December 27, 2012

自転車でクリーンにする工夫

この時期は大掃除で忙しい方も多いのではないでしょうか。


ふだんは出来ないようなところまで、徹底的に掃除をするチャンスです。掃除にとどまらず、古くなったものを思い切って捨てたりするにも、いい機会でしょう。この時期のゴミ捨て場には、粗大ゴミなども増える時期ではないかと思います。

中には、大掃除のついでに調子が悪くなったり、古くなった家電製品などを処分して、買い換えようと考える人もあるに違いありません。その場合、決められた家電製品については粗大ゴミとして捨てるのではなく、家電リサイクル法などの法令に基づいて処分しなければなりません。

一般家庭から廃棄される家電製品は年間約60万トンにも及ぶと言われています。そのほとんどが埋め立てられてきましたが、埋め立て用地には限界が迫り、また、埋め立てられる廃棄家電には資源として再利用することができる有用な物質がたくさん含まれることが指摘されていました。

年末恒例そこで埋め立て処分するものを減らし、資源を有効利用する目的で家電リサイクル法が制定されたわけです。家電は粗大ゴミとして捨てるのではなく、家電販売店などが収集や運搬を行い、最終的に家電メーカーが引き取ってリサイクルを行うと定められています。

問題は、リサイクル法の対象となるテレビや冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどを引き取ってもらう際、リサイクル券を購入する必要があることです。パソコンなどは販売価格にリサイクル料金を上乗せして販売されていますが、リサイクル対象家電は後払いのため、不法投棄を誘発しかねないのです。

事実、回収経路が変わったものの、リサイクル法の施行前に比べて回収される量は、むしろ大きく減っていると言われています。もちろん、減少した理由の中には、中古の買取店やネットオークションなどの利用が広がり、中古品としての流通が増えたことも要因の一つとして考えられます。

また、捨てるにも費用がかかるならと、少しでも長く大事に使おうと考える人が増えたのかも知れません。しかし、それらの要因か無いとは言いませんが、リサイクル料金が後払いになっているため、不法に投棄する人が増えるであろうことは容易に想像がつきます。

ただ実際は、不法投棄が増えてはいるものの、それほど多い量ではないと考えられています。なぜなら、軽トラックなどで住宅地を巡回し、廃品回収をする業者の存在があるからです。わざわざ不法投棄をしなくても、そういう業者が無料で引き取っているという実態があるのです。

回収業者が引き取った廃棄家電は、その他、さまざまなルートのものを含め、一部の新興国や発展途上国などに輸出されると言われています。無料で回収しても、充分ペイするくらいの価格で買う海外の業者があるのです。一部は修理して途上国などで再販売され、残りは資源回収用の廃棄物となります。

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日本で処理するのと違い、人件費の安い新興国・途上国で処理すれば費用は少なく、再販売や資源の回収で利益が見込めます。中には、リサイクル料金を徴収した上で、処理するメーカーには渡さず、海外へ横流しして二重に儲けようとする業者、家電店などの存在も指摘されています。

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日本だけではありませんが、こうした廃棄家電の輸出には世界的な非難が集まっています。一部の新興国や途上国において深刻な環境汚染や健康被害をもたらしているからです。先進国から発生した廃棄家電等が流れ込む新興国・途上国の廃棄物処理の現場での悲惨な状況が報告されています。

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それらの国々では先進国のような処理ではなく、金属などを回収するために廃棄家電を野焼きします。有害ガスが発生し、残存物や土壌にも有害な物質が残ります。それが環境の汚染や、全く無防備に扱う人たちの健康に深刻なダメージを与えるのです。扱うのは貧困層に属する人たちで、その中には子供も少なくありません。

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このことは国際的にも問題として認識されており、途上国は先進国からの廃棄物が流れ込むことに対し、大きな危機感と嫌悪感を持っています。もちろん、各国政府は規制を強化したり、不法な取引の摘発に力を入れてはいますが、なかなか防ぎきれていないのが現状です。

先進国では処理費用がかかる廃棄物が途上国では価値を生みます。国際的な流通の中で経済的なインセンティブが働くわけです。水が高い所から低い所へ流れるがごとく、対策の網を潜り抜け、どこからか漏れて集まってくるのを防ぎきれないということなのでしょう。

なかなか対策の効果が上がっていない中、この問題に対し、別の角度から取り組もうとしているプロジェクトがあります。その名も“Bicyclean”、なんと自転車を使うことで、少しでもクリーンに、環境汚染や健康被害を減らそうという試みです。

BicycleanBicyclean

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燃やすしか方法のない途上国の廃棄物処理現場において、回路基板などを破砕し、磁石によって金属などを分離する簡単な装置を、自転車を改造してペダルの力で動かそうというアイディアです。先進国の機械とは比べようもありませんが、素手と焼くしかない人たちには大きな力になるはずです。

素手で金槌などを使って破砕するより、はるかに効果的ですし、破片などで怪我をするリスクも減ります。足の力を使ったほうがパワーも大きく効率も上がります。電力や燃料などのエネルギーを使うのは、貧困層にある人たちにとって不可能です。電力や燃料費のかからないペダルであることが決定的な要素となるのです。

BicycleanBicyclean

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本来、廃棄物は排出された国で処理され、リサイクルされるべきです。あるいは、途上国の企業に処理を委託するにしても、きちんと管理された処理場で、環境を汚染したり、ましてや従事する人の健康に被害が及ぶようなことがない状態で処理されるべきでしょう。

しかし、いろいろな抜け穴や闇のルートを使って途上国へ不法に廃棄物を流し、利益を得るような集団、あるいは仕組みを根絶するのは困難なのが現実のようです。また、途上国の政府も、いわゆる貧困層と言われる人たちが、わずかな現金を得るために危険な処理をしたり、環境が汚染されるのを抑止できない状況にあります。



BicycleanBicyclean

この状況を、処理の現場から少しでも改善するために、“Bicyclean”は役に立つ可能性があります。古い自転車を改造することで安く製造できます。たまたま自転車なのではなく、人力しか利用できない中では、この形が必然と言えます。この装置が必要とする人たちの手に届くことを願わずにはいられません。

私たちの家庭から出た廃棄家電が、結果として遠く一部の新興国や途上国にまで運ばれ、その地の環境汚染や人々の健康被害になっていると思うと複雑です。私たちが家電を買い換えたり、大掃除で処分して家の中が片付く一方で、廃棄物からの有毒物質で汚れていく場所、人々があるのが現実なのです。

Bicyclean

今後も、ますます多くの製品にマイコンや電子基板が搭載され、機能が高度化していく一方で、廃棄される電子機器は増えていくことでしょう。せめて私たちが出来ることとして、安易に廃品回収業者を使わず、適正に処理されるよう、信頼の置ける家電店にリサイクル料を支払って処分するよう気をつけたいものです。





今年も残り少なくなってきましたが、掃除をするにも、ここのところ寒いのがヤル気をそぎますね。

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