December 18, 2011

自転車を使って動画をつくる

生活の中で、動画が身近なものとなっています。


デジタルビデオカメラの価格も安くなりましたし、デジカメの性能が上がって、その動画機能でもきれいな動画が撮れます。それどころか、いまや、ケータイやスマホでも簡単に高画質なデジタル動画が撮れる時代です。写真を撮るのと同じ感覚で、日常を動画に記録する人も増えています。

自転車用ビデオカメラ 動画撮影できるケータイの普及で、テレビのニュースで居合わせた視聴者の撮影した動画が見られるケースも増えました。アナログ時代とは違い、メディアも小さく大容量になりましたし、以前は高価な機材やソフトが必要だった編集作業も、パソコンの性能やソフトの進歩のおかげで敷居が低くなっています。

そして、インターネット上にはたくさんの動画投稿サイトが登場、素人でも気軽に投稿できるようになりました。今では、世界中の人がアップロードする数え切れないほどの動画を、居ながらにして見ることが出来ます。テレビや映画以外の動画を見る機会が増えた人も多いはずです。

その動画、近頃はデジタルで高精細になったとは言え、人間の視覚の錯覚や残像を利用し、静止画を高速に連続して切り替えることで、動くように見せていることには変わりありません。子どもの頃にノートの端などに描いて遊んだ、あのパラパラ漫画と同じ原理です。

動画を撮影することが出来るようになったのは、19世紀末に映写機の元となるキネストスコープやシネマトグラフといった機械が発明されて以降の話です。しかし、静止画を連続的に切り替えるという動画の原理は、それより前から知られていました。

Phenakistoscope, Photo by Eadweard Muybridge, licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.Phenakistoscope, Photo by Eadweard Muybridge, licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.

その動画の起源とも言うべきものが、フェナキストスコープです。円盤に少しずつ変化する絵を描き、それを回転させながら見ることで、絵が動いて見えるという原始的な仕組みです。円盤には細い隙間、スリットが切られており、そのスリットを通して鏡に映った映像を見ると、動くように見えるのです。

同じ頃に、ゾエトロープというものもありました。これは日本で、回転のぞき絵などと呼ばれるもので、円盤ではなく円柱状になっています。円筒の内側に描かれた連続する絵を、やはり円筒を回転させスリットから覗くことで、動いているように見えるというものでした。

Zoetrope, Photo by Andrew Dunn,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.

今の動画は、例えば1秒間に24コマといった数の静止画を切り替えています。多くのコマ数を高速で切り替えないと動いて見えないわけですが、当時、それだけ高速に切り替える仕組みが無かったために、円盤や円筒を回転させるという手法がとられたのでしょう。

今はテレビやモニター画面が高速に切り替わって当たり前のように表示しますが、当時は手回しによる回転を使って映像を切り替えるしかなかったわけです。今見ると、コマ数の少ない、ぎこちない動きですが、アナログな感じが、どこか懐かしい感じを漂わせています。

このフェナキストスコープやゾエトロープのような動画を、自転車の車輪を使って作ってみようと考えた人がいます。Tim Wheatley さんという方で、自転車の車輪を使った動画を、“Cyclotrope”と呼んでいます。なんとも温かみのある動きに和みます。



回転させると言っても、コマように小さくては、絵柄の動きがわかりませんし、あまり大きくては速く回転させられず、動いて見えないでしょう。自転車のタイヤくらいがちょうどいいのかも知れません。




自転車のタイヤとハブは、元々回転するために作られていますから、同じ大きさのただの円盤よりスムースに回転します。この手の用途には持ってこいです。




スポーツバイクに乗っている人なら、タイヤを外すのは簡単だと思いますので、自分でも紙に絵を描いてみても面白いでしょう。




こちらは、また別の人の作品です。素朴な絵の動きに味があります。マグカップを使っています。




Katy Beveridge さんは、どうせならそのまま乗ってしまおうということで、絵柄を取り付けたまま走行しています。その様子を“The Bicycle Animation ”としてアップしています。走行中にじっくり見るのは難しそうですが、なるほど面白い動きをしています。




最初はタイヤ部分だけに模様をつけています。




次にホイール部分を使うことにしました。




ホイール全体へと図柄を広げました。




動きを研究して、図柄を工夫しています。




LEDなどをスポークに取り付けることで、夜の闇に動画を浮かび上がらせるアイテムや、それを製作する人については、これまでも取り上げてきました。こちらは、光の残像を利用し、ホイール全面に映像を浮かび上がらせることで、夜間の視認性を高め、安全性の向上にも貢献します。

一方、昼間しか見えない、“Cyclotrope”に、とくに実用的なメリットと言えるようなものはありません。単なる遊びです。LEDと違って、誰でも容易に作れるという長所はありますが、メリットは、せいぜい沿道の子どもを喜ばせるくらいのものでしょうか(笑)。

ただ、たまには遊び心をもって、自分の自転車に何か模様を取り付け、のんびり車輪の回転を楽しみながらポタリングするのもいいでしょう。最近は、自転車で走行しながらの景色を動画で撮る人もいますが、自転車の回転を利用して、動画の起源とも言うべき仕組みで遊んでみるのも一興かも知れません。





やはりバルセロナはスゴイですね。日本のレベルも上がってきましたが、世界と実力の差は歴然という気がします。

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この記事へのコメント
画像の無断転載は良くないですよ。
Posted by swen at December 20, 2011 15:47
swenさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
転載した画像の1、2枚目は提携プログラムによるものです。3〜5枚目は、画像にカーソルを合わせるとわかりますが、それぞれ著作者を表示してあり、Creative Commons によるライセンスに従ったもの、残りは動画サイトからのエンベッドです。
Posted by cycleroad at December 20, 2011 23:45
何時も携帯からの閲覧で引用先が見れていません。的外れなコメントになったらすみません。

小学校特別支援学級の連合運動会に参加すると、車椅子使っている子どもも大勢います。どの車椅子もピカピカで、車輪もカラフルな絵があります。ついつい車椅子が豪華な程、障害の重さを感じてしまいます。

うちの息子は骨折で1カ月だけ区役所から車椅子借りて使いました。区役所では65歳未満は貸せないと言われたのですが、知的障害を告げて借りました。区役所も若い人程短期間しか車椅子利用しないので、借りたいのを分かってくれません。
Posted by 世田谷花子 at December 21, 2011 22:40
世田谷花子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
車椅子の車輪でも、Cyclotropeはできるかも知れませんね。
本人には見えにくいのが難点ですが、自分で車輪に取り付けた図柄が動くように見えれば、子どもたちも喜びそうです。
区役所は高齢者用に車椅子を用意しているようですが、骨折時の子供用車椅子は、病院などでは貸してくれないのでしょうか。
Posted by cycleroad at December 22, 2011 23:43
 
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