January 20, 2013

自転車で丸ごと移動できる形

自転車で放浪の旅に出てみたいという人も、中にはいると思います。


まとまった休みがとれれば、自転車で遠くへ出かけてみたいと考える人はあるでしょうが、一般的には旅行の交通手段として、自転車は不向きと言わざるを得ません。なんと言っても、衣類や洗面道具、身の回りのものなどの旅行に必要な荷物を、あまりたくさん運べないという弱点があります。

ソロテント旅館やホテルなどに泊まる旅行でもたいへんですが、テント泊で自炊をしながらとなれば、さらに荷物は多くなります。もちろん、荷物を圧縮して自転車に積み、日本国内どころか世界一周を目指すような冒険サイクリストもいますが、普通の人にはなかなか真似はできないと思います。

やって出来ないことはないにしても、テントに寝袋で寝たり、シャワーも浴びられないような不便な生活を長く続けるのは敬遠する人も多いに違いありません。でも、もし快適な居住スペースを確保した上での自転車旅行だったらどうでしょう。

そんなことを想像させるのが、こちらのトライシクル、3輪の自転車です。白い部分はポリプロピレンで出来ています。折り曲げることの出来るプラスチック素材です。アコーディオンカーテンのような形状に折り曲げることで強度を得て、骨組み不要のテントのような役割を果たします。

Tricycle House, www.peoples-products.comTricycle House, www.peoples-products.com

中は居住スペースとして、さまざまな工夫が施されています。壁側の収納用のプラスチック家具は、倒したり変形させることで、いろいろな用途に使えるように考えられていてます。食事をするテーブルにもなりますし、調理用のカウンター、さらにはベッドにもなります。

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調理をするための、折りたたみのシンクにコンロまで用意されています。ダイニングやベッドルームになるだけでなく、なんとシャワールームにもなります。折り曲げてあるバスタブを引き出せば、シャワーを浴びたり、お湯を貯めて風呂に入ることも出来るのです。そのためにウォータータンクまで備え付けられています。

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内部にも折り曲げられるポリプロピレンやプラスチック系の素材を使うことで、必要に応じて伸ばしたりたたんだりすることが出来ます。限られたスペースを効率的に、いろいろな用途に兼用することで、有効に活用することが出来ます。なかなか面白い工夫です。

白いポリプロピレンは半透明なので、後ろから光が当たると、中が透けてシルエットになってしまいます。でも、逆に言うと、それは内部を明るくすることに役立ちます。太陽光や、夜間は街灯の下などに駐輪すれば、外部の光を取り入れて利用することが可能なのです。

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こんな居住スペースがあれば、自転車での旅行も楽しくなりそうです。ただ、気になるのは風に弱そうな形状でしょうか。走行するのにも風の抵抗が大きそうですし、横風にも弱そうです。それもそのはず、実はこのトライク、旅行用のキャンピングトライクではないのです。

Tricycle House, www.peoples-products.comTricycle House, www.peoples-products.com

このトライシクル、北京で行われた“Get It Louder 2012”というアートイベントに出展された作品で、そのタイトルは、“Tricycle House”、つまり三輪車の家、移動できる住宅というコンセプトなのです。日本人の感覚だと、キャンピング自転車かと思ってしまいますが、あくまでこれは「家」なのです。



作品を発表した“People’s Industrial Design Office”のサイトによれば、このトライクは「民族の将来」というテーマの下にデザインされたもので、過密な中国の都市における、未来の形の一つを示唆していると言います。中国では、基本的に土地の個人による所有は認められていないことが背景にあります。

改革開放で市場経済が取り入れられたものの、中国は共産主義の国です。土地で取得できるのは期限付きの使用権だけです。中国人は、皮肉をこめて、「中国共産党からの借り物」などと表現したりするようですが、建物と違って土地は所有出来ないのです。こうした人民と土地の一時的な関係がベースにあると書かれています。

高い経済成長で世界第2位の経済大国となった中国では、北京や上海などの都市に高級マンションが林立する一方で、きわめて貧しい地域もあって、貧富の格差は拡大していると言われています。インフレが進行し、バブル状態と指摘されるほど住宅価格が高騰し、都市部では庶民の手に届かないものになっているといいます。

農村部から出稼ぎに来た労働者は、大都市郊外の村落部、それも多くの人数で部屋を共有する形でしか住めない人も少なくありません。いわゆる蟻族などと呼ばれる人たちも多く、中には地下室などの劣悪な環境もあるそうです。億単位の出稼ぎ労働者が都市部に来ることを思えば、相当に過密なのは間違いないでしょう。

素材は違いますが、ほかにも中国のサイトで、似たような自転車ハウスを作った人を見かけることがあります。農村部からの出稼ぎ労働者にとっては、都市の中心部の夜間駐輪できる場所で、こんな“Tricycle House”で寝起きしながら働くというスタイルも、充分に選択肢になりうるということなのかも知れません。

Tricycle House & Tricycle Garden, www.peoples-products.com

場所を見つけて、場合によっては移動しながら居住するための家というわけです。ユニークなのは、移動する家に加えて移動する庭、“Tricycle Garden”まであることです。野菜などを栽培することも可能な庭です。トライクに土を載せた家庭菜園なので、家と共に移動させることが出来ます。

Tricycle House, www.peoples-products.com

サイコロ状のものは別の出展者の作品ですが、寝室専用、寝起きだけ出来ればいい人向けでしょうか。蛇腹式の3輪ハウスは、2台連結することも出来ます。自転車ガーデンと組み合わせて一戸建てのような居住空間を構成したり、仲間同士で集まって共同で生活するなど、離合集散も自由自在というわけです。

Bao House, www.dot-a.netBao House, www.dot-a.net

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Bao House, www.dot-a.net

旅行用ではありませんが、居住空間、生活空間ごと移動出来てしまう自転車です。郊外に住むより通勤はラクだとしても、ずっと住むのは当然ながら苦労もあるだろうと思います。でも、こんなトライクなら、ちょっと放浪の旅に出てみたい気がしないでもありません。





お年玉年賀ハガキの当選番号が発表されてました。つい、見るのを忘れてしまうんですよね。

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