May 04, 2012

アイディアを事業に変える力

アメリカ経済が復調傾向にあります。


景気の動向に対する見方はいろいろあると思いますが、アメリカ経済の強さについてよく言われるのは、新しい企業がどんどん生まれて来ることでしょうか。アップルやマイクロソフト、アマゾン、グーグル、フェイスブックといった、かつてのベンチャー企業は大きく育ってアメリカ経済をリードしています。

日本では起業する人が少なく、倒産や廃業する会社が多いので、企業の数は減る一方ですが、アメリカでは次世代を担うベンチャー企業が続々と生まれています。これはシリコンバレーに限った話ではありません。日米の起業環境の違いだけでなく、起業に対するメンタリティも大きく違うものと思われます。

米国株式市場が上昇日本の学生が、安定を求めて公務員や大企業への就職を目指すのに対し、アメリカの優秀な学生は、いきなり自分で起業する道を選ぶ人が少なくないと言います。日本と違って、失敗してもそれを取り返すことが出来る、何度でも挑戦できる社会であるというのも大きな要素だと言われています。

日本だと、親類縁者から借金をして事業を始め、失敗すれば多額の負債が残ります。一方、アメリカでは事業のコンセプトや計画が有望だと思えば、ベンチャー企業に投資しようという人がたくさんいます。借金や銀行の融資と違って、返済の必要のない資金です。

投資する側も、その大多数が失敗に終わることは承知の上です。しかし、その中から大きく化けて、株式を公開するような企業に育てば億万長者も夢ではありません。新しいことを始めようとする人と、それに投資しようという人が揃っているからこそ、多くのベンチャー企業が生まれるわけです。

たくさんの人が挑戦するからこそ、その中から世界を変えるようなイノベーションも生まれるのでしょう。そんなアメリカ経済のダイナミズムは、さまざまな形で感じることが出来ますが、旺盛な起業意欲の一端は、ネット上のサイト、“Kickstarter”にも見ることが出来ます。

“Kickstarter”自体は、インキュベーターがベンチャーに支援するだけのサイトではありませんが、資金を得て事業化を狙おうというアイディアにあふれています。現状に飽き足らず、新しい工夫やコンセプトで、新たな商品やサービスを開発してやろうと狙っている人が、大勢いることを感じさせます。

たくさんの案件がアップされており、その中には自転車に関連するものもエントリーされています。ユニークなアイディアが競うように提案されているわけですが、その中で、特にライトやイルミネーションを扱ったものを、いくつか取り上げてみたいと思います。

Theft-Resistant Bike Light by Gotham Bicycle DefenseTheft-Resistant Bike Light by Gotham Bicycle Defense

こちらの自転車用ライトは、非常にタフで壊れにくく、盗まれにくいライトです。中の電池すら盗むのは困難です。せっかくのライトも盗まれたり、盗もうとして壊されてしまっては用をなさないからです。堅固な素材と特殊なネジで取り付けるのが特徴です。LEDで明るく、防水性能にも優れています。

昨年の夏、開発者の友人がライトを盗まれてしまい、仕方なくそのまま自転車で家に向かっていて、クルマにはねられてしまったのが開発のきっかけだそうです。せっかくのライトも、盗まれてしまっては自転車走行も安全にならないという絵に描いたような事例です。



盗難の多いアメリカでは、決して珍しい事例ではありません。いちいち外すのは面倒ですし、外して保管していると、忘れてきてしまうケースも増えるでしょう。そこで、装着したままでも盗まれないライトを作りたいというわけです。多くの人が、このプロジェクトを支持しています。

Blink / Steady - The bike light you've been waiting for.Blink / Steady - The bike light you've been waiting for.

こちらも、ありそうでなかったテールランプです。明るさを感知して自動で点灯しますので、いちいちスイッチを入れる必要はありません。そして加速度センサーで、動いていないことを感知すると30秒後に消灯します。つまり、夜間、とめている間も点灯しっぱなしになることはありません。



軽量なアルミ製で、盗難にも強い特殊なネジを使用しているので、いちいち取り外す必要もありません。コンパクトでいて、光る部分は横に長く視認性に優れています。雨にも強く、つまりユーザーが、バックライトについて、あれこれ気にする必要がないライトというわけです。

Torch-bicycle helmet with integrated lightsTorch-bicycle helmet with integrated lights



こちらは、前後のライトをヘルメットの前後に組み込んでしまいました。自転車本体に取り付けた場合と違って、見る方向を照らすことが出来ます。カーブなどでは意外に便利かも知れません。ヘルメットさえ持ち運べば、ライト類の着脱や持ち運びを考える必要はありません。これも一つの考え方でしょう。

revolights. join the revolution.revolights. join the revolution.

これも斬新なスタイル、ホイールのリムの部分にLEDのライトを取り付けるというアイディアです。動画を見るとわかりますが、その光り方は斬新です。横方向への視認性も高く、ライトが線状になるので、前後方向も面積的には大きくなり、目立ちます。



スポーク部分に取り付けて、回転するタイヤに光る絵を浮かび上がらせる製品です。類似のものが既にありますが、図柄が多く派手でカラフルで、いろいろなパターンを再現します。雨に強いのも特徴です。夜間の視認性を高めるだけでなく、夜、自転車に乗るのが楽しくなるライトです。

Mini Monkey Light - 8-Bit Bike LightMini Monkey Light - 8-Bit Bike Light



こちらのマジックライトは、電池の要らないライトです。ホイールの回転によって発電して光るわけですが、よくあるダイナモをタイヤに押し付けて発電するわけではありません。タイヤやホイールと全く接触することなく発電するライトです。

Magnic Light: Get New Energy!Magnic Light: Get New Energy!

実は、似たような製品は既に市場で流通しています。しかし、それらはホイールに磁石を取り付ける必要があります。磁石が通過すると光るタイプの製品です。しかし、このライトは、その磁石すら不要で、安定して光り続けるという新しいタイプの製品です。

実は、マグネットの代わりにリムの金属を使っているのです。アルミやハイテン鋼、マグネシウムなど、普通のリムであれば発電可能です。単体で光るので、複雑な配線も必要なく、簡単に着脱可能です。全くバッテリーを必要としないのに、バッテリーによるライトと同等の快適な使い心地を実現しています。

Magnic Light: Get New Energy!Magnic Light: Get New Energy!

非接触ですから、ペダルが重くなるようなことはありません。厳密に言うと、小さな抵抗はあるのですが、他の非接触の磁石を使った製品と比べても、その抵抗は非常に小さいレベルだと言います。そんな小さなエネルギーで大きな光量を生み出すシステムなのです。

軽量でコンパクト、雨やほこりにも強く、どんな径の自転車にも取り付けられます。子供用でもOKです。赤のパックライトもあり、こちらはブレーキランプのような機能を持たせることが可能です。動画を見ると、たしかに非常に明るいのがわかります。

ハブダイナモのライトに匹敵するくらいの明るさでありながら、ハブダイナモを圧倒的に凌駕するエネルギー効率だと言います。詳しい仕組みや仕様はサイトを見ていただくとして、開発者は、この新しい発明は自転車ライトに画期的な変革をもたらす可能性があるとしています。



ありふれた自転車用ライトですら、従来の製品に飽き足らず、新しいものを生み出そうとしている人がたくさんいます。既存のメーカーに持ち込んでも、高く売れるものもあると思いますが、資金を集めて、自ら事業を興そうと考える人が多いのもアメリカならではでしょう。

もちろん、アイディアは玉石混交であり、必ずしも売れるかどうかはわかりません。しかし、自転車のライトのような熟成した商品、ありふれた製品についてすら、こうして改良の余地を見出し、出来ることなら製品化、事業化してやろうという姿勢には圧倒されます。

自転車に全く新しいジャンル、マウンテンバイクを生み出したのもアメリカです。そのような革新的な製品、自転車の常識を変えるようなイノベーションが、残念ながら日本から生まれてくるのは期待出来ません。やはりアメリカ( もしくはヨーロッパ )からから生まれてくることになるのだろうと思います。





ゴールデンウィーク、真っ只中です。ブログの更新は予約投稿にして、私も旅行に出かけてきます。

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