May 10, 2011

道行く人を笑顔にするために

自転車に乗るのは楽しいものです。


おそらく趣味で自転車に乗っている人は、みな同意する事実だと思います。もちろんハードなトレーニングをすれば苦しいこともありますし、向かい風など辛い状況になることもあります。でも、自転車で風を切る爽快感、達成感や充実感も含めて、基本的には楽しいものだと思います。

アメリカ・サンフランシスコに住む、ゲリー・フランク・スカッグスさんも、そんな趣味のサイクリングを楽しむ一人です。しかし、3年前のある時、さらに何か面白い事は出来ないかと考え、3輪の自転車、トライクにあるものを載せる事にしました。

St. Frankenstein, stfrankenstein.com/St. Frankenstein, stfrankenstein.com/

あるものとは、なんとピアノです。ピアノを運ぶだけではなく、ピアノを弾きながら走行できるよう、オリジナルの自転車を作り上げました。ただ自転車で走るだけではなく、この自転車に乗ってピアノを奏でながら走行しようというわけです。

バイシクル・ピアノというアイディアは必ずしも新しいものではありません。これまでにも、似たような自転車ピアノはあります。いちばん有名なのは、ディズニーランドで園内をピアノ自転車で巡りながらディズニーの曲を演奏するパフォーマーのものでしょうか。

St. Frankenstein, stfrankenstein.com/

ディズニーのアトラクションにヒントを得たのかは定かではありませんが、ゲリーさんは実際のサンフランシスコの街なかへ自転車ピアノで出かけることにしました。演奏をして移動するだけでなく、演奏しながら走行することもあります。もちろん、危なくないようスピードはゆっくりです。

動画を見ると、普通にこの自転車で公道も走っています。ピアノ自転車で走っていても周囲から文句を言われる様子はありません。日本でピアノ自転車なんかを走らせていたら、警察官に事情聴取で連行されそうですが、そこはサンフランシスコ、成熟した都会という印象です。



実はゲリーさん、自転車が趣味のミュージシャン、ピアニストなのです。家にいてもピアノは弾くわけですが、バイシクル・ピアノならば、ピアノの演奏とポタリングが同時に出来るというわけです。ピアノを弾くにしても、家の中よりは、ずっと面白いということもあります。

サンフランシスコの埠頭などの水辺沿いや公園、街中を移動しながらなど、屋外のいろいろな場所やシチュエーションでピアノを弾くと、それぞれ響き方が違って面白いのだと言います。でも、このピアノ自転車の楽しさは、それだけではありません。



彼が街角でピアノを奏でていると、道行く人たちの中には足を止め、耳を傾ける人が出てきます。子供が集まってきたりします。動画にはそうした場面は収録されていませんが、誰もが和んで、誰もがほほ笑んでくれると言います。演奏の合間に話しかけてくる人もあって、多くの出会いがあるのが一番楽しいのだそうです。

休日のサンフランシスコの昼下がり、おそらく、場所によって、ストリートミュージシャンは他にもいるだろうと思いますが、ピアノの音というのが街の空気をゆったり、くつろいだものにしてくれるのでしょう。街角で彼が演奏するピアノは評判となり、楽しみにしてくれているファンもいるそうです。



ゲリーさん、最初は何か面白い事をやってみたいという好奇心でした。ディズニーランドの中ならともかく、普通の街中です。道行く人が意表を突かれ、驚くのを見るのも面白かったのでしょう。でも、そのうちに演奏を周囲の人に楽しんでもらい、喜んでもらうことで、さらに自分も楽しくなるという事実に気付いたわけです。

のんびりサイクリングするだけでも楽しいと思いますが、さらに周りの人を楽しませ、和ませることが出来るなんて素敵なことです。もちろん、演奏の腕もあるからなのでしょうが、彼が毎週バイシクル・ピアノで出かけたくなる理由がわかる気がします。

St. Frankenstein, stfrankenstein.com/

日本でも、趣味で自転車に乗って楽しむ人が増えています。もちろん、ゲリーさんのようなピアノ自転車に乗るなんて、誰にでも出来ることではありません。自転車に乗って、自分が楽しむだけでなく、周囲も楽しませられたら最高ですが、そんなことは、そうそう出来ることではありません。

しかし、せめて、自転車に乗ることで周囲の人に不愉快な思いをさせるのは避けたいところです。歩行者があふれる街中や歩道、公園など、猛スピードで走り抜けて、歩行者を驚かせたり、眉をひそめさせたりしていないでしょうか。自分の行為を周囲がどう見ているか、気付いていない人も少なくないはずです。

St. Frankenstein, stfrankenstein.com/自転車で走れば爽快で楽しいですが、一方、楽しいあまり周囲のことに気が回らなくなってしまうサイクリストは残念ながら存在します。信号無視をしたり、歩行者の脇を猛スピードで走り抜けたりするのは、マナー違反なばかりか重大な事故につながる恐れもあります。そうなれば、楽しいサイクリングところではありません。

狭い道などで、歩行者を追い抜く時に声をかけたり、場合によっては道を譲ったりすれば、歩行者のほうも笑顔を返してくれたりします。そんな時は、こちらもうれしくなるはずです。周囲を楽しませるまでは無理ですが、お互い、いい気分で過ごせるような配慮、マナーは忘れないようにしたいものです。





いい陽気になってきましたが、ここのところ気温の高い日も多く、暑いくらいです。電力不足の折、はやくも夏が思いやられますね。


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