June 21, 2011

平均速度も上がっていくはず

電動アシスト自転車が快走を続けています。


電動アシスト自転車の出荷台数は、すでに2008年に原付バイクを抜くほどになっていますが、その後も順調に販売が拡大して、2010年には外国製を除いたオートバイ全体の出荷台数をも上回っています。そして東日本大震災の後、さらに販売は急拡大していると言います。

子供を乗せる自転車としても、電動アシスト自転車は人気があります。特に幼児2人を乗せる場合は、重くてふらつく危険を回避する意味でも、その恩恵は小さくないでしょう。メーカーも好調な販売を受け、改良した新しいモデルを相次いで発表しています。

電動アシスト自転車ヤマハ発、子供を乗せて走れる電動アシスト自転車PAS新発売 (2011/6/13)

ブリヂストンサイクル、寿命が約2倍のバッテリーを搭載した3人乗り対応電動アシスト自転車など発売(2011/06/15)

磐田市、電動自転車奨励好調 申請2カ月で124台 /静岡(2011/6/9)

もちろん、電動アシストは子供乗せ自転車に限りません。震災後に通勤などに使う人が広がっただけでなく、レンタサイクルとして使われるなど、一般に広く浸透しつつある様子が伺えます。最近のニュースにも、電動アシスト自転車の拡大を反映したものが多数目につき、その勢いを感じさせます。

日本で初めての電動アシスト自転車による新しい旅の提案講座が開講(2011/6/6)

ママ注目 女性誌と共同開発の電動アシスト自転車(2011/5/29)

観光レンタル9月から開始 徳島市、電動バイク・電動自転車(2011/5/26)

LIXIL、電動アシスト自転車が充電できるソーラー駐輪場(2011/6/21)

ヤマハの試乗会、1日1000人と大盛況(2011/6/20)

ソーラー駐輪場ヤマハの試乗会

普及してきたことで懸念があるとすれば、誤使用によるケガでしょうか。発進時にいわゆるケンケン乗りをすると、強いアシスト力が発生して急加速してしまうことがあると言います。普通の自転車の感覚で、発進時に強く踏み込んでしまうなど、つい、いつもの癖で乗ってしまってケガをする例も少なくないようです。

電源スイッチを入れる際にペダルに足をかけてはいけないとか、信号待ちでペダルに足を乗せておいてはいけないなど、取扱説明書には注意が書かれています。でも、同じ自転車だからと、よく読まずに乗ってしまう人が多いのだそうです。高齢者が急加速でひっくり返ってしまい、ケガをする例も増えていると言います。

ただ、実際に乗ってみると電動アシスト自転車は確かにラクですし、普通のシティサイクルから乗り換えたくなるのもよくわかります。最近は、いわゆるママチャリ型モデルばかりではなく、スポーティーなもの、男性をターゲットにしたものが増えたことも、乗り換えを後押ししているのでしょう。

観光レンタルいったん電動アシストに乗ってしまうと、そのあまりのラクさから、普通の自転車には戻れないというのもあるに違いありません。今後も自転車市場における電動アシストの占める割合というのは、確実に増えていくものと思われます。

人気が高まる電動アシスト自転車ですが、スポーツバイクに乗る人の中には、興味がないという人も多いと思います。電動アシストは、自転車をラクにこげるようにするものであって、実用向けにはいいとしても、趣味の自転車には関係ないと考える人は多いでしょう。

私もそう思いますし、少なくとも当分の間はお世話になる気はありません(笑)。しかし、最近の電動アシスト自転車の拡大には目を見張るものがあります。昨年末には、スポーツバイクの世界最大手、ジャイアントも電動アシスト自転車市場に本格参入しています。

スポーツバイクに乗る人ならば、一日に数十キロとか百キロという距離は当たり前に走行するでしょう。電動アシスト自転車の弱点は、車体の重さと航続距離です。せいぜい2〜30キロも走るとバッテリーが無くなってしまい、ただの重いシティサイクルになってしまうというのがあります。

ジャイアントが電動アシスト自転車に参入

ところが、このジャイアントの電動アシスト自転車は、40キロ走行してもバッテリーの減りが5分の1と記事にあります。他の雑誌で、80キロ弱走って5分の2という記述も見たことがあります。予備のバッテリーを積めるようにもなっているので、相当長い航続距離を実現しているようです。

ただし日本の規制では、電動アシストは時速24キロを超えると、アシスト力はゼロになってしまうので、スピードが出ないのは間違いないでしょう。車体が重いのも確かですし、制約があるぶん、速度や移動時間という点で不利なのは否めません。

でも、これだけ航続距離があるならば、ロングツーリングも十分出来そうです。スポーツバイクに乗る人でも、何に乗るかこだわらない人、速さを気にしない人ならば選択肢になってくる可能性があります。坂もラクですし、電動アシスト・スポーツバイクに乗り換える人も増えてくるのかも知れません。

CRS HB

いずれにせよ、今後も全般的に電動アシスト自転車の割合が増えていくのは間違いなさそうです。どんな自転車に乗るかは、それぞれの判断としても、基本的に選択肢が増えるのは悪いことではありません。体力のない人、脚力の弱い人でも自転車を有効に使えるようになるという意味でも歓迎すべきことです。

しかし一方、電動アシスト自転車が増えることで、日本の自転車環境も変わってくることが予想されます。これまで、日本の自転車の大多数は、遅くて重いママチャリでした。ママチャリを悪く言う意図はないのですが、日本では歩道走行が当たり前になってしまった結果、事実そうなっています。

良し悪しは別に、実際問題として歩道走行に適した自転車として進化した結果、ゆっくりした速度でも安定して走行でき、アップライトな乗車姿勢で足つき性がよく、車体は重くてスピードが出ない、今のようなママチャリが日本のスタンダードとして圧倒的な多数を占めるようになりました。

女性誌と共同開発これが、電動アシスト自転車の普及で、軽快に走れるようになると、今までの「遅い自転車」という状況が変わってきます。つまり、歩道上でスピードを出す人が、これまで以上に増えてくる可能性があります。当然ながら、歩行者との事故のリスクもますます高まります。

クルマやオートバイからの乗り換えも拡大しています。最寄駅までではなく、自転車通勤など、その使い方も変わってきています。そして何より、自転車そのものが変わり、スピードが出るものになってきている以上、自転車の歩道走行の問題は、ますますその深刻度を深めていくに違いありません。

歩道走行をやめ、自転車の車道走行という本来あるべき姿、世界で当たり前すぎるほどの常識である状態に戻すべきだとは、今までにも再三書いてきました。電動アシスト自転車の普及が速まっている以上、日本の自転車環境の刷新も急務となってきているのではないでしょうか。





まあ、総選挙といい、新メンバーがCG合成だったことといい、話題づくりというか、売り方がうまいのは間違いないでしょうね。

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この記事へのコメント
こんにちは。

僕も同感です。電動アシストは自転車乗りにしてみればあまり興味のない車種ですが、ここ数年は販売台数が増え、増加傾向にあることから無視できない存在だと思います。

今までのママチャリやシティサイクルよりは明らかにスピードが出る乗り物で、体力のない人でも軽快に走れるでしょう。しかしながらその電動アシストが走るのは依然として歩道または歩道上の自転車道だったりするわけで、このままでは歩道上での事故増加を誘発しかねません。車道上の自転車道等、自転車中心の道路づくりが重要だと思います。

電動アシスト自転車が増えることによって、自転車の道路環境が変わってくれることを願いたいです。
Posted by さすらいのクラ吹き at June 22, 2011 18:38
さすらいのクラ吹きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自分が乗るかどうかは別として、日本の自転車環境を考える上で、すでに避けては通れませんね。
今まで歩道走行という横車を押し続けてきた道路行政は、歩道上を行き交う自転車そのものが変わってきているという事実を、重く受け止めるべきだと思います。
高齢者でも、結構なスピードで走っていたりしますし、今後の危険性の増大は必至と思われます。
電動アシスト自転車は便利で、多くの人に自転車の可能性を広げる一方で、速度が上がって危険も増大する懸念があることを、人々も、もっと認識すべきだと思います。
Posted by cycleroad at June 23, 2011 23:58
スピードが上がるとアシストが弱くなると言っても20キロくらいのスピードで歩道を走っていることもあるのでママチャリというよりクロスバイク並みの性能なので危ない気がしますが高齢者の足としては便利なので、「規制しろ」ではなく電動自転車が安全に走れる環境づくりをするほうに話が進めばいのですが。
Posted by 職人気取 at June 25, 2011 08:29
職人気取さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、あまり脚力があるように見えない女性が、かなりのスピードで走行していたりします。スイスイこげるのはいいですが、歩道でスピードを出す人が増えるのは困ったものです。
これだけ電動自転車が増えている以上、自転車の歩道走行の禁止について、真剣に考える時期に来ていると思いますね。
Posted by cycleroad at June 26, 2011 23:16
 こんにちわです、何時も読ませてもらっています。
電動アシスト付自転車と言うカテゴリと言うか定義はYAMAHA PASやHONDA ラクーンを出すに当たって、それは原動機付自転車でしょ?って言うのをかいくぐる?為に出来たシロモノ見たいなので、個人的には125cc以下の原付バイクを含めたここいら辺の法体制とか免許制度とかを改める時期に来ていると思います。

 最近の電動アシスト付自転車は恐ろしい加速しますよね、前後カゴにお子さんが乗っている電動アシスト付自転車と赤信号で止まっていて、青信号になって同時に発信したら、最初の10m加速は私のMTBが負けました。
Posted by Tomohiro at June 29, 2011 00:11
Tomohiroさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
世界で一番最初に開発したヤマハは、純粋に自転車からスタートしたようですが、アシスト力の規制も緩和され、性能が上がっています。市場でも原付バイクが減り、電動アシスト自転車が増加するなど、構造的にも変化してきているみたいです。ここらで見直す必要があるかも知れませんね。
こぎ出しの軽さが、大きなウリでもありますから、確かに軽やかですね。ただ、思わぬ急加速してしまうことがあり、怪我をする例もあるようです。子供を乗せるのには強い味方ですが、リスクも拡大していると思います。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at June 29, 2011 23:18
こんばんは。

子供の送迎時や重量物運搬時は電動自転車が大変便利だ。又、足が悪い人にとっても便利な乗り物であろう。私も数回乗った事があるが、漕ぎ出しが非常に軽い。便利だ。その便利さと引き換えに様々なリスクがついてくる。問われるのは乗る人の使い方・モラルだろう。
Posted by passerby Ω at July 27, 2011 18:19
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
文明の利器という意味では、なんでもそうなのでしょうけど、便利になるにつれ、あるいは道具として強力になるにつれ、リスクも増大するのは間違いないでしょうね。
使う人の問題といえばそうですが、なかなか個人のモラルに頼れない場合も多いですから、社会として、いかに仕組みを作っていくかだと思います。
Posted by cycleroad at July 28, 2011 23:07
 
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