November 29, 2014

東京に触発された乗り物の形

日本を訪れる外国人が増えています。


昨年初めて1千万人を超えた訪日外国人客数ですが、今年は、さらに3割近い伸びを見せ、1千3百万人に迫る勢いだと言います。韓国や中国、台湾、東南アジアだけでなく、欧米などからの訪問客も軒並み伸びています。日本の文化に対する関心も高まっているようです。

Photo by chensiyuan,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.訪日した外国人は、いろいろなものに驚くようです。よく聞くのが渋谷のスクランブル交差点です。こんなに大勢の人が、きちんと問題も起こさずに渡れていること自体に驚き、ほかではありえない、信じられないものを見たといった反応になるようです。

日本人には見慣れた光景ですが、なんでこんなに大勢の横断者が常にいるのに、ペデストリアンデッキなどの立体交差にしないのか、と冷静に言われてしまうと、確かにそうかも知れません。こんなに過密なのに、合理的でないと言われれば、なるほどその通りです。

ほかにも、いろいろなものが自動販売機で売っていたり、なくしたサイフが高確率で戻ってきたり、電車が正確に運行されていることなど、驚くことはいろいろあるようです。逆に、日本人にしてみれば、外国人の驚きの中には、日本人には思いつかない視点や考え方があったりします。



日本に来て、他の国とは異質な部分を見て、刺激を受ける人は少なくないようです。中には、この日本、あるいは東京に触発されて、新しいものを思いつく人がいます。その一人が“Shweeb”の開発者、Geoffrey Barnett さんです。彼は、東京に滞在していたことがあります。

渋谷のスクランブル交差点に代表されるような行き交う人の多さや、満員電車、渋滞するクルマは過密都市・東京の日常風景です。一方、世界一過密な交差点を立体交差にしない非効率さ、それを問題なく渡る規律正しいところ、時刻表通りに運行する列車など、いろいろな要素が並存する、外国人には不思議な都市です。

Shweeb人力モノレール

そんな東京のような都市には、何か新しい交通手段が必要なのではないかと感じた、Geoffrey さんは、これもまた外国人からは奇異に見えるカプセルホテルからもヒントを得て、“Shweeb”を思いついたと言います。ニュージーランドで導入された新しい乗り物かと思えば、実は、その発想は日本で生まれたことになります。

“Shweeb”は、グーグル社の10周年を記念した、「社会を変える革命」を募集したコンテストに入賞し、同社がその研究開発に100万ドルを投資したことでも話題になりました。このブログでも何度か取り上げ、本人の、Geoffrey さんからコメントをもらったこともあります。

SkySMART by ShweebSkySMART by Shweeb

SkySMART by ShweebSkySMART by Shweeb

その“Shweeb”が、このたび、クラウドファンディングサイトの“Indigogo”で資金募集をしています。カナダでスタートアップを立ち上げ、ナイアガラの滝での移動システムとして提案されています。一番最初こそ遊園地に導入されたものの、これは一貫して新しい都市交通システムとして構想されています。

一人乗りのモノレールのような形です。でも、一般的なモノレールとは違って、人力で、中に乗った人が自分でペダルをこいで進みます。それでも最高で時速45キロまで出ます。都市交通としては充分な速度ですし、透明な躯体にすれば、空中からの景色も楽しめます。

SkySMART by ShweebSkySMART by Shweeb

SkySMART by ShweebSkySMART by Shweeb

一人乗りや二人乗りだけでなく、連結したり、ソーラーパネルなどから給電する電動アシストシステムも想定されています。都市の使われていない空間を利用すれば、相対的に安いコストで設置できます。なんと言っても基本は人力ですから、電力や燃料費はいりません。専用軌道を走るので、信号待ちや交通事故もありません。

バスのように待つ必要もなく、スピード違反で掴まることもありません。24時間運行出来ますし、事実上、2地点を結ぶ最速の交通手段になるでしょう。化石燃料も電力も使わず、排ガスも出さず、エコでクリーンなことは言うまでもありません。おまけに、乗れば運動不足解消にもなります。



ところで、この自転車型モノレールとも言うべき“Shweeb”、今回クラウドファンディングサイトに登場していたのを見て、ふと思ったのですが、この“Shweeb”による新交通システムを、東京の2020年のオリンピックに向けた整備に取り入れられないでしょうか。

ロンドンのロープウエーロンドン五輪の時には、テムズ川の両岸を結んだケーブルカー「エミレーツ・エアライン」が話題になりました。ケーブルカーで空中散歩もいいですが、さらに一歩進めて、電力も化石燃料も使わない新しい都市交通を採用すれば、オリンピックに向けた話題にもなるでしょう。

五輪の競技施設が集まるお台場や湾岸地区の競技会場同士を結んでもいいですし、湾岸地区と、例えば銀座や選手村の出来る晴海あたりを結ぶことも考えられると思います。もし可能なら羽田空港や東京駅などと結べば、移動が便利になるでしょう。

実際、一部には東京の新名所として、湾岸地区にロンドンのようなロープウェイを敷設する構想があると言います。ロンドンのマネもいいですが、新しい人力モノレールのほうがインパクトがあります。ロンドン・オリンピックでのケーブルカーのように、注目や人気を集める可能性があります。

SkySMART by ShweebSkySMART by Shweeb

ShweebShweeb

一般的なモノレールのような高い軌道を設置すると、それなりの費用がかかると思いますが、ニュージーランドのような低いタイプなら、比較的安く設置できるはずです。空間の確保を工夫する必要がありますが、比較的場所がある湾岸地区なら、十分考えられるのではないでしょうか。

もちろん、かねてから書いているように、ロンドンに向けた都市交通の一つとして、より構築すべきなのは自転車レーンのネットワークです。実用的で現実的ですし、歩道を自転車が暴走している状態では、多くのお客様を迎えるのに、「おもてなし」どころではありません。

ShweebShweeb

ShweebShweeb

それとは別に、話題性の面で、ロンドンのケーブルカーのようなものがあってもいいのではないでしょうか。五輪後も観光スポットとなるでしょうし、適切な利用料をとれば、投資の回収も見込めます。オリンピックが終わった後は、市民のアシとしても使えるに違いありません。

当然ながら、用地の確保から技術面や安全面、その他いろいろと問題はあるでしょう。そう簡単ではないと思います。でも、東京の空中散歩が出来る自転車モノレール、もし出来たら、ぜひ乗ってみたいという人は多いと思います。それは東京を訪れる外国人も同じはずです。

ShweebShweeb

ShweebShweeb

もともと、東京の特異なところに触発されて発想された“Shweeb”、東京で実現できたら面白いと思います。既存の電車路線の延長とか、新しい道路の建設、バスレーンの導入なども検討されているようですが、オリンピックのような時こそ、少し思い切った構想もいいのではないでしょうか。




はやぶさ2の打ち上げは延期ですか。長旅ですが、まず無事に打ちあがってほしいものです。

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