January 07, 2015

つながることによる危機管理

あらゆるものがつながる時代です。


今後、さまざまなものがインターネットに接続されるモノのインターネット、“IoT”が進んでいくと言われています。パソコンやスマホだけでなく、機械やクルマ、各種の装置、センサーなどがインターネットに接続されることで、私たちの生活を変えていくと予想されています。

家庭の電気メーターがつながれば、リアルタイムに使用量を把握する、いわゆるスマートグリッドが実現するでしょう。街角の自動販売機がつながれば、減った飲料を自販機が自動で発注するようになるに違いありません。エスカレーターでは、異常を感知して、すぐに遠隔操作で止めるなど、事故を防げるかも知れません。

朝トイレに座れば、健康状態のデータが自動的に主治医へ送られ、必要に応じて病院の予約がとられるような時代がくるかも知れません。街を走るクルマも、その一台一台がつながることで、統合的に管理され、故障を検知したり、事故や渋滞などを自動的に回避するようなシステムが構築されていくでしょう。

すでに、カーナビと連動させて位置情報を集め、渋滞情報などに活かすことが行なわれています。クルマをインターネットに接続された一種の端末として、各種のサービスを提供することも始まっています。自動運転に向けた取り組みともあいまって、今後、こうした流れは、さらに加速していくでしょう。

cycling tech conceptcycling tech concept

以前、クルマメーカーのボルボが、自転車への追突を避ける自動ブレーキ機能が付いたクルマの販売を始めたという話題を取り上げました。自動でブレーキをかける装置を改良し、複雑で速い動きをする自転車も認識して対応できるようにしたというものでした。

カメラやレーザー光などの情報から、自転車に追突するおそれがあると判断すると、ダッシュボード上の赤色LED(発光ダイオード)を点滅させ、警告音を鳴らします。それでもドライバーが減速しないと、自動ブレーキが作動するという装置です。

cycling tech concept同じような考え方を、自転車側に取り入れようというのが、前回取り上げた、“intelligent bicycle”「かしこい自転車」というコンセプトでした。やはり、レーダーやカメラなどを使って、前後のクルマや障害物などを検知し、運転者に知らせるものです。

この二つに共通するのは、人間の目や耳などの代わりに、カメラやレーターなどの機械を使うことで、運転者のミスや見落としなどを防ごうという考え方です。機械を使って人間を補助したり、足りない能力を補うことで、事故のリスクを減らそうというシステムです。

ただ、レーダーやカメラですので、原則として見える範囲の話です。ビルの陰などレーダーが遮られるところや、障害物で見通せない場所の危険は、基本的に検知できません。最近、こうした欠点を補う装置の開発を、同じボルボがスタートさせています。

クルマと自転車、それぞれの位置情報をインターネットを経由したクラウド上で把握し、衝突する可能性がある場合、それぞれに警告を発するシステムです。カメラやレーダーを使った現場での対応でなく、サーバー上で、クルマや自転車などの位置情報を全て一元管理して危険を検知します。

クルマに対しては、ヘッドアップディスプレイによって、フロントガラスにアラームを表示し、危険を知らせます。一方の自転車に対しては、ヘルメットのに装着されたアラームライトを点滅させることで知らせます。サイクリストの視界の端でライトが光るわけです。

cycling tech concept

このヘルメットは、その人が所持するスマホと無線でつながっており、スマホのアプリが位置情報をネット経由で送り、警告情報を受け取る仕組みです。これならば、物陰であろうと、死角に入っていようと警告ができます。理論的には、出会い頭の事故などを防ぐことも可能です。

サイクリスト側にしてみれば、これまで、衝突時の衝撃を吸収するという、いわば受身の安全装置であったヘルメットが、未然に情報を受けて知らせることで身を守る、言ってみれば能動的な安全装置、衝突を未然に防ぐための装置になるわけです。これは画期的な違いと言えるでしょう。

cycling tech concept

位置情報の精度が上がっていけば、逆走や並走などの違法行為を検知して、その是正を促すようなことが出来るようになるかも知れません。速度からみて、一時停止を見逃しているのが明らかであれば、警告を発し、標識を見落としての飛び出しを防ぐなどの機能が実現する可能性もありそうです。



もちろん、まだ開発段階であり、実現するかどうかはわかりません。いくら通信速度や半導体チップやサーバーの処理速度が速くなったとは言え、瞬時の危険の回避に間に合うのか、はたして実用的なのかという疑問も浮かびます。目前に迫る危険をネット経由で知らせるのでは、遠回りな気がしないでもありません。

当然ながら、道を走っているのは、ボルボのクルマだけ、このヘルメットを装着している人ばかりではありません。このシステムを利用する人が少なければ、使っている人にとっても意味がありません。位置情報と言っても、GPSには誤差や計測の遅延もあるでしょうし、はたして現実的なのでしょうか。

cycling tech concept

レーダーやカメラ、センサーなどなら直感的にわかりますし、その作動を確かめられます。インターネットでの一元管理は、理論的にはわかりますが、どれたげ信頼を置けるものになるのか、まだ未知数と言わざるを得ません。クルマや自転車の多い都市部などでは警報が鳴りっ放しになったりしないのでしょうか。

まず、システムの精度や信頼性、実用性の向上が必要です。さらに、普及して多くの人が使うシステムとならなければ、意味がありません。位置情報や行動経路などを、逐一システムに把握され、管理されるのには心理的な抵抗感もあるでしょう。プライバシーや個人情報保護の問題もあります。

cycling tech concept

逆にシステムに頼りすぎると、出会い頭を警戒し、あらかじめ減速するような注意深さが失われ、人間の能力が退化するような気もします。突然のシステムダウンやサイバー攻撃も脅威となります。こんなハイテクに頼るより、インフラを整備して、街角のリスクを減らすほうが確実であり、王道だという意見もあるはずてす。

世の中の潮流としては、おそらく、否が応でも、あらゆるものがネットにつながっていくことになるのでしょう。公道上での安全性の向上を考えるならば、自転車もその一つとならざるを得ません。ただ、いくつものハードルを考えると、サイクリストをネットにつなげるのは、そう一朝一夕にはいかなそうな気がします。




ただでさえ鶏肉問題などで低迷しているマクドナルド、ビニール片に続いて、金具やプラスチックに人の歯と異物混入が続出、どうなっているのでしょうね。

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この記事へのコメント
今年もいろいろ有益な情報をありがとうございます。

 出会い頭の衝突を防ぐ工夫、開発しようとされている方々には頭が下がりますし、いちゃもんを付けるつもりは全くないのですが、理想をいえばやはり見通しの利く曲がり角を作る、というのがいいですねえ。電気を使わないし、歩行者も安全に角を曲がれていいじゃないか、ということです。...我が家の近所に、塀が敷地のキワキワに作られていて、全然角の向こうの見通しが利かないところがあるもんですから、そんなことを思いました。
Posted by hyrax at January 09, 2015 22:28
hyraxさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
インフラをよりよいものにするのが基本であり、理想であり、安全性の向上にも効率的だと思います。
ただ、すでにある街角のビルを削ったりというのは無理がありますから、こうした解決策が構想されるということなのでしょう。
一方で、位置情報の捕捉に漏れがあるとリスクが残るなど、問題もあると思います。
カーブミラーを設置したり、減速させる仕組みなどを組み合わせて安全性を高めることも必要でしょうね。
Posted by cycleroad at January 10, 2015 23:23
 
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