April 14, 2013

自転車との意外な組み合わせ

自転車はとても身近な乗り物です。


街中で当たり前のように見かけますし、ふだんの生活の中でも見慣れた存在です。テレビのニュースやドラマの中にも出てきますし、何かの場面の背景に自転車があっても特に違和感を感じることは少ないでしょう。もちろん、それは日本限らず世界中の多くの国でも同じだと思います。

ただ、中には意外な取り合わせというのもあります。それぞれは珍しくなくても、組み合わせることで、ちょっと意外な印象を与えるケースもあるでしょう。今回は、自転車との組み合わせが意外に見える取り合わせの例を、いくつか取り上げてみたいと思います。

まず最初は、すでに多くのサイトで取り上げられているのでご存知の方も多いと思いますが、着物と自転車という組み合わせです。女性が着物姿で乗れる自転車「KOTO LX 20」が今月1日、京都府自転車軽自動車組合から発売されたというニュース、サンケイスポーツの自転車ニュースサイトが伝えています。

着物で乗れる自転車着物で乗れる自転車


超低床設計と特製サドルで実現

着物で乗れる自転車「KOTO LX 20」登場 京都発・工夫とこだわりを重ねた開発秘話

着物姿で気軽に移動したい人たちのニーズに応える自転車「KOTO LX 20」が4月1日、京都府自転車軽自動車組合から発売された。最大の特徴は、足首まで裾のある着物でも、楽に乗り降りできる“超低床”のフレーム設計。着物で日常を過ごす人の多い京都ならではの発想だ。見た目は普通のママチャリに近いが、実は開発にかなりの時間と労力、手間がかかったのだという。(後略 2013/04/13 サンスポ)


着物で乗れる自転車着物で乗れる自転車

京都でも自転車はたくさん見るわけですが、なかなか着物姿で乗っている人は見ないでしょう。今までにない取り合わせです。この自転車、トップチューブを省き、低床設計のフレームにしたことなどにより、着物でも乗れるものに仕上がっています。いろいろな部分に工夫を重ねて開発されたようです。

着物でも乗れるのであれば、当然スカートでも乗れるでしょうし、高齢者にも乗りやすいと好評だと言います。乗る衣装に合わせて形を特化した自転車という点でユニークです。ただ、このようなコンセプトは決して新しいものではなく、似たようなフレームの自転車は、過去にも多数存在しています。

LGS SK 1Cycle Chic features Electra Collections on Long Beach runway fashion show

大手メーカーが、やはり女性を意識してデザインした自転車として2005年頃にも発売されています。他でも似た形のフレームは少なくなくありません。さらに言うならば、女性の服装を意識した自転車と言うのは、自転車の誕生にまでさかのぼります。

自転車の祖先として有名なドライジーネ(左下)です。1817年に初めて誕生した自転車ということになっています。その当時は、足で蹴ってすすむだけの乗り物でした。この自転車の先祖ドライジーネ、実はその頃すでに女性用のドライジーネがあったと言います。

ドライジーネ女性用ドライジーネ

右上が女性用のドライジーネです。低いフレームがよく似ています。その当時のヨーロッパの女性は裾が大きく広がったロングスカートをはいていたので、こういう形になったと言われています。女性の衣装を意識して自転車の形をデザインするというのは、古今東西、似たような形に行きつくというのが面白いところです。

衣装、ファッションということで言えば、こちらもちょっと意外な気がする取り合わせではないでしょうか。この動画で、カジュアルな感じの衣装に身を包み、大勢の観客の中を自転車に乗ったり、押したりしながら通るのはファッションモデルです。いわゆるファッションショーの一場面です。



一般的にファッションショーでは、キャットウォークとかランウェイと呼ばれる観客席に挟まれた細長い舞台を、モデルが歩くのが定番ですが、ここでは自転車に乗っています。自転車に乗れるようなカジュアルで人気のある服のファッションショーというわけです。

考えてみれば、カリフォルニアのロングビーチに限らず、自転車に乗る人は多いわけですから、ファッションショーに小道具として自転車が使われてもおかしくありません。自転車に乗りやすいファッションということなら、自転車を使ってアピールするのも当然です。

これまでにない形として新鮮に見えます。ファッションショーに詳しくないので、もしかしたらあったのかも知れませんが、少なくとも私は聞いたことがないスタイルです。身近なのに意外な盲点とするならば、この方法を思いついた人は、なかなかのアイディアマンと言えるでしょう。

Dance Flash: ODC/Dance, Metalsmithing, and Burning Man with Bike Artist Max Chen

ファッションショーの小道具に使われるならば、芝居の小道具にだって使われてもいいはずです。“ダンスの舞台”ですが、いろいろ変わった自転車が出てきます。ベンチの形とか、テーブルで向き合う形とか、傘がついたものとか、出てくる自転車そのものも独特です。



テーマからして当然なのかもしれませんが、ダンスと自転車というのも、ちょっと意外な取り合わせです。自転車に乗るとダンスにならない気がしますが、うまくダンスと組み合わされています。形が独特なのもあると思いますが、変わった雰囲気を醸し出すのにも貢献しているのでしょう。

最後にもう一つ。こちらはハンガリーの首都ブダペストを流れるドナウ川の中に立つ、大きな動く彫像です。よく見ると川の流れでタイヤが回り、それにつられて足も動いています。ペダルをこいで川をさかのぼっているように見えなくもありません。



川と自転車というのも意外な取り合わせです。河川敷のサイクリングロードならわかりますが、川の中です。しかも大きな動く彫像、よく見るとなかなかインパクトのある動画です。誰が、何のために設置したのか、どんな意味があるのか、興味がわきます。

調べてみると、どうやらこれはトリック映像のようです。いかにもありそうな光景に仕上げられていますが、加工編集した動画と見られます。それにしても上手くできています。ブダペストのサイクリング・ライフスタイルをアピールする意図で作られたようですが、なかなか面白いアイディアです。

地元ブダペストのクリティカルマスの参加者などには支持されていて、実際に製造することが出来るのではないかとの声も上がったと言います。多くのサイクリストが、このプロジェクトに乗り気になったようですが、その後4年経って、どうなったのかは定かではありません。

自転車は、どこでも見かけ、ありふれていて、身近な存在です。でも、ちょっと場面が変わるとなかなか意外な組み合わせというのも、まだまだありそうです。どこに自転車、何と自転車だと意外性があるか、ユニークか、そんな視点で考えてみるのも面白いかもしれません。





土日は、ちょっと遠出してきました。いい陽気になってきましたね。

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この記事へのコメント
たすきしないと、最悪袖巻き込んじゃうし、
そうでなくとも、お振り袖が「正絹のフクピカ」になっちゃう
Posted by buunyann at April 16, 2013 21:32
より広い層の方々に、健康にも環境にもやさしく理想的な自転車に親しんでもらえるような設計の自転車開発。
本当にすばらしいことだとおもいます。
スカートが好きな方々、そして、これから高齢化もより加速していくでしょうし、こうした底床設計の自転車は、まさに求められていた形であると、私も思うところです。
自転車先進国で普及している子供乗せ自転車カーゴバイク、カンガルーバイク等ももっと日本でも普及、定着してほしいところです。
法が壁になっているのならば、法改正をする。道路の環境がよくないなら、改める。自動車への規制強化が必要なら、規制強化する。
市民らがより健康にも環境にもよい自転車というツールを、あらゆるシチュエーションで活用しやすい環境整備を、サイクリストら、市民らはもっと遠慮なく、議員や市長、知事ら等に要請し続けてよいものです。
それが、地域をより良くしていくのですから。
Posted by 佐藤 at April 17, 2013 17:00
buunyannさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この写真は見た目のインパクトや宣伝効果を狙ってのものでしょう。
さすがに振袖をそのままにして乗らないのではないかと思いますね。

Posted by cycleroad at April 17, 2013 23:20
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
実際、京都でこの自転車がとのくらい普及するかはわかりませんが、いろいろ試行錯誤してみるのは有意義なことだと思います。
実際、世界にはたくさんの自転車の形がありますが、それぞれ用途や必要に応じて改良され、洗練されてきたタイプも少なくありません。
自転車はこうと決めるのではなく、自分たちの使い方に合うようスタイルを変え、改良・工夫して乗るものと言えるかもしれません。
Posted by cycleroad at April 17, 2013 23:32
 
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