September 25, 2011

電車に乗るのは楽しいことか

人気の電車が今月末で廃止になるそうです。


読売新聞の記事を引用します。


ドラえもん電車が広告?都条例抵触で取りやめに

ラッピング電車小田急電鉄(東京・新宿区)は22日、「ドラえもん」や「パーマン」など、漫画家の藤子・F・不二雄さんの人気キャラクターで彩られたラッピング電車について、屋外広告を規制する東京都の条例に抵触していたとして、今月末で運行を取りやめると発表した。

この電車は、今月開館した沿線の「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」(川崎市多摩区)をPRする目的で企画。車体側面などにキャラクターをあしらったデザインで、来年8月頃まで新宿―小田原間などで運行する予定だった。

電車などの外面に広告を出す場合、都屋外広告物条例の規定で、沿線自治体に許可を取らなければならない。小田急は「施設名などは入っておらず、広告には当たらない」として許可を取っていなかったが、都は「絵柄や図形も広告に該当する」として是正を命じた。また、同条例では広告に充てることができる面積に上限を定めているが、同電車はこの基準も上回っていた。(2011年9月23日 読売新聞)


小田急側は、施設名なども入っておらず、広告費をもらったものではなく、逆に権利者に許可をとって実施した企画列車のつもりだったので、条例に抵触するとは思わなかったと言います。子どもには大人気だったので、条例の厳格な運用に割り切れなさを感じた人も多かったようです。

ドラえもん電車広告物の面積が車体面の10分の1以下など、ずいぶん細かい規制があることに驚きますが、条例で決まっているのなら仕方がないところです。ただ、人気キャラクターなだけに、小さい子どもを持つ親など、残念がる人たちの気持ちもわからないではありません。

ラッピング広告と見なすかどうかも含め、あまり細かい制限を決めずにもっと自由にデザインさせれば、楽しい電車、面白い電車も増えそうです。日本は何でも規制が多く、経済活動を活性化させるためにも、規制は緩和すべきと言われますが、その一つなのかも知れません。

東京都の立場としては、私鉄とは言え公共交通ですし、景観にも影響するということなのだと思います。すでに街は雑多な宣伝広告であふれていますし、電車の車体が多少賑やかになっても、それほど問題ない気もしますが、鉄道の公共性からも、大目に見るなんてとんでもないということなのでしょう。

日本では規制が厳しいですが、海外では、もっと自由なところも少なくありません。ラッピング広告だけでなく、電車を使ってアートイベントを開いたりするところもあります。シカゴのCTAで行われた“Art on Track 2011”で公共の電車がアートで飾られているのを見たら、都の担当者は目をむくかも知れません。

Art on Track 2011, www.builtontrack.comArt on Track 2011, www.builtontrack.com

Art on Track 2011, www.builtontrack.comArt on Track 2011, www.builtontrack.com

実際に運行している電車の車内を、こんな派手に飾りつけるなんて、キャラクターの絵の面積が3%オーバーと目くじらを立てる日本では考えられない話でしょう。広告やラッピングどころの騒ぎではありません。ちょっと日本では発想されないイベントだと思います。

やろうと思えば、東京の山手線でも、休日の昼間だったら出来ないこともなさそうです。知らずに待っていて、こんな電車が来たら驚くと思いますが、実際に乗ったら楽しそうです。赤字に悩むローカル線でやれば、いい集客になるかも知れません。少なくとも話題性はありますから、宣伝にはなるでしょう。

Art on Track 2011, www.builtontrack.comArt on Track 2011, www.builtontrack.com



電車の車内を緑のガーデンにしてしまおうという発想も奇抜です。都会のど真ん中の電車内で本物の芝生に座り、草木の匂いを嗅ぎ、緑に囲まれて癒される機会に恵まれるとは思ってもみません。しかも、そのままで移動出来ます。ずっと乗っていたくなってしまうかも知れません。

The mobile garden, themobilegarden.orgThe mobile garden, themobilegarden.org

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これは極端な例ですが、海外へ行って電車に乗ると、日本とは違う発想、常識を実感することがあります。よく言われることですが、ドイツやオランダなど、自転車をそのまま電車に持ち込めるのが当たり前という国もあります。日本の常識では考えられませんが、都市部の電車でも平気で持ち込む人がいる国は他にもあります。

日本でも一部で実施されていますが、サイクルトレインがもう少し一般的になれば、さらに自転車を便利に活用できるでしょう。電車と自転車を組み合わせれば、相乗効果も期待できます。都心の電車は混んでいて難しいでしょうが、休日や、郊外と結ぶ電車など、自転車を載せられる列車もあると思います。



海外とは電車の混雑度も違います。日本の電車の混雑率は飛びぬけて高く、特に通勤電車の混雑は先進国の中でも異常なほどの酷さとされています。混雑による遅延を減らすため、乗り降りしやすいようドアを増やすか大きくして、座席を減らしたりしています。ラッシュ時には椅子をたたんでしまう車両まであります。

日本の通勤ラッシュの電車の混雑率は、いまだに信じられないような高さで、とても先進国のものとは思えないと外国人は驚きます。日本では乗客を多く詰め込むことを目指しますが、諸外国では、着席率を高めることを優先するのが当然の考え方だと言います。確かに座れる率は断然高いと思います。

Photo by 本屋,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.日本のように横を向く長椅子型のシートではなく、通路は狭くなりますが、前後方向を向くシートが採用され、なるべく多くの人が座れるようにしています。日本ほど混雑しないのもあるでしょうが、海外では、ラッシュ時の近郊とを結ぶ電車は総2階建てにするなど、座席を増やすことが求められるのです。

日本では、長時間立ったまま、異常な混雑を我慢して乗るのが普通になっています。結果、電車に乗るのは苦痛であり、忍耐が必要で、とても楽しいことではありません。海外では、ラッシュ時以外の運賃を安くして混雑を分散させようとする国などもあります。日本の鉄道会社にも、もっと改善を望みたいところです。

もちろん、日本の鉄道には海外と比べて良い点も多々あります。都市部では、鉄道網が発達して運行本数も多くて便利です。なんと言っても時間が正確ですし、電車の内外もきれいで清潔です。治安もよく、深夜でも女性が安心して乗れるなど、日本の鉄道は、世界の水準から見て優秀な点が多いのは間違いありません。

ただ、電車に乗る楽しさや快適さ、親しみやすさなどには劣る部分があります。安全性や輸送力は重要ですが、無駄な規制は緩和し、従来の無意味な固定観念は打ち破り、大胆に新しいものを取り入れる変革も必要でしょう。日本の電車がもっと活用され、乗るのが楽しいものになっていって欲しいものです。





驚くニュースですが、本当に光より速いニュートリノの発見なのでしょうか。気になるところです。

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この記事へのコメント
すごいですね、やっぱアメリカ・・・。

表現の自由と斬新さは見習うべきですね。

東京の満員電車は途上国のバスの屋根まで人が乗っているのと変わらない気がしますね。日本はまだ発展途上ですかね。

表現の自由といえば、最近は若者のタトゥーが気になります。
僕はあまり好きではありませんが、確実に浸透してきています。

我が娘の胸にタトゥーを発見した時の動揺は未だに消えません。
僕のトラウマの一つです。

電車の広告が人に不快感を与えるのならば、やっぱ止めるべきでしょうか?

時代が加速度的に変革している現代、僕は古いんでしょうか?

自転車で風をきって走る時の爽快感だけが今の僕の生き甲斐。

Posted by 二浪独河 at September 27, 2011 08:24
二浪独河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
表現の自由と共に、こうした自由さがあることで若い人材が育つという点も見逃せないと思います。
イベントの直接的な経済効果は大きくないかも知れませんが、触発されたり、発想力を刺激する機会であるのは間違いないでしょう。
何か新しいものが生まれるかも知れませんし、経済を活性化させる、少なくとも一つの刺激にはなると思います。
規制でがんじがらめで、枠にはめるばかりでは、新しいものは生まれにくく、若い世代に生み出そうという気さえ起きなくさせるという点からも、規制緩和は大事ということになりますね。

タトゥーですか。確かに最近増えているようです。特に若い世代には、刺青という社会的・歴史的なマイナスイメージが希薄になってきているのでしょう。
娘さんにタトゥーとはショックだったでしょうね。二浪独河さんが古いということはないと思います。親なら当然の反応でしょう。
タトゥーは単なるファッションで、個人の自由と言えばそうなのでしょうが、入れる店の未熟や不衛生で、トラブルや感染症なども問題になっていると聞きます。
また、タトゥーを入れた、特に女性が後悔し、後から消そうとする人が急増しており、入れるのは容易だけど、消すのは大変なのが問題になっているとの報道もあります。心配になるのは当然だと思います。
(続く)
Posted by cycleroad at September 27, 2011 23:44
(続き)
社会が自由になるのはいいことだと思いますが、若者が、自由と自身の未熟さゆえに、後で後悔することになる例は少なくありません。
暴走して事故を起こして死傷したり、人を死傷させたり、ドラッグなどの依存症になったり、妊娠中絶や感染症などのダメージを負ったり、結果として何かの犯罪を犯してしまったり、取り返しのつかないことになるケースもあります。
若気の至りというのは、いつの時代にもあります。親の言ったことが後になって身にしみるということもあるでしょう。
ただ、昔と比べて自由な行動の代償が、より深刻になりかねないとするならば、自由は規制しないが、自由な行動のもたらす結果やリスク、責任ということを、若い未熟な世代によく理解させるというのも、社会として必要なのかも知れませんね。
Posted by cycleroad at September 27, 2011 23:47
電車は高架化や地下化が進み、踏切が減って来ました。電車本体は駅構内でしかじっくり見ないので、私の中では屋内広告のイメージでした。電車は専用軌道を走るので、トラックやバスのラッピング広告と違って、広告に目が奪われて事故る心配は無いですね。烏賊釣り船みたいに眩し過ぎなければ、素人目には何でも良いと感じます。

むしろ、繁華街を走る、大音響を響かせる広告専用大型トラックの方が迷惑です。救急車のサイレンも聞き分けにくくなるし、荷物も積まないで無駄に走って排ガス撒き散らしているトラック見ると、その商品買いたくなくなります。

広告を入れるなら、駅のホームドアに入れて欲しいです。広告収入で一刻も早くホームドアの普及を望んでいます。ホームドアに広告入れた企業は社会貢献しているとのイメージアップになりそうです。

車や自転車の運転が出来ない視覚障害者はJRの場合は付き添いがいないで単独になると、101キロ以上でないと運賃割引有りません。視覚障害者の運賃はグリーン車除いて無料でも良いと思います。車椅子の乗客には駅員が付き添うのに、視覚障害者には駅員が付き添いません。ホームドア完備まで駅員が付き添う事が出来ないのかと思います。

ドラえもん電車に何処でもドア書かれていると乗降口かと勘違いしそうです(笑)
Posted by 世田谷花子 at September 29, 2011 23:14
世田谷花子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かにバスと違い、電車の場合は街中で至近距離で身近に見るとは限らないわけですからあまりラッピング広告は効果的とは言えないかも知れません。
とするならば、なおさら景観を保護する目的での細かい規制は疑問とも言えそうです。
あまり気にしたことはありませんでしたが、なるほど広告用のトラックというのも、反感を買いかねないというのはあるかも知れませんね。
ホームドアですか。私も早く普及すればいいと思いますが、簡単に整備できそうでいて、コスト面などから、なかなか整備が進まないと聞きます。
ホームドアが普及したら、なおさら電車のラッピング広告は意味が薄くなりそうです。
言われてみればそのとおりだと思いますが、視覚に障害のある乗客と車椅子を利用する乗客とで、対応が違うとは意識したことがありませんでした。
どちらの場合も線路への転落事故が絶えないと聞きますので、車椅子の乗客だけに配慮するというのは、たしかに合点がいきませんね。
いや、乗り降り口なのでしょう。記事によると、乗り降り口をどこでもドアに見立てたぶん、面積がオーバーしたようですよ。
Posted by cycleroad at September 30, 2011 23:32
こんにちは。

緑のガーデントレイン(仮称)、乗ってみたい。本物の芝生に寝転がってそのまま目的地に到着。個人的には良いと思う。日本も、もう少し発想・表現の自由を取り入れて損はないと思うのだが。

自転車をそのままの状態で電車に持ち込める諸外国が本当に羨ましい。社会全体が受容していて市民の大切な移動手段として確立している。日本でもサイクルトレインの需要はかなりありそうだと思うのだが、残念だ。日常的に自転車をそのままの状態で電車に持ち込む事が出来れば、恐らく自家用車の数が大幅に減ると思われる。街中に溢れ返っている迷惑駐車も消えるだろう。今後日本は、脱・化石燃料も視野に入れて行くべきだ。
Posted by passerby Ω at October 02, 2011 14:39
passerby Ωさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
電車の車内に土を入れたり、植物を入れるなんて、それも床や座席に敷き詰めるなんて、奇抜な発想ですよね。
見てみれば面白そうと思いますが、なかなか発想できることではない気がします。
日本では、輪行する人でない限り、今のところ駅前にとめて電車に乗るしかない場合が多いわけですが、サイクルトレインがメジャーになれば、人々の考え方もかわる可能性がありそうです。
駅の構造や混雑度の問題はありますが、少なくとも郊外の区間においては、可能な場所も多いと思います。
自転車を持ち込んで移動するということが認知されるようになれば、電車と組み合わせて、広範囲に移動する人も増えるでしょうね。
Posted by cycleroad at October 02, 2011 23:13
サイクルトレイン もっと日本でも普及して欲しいと切に願います

大都市近郊以外で過疎化に悩んでいる路線は
朝夕の通勤時間帯を除いて、しかもホームの一番遠い車両を解放すれば活性化にも繋がり迷惑もあまりかけず良いのではないかと思います

自転車と電車を組み合わせて普通に旅が出来る時代が来れば良いですね


ラッピング広告が景観に影響を与えるなら地下鉄はどうでしょう?

地上を走る地下鉄もありますが…

 

Posted by ロードバイク初心者 at April 24, 2012 23:14
ロードバイク初心者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
大都市などでは、駅の構造的にも実施が難しいところもあるでしょうが、郊外の駅ならば、すぐにでも実施できるところは多いと思います。
日本でも少しずつ導入するところが出てきているようですが、おっしゃるように、赤字ローカル線などなら利用率があがってメリットもあると思います。
むしろ、車内がガラガラなら、やらない手はないようにも思いますね。
おそらく、電車に自転車を載せる習慣がなかったという固定観念が邪魔しているのではないでしょうか。
Posted by cycleroad at April 25, 2012 23:16
>シカゴのCTAで行われた“Art on Track 2011”で公共の電車がアートで飾られているのを見たら、都の担当者は目をむくかも知れません。
いや、それは普通にOKするでしょ。広告じゃないんだし。
実際、車両に絵を描く取り組みは日本でも行われたことがあるそうです。
結局のところ、今回の件は「何をもって広告とするか」という議論に帰着する気がします。

>サイクルトレイン
>都心の電車は混んでいて難しいでしょう
都心ではレンタサイクルのほうがいいでしょう。需要も結構ありますし、もともと自転車置き場に自転車を半日置きっぱなしだった人がレンタサイクルに乗り換えることによって、自転車置き場のスペースを縮小できるかもしれません。
郊外ではぜひサイクルトレインを普及させたいですね。そのための駅施設の改良も含めた、「自転車と組み合わせやすい交通機関」を作っていってほしいものです。
Posted by mid at April 09, 2015 20:26
midさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ローカル線は別ですが、都が管轄するようなエリアで、このような電車内を飾り付けて行なわれるようなイベントが行なわれたという話は聞いたことがありません。
乗客が多い都市部では、このようなイベントは現実的でなく、日本では難しいものと推測されます。
それをシカゴのような大都市で行なわれていることに驚く人は多いのではないでしょうか。
都心部での利用にはレンタサイクルも有効だと思いますが、それより直接行くほうが速いと考える人も多いでしょう。
郊外の駅には、必ずしも需要がなく、レンタサイクルの整備が見込めない場所もあります。郊外と結ぶ列車にサイクルトレインが設定できれば、また新たな需要が見込めるかも知れません。
Posted by cycleroad at April 11, 2015 23:11
 
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