August 17, 2012

日本での自転車用品のニーズ

日本には約8千万台もの自転車があると言われています。


自転車に乗る人が多いという点では有数の自転車大国と言えるでしょう。格安の輸入ママチャリが自転車市場を席巻しており、単価が安いという面はあるものの、毎年たくさんの自転車が出荷されます。アクセサリーなどの自転車用品も相応の需要があると思います。

前回は、世界の自転車用品の工夫やアイディアを取り上げました。日本では自転車の圧倒的多数をママチャリが占めているため、日本国内向けの自転車用品は海外と様子が違うようです。今回は、比較の意味も含めて日本国内で実際に売られているアイディアグッズを見てみたいと思います。

街の自転車屋さんでもそうですが、通販サイトなどを見てみても、ママチャリ向けの製品が目立ちます。もちろんスポーツバイク向けのものもありますが、台数が圧倒的に多いぶん需要が見込めるわけですから、ママチャリ向けの商品が多くなるのも当然でしょう。いろいろな工夫がこらされた商品が販売されています。



転倒防止用のハンドルストッパーです。特にサイドスタンドの自転車の場合、駐輪場所が傾いていたり、前カゴに荷物を載せたりすると、前輪が回転して倒れてしまうことがあります。このグッズをつけておき、駐輪時につまみを捻るだけでハンドルが固定され、転倒を防ぐというアイディア商品です。

言葉で説明するとわかりにくいですが、前カゴに荷物を載せた途端、前輪が回転してしまって転倒するというのは、よくある経験でしょう。この工夫は、特に前カゴに荷物を載せる人には重宝するだろうと思います。将来的にママチャリに標準装備されるようになっても不思議ではありません。



こちらは自転車発見器です。広い駐輪場に似たようなママチャリがズラリというのは、よく見る光景です。駐輪機であれば番号を覚えておけばいいですが、並べてとめるだけの駐輪場では、つい場所があやふやになってしまい、自分の自転車を探すのに苦労することがあります。

そんな時、手元のリモコンを押すと、ライトと音で教えてくれるという商品です。似たような商品は他にもありますが、これは探す時に音だけでなく光るので、より見つけやすくなります。走行時は、普通にライトとしても使えます。いかにも日本的な商品と言っていいでしょう。








ジェルの入ったサドルカバーは見たことがありますが、こちらは円座クッションの入ったシートカバーです。ママチャリ用のサドルは充分柔らかいと思うのですが、さらにクッション性を高めてお尻が痛くならないという製品です。いろいろと「事情」を抱える人向けなのでしょう。

個人的には、ふだんママチャリに乗らないので、たまにレンタサイクルなどで乗ると、お尻が痛くなることがあります。ママチャリでのお尻の痛みは、どっかり座っているからという要素が大きいと思います。アップライトな姿勢で、体重がサドルに集中する形なので当然です。

ふだん短い距離しか乗らないことが多いと気づきませんが、どっかり座る形で長い時間走ると、ママチャリのほうが、お尻は痛くなります。これを防ぐためには、サドルの高さを上げ、スポーツバイクのように前傾姿勢になってサドルとハンドルに体重を分散する乗車姿勢にしたほうがいいと思います。

サドルの柔らかくするより、乗車姿勢を変えるほうが負担は分散すると思いますが、このクッションは、むしろ、いろいろ「事情」を抱える人に需要があるのだろうと推察します。こうしたクッションが商品になるほど、必要とする人が多いということなのかも知れません。



アイディア商品として多種多様なものが売られているのが、前カゴ用のカバーです。揺れても中身が落ちないようにするだけでなく、ひったくり防止にもなります。バッグとしてそのまま使えるとか、レジカゴからそのまま前カゴに移せるとか、いろいろな工夫があります。






荷物の量に応じて2段式に伸びるもの、チャイルドシート用のレインカバーを兼ねているものなど、たくさんの種類の前カゴカバーが出ています。アルミシートで保冷機能のあるもの、雨をはじくもの、利用者のさまざまなニーズに対応しているのでしょう。





ちなみに、カゴではなく電動アシスト自転車全体用のカバーもあります。わざわざ電動アシスト自転車用としているだけあって、真ん中にファスナーのついた切れ込みがあり、バッテリーを取り外すのに便利に出来ています。下からめくってもいいような気がしないでもないですが..。

これも日本ならではの、痒いところに手が届く改良、工夫と言えるのかも知れません。いろいろな見方があると思いますが、全般的に親切な工夫を凝らした製品が目立つ気がします。このあたり、前回取り上げた海外の工夫、アイディアとは少し印象が違います。



ママチャリ向けのものが多いわけですか、必ずしもそうでないものもあります。例えば、こちら自転車用のライト付きロックシステムです。走行時にはライトとテールライトとして使え、駐輪時にはU字錠のようなロックとしても使えるというアイディア商品です。



ママチャリと違って最初から馬蹄錠やシリンダー錠がついておらず、またライトも標準装備でない自転車向けの商品ということになります。盗難対策や夜間照明の需要も増えているのでしょう。そんな中で、その二つを兼用出来て荷物も減らせるというのは、なかなか面白いアイディアだと思います。



ライト以外にも、視認性を高めるイルミネーションなど、おそらく需要が少ないため、従来はあまり見かけなかった商品も見られるようになってきているようです。テールランプを内蔵したママチャリ用のシートポストなど、従来のカテゴリーでは考えにくい、目新しいものもあります。



近年、日本でもスポーツバイクに乗る人が増えており、そうした動向を反映して非ママチャリの需要も意識され始めているのでしょう。実用品としての自転車向けの商品ばかりでなく、見た目を変えたり個性を主張するようなファッション面を意識したものも出てきています。

世の中の傾向を反映して、スマートフォンを自転車に固定する器具などもよく見かけます。自転車グッズは、世間の流行や自転車に乗っている人の意識の変化に敏感に反応しているようです。日本の自転車利用動向の反映として、自転車グッズの変化を見てみるのも面白いかもしれません。






竹島も尖閣諸島も、政府が事を荒立てたくないのはわかりますが、このままだと、どちらも相手の行為がエスカレートする一方です。何か手を打つべき時なのでは..。

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この記事へのコメント
自転車グッズの新商品発売には、いつもワクワクするものです。
新商品を見ると、自転車業界の動き、流れも、なんとなくではありますが、見えてくる感じがします。

円座クッションについても、わたしは「より多くの人の自転車を楽しんでいただけるように」という願いを感じる、すばらしい製品だと思います。
「事情」を抱えている人は、身近でも意外と多かったりするものですから。
そういった方も健康的に、そして環境にやさしい自転車によるスマート・ムーブが実現できるアイデア商品。
私は、もっともっと、いろいろな壁を取り除く製品が出てきて欲しいと思います。
壁を取り除く……これは、グッズでもそうですし、また、自転車を安全安心快適に活用できるインフラについても、ですね。

継続した取り組みが、実を結びます。
Posted by 佐藤 at September 30, 2012 11:25
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車に乗る場合、身体に合っているかどうかは乗り心地に大きく影響します。身体を使ってこぐ都合上、よりシビアに影響すると言えます。
また、それが自転車に乗って楽しいかどうかにも関わってくるでしょう。
売っている自転車のノーマルのままでは、千差万別の人の身体に、必ずしもフィットさせられるとは限らないわけで、こうしたそれぞれの事情や都合に合わせるられる商品が出てくるのは、重要なことだと思います。
選択肢が増えるだけで助かる人も多いと思いますが、いろいろなアイディアを見ているだけでも楽しい部分がありますね。
Posted by cycleroad at September 30, 2012 23:47
 
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