September 23, 2013

公共交通をもっと便利にする

多くの人が日常的に移動を繰り返しています。


例えば仕事や何かの用事、休日の予定等も含めて、どこかへ行く場合、それが徒歩圏内でなければ、電車で行くか、クルマで行くかというのが一般的な選択肢になると思います。もちろんバスやタクシーなどを使う場合もありますが、それらも含めた公共交通機関を使うか、クルマにするかという二択です。

電車ならば、渋滞に巻き込まれてイライラしたり、到着時間が読めなくて困ることは基本的にありません。自分で運転して疲れることもありませんし、居眠りしていても連れて行ってくれます。クルマはドアツードアで便利ですが、いろいろと面倒なことも少なくありません。

渋滞 This image is in the public domain.ただ、行き先によっては最寄り駅から遠くて不便だったり、路線バスが通っていても本数が少ない、バス停から遠すぎるなど、公共交通機関を使って行くのが不便な場所もあります。わずか数キロであっても、歩くとなると時間がかかりますし、現実的でなかったりします。

つまり、本当は電車などの公共交通機関を使いたいが、駅からの移動が不便でクルマを使わざるを得ないという場合もあるでしょう。仕方が無くクルマにしているが、もし駅からの移動手段があれば、渋滞も避けられるし、運転しなくて済むので電車にしたいという潜在的なニーズもあるはずです。

もし、目的地の最寄り駅から自転車が使えたら電車を選択できますが、通常の移動時に、いつも自分の自転車を持って歩くわけにもいきません。そんな時に役立つのが、最近、世界的に増えている自転車シェアリングです。電車と自転車を組み合わせて使うことが出来ます。

ただ、自転車シェアリングシステムは、どこの街にでもあるわけではありません。たまたま観光地でもない限り、通常のレンタサイクルも期待できないでしょう。探せばあるかも知れませんが、いちいち、行き先で自転車が借りられないか探すのも面倒です。

そんなニーズに応えるべく、イギリスでは新しいサービスが登場しました。その名も“Bike & Go”、一つの都市だけでなく、国中に自転車シェアリングを広げようというプログラムです。これがイギリスで少しずつ支持を集め、根付きつつあると言います。

Bike & Go, www.bikeandgo.co.ukBike & Go, www.bikeandgo.co.uk

オリンピックに向けて、ロンドンでは急激に自転車インフラが整備されました。通称ボリスバイクと呼ばれる自転車シェアリングも導入され、オリンピック開催時のロンドンでの渋滞回避、あるいは渋滞減少に大きく役立ちました。このことについては、過去の記事に書きました。

オリンピックを機会に改革を

自転車革命を阻む日本の呪縛

オリンピック後にも残るもの

オリンピックが終わった後も、自転車を利用する市民は増え続け、完全に定着した感があります。ロンドンは世界的にも自転車都市としての評価を確立しました。ロンドンのように慢性的な渋滞に悩まされている都市では、自転車の利用は合理的であり、有力な選択肢でもあるわけです。

もちろん、全ての移動を自転車にしようというわけではありません。でも、渋滞するクルマを使うより便利な部分については、積極的に自転車を活用しようというという人が増えました。そして、そのことが人々に自転車の便利さを気づかせ、通勤や日常的な移動に自転車を使う人を増やしたのです。

こうなると、ロンドン以外の郊外の街でも自転車が使えたら便利だと考えるようになるのは、むしろ自然です。ロンドン市内のように、あちこちに貸し出しステーションが設置されていなくても、郊外に出かけた時、鉄道の駅で自転車を借りることが出来れば、鉄道と自転車の組み合わせで行動範囲が広がります。



しかも、このサービスは全ての街で共通です。年間の利用権を購入しておけば、必要な時にどこでも自転車が使えます。まだ始まったばかりで、貸し出しステーションのある駅は限られますが、これから順次、多くの駅に拡大される予定になっています。

自転車シェアリングは、それだけでも有用ですが、鉄道などと組み合わせても、その利便性が増すというわけです。“Bike & Go”は、イギリス全体に自転車シェアリング網を構築しようというのです。まだ始まったばかりですが、着実に広がりつつあるようです。

移動する人々の最終的な目的地は、普通、駅そのものではありません。駅からの最後の数マイルを移動する手段を提供すれば、もっと公共交通機関の使い勝手が高まるはずです。商圏が広がり、鉄道の使い道が増え、その魅力が増すという意味で、鉄道会社にとってもメリットが大きいのではないでしょうか。

地域の中核駅から、くまなくバス路線を整備するのは、多くの場合困難です。利用客の数からして、一日の本数も限定せざるを得ません。そうなると不便になって乗る人が減るという悪循環です。赤字ローカルバス路線として廃止になるのも仕方ありません。

Bike & Go, www.bikeandgo.co.ukBike & Go, www.bikeandgo.co.uk

そのバス路線の代わりとしても、自転車シェアリングは有効だと思います。基本的に貸し出しは無人で行われますので、人件費も少なくて済みます。ある程度、イニシャルコストはかかるものの、自転車ですから高いものではありません。ガソリンなどの燃料費も不要なので、ランニングコストは安く抑えられます。

日常的な移動以外、例えば観光客なども便利に使えることでしょう。地域の交通インフラとして機能し、訪問客が増えれば、地域経済にも貢献する可能性があります。地元の人にとっても、悪いことではないはずです。その地域単独での自転車シェアリングより、域外からの誘引効果も期待できます。

都市の自転車シェアリングが、いわば増殖するように広がっていくのも、言われてみれば当たり前のことです。その意義、利便性からして、このような広域の自転車シェアリングが支持されつつあるのも当然の流れと言えるでしょう。ちなみに、このような予兆を見せている国はイギリス以外にもあります。

一方、世界を見渡せば、自転車シェアリングの有用性どころか、自転車のポテンシャルすら市民が理解していない国もあります。その国では、自転車がなんと歩道を走行するため速くなく、便利に使えません。自転車で一つ先の駅まで行くことすら考えたことのない人が大勢います。

Bike & Go, www.bikeandgo.co.ukBike & Go, www.bikeandgo.co.uk

それでも、よその国の真似をして自転車シェアリングなどと言っていますが、パリやロンドン、ニューヨークをはじめ、世界の百数十以上の都市で導入されているものと比べれば、悪い冗談にしか見えないお粗末さです。自転車シェアとして機能しないので、大々的にスタートしても、いつの間にか消滅してしまうものも少なくありません。

社会実験などと称して導入されるものの、市民に全く利用が広がらず、いつまで経っても実験のままだったりします。市民が自転車を現実的な都市交通の手段と思っておらず、導入しようとする担当者ですら、何が足りないか、わかっていないのですから当然と言えば当然です。

世界中の都市で自転車シェアリングが導入され、中には周辺地域へ広がって国中を網羅する新しい交通インフラとしての可能性が見えてきた国があります。一方で、オリンピックを前にしても、クルマ用の道路の延伸しか話題にならない、世界のトレンドから取り残された、ナントカ諸島のような国もあるのが現実と言えるでしょう。





何年ぶりかでタイヤがパンクしました。幸いスピードが出ておらず大事に至らなかったのでラッキーと考えるべきですね。

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この記事へのコメント
Cycleroad様

 今回はお怒りモードですね。確かに現状を見ていると腹立たしいことばかり...。

 今夏たまたま四万十川(高知県)に行くことがありました。事前に「川周辺でレンタサイクルを1500円/日でできる」という情報を手に入れていたので、どんなもんかいな〜、とのぞきに行ってがっかりしました。やっぱり、のママチャリでした。あんなもので川沿いのアップダウンを走るのは自虐的、いや今夏の暑さの中では自殺行為でしょう。

 川を汚さないためにも自転車の利用を推進したい、という地元の方の意気込みは評価しますが、お金を取る以上はもうちょっとまともな自転車を、と正直思わされました。

 それと、子供用の自転車も目に付きませんでしたね。家族で乗りたい、というケースもあると思うのですが(子供用があるかどうか問い合わせたわけではありません。すみません、裏を取ってなくて)。

 うん、もどかしいことばかりです(笑)。
Posted by hyrax at September 25, 2013 14:20
hyraxさん、こんにちは。コメントありがとうございます。 いや別に怒っているわけではありません。いつも言及していることなので、たまには言い方を変えてみただけです(笑)。
知らないだけで悪意でやっているわけではないですし、怒っているわけではありません。嘆かわしいとは思いますが..。
確かに、レンタサイクルと言えば、ママチャリが当たり前というところが、まだ大多数というところでしょう。
それが普通で、不満に思わない人も多いわけで、日本人の自転車に対する見方が端的に現れていると言えるのでしょうね。


Posted by cycleroad at September 25, 2013 23:54
 
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