June 23, 2014

記念撮影でない自転車の写真

自転車はよくクルマと対比されます。


どちらも都市交通として使われることがありますが、必ずしも二者択一ではなく、両方使う人も多いでしょう。自転車に比べクルマは圧倒的に機動力がありますし、多くの人、多くの荷物が運べます。遠距離でも速く移動できますし、雨など悪天候にも強く、快適な空間のまま移動できます。

都市間を移動するような場合に、自転車だと相応の時間がかかりますし、体力も必要、多くの荷物を運搬するのも困難です。近い距離や渋滞する都市部では、かえって自転車のほうが速くて便利なこともありますが、クルマと自転車は、むしろ補完的であり、用途や場所、距離や荷物の量などによって選択される手段でしょう。

ふだんクルマには乗らず、自転車に乗っている人でも、物流や運搬、公共サービスなどを通して、クルマの機動力のお世話になっています。今どき、クルマの機動力が無ければ、食料や日用品などの物流も成立しませんし、警察や消防、建設や土木工事、ごみ収集に至るまで、クルマがなくては始まりません。

そう考えれば、一方的にクルマを悪とか、クルマを排除せよというのがナンセンスなのは論を待たないでしょう。都市の中心部や住宅街の中など、クルマをもっと制限してもいいところは少なくないと思いますが、何があってもクルマはNOというのは極端な議論です。

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もっとも、サイクリストの中には、むしろ自転車のほうがクルマより優れており、クルマを排除すべきだと主張する人もいます。現代文明の象徴として、その負の部分を強調し、クルマをなくせば、もっといい社会が築けると主張している人もいます。

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この一連の写真を“bicycle-culture”と称した“Tumblr”のサイトに掲載している人も、その一人のようです。ご覧のように、わざわざ壊れたクルマの上に乗って撮った写真を数多く掲載しています。クルマの上に乗ることで、快哉を叫んでいるようにも見えます。

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クルマと直接ぶつかれば、どうみても壊れるのは自転車のほうですが、一連の写真は、自転車でクルマを破壊したかのように見えなくもありません。非常にストレートな構図ですが、クルマに対する自転車の優位性を表現している、主張しているのでしょう。

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なぜこんな写真を?という問いに対し、作者は次のように答えています。クルマは騒がしく、エネルギーを浪費し場所をとる「でくのぼう」であり、排気ガスは悪臭を放ち、人々を殺す存在です。原子力の次に、この惑星を破壊する元凶であり、排除するべき存在だと主張します。

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地球の許容できる範囲を超えてクルマは増殖し、いまや10億台のクルマが走っています。さらに、2025年までに20億台を超える勢いです。ほとんど全てが化石燃料を燃やし、地球の環境を悪化させ、燃やし尽くすまで増え続けます。だから彼は写真をとっているのだと言います。

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多少過激な主張ですが、気持ちはわからないでもありません。人間が生み出し、人間を豊かにし、その幸福に貢献すべき道具であるはずなのに、世界中で多くの命を奪っているのも事実です。化石燃料を燃やし、環境を破壊してきたのも確かでしょう。

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もちろん、彼だって、10億台も使われているクルマを全廃できるとは思っていないはずです。しかし、野放図にクルマを増やし、この先も爆発的な勢いでクルマを増やしていっていいのかという主張に共感する人は、近年増えてきているのではないでしょうか。

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クルマメーカーは製造をやめないでしょうし、売れればどんどん増産するはずです。世界の都市で渋滞は悪化し、大気は汚染され、人間の健康は損なわれます。森を切り開いて道路を作れば、貴重な生態系は破壊され、砂漠化や水資源の枯渇、その他さまざまな悪影響を及ぼします。

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何より、交通事故によって人命が失われています。このことに対し、それがあまりにも日常化しているために、感覚が麻痺し、鈍感になってしまっていることにも気づくべきでしょう。果たして手放しに、このままクルマが増えるのを見ているだけでいいのか、考えてみるべきではないでしょうか。

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住宅街や通学路でクルマが暴走し、悲劇が繰り返されている日本でも、考えるべきことはあると思います。欧米と比べても、道路はクルマ優先の思考が当たり前のようになってしまい、クルマによる移動の効率が、人命より優先されるという本末転倒的な部分はないでしょうか。

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クルマを廃絶しろとは言わないまでも、変える必要があると訴える一つのスタイルとして、こうした写真をとっているのでしょう。細かいことは書いてありませんが、ひたすらクルマを制圧するかのような構図の写真を撮り続ける姿勢に、クルマを激増させる現代文明に対する疑問や憤りが現れているようです。

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しかし、よくこれだけ壊れたクルマを見つけたものです。廃車になったクルマ置き場とか、警察署の裏の事故車置き場ならともかく、道端に事故を起こした車輌がそのまま放置されていることは少ないのではないでしょうか。壊れているとは言え、その上に乗って咎められないのでしょうか。

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クルマの上に乗ったり、衝突してクルマのほうが壊れたかのような構図が大半ですが、そればかりではありません。機関車や飛行機の上に乗った構図まであります。川とか、工事現場とか、そのほか意外な場所で自転車に乗っているものもあります。最初は、単に、面白い写真を撮るのが好きなだけだったのかも知れません(笑)。

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自転車で出かけて写真を撮る人は多いと思います。でも普通は、景色のいい場所などで撮るのがほとんどでしょう。クルマ社会に対する疑問を投げかけるかどうかは別として、ツーリングの途中、ちょっと変わった写真がとれる場所を探してみるのも一興かも知れません。




石原環境相は、福島第一原発を「第一サティアン」と呼んでみたり、胃ろう措置をエイリアンが人間を食べて生きていると言ったり、およそ人の気持ちがわかるような人ではないことが、また明らかになりましたね。

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