July 09, 2011

試してみなければわからない

世の中には、いろいろなことを考える人がいます。


こちら、ホイールが鏡で出来た自転車です。海外のネット掲示板に写真が投稿され、話題になりました。誰かが思いついて、実際に作って置いてみたのでしょうか。それとも乗っているのでしょうか。誰が何の目的で作ったのか明らかではありませんが、見た目は実に不思議な感じです。

掲示板でも、果たして乗れるのか、何の意味があるのか、割れないのか、乗り心地はどうなのか、素材は何だろう、なぜリム部分だけでタイヤがないのか、など疑問が続出です。スポークやリムの部分をミラーにしたかったのはわかりますが、なぜなのかは不明です。

Mirror rims, www.reddit.com

クルマのホイールにも、ミラーのようなタイプがありますが、それに似せたかったのかも知れません。ならば、なぜタイヤのゴムの部分を無くしたのか疑問が残ります。見る角度によって、タイヤが無いように見せたかったのでしょうか。やはり、見た目のインパクトを狙ったということなのかも知れません。

乗り心地がかなり悪そうなのは間違いないでしょう。いや、これは乗るのではなく何かのアートではないか、でもこれに乗っていたらクールだ、割れたら縁起が悪い(西洋の迷信)、など、コメントもいろいろです。ガラスでなく何かの合金ではないか、いや太陽電池パネルでは、などと言い出す人までいます。

いずれにせよ、実際に作ってみたからこそインパクトがありますし、話題になったのは確かでしょう。注目を集める、人々の反応を見る、あるいは人々を驚かせるという目的だったのであれば、十分に目的を達成したということなのかも知れません。

SplinterBike, www.splinterbike.co.ukSplinterBike, www.splinterbike.co.uk

作ってみたのではなく、作らざるをえなくなった人もいます。イギリスの家具職人、マイケル・トンプソンさんは、日頃から木で何でも作れると豪語していました。ある日、ロードレースを観戦した帰りの酒の席で、友人と木で自転車が作れるか賭けることになり、実際に作るハメになってしまいました。

これまでにも木の自転車はありましたが、多くはフレームが木の自転車で、木材以外の素材も使われています。しかし、この職人が挑戦したのは、全て木で作った自転車、チェーンもタイヤも全て木製、木以外の素材、ネジやクギなども一切使わない自転車“SplinterBike”です。



酒の勢いで出来ると言ってしまったことを、すぐに後悔したそうですが、半年の試行錯誤を経て完成させたのが写真の自転車です。金属やプラスチック、ゴムなども含め、木以外は一切使用していません。一番苦労したのは、ペダルの駆動をチェーンを使わずに、いかにタイヤに伝えるかということだったそうです。



結局、木で歯車を作って、かみ合わせる方法にしました。さすがにディレイラーはなく、ブレーキは固定ギヤの自転車と同じようにして止まります。重さも強度の関係から31キロと重いものになってしまいました。今のところ、あまり実用性は高くありませんが、木だけでも自転車が作れることは証明されました。

さすが家具職人だけあって、細部も精巧に出来ています。変速は出来ないものの、スピードは出るはずと言います。そこでサイトを立ち上げ、公認記録を取るためにスポンサーを集め始めました。友人とのふとした会話から生まれたオールウッド自転車ですが、何か新しい展開が生まれるかも知れません。

www.decaferacer.nl

商品として、売れるかどうかも作ってみなければわからない場合があります。以前、「自転車パブ」を取り上げたことがあります。多人数でペダルをこぐ自転車で、中央のカウンターに向かって腰かける形になっています。ペダルをこぎながら一杯やれるというわけですが、それに似た、多人数乗車の新しい自転車が誕生しました。

製作したのは“De Cafe Racer”という会社で、なんとスクールバス自転車です。児童10人と大人1人が乗ることが出来、11人の脚力で一緒に通園・通学する自転車です。スクールバスを自転車にしてしまおうというユニークなアイディアです。

www.decaferacer.nl

燃料で走る普通のバスに比べて初期費用、維持費ともに大幅に安くなります。免許もいらないので、専属の運転手も不要です。児童一人ひとりがバラバラに自転車で通うのと比べて、安全なのは言うまでもありません。児童が徒歩で通うには距離がある場所でも、普通のスクールバスを導入せずに済むかも知れません。

何より、みんなと一緒にこぐ方が子供たちも楽しそうです。こんなスクールバスだったら、学校に行くのも楽しくなるに違いありません。日本では、最近子供たちが外で遊ばなくなり、運動不足で身体能力が低下し、生活習慣病の低年齢化も心配されています。そうした意味でも効果的なのではないでしょうか。

Mole Race, www.theatlantic.com

新しいタイプのロードレースを発想したところもあります。ハンガリーのブダペストで、今年始まったレースのコースは、なんと地下です。鉱山の地下の坑道跡を使った距離1.2キロの周回コースで、初めての自転車ロードレースが開催されました。

場所にもよりますが、一般的に鉱山や鍾乳洞など、地下の空間は年間を通しての温度差が小さいのが普通です。つまり、冬は暖かく、夏は涼しいのです。使われなくなった坑道やトンネルなどが、ワインの貯蔵やキノコの栽培などに使われるのは、このためです。



開催は2月でしたから暖かく、今の時期なら、かなり涼しいでしょう。雨の心配もなく、強い日ざしによる熱中症などの心配も少ない、いいコンディションでレースが出来ます。ただ、沿道で観戦というのは難しそうです。詳しくはわかりませんが、おそらく観戦場所は限定されるでしょう。

地下のロードレースとは面白い発想です。ほかでは聞いたことがありません。観光客が呼べるような名物になる可能性もありそうです。このレースが来年以降も続いて行くかどうかは、わかりません。ただ、地下レースなんて、やってみなければわからないことは多かったはずで、出場した選手の感想を聞いてみたいものです。

Mole Race, photoblog.msnbc.msn.com

もう一つ挙げましょう。サイクリストの中には、クルマに自転車を積んで出かける人がいます。クルマの機動力を利用して、直接自転車で行くには遠い場所でも簡単に行けるのがメリットです。輪行という手もありますが、より自由度が高く、クルマで運んだ先、どこからでも自転車で走りだせるので、行動範囲が広がります。

クルマの利用は珍しくありませんが、なんとクルマでなくオートバイを使う人がいます。これは初めて聞きました。かなり不安定に見えますし、風の抵抗もあるでしょう。普通だったら考えもしないと思いますが、実際にやってしまう行動力は大したものです。

アメリカのワシントン州で、ラックのついたオートバイが駐輪されていたところが目撃されただけですので、具体的なことはわかりません。使われているのはクルマ用のラックのようです。なぜオートバイに取り付けたのかは不明ですが、オートバイプラス自転車というのも案外実用的なのかも知れません。

Cool bike rack on a bike, www.normalguytri.com

一般的に何でもそうだと思いますが、何か新しいアイディアを考えついても、普通は周囲に「そんなの無理だ。」「前例がない。」「何を考えているんだ。」「無駄だ、やめておけ。」などと言われることが多かったりします。「言われてみれば、そうかな。」と止めてしまうことも多いでしょう。

しかし、ミラーホイールでも、オール木の自転車でも、自転車スクールバスでも、地下ロードレースでも、自転車のオートバイ積載でもそうですが、実際に試してみないとわからないことは多いような気がします。結果としてダメかも知れませんが、やってみないことにはわかりません。

日本は、よく製品を改善するのは得意だが、新たに構想するのは苦手と言われます。そうは言っても、独創的なアイディアがそう簡単に出せるものでもないでしょう。ただ、既存のものから派生したアイディアが新しいものに化けることもあります。思いついたら、実際に作ってみる行動力や遊び心も重要なのかも知れません。





関東甲信も梅雨が明けました。長くなりそうと言われていましたが、例年よりだいぶ早い梅雨明けです。夏が長くなりそうですね。

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この記事へのコメント
cycleroadさん こんばんは。

暑い日が続いていますね。
暑さが苦手なサイクリストもいますし、
逆に強いサイクリストもいますね。


新しい発想。
その多くには、遊び心が少なからずあって、それが改良されて...
ということが良くあるように感じます。

日本人にはその辺の余裕が無いんでしょうか?
新しい発想が苦手な私。 よっぽど心の余裕が無いんでしょーねー^^;

最初に書いた、暑さ対策。何か斬新なアイデアって...
やっぱり人頼みになりそうです。
Posted by Fischer at July 10, 2011 21:31
地下のレースはマリオカートっぽくて面白そう〜
見晴らしの良い場所を走るのとは違った迫力がありそう
Posted by 職人気取 at July 11, 2011 07:59
日本でもレースの会場とかにバイクに自転車を積んでくる人いますよ。
分解してコンパクトにしていますが。
http://ameblo.jp/mariko45/entry-10317686285.html#main

さすがに自宅から自走という訳にはいきませんからね。
Posted by ひろ at July 11, 2011 09:45
通園自転車は最高!!!

スピードはそんなに出ないから安全。

みんなが一緒にこぐなんて最高気分。

見晴らしもいいし、事故もないでしょうしね。

放射能汚染さえなければ、通園も楽しいですね。

実現可能でしょう。

素晴らしいの一言です。
Posted by 二浪独河 at July 11, 2011 10:22
Fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
暑いですね。最近の暑さは、以前より厳しくなっている感じです。実際、熱中症になる人は増えていると言います。
自転車は、風を受けているぶん、暑さが緩和されますが、感じる以上に水分が失われいますから、気をつけないといけませんね。
必要は発明の母と言いますから、ユニークな暑さ対策の自転車なんてのも出てくるかも知れません。
手っ取り早いのは、輪行でもして、高原にでも行って乗ることですかね。
Posted by cycleroad at July 11, 2011 22:52
職人気取さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かにゲームに出てきそうなシチュエーションかも知れませんね。
閉鎖的な空間ですし、道としても走りやすくは出来ていないと思いますし、ちょっと他にはないレースなのは間違いないでしょう。
Posted by cycleroad at July 11, 2011 22:56
ひろさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本当だ、日本にもいるんですね、オートバイで運ぶツワモノが。知りませんでした。
走行するのに不安定な気もしますが、一人ならば、わざわざクルマにしないで、こういうスタイルもありなのかも知れません。
情報、ありがとうございました。
Posted by cycleroad at July 11, 2011 23:02
二浪独河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も子供の頃に、こんなスクール自転車があったら、きっと楽しかっただろうなと想像します。
場所にもよるでしょうけど、歩いて集団登校する代わりに導入するのは可能かも知れません。
最近は、子供が事件に巻き込まれることも多いので、先生や父兄、地域の住人などが交代で街角に立ったりしている場合もあります。これを使えば、登下校の付き添い、見守りも兼ねられますね。
Posted by cycleroad at July 11, 2011 23:09
こんばんは。

通園・通学用のバス自転車。非常に良いと思う。是非日本でも導入すべきだ。晴天時は四季の風を感じながら、雨天時は屋根を取り付けて雨音を聞きながらみんなと力を合わせて通園・通学。素晴らしい。学校に行くのが楽しくなるだろう。コストパフォーマンスにおいても申し分ない。これを機にインフラ整備を進め、脱車社会になる事を願う。
Posted by passerby Ω at July 27, 2011 23:54
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
どのみち歩いて集団登校するなら、バス自転車という選択肢があってもいいですよね。子供の脚力では、あまりスピードも出ないと思いますが、自転車ならば、多少回り道であっても、交通量の少ない道路、安全な道路を選んで登校することもできるのではないかと思います。
どこか、思い切って導入するところが出てこないものでしょうか。
Posted by cycleroad at July 28, 2011 23:37
 
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