June 06, 2011

雨の日によく見る日本の光景

今年は平年より長い梅雨となりそうです。


すでに今年は、東北と北陸を除いて梅雨入りしており、軒並み平年より10日以上、昨年より20日近く早い梅雨入りとなったところが多くなっています。しかし、早く梅雨入りしたから早く明けるかと言えば、そんなことはなく、むしろ梅雨入りが早いと、梅雨は長くなる傾向があるのだそうです。

サイクリストにとっては憂うつな季節が長引くことになります。自転車で通勤する人は毎日の空模様が気になるでしょうし、休日と梅雨の晴れ間が重なるとは限らないのも悔しいところです。運動不足になって、この時期はストレスが溜まる人も多いかも知れません。

傘の固定装置雨の多い日本の気候が、自転車に乗るのに適していると言えないのは確かでしょう。でも、世界を見まわせば、雨が少なく、水不足に悩む国は少なくありません。それを思えば、降水量に恵まれていることに感謝すべきで、雨が多いことに不満は言えません。

ただ、雨が降るのは仕方がないとしても、出来れば南の国のように、激しいスコールがあっても、小一時間もすればカラッと晴れ上がるような気候だといいのにと思ってしまいます。日本の梅雨のように、しとしと長い時間降り続くような雨を恨めしく思うのは、サイクリストだけではないはずです。

スポーツバイクに乗る人は別ですが、そんな雨の降り方ということもあって、日本では雨の日に傘をさして乗る人も少なくありません。傘を握って乗るのは不安定になりますし、視界も悪く危険なので、法律で禁止されています。しかし、残念ながら見慣れた光景となっています。

国によっては、ポンチョやレインウェアを着る人が多いところもありますが、日本ではあまり見かけません。自転車用の雨具として、ポンチョなどは実用的だと思うのですが、なぜか人気がないようです。もちろん、国によっては雨具を何も使わなかったり、そもそも濡れてもあまり気にしない国もあって、お国柄なのでしょう。

荷物も濡れない サイクルレインポンチョチャリぽん

これがフランスあたりだと、“VELTOP”のような商品も売られています。フランスの雨の日の自転車アイテムというだけで、何だか洒落た雰囲気が漂います。なるほど、傘をさすのと違って、両手が自由になりますし、視界も悪くなさそうです。ちょっと街乗りするくらいなら、十分実用になるでしょう。

雨の多い日本でこそ、普及しても良さそうなアイテムですが、なぜか、これまでこうした屋根に人気が出た試しがありません。関西などでは、傘を自転車に固定する器具が人気だったりしますが、わざわざ屋根まではつけません。大げさですし、邪魔だとか面倒という感じなのでしょう。

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日本では歩道走行が当たり前のようになっているので、こんな屋根をつけて走行しては、歩行者とぶつかるなど、トラブルになりそうというのもあります。駐輪するにも、場所によっては邪魔になったり、不便なので、あまり人気の出る余地がないのかも知れません。

雨を防ぐために屋根をつけてしまえと考えるのは、ごく自然です。雨の降り方は、国によっても違いますので、かえって邪魔な国もあるでしょうが、日本のように長雨が多い気候で、こうした雨天対策グッズの人気が出ないのも、自転車の歩道走行という長年の悪習の弊害の一つなのかも知れません。

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日本では歩道走行が常識のようになっており、自転車に乗るにも歩行者感覚の人が少なくありません。それで、傘をさして自転車に乗るのに違和感がないのでしょう。日本でも普通に車道走行をするようになれば、フェアリングのついた自転車など、雨でも濡れにくい自転車やアイテムが登場してくるのかも知れません。

日本では、屋根のついた自転車なんて大げさに見えますが、世界の常識から言うと、傘をさして歩道走行する自転車のほうが狂気の沙汰です。雨を防ぐため、傘を前に傾けて、前をよく見ずに走行している人もいます。歩行者にとっては、まさに凶器が突進してくるようなものです。

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日本では見慣れた光景になってしまっていて、何とも思わない人が多いと思いますが、これは異常な光景と言わざるを得ません。必ずしも屋根を装着するのがいいとは言いませんが、傘では自転車本来の能力も活かせませんし、歩道走行は禁止にして、日本の気候風土にあった、雨天用グッズや工夫の登場を期待したいものです。



ところでこの時期、駐輪場にとめておいた自転車のサドルが、雨に降られてビッショリということもあるでしょう。よく見るのは、コンビニの袋をサドルにかぶせてある光景です。応急措置としてはいいでしょうが、必ずしも防水効果は高くないと思います。

そこで、こんなアイディアもあります。身近にある傘をリユースするのです。傘は、ホネの部分が折れて使えなくなっても、傘の生地の部分は問題ないことも多いと思います。そこで、傘が壊れたら、この傘の布の部分を再利用しようというわけです。

OMBreLLO

写真のような形に裁断することで、サドルカバーやシューズカバー、バッグやバッグのカバーなどをつくるわけです。傘の生地は、当然ながら水をはじくので、サドルや靴、バッグを濡らさないためには、もってこいの素材となります。これなら、濡れたままのサドルにまたがらなくても済みそうです。

こちらはイタリア発のアイディアですが、およそイタリアらしくないセンスです。こうしたリユース意識を啓発するため、最初から傘にこうした図をプリントして発売するのもいいと思いますが、傘として持つには、ちょっとオシャレとは言えず、イタリアらしからぬイメージがあります。

OMBreLLO

ただ、こうしたアイディアをヒントに、身体や自転車の濡らしたくない部分のカバーを作ったり、工夫したりというのは面白いかも知れません。どうしても雨に降られる局面というのは出てきてしまうと思いますので、イザという時のアイテムや、装備を工夫しておくのも無駄にはならないでしょう。

今年は、長いところだと1ヶ月半から2ヶ月近く、梅雨が続きそうです。自転車乗りにとっては、楽しくない季節です。なるべくなら、はやく梅雨が明けてほしいものですが、雨で出かけられない日には、雨の時の不快感を少しでも減らすような工夫を考えてみるのもいいかも知れません。





こんな時に権力闘争なんて、いったい何を考えているのか、また1年と少しで総理交代になりそうです。いっそのこと、日本の総理の任期は1年ということにしたらどうでしょう(笑)。そうすれば、「○○下ろし」にうつつを抜かさずとも、どうせあと何日ということで、ほかのことが出来ると思うのですが..。

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この記事へのコメント
雨降りの日には自転車にしようかどうかと迷ってしまいますが・・・。

でも、雨降りの休日には恨めしそうに天を見つめてため息です・・・。

雨降りの日にも野球ができるようなドーム球場はどうでしょう?
エコではないのかも?

晴耕雨読でもないでしょうが、雨降りの日は自転車さんを休ませてあげてもいいのでは。

この時期に首相交代では世間体というか世界体が悪いですね。
Posted by 二浪独河 at June 09, 2011 18:28
二浪独河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
途中で降られるならともかく、さすがに雨中を自転車で出かけるのはためらう人は多いでしょうね。
乗らないで済めば、それに越したことはないですが、何かの理由で乗らざるを得ない場合もあると思います。もちろん、途中で降られた場合なども含め..。
梅雨時でも自転車を業務に使う人もあるでしょうし、交通手段として使わざるを得ない人にとっては、雨天用のグッズは助かるのではないでしょうか。
Posted by cycleroad at June 09, 2011 23:27
こんにちは。

ピザ屋のスクーターみたいに屋根があれば、と思うことはありますが重くなりますし、なにより横風が心配です。キャンバストップやキャノピーは巧くアレンジすれば電動自転車とダイハツミゼットとの中間形あたりで活きるかもしれません、と言うか世に言う乗用車はその程度で十分でしょ。

自転車はそのトランジッションもケッコウ以上に問題。本州南岸に沿って東進してくる低気圧に向かって吹き込む北東からの雨をしのげる庇が母屋とつながっているところは極めてまれ、この時季立ち寄れる場所は限られています。雨が降っただけで街の機能がどれほど麻痺するか、クルマ生活者には解りますまい!
Posted by alaris540 at June 10, 2011 11:56
alaris540さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、風には弱そうですね。梅雨のしとしと降るような雨ならいいですが、風の強い場合は、かえって邪魔になるかも知れません。
いちいち風の弱い時だけ、自分の自転車に取り付けるのは面倒でしょうが、都市でのシェアリングの自転車などに、取り付けてあったら、ちょっと便利かなとも思います。
パッと見には、一つの選択肢かなとも思いますが、実際問題として、どれほど使えるかと考えると、やはり日本で売られていないのは、売れない、すなわち、あまり実用的でないということなのかも知れませんね。
平均して、1人強くらいしか乗っていないクルマが、公共の道路の空間で場所を取り過ぎているというのは、私もそう思います。
Posted by cycleroad at June 11, 2011 23:16
こんばんは。

雨天時走行のため自転車に屋根をつける、良いアイデア。だが、いたって普通の考え。雨天時は晴天時に比べてリスクの値が上がる。故に、雨天時は自転車に乗らないと言うのも一つの選択方法。雨天時に自転車で走行するならリスクの値を少しでも下げる事が自分の命を守る事になり、それが歩行者や他の車両への思いやりとなる。
管理人さんも言われているが、傘をさして(片手運転)歩道を前も見ないで(傘を進行方向に向かって傾けた状態)走って来る自転車は”動く凶器”でしかない。歩行者が道を譲らなければ轢き殺される。外国の友人たちは開いた口が塞がらない。日本では当たり前の光景だが世界から見れば日本は狂っているそうだ。
Posted by passerby Ω at July 27, 2011 17:47
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、私も雨天時には乗りませんし、極力乗らなくて済むようにしています。
傘をさして、前に傾けた状態で走行している人、見ますね。老若男女にかかわらず見ます。
おっしゃるように、外国人からすると信じられない光景でしょう。歩道を自転車が通っているだけでも異様なのに、その上、徐行して歩行者を優先するどころか、前も見えない状態で突進するわけですから、驚くのも無理はありません。
雨天でも乗らざるを得ない人もいるでしょうから、それは仕方ないとしても、傘をさして乗るのは道路交通法違反でもありますし、やめてほしいですね。
Posted by cycleroad at July 28, 2011 22:49
 
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