October 17, 2013

子供でもわかる呼掛けが必要

自転車乗りが懸念することの一つに盗難があります。


青少年の非行の入り口ともされる自転車盗は、警察が把握しているだけでも全国で年間数十万件という数にのぼっています。あまりにありふれた犯罪で、その多くは、ニュースにもなりません。日本で報道されるのは、自転車盗の防止の取り組みがほとんどとなっています。


自転車施錠徹底自転車施錠徹底 大分東明高で盗難防止啓発

自転車は「ツーロックで」

鍵掛けで盗難防止を/「鍵島甲子園」

盗難防止、運転マナー向上へ JR千葉駅周辺で自転車啓発イベント

窃盗:高級自転車盗み逮捕 容疑者宅から他に16台−−早良署 /福岡


最近の盗難防止の取り組みのニュースをピックアップしてみると、その多くは、鍵かけの呼びかけであることがわかります。格安ママチャリが市場を席巻していることもあってか、施錠せずに盗まれるケースが増えており、その点への啓発が全国的に行われています。

しかし、そのような取り組みは珍しいものではなく、各都道府県で毎年繰り返し、年間を通して行われていますが、全国的には一向に改善が見られていません。高額な自転車は別として、残念ながら市民の間に、真剣に自転車盗を防止しようという意識は高くないと言えそうです。

ところで、自転車盗が問題になるのは日本だけではありません。海外においても自転車盗は多く、その対策が問題になっています。しかし、犯罪としての敷居が低く、件数も多いため、なかなかその抑止がままならないのは、どこの国でも同じようです。海外の自転車盗に関連するニュースをピックアップしてみました。



CAUGHT ON CAMERA, www.wnct.comCAUGHT ON CAMERA, www.wnct.com


自宅の玄関先から自転車を盗まれた住人が、警察の捜査の優先順位が低い様子を見て、これでは埒が明かないと、自分で行動を起こすことにしました。なんとか犯人を捜し出すため、最初はビラを作ることを考えたと、アメリカ・カリフォルニアの地域ニュースが報じています。

CAUGHT ON CAMERA, www.wnct.comしかし、単なるビラでは効果が薄いと考え直し、多くの人に見てもらうためフェイスブックを利用することにしました。それも、単にフェイスブックで訴えるのではなく、ひと捻りしました。なんと、防犯カメラの画像を使って、自転車窃盗犯のフェイスブックを開設したのです。

そして、『自分は、この地域ディクソン市の自転車泥棒であり、あなたがたの自転車を盗むので、せいぜい気をつけるように。』と挑発しました。『私は、どんな自転車でも盗める』とも豪語しました。この作戦は地域の住人の注目を集める上で、非常に効果がありました。

24時間以内に1万以上のアクセスがあり、多くの反応が寄せられました。そして、おそらく本当の犯人も見たのでしょう。犯人は反省したのか、気味が悪いと思ったのか、危機感を持ったのか、およそ1ヶ月後に、被害者宅の玄関前に、当該の自転車が戻されているのが発見されたのです。






一方、熱心に取り組む警察もあります。イギリスのケンブリッジでも、自転車盗は増加傾向にあります。しかし、目の前で犯行が行われても通報する人が少ないことに、地元の警察は危機感を強めています。そこで、街頭に自転車を置いて、犯人に扮した警察官が盗む様子に、市民がどう反応するか実験しました。

結果は散々で、周囲の市民は、明らかに怪しい行動に対しても関心が低く、通報する人は皆無でした。この結果に衝撃を受けた警察は、市民に訴えるため、この実験の動画を公開しました。自転車盗の摘発、事件の防止には市民の協力が不可欠と訴えています。






もちろん、無関心な人ばかりではありません。ニューヨークのアッパーウェストサイドで、有名チェーンの宅配用自転車から前輪を盗む犯人を偶然目撃した人がいます。犯人の体格が良く、後ろのポケットから工具が飛び出ていたので、反撃される可能性を考慮し、ケータイで撮影しながら犯人に近づきました。

'Ninja' films, www.news.com.auそして、犯人に声をかけ、撮影していることを告げると共に、そのタイヤを返すように言ったのです。さもないと警察に通報すると警告すると、犯人は盗んだタイヤを返すことに同意しました。しかし、話はそこで終わりではありませんでした。この人、さらに忍者のように犯人の後を追跡しはじめたのです。

そして、数ブロック先で、案の定、再び違う自転車から部品を盗もうとしているのを目撃しました。この男、一度犯行を目撃されたにもかかわらず、まったく反省してはいませんでした。ちょうど近くを通ったパトカーをとめ、この犯人は逮捕されました。



Thief returns bike, www.mirror.co.ukThief returns bike, www.mirror.co.uk


一方、反省する泥棒もいます。イギリスでは、盗んだ自転車を3日後、謝罪の手紙と共に被害者の元へ返した犯人が話題になっています。タクシー代がなかったために、勝手に拝借したことを詫び、ドミノピザのデザート無料券も添えられていました。よく見るとその期限は切れていましたが、被害者の怒りは収まったようです。




自転車盗の犯人を許さないと力を入れる警察もあります。アメリカのアッシュランド警察です。なんと、自転車泥棒検挙のため、言わば「おとり捜査」を行っています。GPSなど新しい技術による追跡装置を装着した「おとり自転車」を置き、盗まれたところで、その犯人を検挙しようというのです。

盗まれたことを察知して、装置が示す場所へ駆けつけても、毎回必ずしも逮捕できるとは限らないようです。自転車は回収出来ても、犯人は、すでにその場を離れていることも多いのでしょう。ただ、すでに5人検挙したと報じられています。今後も続行する予定と言います。

鍵掛けで盗難防止をツーロックで

警察の対応にしろ、被害者や市民の行動にしろ、日本では聞かないような話ばかりです。格安ママチャリが市場を席巻するなど、日本独特の環境もあるのだろうとは思いますが、自転車盗がほとんど話題にならない日本とは、大いに事情が違うことがわかります。

欧米では、日本のように固定物につなぐことなく、簡易な馬蹄錠やシリンダー錠だけで施錠することは意味がありません。複数の頑丈なロックで固定して施錠しても盗まれることがあります。自転車乗りは、ワイヤー錠ではなく太い鎖を使ったり、U字型ロックを使うなど、少しでも盗難抑止効果を上げようと努めています。

盗難防止鍵をかけなければ、盗まれるのは当たり前であり、話になりません。海外では無施錠なんて考えられません。わざわざ、鍵かけを呼びかけられなくても、施錠するのは当然であり、普通は習慣になっているので、うっかり施錠を忘れるなんていうことも、考えられないでしょう。

自転車盗の増加が治安の悪化や、より凶悪な犯罪につながることは、破れ窓理論などとして知られています。たかが自転車盗と無視できない問題です。ただ、『自転車に鍵をかけましょう』と常識以前のことを一生懸命呼びかけている日本は、海外から見ると、なんともノンビリした国に見えるのは間違いなさそうです。





台風26号が大きな被害をもたらしましたが、すぐに27号ですか。今年は多いですね。

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この記事へのコメント
自宅近くに盗難自転車と思われる物が数台あります
その都度、警察に通報していますが
優先順位が低く
あまり本気では無いですね

日本でもおとり捜査を実施して欲しいですが
自転車盗難は
盗んで短距離を走るだけで放置する事が多いので
検挙は難しいでしょう

そもそも一般の自転車の価格が安すぎる事
盗んだ本人が窃盗の意識が無い
所有者も防犯意識が薄い

割れ窓理論からすると
これ以上広まってほしくないので
自転車盗は徹底的に取り締まって欲しいです
Posted by ロードバイク初心者 at October 18, 2013 23:01
日本の場合、鍵がかかっていない家の空き巣も多いと言うし。しかし夜道が歩けなくなるほど治安が悪化するのは困るな。
Posted by なななな at October 19, 2013 08:38
ロードバイク初心者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車盗のおとり捜査は、日本では難しいと思います。法改正が必要ですが、現状、麻薬の取り締まりなどに限られていることを考えると、理解は得られにくいと思います。
自転車盗の取り締まりは、治安を維持し、凶悪犯罪への関連を考えても重要だと思いますが、鍵かけも徹底されていない状態では、犯行も容易で抑止が効かず、難しい面はあるでしょうね。
肩を持つわけではありませんが、警察も人身や予算が限られている上、ほかにも犯罪が多いわけで、優先順位が低くなるのは、仕方がない部分もあると思います。
Posted by cycleroad at October 19, 2013 23:09
ななななさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
昔からの地域の連帯が強く、よそ者がいれば、すぐわかるような地域では、鍵をかけずに家を空けるようなところは、まだまだ多いでしょうね。
鍵をかけない人は、盗まれないとタカをくくっているか、滅多にない、あるいは盗まれたら仕方がないと考えており、鍵をかける手間との比較で、かけない選択をしているということもあると思います。
ただ、そのことが、「ちょっと拝借。」みたいな形で、窃盗を誘発していることを考えれば、犯罪防止、治安維持への協力の観点から、やはり鍵をかけるべきだと思います。
Posted by cycleroad at October 19, 2013 23:24
7割はひどすぎるよ。犯罪を助長するものだ。施錠義務違反で罰金ものだ。
「自転車の盗難増加で ロックでガード大作戦 啓発隊がリレーで県内一周」
http://shigahikone.blogspot.jp/
県警によると、今年1月〜9月の自転車の盗難数は県内が2756台(昨年同時期2604台)、彦根署管内が402台(同497台)となっており、盗まれた自転車のうち、鍵がかかっていなかったのが7割を占めている。
Posted by SHARETHEROAD at October 21, 2013 20:13
SHARETHEROADさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
滋賀県では7割ですか。これでは盗難事件が減らないのも仕方がないところでしょう。
鍵をかけていなくても、盗まれないことも多いのでしょうけど、治安の維持、犯罪の抑止の観点からも、施錠は市民の義務と言ってもいいのではないでしょうか。
Posted by cycleroad at October 21, 2013 23:31
 
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