June 24, 2011

暑い夏でも自転車で出かける

今年の夏は暑くなりそうです。


まだ夏至を過ぎたばかりですが、6月の史上最高気温が更新されるなど、この先の暑さが思いやられる状況です。気温の上昇に加えて、今年は何と言っても電力不足の懸念があります。すでに節電が呼びかけられていますが、今年は電車やオフィスなどでも冷房の温度が高めに設定されるなど、いっそう暑い夏となりそうです。

自転車で出かけるにも暑さが厳しくなっていきます。強い日差しにアスファルトの照り返しも加わり、体力も消耗します。熱中症対策は必須です。そんな暑い季節を迎えるわけですが、夏でも『涼しく』自転車に乗っている人たちがいないわけではありません。

Gravity Bike, by Jeff Tiedeken

自転車に乗っていて、下り坂にさしかかるとペダルをこがずにすみ、風を受けるだけなので涼しくて快適です。ずっと下り坂ばかりならいいのにと思ってしまいますが、まさにその「下るだけの自転車」が“Gravity Bike”です。重力だけを動力とする自転車です。

Gravity Bike, by Jeff Tiedeken

上る時にはクルマなどの機動力を使い、自転車では坂を下るだけです。ダウンヒルのロード版といったところでしょうか。ただ、ダウンヒルの場合、途中でペダルをこぐ場合もありますが、こちらは道路を惰性で下るだけなので、ペダルをこぐ部分はありません。

Gravity Bike, by Jeff TiedekenGravity Bike, by Jeff Tiedeken

そのため、ペダルやチェーン、ギヤなど駆動系のパーツは必要ないわけです。ペダルは単なる足置き場です。まさに下りに特化した自転車です。しかし、下るだけと侮ってはいけません。その速度は半端ではなく、この自転車の持ち主、Jeff Tiedeken さんは、時速60マイル、時速約97キロを記録しました。



これは、風に当たって涼しいどころか、スリルで背筋まで寒くなるような速度です。フルフェイスのヘルメットをかぶっていますが、もし時速100キロで転倒したら、ただでは済まないでしょう。ブレーキはディスクブレーキになっていますが、それでも心細く見えてしまいます。

Gravity BikeGRAVITY BIKE DOWNHILL STREET RACING

日本では、“Gravity Bike”などあまり聞かないので、この人だけの酔狂と思われる方も多いと思いますが、実はそうではありません。メジャーとは言えませんが、世界各地で少なからず楽しんでいる人がいます。多くはないものの競技人口が存在し、ローカルなレースも行われている、れっきとしたジャンルなのです。



時速100キロと聞くと、すごい速さのように思えます。しかし、生身の人間が重力で出す速度ということで言えば、スキーの滑降系の競技などはもっとスピードが出ます。プロのロードレースでも、時に70キロくらいのスピードが出るわけですから、それを考えれば単独での100キロはあるかなと思えてきます。



もちろん、日本の公道で出せばスピード違反です。私たちがふだん乗っている自転車の感覚で、坂を下って時速100キロと想像するとゾッとしますが、ある程度の安全が見込める場所で直線ならば、結構出せるものなのかも知れません。コーナリングも考慮して、多少太めのタイヤを使っているようです。



BMX用の自転車を使うなど、レギュレーションはそれぞれ違いますが、オンロードでもダウンヒルを楽しむ人は世界中にいます。インラインスケートやスケートボード、ストリート・リュージュと呼ばれる車輪付きのソリでレースをする人もいて、その方がもっと怖そうですから、自転車はむしろいい方かも知れません。

Waterpillar, waterpillar.netWaterpillar, waterpillar.net

山もいいですが、やはり夏は海だという人も多いことでしょう。暑くても水辺、特に水上で自転車に乗れるならば、暑さも和らぎます。と言うことで、こちら“Waterpillar”です。実際にアメリカやカリブ海諸国などで、4千6百ドルほどで売られています。



ペダルをこぐボートですが、タイヤを大きくして並列にし、タイヤをフロート(浮き)兼推進装置にしています。クッションにもなっているので合理的です。こんな乗り物がビーチなどで借りられたら、乗ってみたいという人も多いのではないでしょうか。

Waterpillar, waterpillar.netWaterpillar, waterpillar.net


個人で所有するのは、ちょっと現実的ではないとしても、川や湖などでもレンタルしてくれたら自転車で水遊びが出来て楽しそうです。川沿いのサイクリングロードを走るのではなく、こんな自転車で川の『上』を走行できたら、さぞかし涼しいだろうと思ってしまいます。



夏は暑いから自転車に乗らないというのも勿体ない話です。今回取り上げた例はともかく、高原や涼しいところへ輪行するなど、工夫次第で涼しく乗れる方法もあると思います。それだけでなく、自転車に乗れば、この夏の節電にも貢献します。

休日の昼間など、家にいれば、どうしても電気を使います。もちろん、いろいろな節電方法が考えられるでしょうが、自転車で出かけてしまえば節約どころか、電気を使わないので節電効果は抜群です。節電に協力する意味でも、この夏は積極的に自転車で出かけてもいいのかも知れません。





昨日、銀座を通ったら、三越の玄関のドアは全部全開、冷気が歩道を越えて車道にまで噴き出していました。暑い日でしたから、あれだけの冷気、相当の電力でしょう。個人がコツコツ節電しても、あれでは..と思わざるを得ません。三越に限りませんが、今どき、よく平気だと思います。どう思われるか考えないのでしょうか。

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この記事へのコメント
なんと、こがない自転車があるとは、驚きです。

テレビを観なくなったら、時間が腐るほどあることに気がつきました。
家にいてエアコンの効いた室内でテレビは罪悪ですよね。

今夏は積極的に自転車で外出です。
Posted by 二浪独河 at June 25, 2011 17:57
こんにちは。

まだ6月だというのに既に暑いですよね。当方の北海道でも30度付近になった地域が出てきました。
さらに近年は北海道でも蒸し暑く感じることが多く、ここ数年は特にそう感じます。本州なら蒸すのは当然だと思いますが、まさか北海道でも似た感じになろうとは...

7月、8月はどうなるんでしょうかねぇ。
Posted by さすらいのクラ吹き at June 26, 2011 20:34
二浪独河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
家にいて節電を意識するあまり、熱中症になる人が増えるのが危惧されていますから、あまり罪悪感を感じるのは禁物だと思いますが、電気を使ってしまうのは確かですね。
家で過ごす代わりに、例えば図書館などに出かければ、個々に冷房する必要がないぶん節電になるでしょう。
今年の夏は、皆なるべく集まって過ごしたほうがいいのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at June 26, 2011 23:25
さすらいのクラ吹きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
北海道も暑くなってますか。しかも蒸し暑いとは..。梅雨のない北海道とは思えない暑さですね。
本当に7月、8月が思いやられます。節電で冷房の温度を上げるのはいいですが、それならいっそのこと、みんなで冷房を止めて、自然の風を入れた方が過ごしやすくなるのではないかと思ってしまいます。
実際には無理でしょうけど、都市部では、エアコンの室外機の発する熱がまた周囲を暑くする、暑さの悪循環状態ですから、なにか壮大に無駄なことをやっている気がしてしまいます。
Posted by cycleroad at June 26, 2011 23:41
こんばんは。

重力バイク、初見です。Max speed 97km/hとは大変な速さ。画像を見た感想では空気抵抗を極限まで抑えたフォームでの走行。やはり自転車の最大の敵は空気抵抗かもしれない。クランクを回さずにこれだけのスピードが出ればさぞかし涼しいに違いない。
Posted by passerby Ω at July 27, 2011 22:34
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車走行の最大の敵が空気抵抗なのは間違いないでしょうね。
これだけのスピードを出すのは、涼しいだけでなく、肝も冷やす体験だと思います。
Posted by cycleroad at July 28, 2011 23:15
 
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