April 21, 2014

さらに市場を膨らませる戦略

コーヒーは世界中で飲まれています。


日本でも、家庭で飲まれるほかにも飲食店などで提供され、広く飲まれてきました。昔からあった喫茶店に加え、近年はスタバやドトールなどのセルフ方式のカフェが増えました。さらにマクドナルドなどがコーヒーの提供に力を入れはじめ、業態の垣根を越えた競争となっています。

昔ながらの喫茶店に、新しいカフェ、ファーストフードと、消費者には選択肢が増えたわけですが、お店にしてみれば、お客の奪い合いです。さらに、そこへ登場したのがコンビニ・コーヒーです。2012年頃から始まり、2013年には、ヒット商品の筆頭にあげられるほどの爆発的な伸びを見せました。

コンビニ参入前でも過当競争なのかと思っていましたが、コンビニ・コーヒーの大ヒットを見ると、まだまだ需要があった、あるいは需要の伸びる余地があったということなのでしょう。一挙に5万店規模のコンビニがカフェとなり、全国のコーヒーを提供する店の数が1.5倍ほどに拡大したことになります。

これに対し、既存のコーヒーチェーンなどは巻き返しに出ています。さすがに市場は飽和状態だろうと思えば、さらに大手チェーンのスーパーマーケット、郊外型を展開するチェーン店、コーヒー卸大手などが新規に参入し、競争はさらに過熱する様相を見せています。コーヒーの消費量も伸びています。

Wheely's CafeWheely's Cafe


ところで、世界に目を向けると、従来型のカフェでない業態には、まだまだ参入の余地があると考えている人たちがいます。その名も“Wheely's Cafe”、カーゴバイクでコーヒーを売ろうというものです。今、クラウドファンディング・サイト、“Indiegogo”で資金調達を目指しています。

これまでにもカーゴバイクや自転車にトレイラーを使うなどして、コーヒーの移動販売に取り組む人を取り上げたことがあります。欧米諸国には、似たことを考える人がいます。しかし、この“Wheely's Cafe”は、少し違って、自転車のコーヒー移動販売の世界的なチェーンを展開しようという意欲的なものです。



個人で起業しようという人などに、世界一小さなカフェとしてのフランチャイズを提供し、“Wheely's Cafe”を世界的なブランドにしようという野心を燃やしています。スタイルが違うので、スターバックスやマクドナルドなどの既存の有名チェーンにも十分挑戦できると考えています。

なんと言っても、初期費用が違います。大手チェーンだと何十万ドル、何千万円という単位の初期投資が必要なのに対し、3千ドル、30万円程度しかかかりません。それでも、スウェーデンでのテストでは、一日150ドルから300ドルの売り上げがあったと言います。

Wheely's CafeWheely's Cafe

例えば朝のビジネス街など、移動する場所や時間を工夫すれば、もっと売り上げは上がるでしょう。コーヒー以外にもサンドイッチやクッキーを売ったり、食品以外のものを売ることも出来ます。もちろん、ロンドン、ニューヨーク、東京などの大都市なら、大きく売り上げが違ってくるだろうとサイトにも書かれています。

自転車で販売するにも、単なる個人では、下手をすると怪しげに見えてしまいますが、“Wheely's Cafe”というブランドが認知されるようになれば、大きな力になるに違いありません。世界中の個人が一つのブランドの下に集まって、新しいコーヒ−販売の革命を起こそうと呼びかけています。

Wheely's CafeWheely's Cafe

この“Wheely's Cafe”、スウェーデンの“Nordic Society For Invention and Discovery”というラボが立ち上げようとしています。このラボは、同じスウェーデンの有名ブランド、“IKEA”や“H&M”の製品開発にも関わったところだそうです。もう一つ新たなブランドが生まれないとも限りません。

目標は、1年で100以上の都市に“Wheely's Cafe”を誕生させることだとしています。フランチャイジーになろうという人がいなければなりませんが、何といっても1件30万円ですから、決して不可能な目標ではないでしょう。欧米ではマスコミにも取り上げられているようです。

Wheely's CafeWheely's Cafe

果たして日本に上陸するかどうかはわかりません。新規参入が相次ぎ、飽和状態にも見える日本のコーヒーショップ市場ですが、まだまだニーズは埋もれている可能性があります。固定店舗を展開するのとは違い、移動販売が新たなニーズを掘り起こす可能性も考えられます。

オフィス街などで、カフェが少ない場所もあるでしょうし、カフェが少ないため、持ち帰りの需要が多い場所もあるはずです。大きな公園とか、イベント会場、人の集まるところは、まだまだたくさんあると思います。何かの待ち行列に並んでいる人に売るなど、機動的に動くことでニーズが掘り起こせるかも知れません。

Wheely's CafeWheely's Cafe

普通のカフェは、いったん開店したら移動することは出来ません。どうしても人が多い場所、商業地などに限られます。移動販売ならば、コーヒーショップの密度の低い場所を探したり、時間帯や場所を試しながら可能性を探ることも出来ます。バンや軽トラなどと違って排ガスを出さず、イメージ的にもいいものがあります。

移動の燃料費もかかりませんし、人件費も自分の分だけとするならば、必ずしも大きな売り上げは必要ありません。あまり人通りが多くなく、したがって従来型のカフェが展開していないエリアでも、規模が小さいぶん十分に採算がとれる可能性があります。その点もアドバンテージに数えられるでしょう。

Wheely's CafeWheely's Cafe

これが食事だと、一日何食も食べるわけにはいきませんが、コーヒーならば今までより飲む回数が増える余地もありそうです。コーヒーという広く愛される嗜好飲料だけに、近くに店がない、買いにいけない、という場所やケースが発掘できれば、市場はもっと広がるかも知れません。

なにもコーヒーに限ったことではないでしょう。自転車を使った移動販売というスタイルは、他にも応用できる可能性があります。移動販売というスタイルはともかくとしても、市場は飽和状態、参入の余地は乏しいといった月並みな見方、凡庸な判断が、ビジネスの創出やイノベーションを阻むということなのかも知れません。





15歳で優勝、メンタルもすごい新人が出てきましたね。オリンピックもありますし、若手の台頭は楽しみです。

このエントリーをはてなブックマークに追加




Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。

にほんブログ村自転車ブログへ
 自転車・サイクリングの人気ブログが見られます。













この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/cycleroad/51991787
この記事へのコメント
 いつも興味深い話をありがとうございます。

 日本だとコンビニが最近コーヒーに力を入れていて、WMFとかのコーヒー・メーカーが配備されていますよね。あれがそこそこのお味なので、Wheely's Cafeは日本では苦戦しそうな気がします。というか、ドトールなどの既存店もかなり食われそうですね。コンビニだと駐車・駐輪も楽ですし。
 これから参入するなら「Wheely's 御茶屋さん」で、和菓子と緑茶なんぞはいかがでしょう???もちろん屋台は緋毛氈でね...。
Posted by hyrax at April 27, 2014 13:56
hyraxさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
たしかに、まともに勝負したのでは難しいかも知れません。ただ、 Wheely's Cafeの最大の長所は移動できることなので、本文で書いたようなニッチな市場、埋もれたニーズはあるのだろうと思います。
何であれ、素人が考えないところにヒットの余地が隠れていた事例が多いことを考えれば、常識を覆すようなことは十分ありえるのでしょう。
コーヒーを別のものに置き換えるというのもアリでしょうね。
Posted by cycleroad at April 27, 2014 23:01
 
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)