August 25, 2010

手づくり自転車へのいざない

そろそろ夏休みの宿題が心配になってきた子供たちも多いのではないでしょうか。


だいたいこの時期、苦手な科目の宿題、面倒で手間のかかる宿題に限って残っているものです(笑)。私もそうでしたが、少しずつやっておけばいいものを、どうしても後回しにしてしまい、時間が無くなって半べそをかいた思い出のある大人も多いかも知れません。

大人になってしまうと、どんな宿題だったのか、もうさすがに思い出せません。国語や算数のプリントが、どんな問題だったか覚えているはずもありません。でも、工作の宿題で作ったものは、案外記憶に残っていたりするのではないでしょうか。今にしてみれば他愛のないものですが、真剣だった当時の気持ちまで蘇ったりします。

もちろん、工作の得意不得意によっても違うと思いますが、何かを作るのが好きな人は、何をどうやって作ろうと考えているだけでも楽しいものです。あれこれ思いを巡らし、いろいろ試行錯誤し、工夫が上手くいった時の嬉しさもあります。形になるぶん、記憶に残りやすいのかも知れません。

工作が比較的好きだった人の中には、大人になってもハンドメイドで何かを作る趣味を続けている人もあるでしょう。鉄道模型だったり、日曜大工だったり、毛バリだったり、陶芸だったり、ジャンルはいろいろあります。中にはクルマのレストアをするような人もいるかも知れません。

写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net海外では、オリジナルの自転車を手作りして楽しむ人も少なくありません。実際、市販車を改造したような手作り風の自転車に乗っている人を見ることもありますし、そうした個人が作品を発表しているサイトも多々あります。このブログでもたくさん取り上げてきました。

ただ、日本人にその割合は少ない気がします。諸外国と比べると自転車が安く、個性に乏しく画一的なママチャリが、街で圧倒的な数を占めていることも理由なのでしょう。本当の自転車のポテンシャルを知らず、その楽しさを知らない人が多いことも背景にありそうです。乗る環境や保管する環境に恵まれていないからかも知れません。

でも、日本で自転車を手作りして楽しんでいる人たちがいないわけではありません。今回取り上げるのは、東京の江戸川区を中心に活動している、「次世代自転車を考える会」です。サイトを見ると、いろいろな自作の自転車を創っていらっしゃいます。また、その活動はテレビなどのメディアでも取り上げられています。

写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net

自転車関連のイベントに作品を出品したり、興味のある方なら誰でも参加できるオープンな試乗会なども開いています。自転車の自作に興味のある方には工作機械の使い方から教えるなど、設計や加工などを相互に助け合う「たすけあいプロジェクト」も展開しています。

自転車の自作と言っても、自転車のサビを落としてペンキを塗るくらいなら誰にも出来ますが、少し本格的にフレームを自作したりすれば、金属の加工や溶接などの知識や技術が必要になります。全くの素人には敷居が高いのも事実です。こうした知識や技術を聞ける人たちがいたら、心強いはずです。

その、ちょっとした敷居がクリア出来れば、自転車作りの面白さにハマる人も、もっと出てくるに違いありません。なんでもそうだと思いますが、その道の先輩に質問したり、アドバイスを受けられるのは大きいです。特に、あまりメジャーでない趣味、本屋やネットでもなかなか調べられないような趣味の場合は特にそうだと思います。

写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net

自転車自作の趣味の先輩や、経験者に助けてもらう機会が少ないからこそ、日本で自転車を自作する人が少ないのかも知れません。日本にハンドメイド自転車の愛好家を増やすという意味でも、「次世代自転車を考える会」の「たすけあいプロジェクト」は、貴重な活動と言えるでしょう。

もしかしたら、自転車に興味のない人から見れば、単なる実用性の低い自転車に見えるかも知れません。しかし、興味のある方ならわかると思いますが、折りたたみの出来るリカンベントとか、登りに強い小径車、リカンベントより、更に珍しい「うつぶせ」自転車、プローンバイクなど、自由な発想と遊び心が満載です。

例えば、よくある市販の3輪車は、チェーンが後輪に伸びている上に荷台があるので、荷台の重心が高くなってしまいます。リカンペントにして、前輪駆動にすれば重心が低くなって安定します。実用的な自転車についても、既存のモデルの足りない部分や、改良できる部分について、試行錯誤しているわけです。

写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net写真:次世代自転車を考える会、www.tasukei.net

実際に製作し、乗ってみて、走ってみて初めてわかることも多いと言います。バランスだとか、操舵性だとか、デザイン画や設計図だけではわからないことも、たくさんあるわけです。作ってみたら、新たな発見があったり、もっと追求すべきテーマが見つかったり、違う使い道が開けたりすることもあります。

輪行しやすいことに特化した自転車とか、自転車の前輪部分に車椅子を結合して、安定して人を運ぶことを考えた自転車などもあります。自由な発想で、今までにない自転車、今よりもっと役に立つ自転車を考え出すのは楽しい作業に違いありません。なるほど、「次世代自転車を考える会」です。







次世代の自転車が、必ずしもメーカーのデザインルームから生まれてくるとは限りません。ユーザーのニーズ、現状商品への不満、使い手ならではの視点、そして趣味のサイクリストたちの、未来の自転車を考えるという自由な発想から生まれる可能性は充分あります。

「次世代自転車を考える会」では、自作自転車に興味のある方々の参加を募っています。そう言えば、夏休みの宿題の工作以来、久しくモノを作ってないなという方、家にパーツがころがっていて、合わせれば一台くらい作れそうだという方、もし創作意欲が湧いたら、この会を訪ねてみるのもいいかも知れません。


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宿題の追い込みかと思ったら、最近は、もう新学期が始まる学校も多いようです。まだ暑いのに大変ですね。

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この記事へのコメント

私も以前、ゴミ場などから少ないアルミや鉄の棒など集めて自転車を作ろうとしてました。
タイヤなどはもとからあるママチャリなどから集めていたり。
しかし、なにかと難しいので途中であきらめた覚えがあります。

自ら作成したものは良いと思いますね!
Posted by ウルティニア at August 26, 2010 16:22
ランキングから来ました。はじめまして。
とっても参考になりました。
Posted by すずこ at August 26, 2010 16:58
ウルティニアさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
パーツを交換したり組み立てるくらいならともかく、自転車を作るというのは難しいですよね。金属加工の技術や道具がないことには、始まらないですし..。
自分のオリジナルと言うだけで、愛着がわくでしょうね。
Posted by cycleroad at August 26, 2010 23:35
すずこさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ようこそ、いらっしゃいました。
何か参考にしていただける部分があったとしたら嬉しいです。
Posted by cycleroad at August 26, 2010 23:41
フレームから自作するのは、少数派だと思います、私も自転車に興味があり、ウルティニア さん のコメントにありますように「資源ごみの有効活用」として自転車の再生をボランティア活動を思いつき、数年前に仲間とサンプルを作ってみました、評判は良いのだが、問題は補充部品が意外に費用がかかること、出来た自転車の安全性の検査、保管場所などが無いため3台でストップ、また、これ等の自転車を活用していただける機関等の受け入れ先などが見つからず、中断し、どなたか引き取ってくれるところがないかと探しています。

自転車の良し悪しは外観だけでは解りません、乗ってみて長距離を走って初めて評価が出来るものだと思います、いろんな創作自転車が乗れることは素晴らしいことだと思いました。一方、フレームの自作が出来るのなら、博物館に展示されている古い自転車のコピーを作り、それに乗って昔の人の考え方とか乗った気分を味わってみることが出来るようなことができればと思います。

最近はレンタル自転車を運用する自治体とかNPOが増えてきているようなので、昔の自転車・オリジナル自転車・老人向けの安全で乗りやすい自転車などが実際に乗って楽しみ、確かめられるような環境が整備されることを望んでいます、もし、このような場があればボランティアとして参加できればと思います。
Posted by ステビロ at August 27, 2010 11:30
ステビロさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに少数でしょうね。特に日本では少ないと思います。
自転車の再生ですか。なるほど、それは有意義な活動ですね。資源ごみで出されていても、何台か合わせれば、まだまだ使える自転車が再生できそうです。安全性と保管場所がネックですか。うまく回っていくようになるといいですね。今は、パンクしたくらいでも、自転車を簡単に捨てる人が多いですから、ものを大切にする手本にもなるでしょう。
古い自転車の再現というのも、面白いかも知れませんね。ドライジーネ型自転車を作って乗っているグループもあると聞いたことがあります。あの大きなら前輪ですから、今の自転車とは、見える景色からして違うと思います。
そうですね、自転車をもっと用途に応じてカスタマイズするような動きも出てきていいのかも知れません。
Posted by cycleroad at August 28, 2010 00:52
先日の商店街の送迎自転車ですが、フレームから作らないと駄目ですか?東京都道路交通規則に「本来ある乗車装置」との規定が有ります。市販の3輪自転車を二人乗りに改造しただけでは違法ですか?何処かに申請するのですか?
Posted by ジャムおばさん at August 28, 2010 07:30
ジャムおばさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
少なくとも普通の自転車を改造した場合には、形状によっては強度や制動力の不足など、安全上の問題が出て来ることは十分ありえるでしょうね。
改造すること自体は違法ではありませんが、どのような改造かわからないので、それ以上は何とも言えません。
Posted by cycleroad at August 29, 2010 23:20
いろんなサイトやブログ見ててここに立ち寄らせていただきました。私も去年、次女の旦那(外国人)の依頼で三輪車(デルタトライク)を作るはめになり、作ってるうちに楽しくなっちゃって、2輪LWBリカンベントと製作依頼の3輪(デルタトライク)を自作してしまった。暇なおやじですが、また暇が出来れば三台目を製作してみたいとも思ってます。次女の旦那は次女共々本国に帰ってしまい。頼まれて作ったデルタトライクだけ残っちゃって、放置して朽ち果てさすのも、また自分で製作したゆえの愛着もあり、今は私が毎日ペットの散歩に乗ってます。時には遠くにポタリングに出かけることも、しまなみ海道へも6度行きました。
走ってて注目を集めるのは少し恥ずかしいですが、リカンベントの乗車姿勢は非常に楽でポタリングには最高です。また
三輪なので低速でふらつくこともなくもちろん転倒もありません。見た目は派手ですが 以外に年寄り向きかも。
法的には自転車とは呼べないかも、寸法的に自転車の既定から外れてます。よって軽車両の分類なのでしょうか。
本来は車道しか走れないと思いますが、四国の車道を走るのは危険を感じます。よって歩道も走りますがいまだ警察から注意は受けたことがありません。
http://www.youtube.com/watch?v=uRApknEHBTY
私の作ったデルタトライクです。後部の荷台は実は孫を乗っけて走るために鉄筋を曲げて溶接して作ったものです。もちろん荷物も大量に詰めます。
孫を乗っけてしまなみを走ったこともあります。法的には二人乗りは駄目なのでしょうが、孫を乗っけるためにシートベルトも自作。孫は2歳ですが小学生くらいなら乗っけて走行しても車体には全く問題ありません。ただし登坂は息が切れます。
Posted by 面影 at November 06, 2010 22:06
面影さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
拝見しました。これを一から作ったんですか?すごいですね。
リカンベントは、人間のパワーを自転車に伝えるという観点でも、非常にリーズナブルな形だそうですね。パワーの伝達効率がいいので、実はスピードもロードバイク以上に出せる構造と言いますから、ポタリングでもラクでしょう。
道交法上は、普通自転車のカテゴリーには入りませんね。おっしゃる通り、法的には軽車両として車道走行しか出来ません。
警察も、そのあたりの法律の細かい部分まで知らないのが実態でしょうね。トライク自体少なく、あまり見ないというのもあるでしょうし..。
二人乗りに関しては、16歳以上の運転者が安全基準を満たした自転車の幼児用座席に6歳未満の子供一人を乗せることはできます。
ただ一応、努力義務として児童・幼児を自転車に乗車させるときは、乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならないとされています。
お孫さんも、こんな自転車に乗せてもらえて、嬉しいでしょうね。
Posted by cycleroad at November 07, 2010 00:11
 
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