September 01, 2011

どう行動するか想定しておく

今年も防災の日がやってきました。


今年は東日本大震災が発生したことで、いつの年にもまして、防災ということを意識した人が多かったに違いありません。あれだけの大災害を目の当たりにしたことで、今までの防災に対する意識の低さを反省したり、備えの足りなさを感じている人も多いのではないでしょうか。

今回の震災の死者・行方不明者の多くは津波によるものでした。過去にも津波が襲った地域でしたが、揺れの後に、津波を想定して行動出来たかが生死を分けることになったのは、残念ながら事実のようです。大きな犠牲が出るのを防げませんでしたが、せめてこれを教訓として、今後に生かすことを考えたいものです。

防災の日震災から半年近くが経ち、余震も減ってきましたが、今回の震災に似たスマトラ島沖の地震では、5年半経ってからもマグニチュード7・5という大きな余震が起きています。今回、あまりに大きな地震だったことで、震源域から離れた場所でも誘発された地震が起き、地震活動が盛んになっているとの指摘もあります。

さらに不気味なのは、大地震は連続することがあるという事実です。1944年の東南海地震の後の46年には南海地震が発生しています。今回と似ていると言われる869年の貞観地震の後には、878年の関東地震、887年には東海、東南海、南海地震の3連動型とみられる仁和地震が起きたとされています。

メカニズムはわかりませんが、大地震は比較的短い年月の間に連続して起きることがあるのです。首都直下地震は今後30年の間に70%の確率で起きると予測されていますし、東海、東南海、南海の地震が連動して起こる可能性も指摘されています。いつまた次の大地震が起きるかわからないわけです。

阪神淡路大震災や福岡県西方沖地震、鳥取県西部地震、新潟県中越地震など、地震の空白域、あるいは予想されていなかった地域でも地震が起きています。まさに日本全国どこで、いつ地震が起きてもおかしくありません。常に地震に備えておく必要性、重要性は誰もが認めるところでしょう。

津波避難訓練東日本大震災で避難した人は55万人にのぼりますが、首都直下地震では700万人、東海、東南海、南海の連動地震では690万人と想定されています。今回も被害が広範囲だったため、救援物資の輸送も混乱しましたが、さらにその10倍以上の規模の避難者が出る恐れがあります。

これまで震災後、3日程度持ちこたえれば、救援物資が届くとされてきましたが、首都直下や連動地震の際、数百万単位の避難民に救援物資を行き渡らせることが可能なのでしょうか。今回、想定を越える規模の地震が発生したことで、各自治体では、今までの対策を見直す動きが広がっています。

想定される津波の高さも、多くの自治体で見直されつつあります。3連動地震が起きた場合、これまで想定されていた高さより大幅に高くなり、例えば名古屋のような大都市にも津波の被害が及ぶ可能性が出てきました。これまでに例の無い、大都市での津波の被害が、また違ったものになる心配もあります。

私たち一人ひとりも、災害に対する備えを、あらためて考え直す必要があります。場所によっては、津波を考慮した避難を考えておくべきでしょう。川を遡ることもありますし、これまで予定していた避難場所では、津波の被害を避けられないケースも考えられます。そして場所によっては、原発という要因もあります。

孤立想定し訓練地震や津波だけではありません。台風や集中豪雨による土砂災害、洪水、高波なども頻発しています。特に最近は、ゲリラ豪雨により突然浸水の被害が出るケースが増えています。テレビなどを見ていると、今まで経験したことがないというフレーズをよく聞きます。これまで想定されなかった場所でも起きているわけです。

高台であっても、局地的な大雨では浸水することがあると言います。避難する途中で、増水した水に流されるという悲劇も起きています。地震や津波、高波や洪水、土砂崩れなども含め、災害の種類や状況によっては、避難経路や避難先を変える必要があり、自治体も見直しを進めています。

私は最近、あらためて家の近所をポタリングすることがあります。防災ということを意識して走行してみようと思い立ってのことです。たまに雨が降りそうな時とか、遠くまで出かけるのは見合わそうという時に、雨が降り出しても、すぐ戻って来れるくらいの範囲でポタリングするのです。

雨が降り始めた時、まっすぐ戻れば数分程度で戻れる範囲でも、けっこう広い面積になります。家の近くなので、よく通る道は知っていますが、少し範囲を広げると通ったことの無い道が意外とあるものです。あらかじめ、一時避難場所や広域避難場所、避難経路なども調べて、頭に入れておきます。

避難先見直す道路を通って線として走るだけでなく、地域を面として意識して走行する時もあります。また、高低差を意識して、3次元的に地形を考えながら走ることもあります。ポタリングですから、途中で自転車をとめて何の施設なのか確認したり、高いところから街を眺めたりします。

すると、いろいろなことがわかります。意外に住宅密集地だとか、広い敷地の施設があるとか、小さな川や暗渠があるとか、自治体の防災備蓄倉庫など、ふだん通っていても気づかないものを発見することもあります。ついでに面白いスポットを発見したりなど、ポタリングとしても楽しめます。

几帳面に調査して記録するわけではありませんが、それでも自宅の周辺について、どんな地形で、どんな場所があるといったことを、少し広めに把握しておけば、イザというとき役に立つと思います。もちろん、そうした情報をもとに、避難経路や避難先を、いくつも想定しておくわけです。

徒歩で最寄の避難場所へ歩いてみるのも大切だと思いますが、必ずしも、その避難路が使えるとは限りません。津波の可能性や、建物の倒壊、火災、川の増水など、状況によって違う場所へ避難したり、違う経路を通る場合の選択肢は多いほど有利です。自宅だけでなく、勤務先などの近くを知っておくのも有効でしょう。

避難場所より高く大地震が発生すれば、火災が多発することも懸念されます。当然、同時多発的、広範囲な火災に消防は期待できません。地域での初期消火が重要となりますが、すばやく消火活動をするために知っておくべきこともあるはずです。地域の体制を確認しておく必要もあるでしょう。

一方で、あまり消火にこだわると、周囲を大火災に取り囲まれてしまう可能性があります。東京などでは、広範囲にわたる火災の発生が懸念されており、逃げ道がふさがれてしまう危険があります。今回の経験から、帰宅難民がクローズアップされますが、大火災からの脱出という緊急事態もありうるわけです。

これまで、私も正直言ってあまり深く防災、あるいは避難ということを考えてきませんでした。非常持ち出し袋を用意しておかなきゃ、くらいの意識はありましたが、災害時の行動が生死を分けるという事態を、現実問題として意識していませんでした。

平時に、いかに緊急時のことを想定しておけるかが、災害への備えとして重要だと言います。もちろん、家具の転倒防止など、直接的な対策も重要です。今回の津波では、非常用持出袋を持って逃げられた人がほとんどいなかったと聞きますが、災害に備えて何を備蓄し、何をまとめておくかもあるでしょう。

高台避難情報が途絶することも想定しておかなければなりません。そして、情報が途絶える中、どう避難するか、行動すべきか判断しなければなりません。携帯電話や端末があっても、基地局やアクセスポイントが倒壊、消失すれば非常用バッテリーも機能せず、通信もつながりません。ラジオなどが案外重要になるかも知れません。

火災以外にも、建物が倒壊し、助けを求める人がいるとき、あるいは自分の家族が下敷きになった時、何が出来るでしょうか。一人暮らしの高齢者など、災害弱者をどうやって避難させるかという問題もあります。大事な写真はオンライン・ストレージに預けておくなどの対策もしておくべきなのかも知れません。

まだ半年ですが、震災の記憶は日が経つにつれ、少しずつ薄れていくでしょう。今なら、大地震が起きたときに津波を意識するでしょうが、そのうち警戒心も緩んでしまうはずです。記憶が薄れた頃に大地震が来て、津波が来る前に、避難行動がとれるでしょうか。

津波の心配の少ない地域に住んでいる人でも、もしかしたら海岸沿いをサイクリングとか海水浴している時に大地震に遭遇するかも知れません。不案内な土地で、詳しい情報もないまま高台に避難し、来るかわからない津波を何時間もの間、じっと待っていられるでしょうか。考えておくべきことはたくさんあります。

今回、未曾有の震災に見舞われたばかりですが、被災地も含めた日本では、次の災害にも備えなければなりません。多くの方が犠牲となり、尊い命を落とされました。せめてそのことを教訓として活かすためには、私たち一人ひとりが、災害に対する備えをもう一度、よく考えておく必要があると思います。





折りしも大型の台風が接近しています。まさか自分が..となる前に、いかに自分にも起こりえるか実感できる想像力が大事なのかも知れません。

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この記事へのコメント
こんにちは。

文明の利器(と、呼んで間違えてないと思うが)であるモバイル端末も基地局や中継ポイントが不通になれば単なるガラクタ。最近の四輪車には当たり前のように装備されているカーナビ、これも四輪車本体が作動しなければ単なるガラクタ。又、自転車及び徒歩などでも使用できるように開発されたモバイルナビ。これも、動力源は電気。動力源が断たれれば単なるガラクタ。文明の進歩と共に様々な文明の利器や記憶媒体が開発されたが、やはり残るのは人間の英知を書き写した紙だろうか。震災により引き起こされた津波や火災で紙も奪われたなら、最後は人間の頭脳が保有する情報に頼るしかない。災害に備え非難経路や避難場所を自分の頭脳にインプットしておく事は、生き残るための最も有効的な方法なのかもしれない。
Posted by passerby Ω at September 03, 2011 10:44
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
災害時に停電するだけなら、基地局は非常用バッテリーで動くようになっているそうですが、地震や津波、火災などで基地局や接続ポイントが倒壊、損傷してしまえば、携帯端末だけあっても仕方がないですからね。
電力が経たれると、途端に電気に頼った現代の生活の脆さが露呈することになり、余計に情報の途絶による孤立感、焦燥感を感じることになるのでしょう。
そうした状況では、避難経路だけでなく、サバイバルのためのさまざまな知識や記憶、経験といったものが、強みを発揮するということなのでしょうね。
Posted by cycleroad at September 04, 2011 23:13
 
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