July 30, 2012

オリンピックが都市を変える

ロンドンではオリンピックの熱戦が繰り広げられています。


チケット完売のはずの会場に一部空席が目立って問題になっているのを別とすれば、どの競技にも各国の応援団や大勢の観客がつめかけ、白熱する競技に大いに盛り上がっているようです。3回目ですが64年ぶりですから、イギリス国民もオリンピックを大いに楽しんでいることでしょう。

ただ、これだけの大会ですから、開催地ロンドンの市民の日常生活にも大きな影響が及ぶのは避けられません。街には選手や関係者の移動のためにオリンピック専用レーンも設置されていますし、道路が規制される種目もあります。もちろん、競技日程に従って観客の大移動も起きます。

世界で最初に出来た、チューブの愛称で知られる地下鉄は、車体が小さいこともあって大変混雑します。もともと渋滞が避けられない大都市なのに、オリンピックで都市部の道路渋滞は更に拍車がかかっています。有名な2階建てバスやロンドンタクシーも時間がかかるのは避けられません。

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大会前から激しい渋滞が予想されていたこともあって、市民は自衛策を講じています。増えていると報じられるのは、通勤や仕事での移動に自転車を使う人々です。クルマやバスでの移動はあきらめ、チューブも混雑で遅延が頻発することを思えば、自転車での移動を考えるのは自然なことと言えるでしょう。

地下鉄の新設や道路の拡幅は簡単なことではありません。市当局もオリンピックの渋滞対策として、自転車の活用を有力な打開策と考えて来ました。これまでにもいろいろ取り上げましたが、大ロンドンの市長のボリス・ジョンソン氏は強力に自転車政策を進めてきています。

市内の自転車レーンの拡充や、郊外と中心部を結ぶサイクリングロードの建設、都市型の自転車シェアリングシステムの導入など、自転車を活用しやすい環境を整え、市民の利用を後押ししています。もともとロンドンでは激しい渋滞への対策として、都心部へのクルマの流入を制限してきたことも背景にあります。

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オリンピック開催の決定翌日に起きた地下鉄やバスを狙った同時多発テロも、公共交通を敬遠する傾向を加速させました。そして、このオリンピック期間の渋滞や混雑です。ロンドンで市民の間に自転車の人気が高まるのも、当然の成り行きと言えるでしょう。

さて、こうした事情もあって、新しいサービスが登場しています。その名も“PleaseCycle”、企業や団体と、その従業員に自転車の利用を勧め、サポートするサービスです。イギリス・ロンドンを本拠として、市内の企業などをターゲットとしています。

企業や団体などの組織の、自転車に乗る従業員に対する理解を助け、また自転車通勤が組織にもたらすメリットを知らせ自転車通勤の導入を提案します。自転車通勤を奨励することにより生産性が向上し、従業員の健康が増進され、長期の病欠などが減ることは証明されていると言います。

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環境への負荷低減に取り組む企業として、顧客へのアピールにもなります。またCSR、企業の社会的責任の一つとして、それを果たす姿勢を示すことは、近年非常に重要な要素となっています。業績にプラスというより、社会的に容認され、企業を存続させるために必要不可欠なものとなりつつあります。

従業員に自転車通勤を推奨する体制をとるために必要となる、保険など労務面から、必要な社内環境の整備に至るまで幅広くサポートします。企業にとって、自転車通勤環境の整備という投資によって得られる費用の削減、あるいは収益の拡大を明らかにし、数字として把握できるようにします。

従業員に対しては、クライアント企業ごとにサポートサイトが設置されます。安全な通勤ルート・プランニングをサポートしたり、安全な走行に必須な教育プログラムを提供したりします。リアルタイムに走行をサポートするような情報も提供されます。

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人気ブランドの自転車のレンタルや、体験ツアー、トレーニングのプログラム、自転車のメンテナンスのための知識や必要な器材の提供、駐輪やシャワー施設の紹介、自転車や消耗品などの購入サポートなどもあります。自転車通勤をさまざまな角度から応援してくれるサービスとなっています。

さらに、自転車通勤したマイレージに応じて報酬として与えられるポイントを提供することによって、従業員のモチベーションの向上にも貢献します。加算されるポイントのほかにも、近隣のカフェの無料コーヒー券とか、地元の自転車店の割引といった特典も提供されます。

サイト上に開設されるフォーラムを通して、サイクリスト同士がコミュニケーションをとったり、スコアを競い合ったりも出来ます。自転車利用によって減らすことの出来た二酸化炭素量などを確認することも出来ます。さまざまな形で自転車通勤や、業務での自転車の活用を促進するサービスとなっています。

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日本でも、企業が従業員の自転車通勤を敬遠するケースがあります。危険であるとか、労災のリスクとか、業務に支障、設備投資の負担など、理由はいろいろでしょうが、誤解や無理解に基づくものも少なくありません。もちろん自転車走行環境の違いはありますが、自転車通勤を推進するメリットは少なくないはずです。

企業にそのメリットを紹介すると同時に、従業員にも様々なメリット提供するという、なかなか面白いサービスです。ロンドンの自転車活用、渋滞軽減にも貢献します。その意味でもタイムリーであり、機を見るに敏なビジネスと言えるでしょう。

歴代のオリンピック大会と同様に、このロンドンオリンピックも大きな経済効果を生むことでしょう。オリンピックは都市を発展させたり、変化をもたらしたりもします。また、競技施設や選手村、新交通システムなど、閉幕後にも残る施設、いわゆるオリンピック・レガシーもあります。

オリンピックで、仕方なく自転車に乗っている市民も多いと思いますが、きっと閉幕後、必要なくなっても乗り続ける人々が残るに違いありません。ハード、ソフト、各面で自転車活用を後押しする基盤も、オリンピックの置き土産として、五輪後のロンドンをさらに自転車都市へとシフトさせていくことになりそうです。





期待されていた選手が実力を発揮できなかったり、その逆だったりといろいろですが、全ての選手が悔いのないよう力を出し切ってほしいですね。

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