May 22, 2012

自転車との新しい組み合わせ

徳島で自転車競技の大会が開かれました。


と言っても、現在日本各地を転戦しているロードレース、ツアー・オブ・ジャパンの話ではありません。徳島ステージはありません。ロードレースと言えば、ジロ・デ・イタリアも開催されており、自転車スポーツファンの目は、どうしてもそれらに向きがちな中、徳島で行われたのは、バイクポロの大会です。

一般にはほとんど知られていませんが、バイクポロとは、馬の代わりに自転車に乗って競技するポロです。自転車が趣味の人にも、まだまだ知名度が低い新しいスポーツです。日本での競技人口も僅かですが、その自転車ポロの全国大会が徳島で行われました。


自転車ポロ 迫力初体験

徳島で全国大会 8都府県から57人

自転車ポロ馬の代わりに自転車に乗ってボールを打ち合うニュースポーツ「バイクポロ」の全国大会「SHIOKAZE?」が20日、徳島市藍場町の藍場浜公園で行われた。19チーム計57人が出場し、会場は大会の参加者や多くの観客らでにぎわっ

今大会には、8都府県から選手が参加。縦30メートル、横15メートルのコート内では、自転車に乗ったプレーヤーたちが激しくぶつかり合い、「マレット」と呼ばれるスティックでボールを打ってゴール(幅1.8メートル、高さ0.9メートル)を狙っていた。

初めてバイクポロを観戦したという徳島市北常三島町3、会社員延原範彦さん(40)は「アイスホッケーのように迫力があり、面白い。自分も是非やってみたい」と話していた。大会は大阪市の「ホンマモン」が優勝。メンバーの栗島大輔さん(29)は「国内でのバイクポロのレベルアップを図り、世界を舞台に活躍したい」と抱負を語った。(2012年5月21日 読売新聞)



「バイクポロ」全国大会 20日徳島

深夜の公園で変わった形の自転車に乗った若者たちが目まぐるしく交差する。片手に持った手作りの「マレット」でボールを打ち合って得点を競う、「バイクポロ」の練習風景だ。まだ見慣れない、新しいスポーツだが、20日には徳島市で全国大会が開催されるという。この新競技の魅力に迫った。

英国などで盛んな「ポロ」は馬を使った競技だが、2000年頃にアメリカで自転車愛好者たちが自転車を用いたバイクポロを考案した。09年頃に日本にも紹介され、国内の競技人口は300人程度だという。

バイクポロ新競技だけに、まだ統一された明確なルールはない。試合ごと、大会ごとにルールが決められる。ゴールやコートの大きさや1チームの人数についても試合によってまちまちだ。用具も個人で自由に選択できる。自転車の型やサイズ、「マレット」と呼ばれるスティックの長さも自由だ。

ただ、コート内でのヘルメットと両ひじとひざへの防具着用は必須だ。徳島市の「AIBAPOLORi(アイバポロリ)」は県内で唯一のバイクポロチーム。毎週月曜の深夜、藍場浜公園(徳島市藍場町)で練習する。09年に発足し、現在メンバーは女性1人を含む7人だ。

ベニヤ板の仕切りを立て、赤いコーンを置けば即席のコートになる。「スリー、ツー、ワン、ポロ!」のかけ声でプレーが始まる。片手で華麗に自転車を操り、パスをつなぎながらゴールに迫る。ゴール前で盾になれるよう大きなホイールを使う「ゴーリー」と呼ばれる守備プレーヤーと、時折激しく衝突する場面は圧巻だ。

メンバーのほとんどが社会人で鳴門市や阿南市からの参加者もいる。代表の新見亨さん(40)「バイクポロは未完成なところがおもしろい。競技できるところは少ないし、道具もほぼ手作り。だが、自分たちの手で新たなスポーツを作り上げていると実感する」と話す。

今週末に同公園で開かれる全国大会には8都府県から計19チームが参加する。大会を主催する立場でもある新見さんは、「世界のバイクポロ界に徳島から影響を与えられるようになりたい」と話す。「そのためにも統一されたルール作りや活動場所の確保が必要。より多くの人にバイクポロを知ってもらい、そうした問題点を解決していきたい」と熱い思いを語った。(2012年5月18日 読売新聞)



Photo by Manuel González Olaechea y Franco,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.

本家のポロは、紀元前6世紀のペルシャが発祥と言われ、その後ヨーロッパに伝わり、イギリスで近代化された伝統あるスポーツです。しかし日本では、ポロ自体、あまり馴染みがありません。唯一、親しみがあるのはポロ競技の際に着るユニフォームが起源とされる、ポロシャツくらいでしょうか。

馬に乗って競技するということで、広い競技場が必要ですし、そもそも馬に乗れなければプレイ出来ません。競技者1人につき最低でも馬が2頭、通常4頭は欲しいという条件を満たすのも困難です。昔は貴族のスポーツだったようですが、日本でなくても、なかなか広く普及しないのは仕方のないところでしょう。

ゾウのポロセグウェイに乗ってポロ競技

馬の調達がネックですが、インドでは馬の代わりに象を使ったり、中東ではラクダを使ったりなど、独自のポロに発展した例も少なくないようです。ちなみにプールで行う水球もポロの流れを汲むとされています。オリンピックの競技としては1936年に廃止されて以降、ポロは行われていません。

それならば、と馬の代わりに自転車を使うというのは自然な流れかも知れません。記事にあるように、アメリカあたりから始まったようです。本場イギリスでも、もっと手軽にポロを競技したいという人の間でバイクポロが盛んになりつつあり、バイクポロの選手権も開催されています。

Bike PoloBicycle polo

記事には2000年頃、アメリカで始まったと書いてありますが、1891年のアイルランドにまで遡ることが出来るという説もあります。しかし、当時は本物のポロと同じように、草の上で行われており、自転車の性能や競技場所の確保の点から、あまり盛んにならなかったというのが実際のようです。

アスファルトなどで舗装されたコートで行われる、今のバイクポロの形が出来たのが2000年頃のアメリカで、最初はアングラ系の都市スポーツ、ストリートスポーツでした。それがインターネットのおかげもあって広がりを持ち始め、アメリカでは、とても人気のある自転車スポーツの一つとなっていると言います。



今では世界各地で競技されるようになり、大きな大会も開催されるようになっています。ゲームは自転車に乗った1チーム3人同士が対戦します。細かいルールは別として、マレットと呼ばれるスティックでボールを奪い合い、ゴールを決めるというわかりやすい競技です。

YouTubeなどを見ると、たくさんの動画がアップロードされており、世界各地で盛り上がっている様子がわかります。まだ場所によって使われるボールの大きさが違うなど、細かいルールは統一されおらず、それぞれのスタイルがあるようですが、日本人が知らないうちに、確かに人気のスポーツとなりつつあるようです。



私は、あいにくプレイしたことはありません。しかしサッカーやホッケー、ハンドボールといった球技と同じゴールを競う典型的なスタイルのゲームです。競技が白熱すれば、なかなかエキサイティングな試合が繰り広げられるだろうことは容易に想像がつきます。

日本では、まだまだ知名度が低く、マイナーなスポーツですが、世界では、自転車ブームともあいまって、今後も広がりを見せていく可能性があります。馬と違って自転車ならば手に入れやすく、圧倒的に維持費も少なくてすみます。敷居も低く、やろうと思えば誰でも気軽に始められます。

ポロ競技をもっと手軽に馬ではなく自転車で

とりあえず自転車は何でもいいですし、マレットはスキーのストックやプラスチックのパイプなどを使って手作り出来ます。ボールはストリートホッケー用のものが市販されています。ゴールは写真にもあるように三角コーンなどでも充分代用出来ます。

もちろん、本家のポロも面白い競技なのでしょうが、いかんせん馬や競技場の面でのハードルが高すぎます。競技人口が増える余地は乏しいでしょう。誰でもストリートや公園、シーズンオフのプールなどで気軽に遊べるというのは、競技として広く普及する上での大きなアドバンテージなはずです。



バイクポロが更に広がりをみせれば、もしかしたら、本家のポロに代わってオリンピック競技になる可能性だって否定できません。トライアスロンやBMXなど、比較的新しい自転車競技の例もあります。今のうちから始めておけば、オリンピック日本代表も夢ではない(笑)かも知れません。

自転車競技と言うと、どうしてもロードレースやトラックレース、オフロード系も含めてレースを思い浮かべます。どんな場所をどう走るかは別として、自転車の特性から言えばレーススタイルになるのは自然です。しかし、球技と組み合わせるというのも面白そうです。



北京 バイクポロが人気以前も取り上げたサイクルサッカーなどもありますし、今後、別の球技と組み合わせた新しいサイクル球技が出てくる可能性もありそうです。球技に限らず、サイクルフィギュアなどのスポーツもありますし、いろいろなスポーツとの組み合わせが考えられるでしょう。

ロードレースなど、屋外で行われる自転車競技は、多少の雨が降ろうと行われるわけですが、個人がスポーツとしての自転車を楽しむとき、出来れば雨中での走行は避けたいと思う人が多いはずです。サイクルポロであれば、体育館などインドアで、雨でもゲームが楽しめることになります。

場所さえあれば、雨の日でも楽しめる自転車スポーツという点でも、バイクポロは面白いかも知れません。なかなか機会がないと挑戦できないものですが、例えば、友達とのツーリングの予定が急な雨に降られた時など、どこか雨にぬれない場所を探して、トライしてみるのも一興ではないでしょうか。






スカイツリー、オープン初日はほとんど雲しか見えなかったようです。混乱を避けるためとは言え、天気に関わらず予約制というのは不満が出そうですね。

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この記事へのコメント
サイクルサッカーは、昔から知っているけど、サイクルポロもあるんですね。
馬は、人間が昔から乗っている乗り物で、日本でも法律的には軽車両になりますが、同じ軽車両である自転車に変えた競技は、他にもありそうです。
あ、競馬(競輪)がそうだ。
Posted by man at June 07, 2012 12:58
manさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
本格的に普及し始めたのは、比較的最近ということのようです。
確かに、競馬の馬を自転車に代えたのが競輪と見ることも出来ますね。
まだまだ他にも出てくるかも知れません。
Posted by cycleroad at June 08, 2012 23:00
 
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