May 07, 2011

自転車の可能性を広げる手段

自転車で大きな荷物を運ぶのは困難です。


前カゴや小さな荷台では、あまり大きな荷物、たくさんの荷物を積んで走るのは危険でもあります。少なくとも大多数の日本人は自転車が荷物運搬に向かないと思っているはずです。実は、カーゴバイクトレイラーなどを使えば、例えば大きな家具だって十分運べるのですが、日本ではほとんど普及していません。

近距離の移動だけだったら自転車でも十分であり、クルマの代替になりうると考えている人でも、大きな荷物やたくさんの荷物は運べないので、クルマを使わざるを得ないと思っている人は多いはずです。日本では、カーゴバイクやトレイラーがほとんど普及していないので無理もありません。

日常的に大きな荷物を運ぶのでなければ、カーゴバイクの大きな車体は邪魔になります。その点で現実的な選択肢とは言えないかも知れません。しかし、必要な時だけ自転車に連結して使うトレイラーならば、ふだん荷物のない時には、連結を外して自転車だけを普通に使えます。トレイラーは、もっと使われてもいい気がします。

もちろん、日本の都会の道路事情では、実際の走行には問題も生じるかも知れません。しかし、場所を選べばトレイラーをけん引しても走行出来るでしょうし、そんなに長距離でなければ、自転車とトレイラーで荷物を運ぶというのは、充分選択肢になるのではないでしょうか。

日本では、あまり売っているのを見ることはありません。売っていても値段が高く、たまに大きな荷物を運びたい時だけ使うには、割高感があるのも人気が出ない理由でしょう。ならば、自分で作ってみたらどうなのだろう、ということで、ここのところシリーズで取り上げている“www.instructables.com”です。

ハンドメイドのトレイラー

自作トレイラー

トレイラーと言うと、こうしたものがイメージされます。これらも手作りですが、溶接などの技術がある人でないと、ここまで完成度の高いものを作るのは難しいでしょう。このレベルを目指すのは大変ですが、ではそうした技術がないと、トレイラーを自作出来ないかと言えば、そんなことはありません。

自作トレイラー

基本的にフレーム部分とタイヤ、自転車と連結する部分があればいいわけです。木などで作ったフレームにタイヤを取り付け、自転車と連結するアームを取り付けるだけなら、仕上がりの程度はともかく、自分にも出来そうと感じる人は多いと思います。

ポリ塩化ビニル樹脂で

ホームセンターなどで売っている、ポリ塩化ビニル樹脂などで出来たパイプを使えば、軽量なフレームを組み立てることも出来ます。ちなみに、こちらのトレイラー、かかった材料費は、6千円ほどだと言います。

キッズカートを流用

もっと簡単なのは、既製のものを流用することです。欧米では、子供を乗せるのにキッズトレイラーを使うことがあります。子供が大きくなって不要になった子供乗せ用トレイラーを改造すれば、荷物を運ぶためのものも簡単に自作出来ます。

市販品を改造

ベースさえあれば、後は木工などで上に載せる部分をいろいろ工夫することも出来ます。ただ、そのベースとなるキッズトレイラー自体、日本では普及していないので、あまり参考にはなりません。しかし、流用出来るものはキッズトレイラーだけではありません。

クーラーボックスを流用

例えば、ホームセンターなどに売っている、手でひいて運ぶ車輪付きの大型のクーラーボックスです。車輪は必要に応じて自転車のものなどと代えてもいいでしょう。自転車のシートポストあたりに取り付けるための金具部分だけ工夫すれば、保冷トレイラーの出来上がりです。

ハンドトラック This image is in the public domain.

これは、ハンドトラックなどと呼ばれる、荷物を運ぶための手押し車です。街でも、飲料の入った段ボール箱などを運んでいるのを見ることがあります。これも流用出来ます。

ハンドトラックをベースに

こちらの方、40ドル弱で手に入れたハンドトラックを加工して自転車に連結し、荷物を載せる部分には、ドラム缶を切ったようなものを取り付けています。最初から車輪がついているので、走行性には問題ないでしょう。

捨てられたベビーカーを

こちらは、捨てられていた子供を載せるバギー、いわゆるベビーカーです。自転車で引っ張って持って帰ってきました。

トレイラーに

それを改造したのがこちらです。車輪の大きいタイプは特にトレイラーのベースとしては持ってこいです。こうしてみてくると、車輪のついたものなら、案外流用出来そうです。そして、身の回りに車輪のついたものは少なくありません。

中古キャディバックのセルフカートを利用

こちらは、ゴルフ場で使われる、キャディバッグを載せて、手で引っ張ってコースを回るためのセルフカートが元になっています。カートは中古のものを6ドルほどで手に入れたそうです。これをトレイラーに改造しています。

農園用の手押し車を利用

こちらは農園などで使う、園芸用、農業用の手押しカートがベースになっています。

スケボーを土台に

こちらは、何とスケボーのような遊具を土台に使っています。もう少し大きな車輪が欲しければ、ホームセンターなどに、さまざまな用途のキャスターや車輪が売られています。台車などに使われるものを、車輪だけ買ってきて、フレームとなるものに取り付ける手もあります。

キャンプ用のコットを利用

こちらは、キャンプ用のコット、折りたたみ式のベッドを流用しています。

子供用自転車のタイヤ利用

こちらは、いらなくなった子供用の自転車のタイヤを使っています。

フロントフォークを接続部に利用

いらなくなった自転車のフロントフォークを、後輪のハブと連結する部分に使う手もあります。

フロントフォークを車輪部として利用

フロントフォークと前輪を合わせて、そのままトレイラーの車輪として使う手も考えられます。古いショッピングカートを譲り受け、フロントフォークとタイヤをつければ、立派にトレイラーです。

フロントフォークとタイヤで

自転車のフロントフォークとタイヤがあれば、あとは適当に鉄パイプなどを利用してつなげれば、とりあえずはトレイラーに出来るという例です。

ベニヤ板を運ぶ

簡単な構造ですが、この人はベニヤ板を運ぶのに使い、調子も良く、非常に重宝したということです。

接続部はゴムで縛る

自転車との接続部はタイヤチューブを使って縛っただけです。

自転車パーツを利用してサイドカー

自転車のパーツを使えばサイドカーの製作だって不可能ではありません。こちらのサイドカー、よく見ると自転車のフロントフォークとタイヤを使っています。フレームを自転車に取り付ける工夫、あるいは溶接の技術などが必要になりますが、走行性は抜群でしょう。

子供用のワゴンを

アメリカでは、車輪付きのオモチャ箱や、子供用の手押しカーゴなどを自転車につけてもらい、子供の頃から引っ張ったりしているのでしょう。そのおかげで、大人になってからも荷物を運ぶため、自転車にトレイラーを取り付けるという発想が、自然に出てくるのかも知れません。

バッテリー搭載

工夫次第で、いろいろなトレイラーが考えられます。こちらは、トレイラーの荷台部分の下にバッテリーを搭載し、電動アシスト自転車の追加バッテリーなどとして使っています。

電動トレイラー

トレイラー自体を電動式にした人もいます。手元でスピード調節が出来るという凝った仕様です。

ぺディキャブ

トレイラー部分を変えることで、ぺディキャブだって製作可能です。

ボートも運べる

技術次第では、ボートを運ぶトレイラーだって出来ます。

砂浜や芝生用

こちらは、砂浜や芝生などを走行できるよう、太いタイヤを使った自転車とトレイラーです。アウトドアの趣味の荷物を運ぶのに活躍します。材料の流用の工夫や、加工技術にもよりますが、自分の必要に応じたトレイラーが自由に作りだせるわけです。

トレイラーを使うことで、自転車でこんなにたくさんの、あるいは大きな荷物が運べるのであれば、マイカーは不要という家庭もあるのではないでしょうか。週末の買い物くらいにしか使わないクルマを自転車とトレイラーに代えれば大幅に経費節減になりますし、温暖化ガス削減や省エネにも貢献出来ます。

保管場所にしても、クルマに比べればはるかに小さく、使わない時は物置にでも入れておけます。駐輪も自転車だけよりは場所をとりますが、クルマほどスペースをとるわけではありません。燃料代もかかりませんし、排気ガスも出さずクリーンです。メリットは小さくありません。

日本では、あまり馴染みがないので、自転車にトレイラーと言うとおおげさな感じがします。しかし、自転車に積む以外にも、自転車で引っ張るという考え方は、当然あってもいいはずです。何か身の回りに車輪のついたものがあったら、もっと気軽に試してみる手はあるかも知れません。

日本でもトレイラーを牽引した自転車に乗る人が増えてくれば、選択肢として知られるようになり、検討する人も増える可能性があります。移動のためだけに自転車を使うのでなく、荷物を運ぶのに自転車を使う人が増えても不思議ではありません。トレイラー、もっと注目されてもいいような気がします。





もうすぐゴールデンウィークも終わり、なんだか、あっと言う間ですね。

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この記事へのコメント
cycleroadさんこんばんは。

昔、ごっつい実用車(俗称ドカチャリ?)に、
サイドカーを付けたものやリヤカーを接続しているのを見た事があります。
(小さい子供はその実用車のトップチューブを跨ぐ事が出来ず、
 三角乗り なる乗車方法を考え出しました。)

サイドカーの荷物は、大きなガラス板だったり、
リヤカーの荷物は木材だったり、家具だったり...
昔のおじさん達は本当に力持ちだったんだなーと、思い出しました。
物が少ない時代だったと思います、だから今では考えられないような
発想があったような気がします。

ふと、昔の光景を思い出しました。

でも、こんなお洒落な発想や、遊び心はなかったようです。
Posted by Fischer at May 08, 2011 22:50
 こんにちわです。
日本だと、自転車+リアカーと言う運搬手段が確立されているので、なかなかこう言ったモノを見ることが無いですよね、、
http://www.muramatu-s.co.jp/

最近でも子供2人以上乗せ系のもう一つの提案にも出た、チャイルドトレーラもなかなか見ませんし。
http://www.rino-connection.com/biketrailer1.htm

 文中にもありますがSurly(サーリー)とかからトレーラーも出ていますね。
ツーリングやキャンプ用途の小さいトレーラーだと他社からも結構出てますけど、、
http://www.ride2rock.jp/products/bike.php?id=32230

 日本の場合、なかなか普及しないのはやはり法律の壁があるのではないでしょうか?
チャイルドトレーラも厳密に解釈すると地方によっては公道走行不可なところもあるみたいですし、牽引物も厳密にリアカーのみと決めているところもあるみたいですし。
Posted by Tomohiro at May 09, 2011 00:27
日本はなんでもかんでもクルマを使うという考えに凝り固まっていて
実に嘆かわしいですよね・・・。環境先進国、自転車先進国ドイツやオランダ等々のように
もっともっと自転車を活用してこそ、国も自転車をもっと安心安全便利に活用しやすいよう
真っ当な自転車レーン整備、駐輪場整備、レンタサイクル整備等々を積極的にしていってこそ
真に進み成熟した先進国の仲間入りと言える、このことは間違いありません。
世界を見渡してみても、成熟し、意識の高い国ほどクルマより自転車を活用しており、
政府も自転車を活用しやすいよう道路整備、環境整備、法整備等々を積極的にやっています。
日本もそろそろ異常なクルマ依存から脱却する、目を覚ます段階に来ているでしょう。
クルマ依存の弊害について、マスコミは自動車関連メーカーから多額の金銭提供を受けているのでなかなか報じませんが
年間約5000人もの命を奪い、騒音や排ガス等の公害等マイナスの側面があまりに大きい。
脱原発、CO2排出量が叫ばれているなか、クルマ依存はいのいちに見直され、自転車へのシフトを高めてこそ真っ当な国としての判断、人としての判断と言えるでしょう。
Posted by 佐藤 at May 09, 2011 10:37
Fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、日本でも昔はリヤカーを実用車に連結したり、サイドカーのようにした自転車が走っていた時代がありましたね。
手作りかどうかはともかく、自転車でモノを運ぶのが普通だった時代があったわけです。
しかし、リヤカーが軽トラにとって代わり、自転車でモノを運ぶこともなくなってしまいました。
三角乗りですか。私はやったことがありませんが、どういう乗り方かは知っています。懐かしく思いだされる方も多いのかも知れません。
当時と比べると、自転車の性能も飛躍的によくなっているわけですし、鉄のリヤカーではなく、アルミの軽量なトレイラーも実現可能です。
改めて自転車で運搬することを考えてもいいような気がします。
Posted by cycleroad at May 09, 2011 22:48
Tomohiroさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、最近は宅配便も自転車にトレイラーを連結して荷物を運んでいたりしますが、個人でトレイラーを牽いて走行している人というのは滅多に見ないですね。
たまに大きな自転車店などで売っているのを見ることがありますが、キッズトレイラーにしても、多くの人は、子供をトレイラーに乗せて牽くという考えさえ浮かばないのではないかと思います。
トレイラーが売られているのは私も知っていますが、やはり値段に割高感があるのが、普及しない一つの理由なのではないでしょうか。
道交法的には問題ないと思うのですが、都道府県の細則などでは、グレーな部分もあるかも知れませんね。
普及していないこともあって、条例などでも、あまり想定されていないという面もあるのだろうと思います。
Posted by cycleroad at May 09, 2011 23:07
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車でリヤカーなどを牽引してモノを運ぶなんて、前時代の遺物のように思っている人は多いでしょうね。
日本では自転車と言えばママチャリのようになってしまい、自転車本来のポテンシャルが知られていないというのもあると思います。
最近でこそ、スポーツバイクに乗る人が増えてきていますが、まだ大多数の人はママチャリしか乗ったことがありません。
最寄駅まで行くのがせいぜいだと思っています。そのあたりにも、自転車が見直されない要因があるように思います。
おっしゃる通りですね。せめて都市部など、自転車でも済む移動や運搬は、自転車にしてもいいと思いますし、世界のすう勢という意味でも、転換していくべき時期に来ていると思います。
確かに「なんでもかんでもクルマを使う」ことが当たり前になってしまっています。でも、場合によっては、自転車だと多少疲れますが、駐車場などの手配がいらない分、手軽だったり、かえって速かったり、燃料費が不要だったり、いろいろメリットがある場合も多いと思います。
政府や行政が転換していくためにも、多くの人に、もっと自転車のポテンシャルを理解してもらいたいものです。
Posted by cycleroad at May 09, 2011 23:16
 
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