May 11, 2013

時代のトレンドは自転車通勤

シリコンバレーと言えば世界の先端企業が集まる場所です。


アップル、グーグル、インテル、フェイスブック、イーベイ、HP、オラクル、ヤフー、アドビ、シマンテック、シスコシステムズなど、半導体やIT関連のそうそうたる企業が本拠を置いています。有名IT企業は、ここに拠点を置くのが当たり前にみられるような一大集積地となっています、

シリコンバレーが、このような集積地になった理由はいろいろあると思いますが、シリコンバレーの中心にあり、全米屈指の名門校として知られるスタンフォード大学の存在もあるのは間違いないでしょう。元々、同大出身の技術者がここにHPなどのエレクトロニクスやコンピュータの企業を設立したのが始まりと言われています。

ヤフーやグーグルの創始者も同大出身ですが、起業の精神に富む人材を多数輩出していることで知られています。同大学をはじめ、アメリカ西海岸の創造性にあふれた優秀な若者を採用しやすい場所にあることも、シリコンバレーに先端企業が集まる理由だと思われます。

Apple Bicycle, www.wired.comApple Bicycle, www.wired.com

さて、そのシリコンバレーの企業が、近年次々と導入しているのが、自転車を社内で共有するシェアリングシステムです。キャンパスなどとも呼ばれる広大な企業の敷地の中や近隣を移動する手段として、自転車を選択したいと考える社員が増えていることが背景にあります。

2011年に導入したアップルでは、開始当日に数百人単位の従業員が列を作り、安全知識をチェックするともらえる無料ヘルメットを獲得しました。2ヵ月後には2千人、その後4千人が登録を済ませるまでに利用者が広がっていると言います。

もちろんクルマやシャトルバスなど他の交通手段を使うことも出来ます。必ずしもそれらが不便ということはありません。しかし、IT関連企業の従業員は若い世代が多いこともあって、自転車を使うほうが、ずっとクールだと感じているのでしょう。

Google Bikes, www.wired.comGoogle Bikes, www.wired.com

小回りがきいて機動的ですし、燃料補給の手間も無く、コストもかかりません。環境負荷が低くてイメージも良く、さらに運動不足を解消して自らの健康増進にもなります。デスクワークの多い人には、この点も重要でしょう。持たなくてすむならクルマの所有に魅力を感じない人も増えているようです。

アップルだけではありません。フェイスブックやリンクトイン、モジラ、ラックスペース、スクエアなど多くのIT企業も同様のシェアサイクルを整備しています。その中でも有名なのがグーグルでしょう。現地では、グーグルカラーに塗られたグーグルバイクの存在が広く知られています。

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規模も大きいですし、自前でメンテナンス部門なども抱え、何千台という単位の自転車がいつでも利用できるように保管センターに準備されています。以前取り上げた7人乗りの“ConferenceBikes”まであります。敷地内移動だけでなく、グーグル社の社員の7%以上が、毎日自転車通勤をしていると言います。

自転車通勤者に対する待遇も手厚く、駐輪場はもちろん、シャワールームやロッカー、レンタルタオル、修理やメンテナンスサービスから駐輪場に接続するシャトルバスまで完備しているそうです。社員の自転車利用に理解があるどころか、積極的にサポートする体制が整っています。



現地のサイクリストの間でも、グーグルの社員に対する自転車活用サポートは群を抜くと認識されています。グーグルが最初にキャンパス用自転車を導入したのは、2007年にまでさかのぼります。そして、自転車利用者は若い従業員だけでなく、同社の幹部にまで広がっています。

グーグルのCFO、最高財務責任者である、Patrick Pichette 氏も自他共に認める熱心なサイクリストです。サンフランシスコや近郊から数十マイルかけて自転車通勤するような強者もいて、同社独特の自転車文化と言えるようなものまで醸成されていると言います。単なる利便性の提供や流行に押されたものではないのです。

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最近はアメリカ西海岸でも、都市部での移動に自転車を使うのは普通のことになってきています。特に若い世代はクルマより自転車を選ぶ人が少なくありません。もちろん、自転車通勤環境だけがポイントではありませんが、若い才能を集めるためには、自転車通勤環境の整備も当然のように必要ということがあるのでしょう。

アップルなどは、環境に対する取り組みの一つとしてアピールすることも意識しているようです。排気ガスを撒き散らして移動しているのに比べれば、当然ながら会社のイメージアップにもなります。他の企業も含め、先端のIT企業が揃って自転車環境を整備するのも当然の趨勢と言えるのかも知れません。

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日本のIT企業にも例があります。ウェブサービスを手掛ける「株式会社はてな」です。社員は100人ほどですが、自転車通勤手当として月2万円を支給する会社として、自転車乗りには知られた会社かも知れません。社員の自転車保険代も会社が負担してくれます。

京都本社でも、東京オフィスでもかなりの社員が自転車通勤しています。ネット関連サービス業で、朝から晩までデスクワークという社員が多く、どうしても運動不足になりがちなため、社員の健康のためにと始めた取り組みだと言います。おかげで同社には、“メタボ体形”の社員はいないそうです。

もちろん、マイカーとは違い二酸化炭素を排出しません。そのことで国土交通省の「エコ通勤優良事業所」にも認証されています。営業が中心となる東京では、仕事でも自転車で一生懸命回っている姿が、取引先から好意的に見られるなど、事業面の思わぬ効果も得られていると言います。

株式会社はてな自転車通勤

創業者の近藤淳也氏がサイクリストだったこともあるでしょう。京都では、特に観光シーズンなど市内が大渋滞することもあって、自転車が便利で速いということもあります。サーバーダウンやシステムエラーに24時間体制で対応する必要もあって、自転車が必要という背景もあるようです。

同社では、会社の近くに駐輪場も会社の負担で確保しています。また、近くにマンションを一室借りて、社員がシャワーを浴びられるようにしています。自転車通勤を希望する社員にとっては、至れりつくせりの環境が整えられていると言えるでしょう。

自転車通勤を始めて痩せた、風邪をひかなくなった、という社員も多いと言います。朝、運動をすることで集中力がアップし、仕事の効率が上がると感じている人も多いと思います。取引先からは、ネット企業なのに顔色の悪いオタク風の人がいませんねと言われるそうです。

こうした多くのメリットに加え、自転車通勤者に優しい会社、理想的な自転車通勤環境とたくさんのメディアで取り上げられることで、会社のPRにもなっているはずです。シリコンバレーとは事情が違うにしても、会社のイメージが良くなって人材の獲得にも有利に働くかも知れません。

アメリカでも日本でも、時代の先端を行くIT企業は、自転車通勤環境を整備するのが理にかなっており、当然と考えているようです。もちろん立地にもよるでしょうし、全てシリコンバレー流が正しいわけではありませんが、企業の担当者は、もう少し自転車通勤のメリットに着目してみてもいいのかも知れません。





片道切符での火星移住構想に7万8千もの応募があったそうです。開拓精神にあふれる人もいるんですね。

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