June 29, 2014

今すぐ不公平を解消する方法

減らされていた給料が元に戻っています。


何の話かと言えば、議員歳費のことです。2割カットされていた国会議員の歳費、つまり給料が5月から元に戻っています。2割減のうち、13%は東日本大震災の復興財源に充てるためですが、残りの7%は、衆院の議員定数削減を実現させるまでとして減らされたものでした。

復興財源はともかく、議員定数の削減は実現していません。2012年の衆院解散時に当時の野田総理と自民党安倍総裁が公衆の面前で約束をした場面を多くの人は覚えているはずです。野田総理が、『定数削減はやらなければいけない。消費税を引き上げる前に、来年の通常国会で結論を出そう』と呼びかけました。

これに対し、安倍総裁は『来年(2013年)の通常国会でしっかりやっていくと、この場で約束する』と大見得を切りました。消費税は増税されましたが、いつの間にか、その前にやるはずの約束、定数削減がスッポリ抜け落ちた形になっています。増税に向けて、国会議員も身を切ると言っていたはずです。

身を切る改革定数削減と共に、最高裁で違憲とされた、いわゆる一票の格差を抜本的に改善するという話だったはずではなかったでしょうか。格差が是正されるどころか、総務省の今月25日の発表によれば、衆議院での格差は拡大し、14の選挙区で2倍を超えています。

安全保障の問題を疎かにしろとは言いませんが、自分がやりたい集団的自衛権の行使を可能にする、憲法解釈の変更ばかりに、安倍総理は力を入れています。その前に、一昨年の公衆の面前での約束を守るべきではないでしょうか。1年半の間に十分に実現する時間はあったはずです。

それを、あまり世論の追及の声が大きくないのをいいことに、知らん顔をしています。昨年の通常国会どころか、いまだ実現していません。さすがに今年の四月には実現しているだろうと決められた、7%の歳費削減が元に戻ってしまう期限も過ぎてしまいました。

この事態は、本来は恥ずべきことのはずです。国民に向かって約束し、いま与党を率いている安倍首相には、明らかにその責任があります。これでは、嘘つきと呼ばれても文句は言えません。弁解の余地は無いでしょう。そのことへの反省や弁明すらなく、厚顔無恥と言われても仕方がありません。

議員定数の削減や、諸外国と比べて割高な議員報酬の問題などもありますが、何より一票の格差が問題です。これは民主主義の根幹に関わることであり、裁判所が盛んに非難する判決を出しているように、この問題の放置、無為無策は許されることではありません。

もちろん、動きはあります。衆議院の議院運営委員会が、議員定数の削減など選挙制度の見直しについて話し合う第三者機関を、議長の諮問機関として国会に設置することを決めています。しかし、これは毎度のことで、単なる先送りでしかなく、取り組んでいるというポーズだけだとの指摘もあります。

第三者機関の設置参議院では合区案などが提示されましたが、地元などからの反発も起こっています。改革をリードしていくべき石破自民幹事長は、合区案に対し、『鳥取県民として反対』などと無責任で狭量な発言をしており、結局、今国会でも結論は出ず、またしても結論は先送りとなっています。

定数削減や、一票の格差のための選挙区の区割り変更は、当の議員にとって失職しかねない事態ですから、死活問題ということなのでしょう。区割りが変わったら、新しい選挙区に出ればいいことですが、同じ党の候補と争わなくてはならなくなります。

本来は、民主主義の原則に沿うため区割りが変更され、落選したら、元の職業に戻るなり、次の選挙を目指すことになるのは仕方のないことでしょう。民主主義の根幹たる制度の変更、一票の格差是正に反対するのは本末転倒のはずです。でも、当の議員にすれば、見栄や体裁に構っていられないようです。

特に、世襲議員のように、代々の稼業のように国会議員をしている人にとっては、まさに死活問題ということだと思います。地盤、看板、カバンなどと言われますが、落選したら、それらを失いかねません。政治団体を使って、相続税の課税を免れてきた個人財産もあるので真剣にもなるでしょう。

つまり、国会議員自身に改革させようということに、そもそも無理があると言わざるを得ません。延々と一票の格差の問題が続いてきたことを思えば、否めないところです。しかし、民主主義国家である以上、最後は国会で決めるしかないのがジレンマです。

それでもなお、一票の格差は是正されなくてはなりません。そのためには、議員の反発が少ない方法を考えるしかないと思います。定数削減や、制度変更を行なっても、人口の少ない選挙区の議員が失職するとは限らない方法があれば、抵抗も少なく、決まる可能性があります。

1票の格差例えば、区割りはそのままにして、国会議員の一票に格差をつけるのはどうでしょう。国会での議決の際、A選挙区選出の議員は一票ですが、人口の少ないB選挙区選出の議員は0.474票などとするわけです。集計は多少面倒になりますが、今どきコンピュータもありますし、技術的には問題ないはずです。

逆に、A選挙区選出の議員を583,214票、B選挙区選出の議員を279,536票などとしてもいいでしょう。選挙区の有権者数で投票することになります。これならば、議員の一票には格差が出来ますが、国民一人ひとりの一票の格差は解消します。

得票数にすることも考えられます。実際に当選した時の得票数を国会の議決の際に反映させるわけです。有権者の少ない選挙区でも、投票率が上がれば持ち票が増える可能性があります。国会議員が投票率の向上に一生懸命になり、国民の政治参加が進み、より民意が国政に反映するようになるかも知れません。

これならば、今すぐにでも一票の格差の是正が出来ます。おそらく同じようなことを考える人もあると思います。こんな簡単な方法が考えられるのに、なぜ実現させないのでしょうか。国会議員の一票には格差が出来ても、重要なのは国民一人ひとりの持つ一票に格差が出来ないようにすることのはずです。

他にも方法は考えられます。小選挙区はそのままに、集計を全国でまとめ、比例代表のように各党ごとの得票割合で議席数を配分します。それを各党が議席を各選挙区に分けるやり方も考えられます。有権者の少ない選挙区の議員が必ずしも落選するわけてはないので、反発も少ないと思われます。

無所属の候補者の当選を判断するため、その選挙区での得票で当否を判断した上で、党ごとの得票を集計します。計算が複雑になりますが、いちいち選挙区ごとの定数を変更したり、合区したりする必要がなくなります。いわゆるゲリマンダーも起きません。これならば一括で国会議員の定数を削減することも出来ます。

安倍首相いずれの方法にしても、特定の選挙区の議員が直接不利になるわけではありません。議員の一票に格差が出来ると、他の議員より発言権が低くなるようで面白くないでしょうが、それは実際の有権者数を反映しているのですから仕方がないことです。

株式会社の方式に似ているかも知れません。例えば60万株持っている株主と30万株の株主が、株主総会で、それぞれの株数に応じて議決権を行使するような感じです。もちろん、株と違って買い占めて、過半数を一人で握るようなことは出来ません。これはこれで公平な方法と言えるのではないでしょうか。

一票の格差の是正も工夫次第であり、出来ないことではないはずです。裁判所の更なる踏み込みも欲しいところですが、まず我々が関心を持つ必要があります。ある人の権利が、別の人の半分以下なんてことが、あっていいのでしょうか。この民主主義の根幹に関わる問題に対し、当然の要求を突きつける必要があります。

一票に格差が大きいと、民意が正しく反映せず、特定の政党の特定の人たちの考え方によって、偏った方向へ政治が進んでしまうこともありえます。日本国民全体としての判断が賢明であることは、選挙結果が出るたびに言われることです。大勢の人の意見を入れることで、偏りや極端な方向に行くことを防ぐことが出来ます。

戦争を知らない世代が増える中、政治への関心が薄れ、一部の人たちの考え方によって政治が進められてしまうと、後で取り返しのつかないことになりかねません。このことは歴史が物語っています。議員歳費の7%はともかく、一票の格差については是正を求めていく必要があると思います。




直接自転車と関係のない話題を取り上げたのは久しぶりな気がしますが、たまに自転車に乗りながら考えたことを載せています。

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この記事へのコメント
よくぞ、言うてくださった。危うくあの「約束」を忘れるところでした。
Posted by hyrax at July 07, 2014 18:31
hyraxさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
忘れてしまっている人も多いと思いますが、いくら忘れられて追及されないからと言って、素知らぬふりをしているのは、政治家として信義にもとる行為です。
後世にも嘘つきとして記憶されることになるでしょう。
Posted by cycleroad at July 08, 2014 23:49
 
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