June 18, 2011

とてもスマートなヘルメット

米国トヨタが、コンテストを開いています。


同社のハイブリッドカー・プリウスで使われている技術を、クルマの世界だけでなく、ほかの分野へ応用するためのアイディアを募るものです。“Ideas for Good”と名付けられたコンテストには、全米から4千を超えるアイディアが寄せられました。

このコンテストについて、日本では報道も少なく、あまり一般には関心を集めなかったようです。アメリカ・トヨタの米国内でのイベントということも当然あるでしょうが、受賞した作品を見ても、どちらか言うと地味な感じで、専門的なものが多かったからというのもありそうです。



プリウスには、ハンドル部分に取り付けられたオーディオや空調などのスイッチの操作を、ヘッドアップディスプレイでスピード表示などと一緒に確認できるという装置が一部の車種に取り付けられています。運転時に、視線の移動を少なくすることで、スイッチを安全に操作するためのものです。

例えば、受賞作の一つは、これをコンピュータなどのキーボードに応用するものですす。手元を見なくても、モニター上で、どのキーを操作しているか表示されるというわけです。いちいち手元を見る必要が無くなり、目の焦点を合わせる距離が大きく変化しないので、目が疲れが軽減するかも知れません。

TOYOTA Priusプリウスだけではありませんが、縦列駐車を簡単にするためのトヨタのガイドシステムが搭載されているグレードもあります。センサーやカメラとコンピュータを使って、ハンドルを制御し、誰でも上手に縦列駐車できるよう、ガイドをするというものです。

この技術を、消防の現場に用いることは出来ないかというアイディアも受賞しました。火事の建物から煙が噴き出し、視界が悪い中でも、はしご車のはしごを自動で制御し、迅速かつ安全に消防士を誘導しようというものです。なるほど、センサーを使って建物までの距離を測るのは有効かも知れません。

サンルーフに取り付けられた太陽電池パネルで発電された電力を使い、駐車中の車内の換気をして、クルマに戻った時の車内の暑さを軽減するシステムもあります。これを、途上国の住居の換気に使おうというアイディアです。電気が来ていない家でも、薪などを使った際に換気が出来るわけです。

他にも、プリウスのハイブリッドシステムそのものにヒントを得て、フィットネスで消費されるエネルギーを使って発電するアイディアなどもありました。これら受賞作品の中で、私が個人的に面白いと思ったのは、トヨタの衝突シミュレーションシステムをヘルメットの開発に応用しようというものです。



このシステムは、クルマの衝突時のダメージが、具体的に人体にどのような傷害を及ぼすか解析する為のものです。衝突テストでダミー人形が壊れる様子を見るだけではわからない、脳や骨格、内臓など人体の内部に、どのような傷害が及ぶのかを解析します。実際の生身の人間がどうなるか、シミュレーション出来ます。

このシステムをヘルメットの開発に使うわけです。現在のヘルメットは、衝突時の衝撃を軽減するようには出来ていますが、人間の脳に与えるダメージまで想定した構造にはなっていません。このトヨタのシステムを使うことで、より頭部を有効に守るヘルメットの開発が期待されます。

Ideas for Good, yourideasforgood.com

具体的にどんなヘルメットになるのか、形が変わるのか、材質や構造が変わるのかはわかりませんが、より安全で、衝突ダメージの減らせるヘルメットが出来るのはいいことです。ただ、それだけにはとどまりません。このヘルメットの開発には、ヘルメットの新しい可能性が秘められています。

アイディアコンテストの受賞は、トヨタの衝突シミュレーションシステム“THUMS”のヘルメット開発への応用ということですが、受賞者は、カーネギーメロン大学や関連企業の技術者と共に、すでに実験やプロトタイプの作成に取りかかっています。

ヘルメットに、衝撃や加速度などのセンサーを取り付けたり、そのデータを記録するメモリーカードを取り付けたりしています。シミュレーションにはデータが欠かせないからですが、すでにこの段階で、新しいヘルメットの可能性が開けています。

Ideas for Good, yourideasforgood.com

つまり、ヘルメットにセンサーやメモリーカードを内蔵するというアイディアです。事故で救急搬送されたライダーが、事故の状況や損傷部位などについて医者に話せない状態というケースは充分ありえます。そんな時、医者が、ヘルメット内臓のメモリーカードを抜き取り、コンピュータで読み取るわけです。

ヘルメット自体は、さほどダメージを受けていないように見えても、実は大きな衝撃が加わっている場合もあります。メモリーには、衝撃の種類や時間、大きさ、角度、部位といったデータが自動で記録されています。このデータを、今後の容態の変化の予測や、治療方法の判断などに役立てるわけです。

さらに、無線通信用のチップを搭載することも考えられます。事故が起きたら、ヘルメットが即座に救急車を呼んでくれる機能も持たせられます。すでに一部のクルマに、事故発生時に携帯電話などを利用して自動的に救急へ通報してくれるシステムが搭載されていますが、そのヘルメット版というわけです。

Ideas for Good, yourideasforgood.com

もちろん、その場合はGPSのチップも搭載され、自動的に位置情報を含めて通報することになります。頭部の保護や事故のダメージを軽減するだけでなく、早期の通報、素早い搬送と治療によって、生存や回復の可能性を高める事が出来るヘルメットです。

頭部への衝撃でなくても、自分で通報出来ないような状態に陥ることは十分考えられます。加速度センサーならば、ヘルメットに直接衝撃が加わらなくても、つまり腹部などへのダメージであっても、事故の発生をキャッチして通報出来るかも知れません。

普通は、事故の相手や目撃者が通報してくれるでしょう。しかし、早朝とか人通りの無い場所でのひき逃げや、目撃者のいない山の中の道路での単独事故もあり得ます。街中であっても、相手が気付かなかったり、何かの陰で死角になって気付かれず、通報が遅れるといったケースが無いとも言い切れません。

Ideas for Good, yourideasforgood.com

技術的な問題もあると思いますが、今どき、ありとあらゆるものに半導体チップやマイコンが搭載される時代です。こんなヘルメットが出来ても不思議ではありません。スマートフォンやスマートグリッドなど、いろいろな機器が進化する中、かしこいヘルメット、スマートヘルメットも登場する可能性があります。

トヨタに限らず、クルマ産業全体の規模は大きく、研究開発費も莫大です。クルマそのものを便利にしたり、安全にしたりする技術の進歩は大いに期待されます。さらにそれらの技術は、もっと積極的にクルマ以外の分野へ応用し、役立てるべきなのかも知れません。





稼働したと思ったら、すぐダウンですか。急ごしらえで厳しいのはわかりますが、福島のほうのシステムも、どうにかならないものでしょうか。

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