May 28, 2012

夏に向けて必要なことは何か

5月も末となり、暑い日が増えて来ました。


今年は春先から爆弾低気圧や竜巻が被害をもたらしたり、大気が不安定になって雷や突風、ひょうなどを観測することも多くなっています。そんな中、心配とされるのが、この夏の暑さです。西日本では平年並みか、やや高めとの長期予報がでており、場合によっては電力需給の逼迫が懸念されています。

東京電力や東北電力などは比較的需給に余裕があるとされていますが、全ての原発が停止し、再稼動の見通しが立たない中、特に関西電力に注目が集まっています。もともと原発への依存度が高かったため、一番需給がタイトで、最悪の場合、計画停電などの可能性も取りざたされています。

5%節電で制限令回避へ原発依存度が高かったのはその通りでしょう。しかし、専門家の中には、本当に停電させる必要があるほど供給余力がないのか疑問視する意見もあり、需給見通しが二転三転するような関電の情報開示の不十分さ、企業としての姿勢などもあいまって、不信感を持っている人も多いのではないでしょうか。

昨年の東京電力の計画停電もデータを見ると、本当は必要なかったのではないかと指摘する人もいます。関電についても、企業の自家発電の増加や節電対策の効果を過小評価しているとか、揚力発電の計上が少ない、他の電力会社からの融通が正しく盛り込まれていないなど、いろいろ疑問視する声が少なくありません。

私は専門家ではありませんから、本当のところはわかりません。しかし、大飯原発の再稼動が焦点となる中で、関電は是が非でも再稼動させたいはずです。電力が足りないと消費者の不安を煽るかの姿勢や、その隠蔽体質からも、供給能力が足りないというのが疑わしく思えるのは私だけではないでしょう。

火力発電だと燃料費が上がり、値上げが避けられないなどとアナウンスしていますが、実は原発による電力が、決して安くないことは、昨年の原発の大惨事で国民の知るところとなってしまいました。税金による地元対策や、最終処分の問題、原発事故の収束や補償などを考えれば、原発による電力費は正しく反映されていません。

大飯再稼働なら電力足りる石油や石炭、天然ガスなどを輸入に頼っており、エネルギー安全保障の観点から火力依存は好ましくないと言いますが、ウランだってほぼ全量輸入です。確かにホルムズ海峡の緊張もリスクですが、危険な使用済み核燃料が大量に原発にストックされ行き場がないという大問題は、あまり指摘されていません。

太陽光や風力などの自然エネルギーは、まだまだ力不足であり、天候に左右される不安定なエネルギーであることは間違いないでしょう。しかし、原発が昼夜を問わず発電し続ける安定電源のように言いますが、ひとたび地震やトラブルなどで停止されれば、簡単には再稼動出来ないことも確かです。

今回のように全原発が停止する事態は特別としても、過去にも多くの割合の原発が止まったことがありました。トラブルなどで自動停止したら点検が必要で、すぐに再稼動は出来ません。実際に地震やトラブルで止まり、長期間再稼動できない場合も多いわけですから、むしろ安定電源とは言えないのではないでしょうか。

電力会社は地域独占が認められている代わりに、電力の安定供給が義務付けられています。この事態は1年以上前に予想されたのですから、本来は、電力供給のためにあらゆる手を打ち、間に合わせるのが義務なはずです。それなのに停電を人質にとって、原発再稼動を迫るような姿勢は大いに疑問と言わざるを得ません。

原発を再稼動させずに、この夏が簡単に乗り切れたら、それこそ原発は不要ということになるのは明らかです。むしろ、原発が再稼動出来なかったら、なんとか電力不足を演出して、原発は必要だと認めさせるための工夫に四苦八苦しているようにも見えます。

大飯再稼働で協議会新設を検討その影には、原子力利権、原子力ムラの論理があるのは多くの識者が指摘するところです。しかし、そればかりではありません。もし、原発がなくても平気となれば、脱原発が加速し、原発を廃炉にするという議論になる可能性があります。それを関電は恐れているに違いありません。

もし、原発を廃炉にするとなったら、電力会社のバランスシート上、非常に大きな割合を占める原発という資産を除却しなければなりません。除却損に加えて多額の廃炉費用がかかり、一気に債務超過になるのは明らかです。多額の賠償を抱える東電でなくても、事実上の破綻、もしくは国有化を余儀なくされます。

公共性が高いとは言え、営利企業なわけですから、会社を破綻に向かわせることは出来ません。もちろん、自分たちが失業するということもありますが、なんとしてでも原発の廃炉を阻止する、廃炉に結びつくような方向へ流れるのを阻止するのは、ある意味、企業としては当然の反応なのです。

そう考えると、原発は全て国なり何らかの組織が引き取り、電力会社とは分離する必要があるでしょう。福島第一原発の大惨事の後、今後民間の電力会社が原発を保有していくのには無理があり、民間の電力会社から引き離すべきという議論がありましたが、国はそれを早急に進めるへきではないでしょうか。

関電管内で計画停電の準備必要原発が分離されれば、関電は突然大幅な債務超過に陥る心配がなくなります。そうなれば、あらゆる手を使って電力を供給し、消費者に電力を安心して使ってもらえるよう、素直に努力するように思います。結果として、関西電力管内の住民たちが、電力不足の懸念に悩まされる必要はなくなるでしょう。

原発の安全性を高めて再稼動させていくのか、あるいは原発依存から脱するのかいう議論は別として、どちらにしても原発を今の電力会社から分離するということを国が表明すれば、関電の姿勢はずいぶん違ってくると思います。少なくとも普通の企業の論理からすれば、それが当たり前でしょう。

しかし実際には、この夏の電力不足は必至のような報道がなされています。今から電力不足だ、節電だ、夏を乗り切れ、などとマスコミは国民を煽っているかのようです。あちこちで節電特集などをやっています。その傾向を一番強く感じるのはテレビのような気がします。


テレビを消すことによる節電効果はエアコンの1.7倍との試算

「原発再稼働やむなし」「値上げも仕方ない」「よりいっそうの節電を」――そう叫ぶ新聞・テレビが信用できないことは、ひとつの事実を突きつけることで明白となる。

「原発再稼働なしでも夏の大停電など絶対起こらない」――綿密なデータ分析を元に、本誌・週刊ポストは繰り返し報じてきた。過去の関西電力の停電予測が「大外れ」したことで、指摘が正しかったことは証明されている。

関電の電力需給見通しの通りであれば、今年の1月第3週から10週間にわたり、ほぼ毎日大停電に見舞われていなければならなかった。しかし実際にはそんな事態は起こっていない。それもこれも、国民を脅して原発を再稼働させるためである。

今夏も、政府案では関西電力管内で15%、他の電力各社管内でも5〜10%の節電が求められるとされているが、事態はそこまで逼迫していない。そう断言できるのは、電力マフィアも大メディアも、「最も有効な節電方法」を1年以上黙殺しているからだ。

野村総合研究所が震災直後の昨年4月15日に発表した『家庭における節電対策の推進』というレポートがある。この中の「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」という試算は、大マスコミが顔をしかめる内容だった。

テレビの情報番組で紹介される節電方法といえば、代表的なのは「エアコンを消すこと」だが、この試算によれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果(1時間あたりの消費電力)は130W。対して液晶テレビを1台消すと220Wが節電できる。つまり、テレビを消すことによる節電効果はエアコンの約1.7倍にもなるのである。

家電の「エコ化」が著しいなか、テレビは昨年7月の地デジ化に伴う買い換えで大型化が進んで消費電力が増えている。一般国民の感覚で見落としている節電の盲点だ。

本誌は、このデータを昨年8月19・26日号ですでに紹介している。しかし、この事実に反応したのは一部のネットメディアだけで、テレビは完全に黙殺した。

もう少し検証してみよう。最新の「省エネ性能カタログ2011年夏版」に掲載された42型液晶テレビの消費電力は148W。一方で同カタログのエアコン(冷房能力2.8kW)の消費電力の平均値(冷房期間消費電力量÷総冷房時間)は116.5Wとなっている。

テレビの消費電力が野村総研の試算より大幅に低いため、先の1.7倍には及ばないが、このデータでもテレビの節電効果はエアコンの約1.3倍はあることとなる。

一方、資源エネルギー庁などではエアコンのほうがテレビよりずっと消費電力が大きいとする試算も出しているが、根拠やデータはあいまいで、どうやらテレビがつけっぱなしという国民生活の実情を無視していると思われる。

実際には午後2〜4時の時間帯別総世帯視聴率(平成10年度調査)は約30%とされる。つまりテレビを観ているのは全世帯の3割ということだ。全国の世帯数は約5092万世帯(2010年国勢調査)なので、テレビを観ている世帯は約1527万世帯。そのすべてでテレビを消せば、本誌試算のテレビ消費電力(148W)なら約226万kW、野村総研試算(220W)なら約336万kWも節電できることになる。

ちなみに、昨夏の東電の最大供給量が約5600万kWだから、これは非常に大きな数字だ。(週刊ポスト2012年6月1日号)


大飯原発再稼働に小浜市民が不安この記事がどれくらい信憑性があるのかは私には判断できません。しかし、昨今の傾向として、家電の省エネ性能がアップしたと買い替えを促す一方で、テレビも冷蔵庫もエアコンも大型化し、結局は消費電力が増えているという指摘は確かにあります。地デジ化で、ずいぶんテレビも大型化したと思います。

本来なら、テレビ局は省エネのためエアコンを控えろと繰り返すのではなく、真夏のピーク時の昼間だけは番組を休止しますと言うべきでしょう。スポンサーである企業も、工場が止まったり店舗に支障が出るリスクを犯すより、番組の提供をやめ、テレビ局に自制を促すべきではないでしょうか。

仮に電力が不足したとしても、本当に足りなくなるのは、真夏の一時期の昼間のピーク時だけです。その間、テレビは休止しても困ることはないはずです。テレビを見たい人はいるでしょうが、エアコンを我慢するよりテレビを消すべきです。高齢者などが熱中症で死ぬ悲劇は回避しなくてはなりません。

昨年もささやかれましたが、思いきって高校野球の中継はやめるべきではないでしょうか。夏の風物詩であり、見たい人も多いと思います。厳しい戦いを勝ち抜いた高校球児には晴れの舞台です。しかし、せめて生中継をやめ、録画を夕方以降とか朝早くに流したらどうでしょうか。

関西の同意「待っていない」南ヨーロッパの国などでは、昼に3時間ほどシエスタ(昼寝)の時間があって、その時間は皆が活動を止め、街がひっそりと静まりかえったりするところもあります。日本でも同じようにしろとは言いませんが、夏の昼間の電力ピークを分散させる方策は考えてもいいと思います。

昨年、東京都知事は、電力消費の大きいパチンコ屋や自動販売機を槍玉に挙げました。一部の業界だけ狙い撃ちのように営業自粛させるのは問題があるでしょう。パチンコ屋も死活問題です。しかし、夏の一時期だけ、昼間の数時間、業界をあげて営業自粛に協力を求める手はあると思います。

昼間、数時間休む代わりに夜間の営業を延長するとか、開店時間を繰り上げることも考えられます。一斉に休むならば、有利不利はないでしょうし、利用者の理解も得られると思います。営業時間を短縮するのではなく、ずらすならば、売り上げへの影響も緩和できるでしょう。

自動販売機も大きな電力を消費します。一台で家庭一軒分にも匹敵すると言います。自動販売機だけではなく、同じものを店内でも売っているような店も多いと思います。夏の一時期に限って自販機を止めてもらい、店内で買ってもらうように協力を要請することは考えられるでしょう。

節電の夏「ピークカット」が鍵節電というと、エアコンの設定温度を上げることが奨励されます。もちろん、協力可能な範囲で節電するのはいいことですが、高齢者を中心に、どうしても頑張り過ぎてしまう人が出てきます。エアコンよりテレビ、そして一部の大きな電力消費者に協力を依頼するほうが賢明ではないでしょうか。

そして重要なのは、電力が不足するとしたら、真夏の一時期だけ、昼間の数時間のピーク時だけということです。どうしても、全般的に電力消費を控える傾向があります。節水と違って、基本的に電気は蓄えられませんので、夜間などの需給に余裕がある時に節電するのは意味がないことを、多くの人が忘れていないでしょうか。

典型的なのは、道路の照明、街灯などでしょう。節電ということで、昨年もずいぶん道路が暗くなりましたが、夜間に照明を減らして何の意味があるのでしょうか。これは、サイクリストにとって、大きな危険になりかねません。下手をすれば生死に関わる問題です。

照明が暗いために視認性が低下したり、あるいは障害物や歩行者に気づくのが遅れたことで、事故が起きました。なかなか照明の暗さとの因果関係が証明できないので、節電による事故の疑いと報道されたのはごく一部でしたが、何らかの影響が出たケースは少なくない可能性があります。

関電が知事に夏の協力を要請昨年は夜間のネオンサインなどを自粛し、看板を消すなどした店も多かったですが、夜間の電力を節電しても意味はないはずです。こうした節電は無意味です。どうしても節水のように考えてしまい、夜でも何でも節電したほうがいいような気がしていないでしょうか。

全ての電力消費を絞ってしまうナンセンスな節電は避けなければなりません。省エネのため不要不急、必要性の乏しい電力を節約するのはいいですが、必要な夜間の照明まで落とすのは間違っています。サイクリストだけでなく、人やクルマも含め、事故を誘発するような節電は疑問です。

これから梅雨の憂鬱な時期ですが、その梅雨が明ければすぐに夏です。政府や関電、あるいはテレビ業界、大量の電力を消費する業界、そして私たち市民も、なんとなく節電、節電という言葉に煽られるのではなく、効果のある、本当に必要なことは何かを、あらためて考えてみるべきではないでしょうか。





梅雨に入る前の休日も、残り少なくなってきた感じですが、何とか晴れて欲しいところですね。

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この記事へのコメント
>道路の照明、街灯などでしょう。節電ということで、昨年もずいぶん道路が暗くなりましたが、夜間に照明を減らして何の意味があるのでしょうか。


まったくcycleroadさんのおっしゃる通り。
僕も昨年の三浦半島一周サイクリングで「道路照明灯 消灯中 走行注意」の道路行政のいい加減さを指摘しています。
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/45cdfac46213913c1564da1ab31cad89

世の中にはわかっていない人間が多すぎる。
と憤慨しています。
Posted by トンサン at June 01, 2012 09:18
トンサンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
昨年の節電の際にも書きましたが、なんで行政も民間も夜間の節電なんて意味のないことをして、しかも、その間違いに気づかなかったのでしょう。
昨年は大震災に原発の大惨事、計画停電と、めまぐるしい中で、夜も暗くしなくてはという自粛ムード、強迫観念みたいなものもあったのかも知れません。雰囲気というか、勢いに流されてしまったのでしょうか。
しかし、国交省や自治体が、こぞって街灯を消し、誰もその無意味さに気づかないというのも怖い気がします。
無駄な電気を節約することに異論はありませんが、事故を誘発する街灯を消すのは、いくらなんでもいき過ぎでしょう。
今年は、そして関西は、こんな間違いを繰り返さないでほしいものです。
Posted by cycleroad at June 01, 2012 23:23
夏の高校野球の中継はラジオだけにすれば節電効果テキメン。
そも、金メダル少ないと嘆く前に、野球ばかりでなく、インターハイ全部とはいわないが決勝の中継してやれよ、と思う。
Posted by anonymous at June 02, 2012 23:52
anonymousさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ラジオの出番が減っていますから、それも手ですね。生中継はラジオのみ、映像は中継録画の跡からの放送でゆっくり見るということでいいと思います。
Posted by cycleroad at June 03, 2012 23:41
 
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