなど、標識等で指定された場所を通る時と、危険を防止するため、やむを得ない時だけです。それ以外の時には警音器を鳴らしてはいけないとはっきり書かれています。装着は義務だが、滅多に使ってはいけないというものなのです。

プラベル従って、自転車で歩道走行している時に、歩行者に向かってベルを鳴らすなんていうのは、言語道断ということになります。歩行者をどかすためのものではないからです。中には危険回避のためだと言う人もいるでしょう。しかし、歩道上は歩行者が優先です。自転車は、やむを得ず通らせてもらっているという位置づけです。

歩道上では、自転車は徐行が義務付けられています。歩行者の通行を妨げる場合には、一時停止しなければならないとまで書かれています。徐行というのは、すぐ止まれる速度です。歩行者を追い越すようなことは想定されていません。危険回避のためには一時停止し、ベルなど鳴らしてはいけないという考え方なのです。

法律で徐行が義務付けられている以上、歩道で歩行者に対してベルは鳴らしようがないわけですが、鳴らしている人はよく見ます。実際に歩道を歩いていて、ベルを鳴らされることは日常茶飯事です。きちんとルールを理解しているサイクリストは鳴らさないとしても、そんなことは知らない人が多いのが現状でしょう。

中には「どけどけ!」とばかりに打ち鳴らす人もいます。鳴らされるほうにしてみれば頭にくることも多いでしょう。路上でのトラブルは数多く起きているはずです。実際にベルが原因で傷害事件にまで発展したのも一度や二度ではありません。そういう人がいるから、世間の自転車に対する見方も厳しくなりますし、事故も絶えないわけです。

コンパス付きベルただ実際には、歩道を徐行するのでは自転車のポテンシャルは発揮できません。にも関わらず、歩道走行させようという日本独自の道路行政がナンセンスなのです。私も繰り返し述べている部分ですが、このナンセンスな行政が、歩道でベルが鳴りやまない状況の根底にあると言ってもいいでしょう。

一方、車道を走行する時には、危険回避のためにベルを鳴らす場面もあるはずです。しかし、クルマに対してベルを鳴らしても、窓を閉め切っていることが多く、ほとんど聞こえないのではないでしょうか。ブレーキをかけたり、危険を回避する行動が先で、鳴らしているヒマもないかも知れません。

他の自転車に対して使う場合、これはあるでしょう。逆走や並走、あるいは脇見など、危険な走行をしている人もいるので、危険を回避するためにベルを鳴らす場面も出てくると思います。でも最近は、相手がイヤホンで音楽を聞いていたりして、ベルの音も届かなかったりするかも知れません。

そう考えると、ベルを使う場面が少なく、あるいは使っても効果が薄いこともあって、あまり使わない人が多いのも頷けます。中には、歩道を通行しながら歩行者に向かってガンガン鳴らす人もいますが、滅多に使わないという人が多いのも道理だと思います。

レトロなラッパ真鍮ベル

ただ本当は、ベルを使えれば使いたい場面もあるのではないでしょうか。接近を知らせたり、追い抜きを知らせたりするのに、ベルが使えたら便利なこともあるはずです。不便だけどルールだからとか、無用なトラブルを避けるためとか、あるいはマナーの面からベルを使うのを我慢している人も多いのではないでしょうか。

河川敷などのサイクリングロードでも、いわゆる自歩道扱いの所が多いですから、歩行者が広がって歩いていてもベルは鳴らさず、ブレーキレバーなどをカチャカチャ鳴らして気づいてもらうのを待つという人もよく聞きます。仮に自転車専用レーンだったとしても交通弱者優先の観点から、ベルを鳴らすのは気がひけると言うわけです。

熊よけカウベルずっと鳴り続けさせなくて済む

ベルを鳴らさずに音もなく近づくと、かえって驚かせてしまったり、自転車の接近に気づかないでいると危険なので、ベル以外に、小さな鈴などをつけているという人もいます。装着が義務付けられているが、滅多に鳴らしてはいけなくて、鳴らすにも気がひけて、あるのに使えない、なんだか不思議なパーツに思えてきます。

もっと、気にせず使えて、ルール違反にならない、歩行者に通知しながら、それでいて歩行者にイヤな思いをさせない、そんなベルは出来ないものでしょうか。実はベル(警音器)に、装着義務はありますが、その規格は法規に規定されていません。ベルが多いですが、ベルでなくても構わないのです。

ELECTRIC SOUND BELL , kjglobal.co.ukELECTRIC SOUND BELL , kjglobal.co.uk

こちらはイギリスの会社の製品、“Electric Sound Bell,QBELL”という商品です。電池で電子音を鳴らす自転車用のベルです。特に目新しい技術が使われているわけではなく、どこでも売られていそうな製品です。自転車に取り付けられるようになっており、コンパクトで防水仕様です。

ボリュームは3段階、最大110デシベルという音量を出すことが出来ます。110デシベルと言うと、旅客機のエンジンの近くにいるくらいの音だと言いますから、防犯ブザーに使えるくらいの大音量です。そして、特色としては、4種類の音色を切り替えて使うことが出来ます。



もちろん、この製品でなくてもいいのですが、この音色を音声に変えたらどうでしょうか。よく、ウィンカーに連動させて、『左に曲がります。』という音声を流しているトラックがあります。後退する時、『バックします。』という音声を流しているのも聞くことがあります。

それと同じような感じで、『自転車が接近中です。』とか、『すいません、通らせて下さい』とか、『右から抜かします。』といったフレーズを優しい女性の声で入れておくのです。ただのベルだと、『どけ、どけ!』と聞こえかねませんが、音声ならばお願いする感じが出せて、誤解されることもないでしょう。

ELECTRIC SOUND BELL , kjglobal.co.uk本当は、そんな手の込んだことをしなくても、自分で声を出せばいいだけです。実際にそうしている方もいると思います。でも、なかなか声を出しにくい人、声の通りにくい人は重宝します。場合によっては一日に相当の回数、声を出さなければならないこともあるでしょうから、これなら声を出し過ぎて疲れることもありません。

ある程度普及して認知されれば、トラックのウィンカー音声と同じように違和感は無くなると思います。つまり、警音器プラス音声案内装置にするわけです。4つの音色のうち、一つは、クルマにも使える大音量のブザー、警音器にします。2つ目は、『すみません、抜かせて下さい。』といったお願いをする音声案内装置にします。

3つ目は、『ありがとうございました。』でもいいかも知れません。よけてくれた人にお礼を言うわけです。残りの一つは、対自転車向けです。脇見とか、急な飛び出しとか、いろいろ危険なケースが考えられますが、これに対しては普通のブザーでいいでしょう。並走していて抜けない場合もブザーか『抜かせて下さい。』で間に合います。

ELECTRIC SOUND BELL , kjglobal.co.uk個人的に、もう一つは『左側を通行してください。』にしたいところです。車道の右側を逆走する自転車向けです。注意を喚起しようとベルを鳴らしたとしても、ポカンとして、なんでベルを鳴らされたのか分かっていない人も多い気がします。自転車は車道の左側を通行しなければならないと知らない人が多いのです。

ふだんは歩道で方向を意識せずに通っているので、同じ感覚で車道に飛び出して逆走したりするわけですが、逆走、すなわち右側通行は、左側通行を遵守しているサイクリストと正面衝突する形になります。これが見通しの悪いカーブや交差点、駐車車両の影から飛び出してくる形になったりすると非常に危険なのが分かっていないわけです。

こうした危険をなくすため、自転車に乗る人に左側通行を周知させようという狙いです。4つでなくてもいいですが、あまり多いと切り替えるのも大変です。音声の内容はともかく、こうした日本の事情に合わせた自転車用の電子ベル・プラス音声案内装置にすれば、ベルも「使えるパーツ」になるのではないでしょうか。


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映画インセブション、まだ見ていませんが面白そうですね。人が眠っている間にその潜在意識に侵入し、他人のアイデアを盗みだすという話らしいです。ちなみに「使えるベル」のアイディアは無償で公開します(笑)ので、どこかのメーカーで作ってくれないでしょうか。4つ目のアナウンスがポイントです。

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この記事へのコメント
現実は自転車で車道の左側を走っているだけで自動車のクラクション鳴らされますね。自分が自動車運転する時は自転車に配慮しますが、左折前とかで先に自転車行かせると後ろの自動車にクラクション鳴らされます。自転車は歩道と思い込んでいる運転手は多いです。

最近、気が付くのは車道を走る自転車のT字路での信号無視です。横断歩道を青信号で渡っていると、その前を自転車が通り過ぎて引かれそうになりました。T字路の一の方向は歩道は信号無しで歩道通行の自転車なら信号で止まる必要有りません。車道を走るのなら信号守る必要有りますよね。
 都内では混んだ歩道を避けて車道を走るランナーを良く見掛けます。中央車線をスケードボードで走る人も見掛けました。
Posted by ジャムおばさん at July 24, 2010 19:12
「歩道は歩行者優先」
「自転車は車道」
先ずは、これを徹底して周知させる。
そして、取締りを強化する。単なる口頭の注意や違反警告書を渡すのではなく、即赤キップを切る。
これくらいの事をしないと日本は変わらない。

管理人さんのアイデアは悪くはないです。なぜなら、目が不自由な人には非常に有効ですが、耳が不自由な人の背後から抜かす場合無意味。
それともう一つ。
対四輪車用の警音器。これを装備した自転車が歩道上で使用した場合、仮に歩行者が年配の人だったり心臓病を患っている人だったりペースメーカーの人だったりしたら、最悪命を落としかねません。
難しい所ですね。
Posted by 通行人Ω at July 25, 2010 02:03
「道をあけてください」と喋るベルは既に製品化されています。でも声をかければ伝わるのにわざわざ機械を持ち出すなんて「クルマじゃないんだから」思わずにおれません。公共の場で「失礼します」の一言もないのは自転車以前の問題。やはり如何にして鳴らさずに済ませるかを考えるのが大人の対応というものでしょう。残念ながら罰則強化で社会レベルは向上しません、必ずオフサイド・トラップを仕掛ける奴が出てきますから。

ベルのクランプサイズってなぜ22.2mmΦばかりなのでしょう?近年ようやく出てきたユニバーサル・バンドは固縛力が不足しがちです。
一方DAHONに付いてきたBIOLOGICのブレーキレバーはベルがビルトインされておりいいアイデアだと思いました、が、レバー自体がやたらデッカく、日本で売るには再設計必至でしょう、惜しい(私のHNをクリックするとヘボ画像に飛びます)。
Posted by alaris540 at July 25, 2010 12:26
4枚目の写真の「コンパスベル」、ミニベロに取りつけてます。
コンパス機能しか利用してません(笑)。
方向音痴なので、このコンパスは役立ってくれてます。

ベルって、車道走る限りは本当にいらないですよね。
クルマにはどうせ聞こえないし。
代わりにクラクションが欲しいと思う時は多々あります。
最近、本気で対クルマ用にホーンでも付けようかと思ってます。

ちなみにMTBでトレイルライドする時は、熊鈴をザックに着けてます。
熊よけ以外にも、ハイカーさん達や他のMTBライダー達に自分の存在をお知らせするために。
オフロードの自転車走行も、オンロードと同じように気をつけなければいけない点はたくさんありますね…
Posted by youshookme at July 25, 2010 19:05
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
クルマにクラクションで対抗しようというわけではないのですが、クルマが自転車の存在に気づいていなくて本当に危険な場合などには役立つのではないでしょうか。
自転車が歩道と思っているドライバーは多いですね、確かに。
T字路、確かに違反する人はみますね。車道を通るなら、当然赤信号で停止すべきですが、おっしゃるように、歩道走行時には止まらないので、そのあたりが原因なのでしょう。
車道を走るランナー、私も見たことがあります。やはり、ランナーは歩道を走ってもらわないと危ないですね。車道でも自転車と歩行者が混在するような形になってしまいます。
Posted by cycleroad at July 25, 2010 20:28
通行人Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、私も自転車は車道に徹底すべきだと思います。車道だと怖くてと言う人は多いですが、もともとは車道だったわけですし、世界的に見ても車道が当たり前です。
今のような曖昧な状況が、よけい事態を複雑にさせているのは間違いなさそうです。
なるほど、大音量のブザーを間違って鳴らしてしまったら、余計にたいへんなことになりそうですね。
切り替えて使うのだと、必ず間違いは起きるでしょうし、心臓の悪い人でなくても大問題です。
下手に細工せずにベルのままにして、今のように使わないのを徹底させたほうがいいのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at July 25, 2010 20:34
alaris540さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
実は私も製品化されているのは、知っているのです。過去に記事に取り上げたこともあります。
ただ、音色が切り替えられるなら、こんな使い方はどうだろうという話なのです。
一応、誤解のないよう申し上げておきますが、私はベルを鳴らしません。ただ、ベルを鳴らす人があまりに多いので、それならベルを鳴らす代わりに、女の人の声のほうがトラブルになりにくいのではないかと思うだけなのです。
私が声を出せないわけではないのですが、そういう人も多いからベルを鳴らすのだろうなと推測したわけです。
おっしゃるように、公共の場でのマナーの問題ですが、実際問題として、そのマナーが徹底できずにベルが鳴らされているので、どうにかならないものだろうかと思うわけです。
へぇー、22.2mmΦばかりですか。あまり注意してみたことがないので、気付きませんでした。
ブレーキレバーにビルトインというのは、いいアイディアですね。それも知りませんでした。面白い情報をありがとうございます。
Posted by cycleroad at July 25, 2010 20:47
youshookmeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
コンパスベル、使ってらっしゃいますか。ベルにさりげなく、コンパスをつけてあるとは、ちょっとしたアイディアですね。
そうですね、おもに車道を通るサイクリストであれば、イザという時のブザーがあれば、後は不要ですね。
歩道でベルを鳴らす人が多いので、ベルをガンガン鳴らすより、女の人の声のほうが優しくなると思いますが、私もそうですが、鳴らさない人は鳴らさないですし..。
トレイルライド時に熊鈴、つけてらっしゃいますか。たしかに、シングルトラックでハイカーの人と出会うような場合もありますから、気をつけないと、フィールドを狭めてしまうことになりかねませんからね。
Posted by cycleroad at July 25, 2010 20:58
自分は子どものころベルを鳴らしてましたがベルを鳴らすのが違反だと知ったときに「じゃあなんで自転車にベルがついてるの?」と不思議に思いました
子どもでも気づくのにベルの装着を義務にした人って何を考えてたんだろう・・・?


「左側通行ベル」なかなか良いですね
たまに逆走してる人が左側の僕に「危ないだろ」と注意してくるので説明するのは面倒なのであると便利そう
Posted by 職人気取 at July 26, 2010 11:45
職人気取さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ベルを鳴らすのが違反ではなくて、むやみに鳴らしてはいけないということですね。あくまでも危険回避用なので、むやみに使用するべからずということです。
逆走が違反だと知らない人、意識していない人が多いので、何か周知につながる方法があるといいと思います。
Posted by cycleroad at July 27, 2010 23:08
 
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