April 05, 2013

友と一緒に走りたい時もある

自転車の違反行為の一つに並走があります。


「並進可」の道路標識などで示されている道路以外では、自転車が横に並んで並走することは道路交通法で禁止されています。クルマの免許をとるのに交通標識を覚えた際、この「並進可」は自転車専用などと間違いやすい標識として、よく出題されたりして覚えているという方も多いかもしれません。


(軽車両の並進の禁止)

第19条 軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。

(普通自転車の並進)

第63条の5 普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、第19条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。ただし、普通自転車が3台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。


並進可この「並進可」の標識、実は非常にレアです。全国的に見ても、ほとんど存在しないと言われています。私の知る限り、滋賀県など一部のサイクリングロードの限られた区間にあるものを除けば、一般道では愛媛県の新居浜市にいくつか存在するだけではないかと思います。

新居浜市に標識があるのは、住友化学の工場に向かう従業員の自転車が朝夕のラッシュ時に集中するため、工場近くのいくつかの道路に区間を限って並進可の指定がされているからだそうです。この工場近くに住む人をのぞけば、ほとんどの日本国民にとって、現物を見たことのない標識のはずです。

つまり、全国的に自転車が並走できる道路は、ほとんど皆無ということになります。事実上、日本では自転車の並走が禁止されていると言っても過言ではないわけです。もちろん、日本の道路事情、自転車の走行空間の整備状況から言って並走は危険ですし、適切な措置だと思います。

しかし、現実は違います。街中でも自転車が並んで走行している光景を、しばしば見かけます。特に、中学生や高校生などの学生が多く感じられるのではないでしょうか。歩道を堂々と並走していたり、なかには車道を逆送する方向に並走している人もいます。

自転車協会のCMもちろん社会人は並走しないとは言いません。子供を送迎するお母さん同士が並走していたりするのも見ます。ただ、送迎のお母さんなどを除けば、大人が二人いっしょに自転車で走行するという場面は、あまり多くないと思います。学生は登下校の際など、友達と一緒に走行する機会が多いからなのでしょう。

友達としゃべりながら我が物顔で歩道を並走し、歩行者のほうに避けさせるような言語道断な学生もいます。車道を逆走している上に並走するなど、常軌を逸した行為です。でも、本人たちはあっけらかんとして、悪びれる様子もなかったりします。おそらく並進が禁じられていることを知らない人も多いのでしょう。

免許をもっていない割合の高い年齢層ですし、学校でもあまり指導していないとしか思えません。仮に教えていたとしても、まともに聞いていないのでしょう。小さい頃から自転車で歩道走行が当たり前となっていて、歩行者感覚で並進し、おしゃべりしてしまうのかも知れません。

並走は違法なだけでなく、事故につながりかねない危険で迷惑な行為です。当然許されません。ただ、友達と一緒に自転車に乗っていたら、おしゃべりしたくなる気持ちは、わからないでもありません。違反を容認するつもりはありませんが、自転車で並走したくなる気持ちは理解できます。

Classic Tandem Electric Bike, www.pedegoelectricbikes.com

海外では、2人乗りのタンデム自転車に乗る人もいますが、日本では公道の走行が認められていない都道府県も多く、一般的ではありません。ちなみに写真はタンデムの電動アシスト自転車ですが、例え、タンデムに乗って一緒に走行したとしても、前後で会話をするのは容易ではなく、おしゃべりには向きません。

だからというわけではありませんが、ユニークな自転車を考えた人がいます。普通のタンデム自転車と違い、左右にサドルが並ぶという新しい発想の自転車です。2台の自転車を横に並べたような形になっており、必要に応じて連結を外し、それぞれ単独でも走行できるというアイディア自転車です。

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自転車2台で併走して走行する場合、障害物などをよけようとして接触したり、お互いの呼吸が合わず、自転車同士でぶつかって転倒するようなことも起こりえます。でも、この自転車ならば両者の距離が固定されるので、自転車同士の間隔を気にしながら走行する必要はありません。

必要な時だけ接続して、並列タンデム走行を楽しむことが出来ます。また、目的地まで二人で別々に走行し、帰りは合体させて、一人で2台分を乗って持ち帰ることも出来ます。駅前などで駐輪できない場所へ行く際、自転車で送迎するようなことも可能になります。使い方によっては、いろいろ便利かも知れません。

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前後に乗る自転車より、会話もはずみます。2台で並んで走行すれば並走ですが、連結すれば、どう見ても1台です。形は横に並んで走行していますが、これでは並走と言えないのは確かでしょう。合法的な並走方法を提案するわけではありませんが、友人と共同で購入し、一緒の時だけ連結するなんてことも可能になります。

ところが、一台で並走にはならないとすると、今度は2人乗りという問題に直面することになります。大人が幼児を乗せて走行するような場合をのぞき、日本の法律では原則として自転車の2人乗りは禁止されています。大人が2人乗りで自転車をこぐのは無理のように思えます。

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しかし、それは通常の自転車に関してであり、定員分の乗車装置を備えたタンデム自転車については、その限りではありません。都道府県によっては公道を走行出来ます。走行が許されるかは、各都道府県の条例や細則などで定められおり、それぞれ自治体によって違います。タイヤの数などによっても扱いが違ってきます。

2輪のタンデムだと走行出来ない県が多いのですが、3輪のタンデム自転車だと許される都道府県が大きく増えます。4輪のタンデムとなると、逆に走行出来ないのは4県だけとされていますが、タンデムを乗車装置が縦列に設けられたものと定義する県などもあるので、このアイディアが使えるかは都道府県によることになります。

Ride Side by SideRide Side by Side

1人で2台分を持って帰るような使い方なら問題ないと思われますが、サイズ的に普通自転車にはならないので、歩道走行は出来ません。車道を走行するにしても、実際問題としては周囲の邪魔になって顰蹙をかいそうです。道が狭く、自転車の走行空間が整備されていない日本では、あまり実用的ではないかも知れません。

連結式はともかく、海外にはサイド・バイ・サイドのタンデムの自転車に乗りたいと考える人もいます。自作したりメーカーなどに特注したりして、並列タンデムの自転車に乗って楽しんでいる人もいるようです。ネット上には、そんな姿が見受けられます。

Ride Side by SideRide Side by Side



登録も免許も必要ない4輪車として、並列タンデムの4輪車を自作して街を走らせている人もいます。海外でも法的にグレーな部分があるようですが、軽量で普通のクルマよりは歩行者への危険性も少なく、さえぎるものもないので、道行く人とも気軽に会話を交せるオープンな車両なのは間違いないでしょう。

TrikeTrike

こちらも並列ですが、ペダルではなくカイトによって風の力で進む、ちょっと変わったトライクです。一人がカイトを持って風を受け、もう一人がハンドルを握って車体を制御します。このトライクは広い場所がないと、なかなか乗れないとは思いますが、これもユニークです。

Trike

並列に乗れる3輪、並列タンデムトライクをつくる人もいます。長い距離を走行するような自転車旅行の場合、一人だと寂しいので相棒が欲しいという人も多いことでしょう。こんなトライクなら、荷物もたくさん積めますし、同行者とサイド・バイ・サイドで、長い道のりも、おしゃべりをしながら旅をすることが出来ます。

Mama LovaMama Lova

Mama LovaMama Lova

Mama Lova



残念ながら、日本では現実問題として、こうした並列タンデムに乗れる道路を見つけるのは難しいと思います。普通の自転車での並走が許可されている場所が、全国的にきわめて稀であることを考えても、幅広の並列タンデム自転車に乗れる環境ではありません。

一般道は無理としても、せめて川沿いなどにある大規模なサイクリングロードならばと思いますが、実際には自歩道扱いで歩行者と混在だったり、車線の幅が狭かったりする場合も多いと思います。日本では往々にしてサイクリングロードの幅は狭く、普通の自転車ですらトラブルが起きがちだったりします。

大きな川沿いでも、土手を通るものは難しいかも知れません。しかし、河川敷を通るようなサイクリングロードならば、用地的に余裕がある場所も多いのではないでしょうか。並列に乗るタンデムはともかく、ゆったり友人と自転車で並走出来るような場所が、少しくらいあってもいい気がします。





この週末は全国的に天気が悪そうです。相当な風と雨のようですから、家で大人しくしておきますか..。

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この記事へのコメント
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もうね、、、ここ自転車売る資格あるんですかね。
セレブ御用達らしいが、勘違いも程がある。
Posted by buunyann at April 18, 2013 01:21
buunyannさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
冒頭に乗せた自転車協会のCMもそうですが、明らかに並走の違反をしている画像や動画を載せるというのは不適切ですし、ルールの順守を軽視している、あるいは容認しているととられても仕方がないでしょう。
気付かずに載せたものだったとしても、立場的に軽率の誹りを免れないでしょうね。
Posted by cycleroad at April 19, 2013 00:03
 
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