January 19, 2015

淡々と言葉を重ねて韻を踏む

誰しも日頃、思っていることがあります。


それは主義・主張だったり、場合によっては、世の中に広く呼びかけたいこと、訴えたいこと、問いかけたいことなどかも知れません。でも、その思いを人に伝えるのは簡単なことではありません。自分の考えについて、百万言を重ねたとしても、相手の心に届くとは限りません。

たとえそれが一人の相手であったとしても、自分の考えに同意してもらうこと、理解してもらうこと、あるいは納得してもらうことの難しいさを経験したことのある人は多いに違いありません。言葉の上では理解してもらえたとしても、気持ちまでは、なかなか伝わらなかったりします。

人それぞれ、感じ方や考え方は違いますし、その事柄に対する温度差もあるでしょう。たとえ似た環境にある人であったとしても、自分以外の人に共感してもらったり、賛成してもらうのは簡単ではないでしょう。ましてや大勢の人に訴え、支持を得るのは容易なことではありません。

表現の方法はいろいろあります。文章、スピーチ、図や統計などを使ったプレゼン、写真やポスター、芝居やドラマ、歌にする手もあります。最近の、特に若い世代であれば、ラップにするという方法もその一つでしょう。豊かなメロディの歌より、場合によっては、ラップのほうが伝わりやすいこともあるはずです。

日頃、いじめに悩む少年が、その思いをラップにして、“Britain's Got Talent”で披露しました。ポール・ポッツやスーザン・ボイルを生んだことでも有名な、イギリスの公開オーディション番組です。仲良くなった友達と2人で出演しました。



観客たちも熱狂していますが、確かにこの少年たちの曲には胸を打つものがあります。同じようにいじめを受け、苦しんでいる少年や少女はもちろん、多くの人に希望を持つことを思い出させ、勇気を与えてくれるものではないでしょうか。

この少年が出演するまでと、その後のストーリーについて、日本のバラエティー番組でも取り上げていたようです。その動画はこちら。



ところで、この少年の、いじめの撲滅を願って作った曲、ラップだったからこそ、リアルに伝わった部分があったような気がします。ロックやポップスでもよかったのかも知れませんが、メロディーに載せるより、詩に力があって、ストレートに伝わるラップだからこそという感じがします。

もちろん、この訴えを歌うのが、いじめの当事者であり、まだ幼い少年であるというインパクトも大きく影響しているのは間違いありません。いじめに負けず、詩を書き、相棒を探して、テレビのオーディション番組に応募した勇気を称える部分も少なくないと思います。

このケースはラップだからと言うより、幼い少年が自ら訴え、いじめという切実な問題にうち克とうとする姿が感動を呼びます。有名なテレビのオーディション番組などの要因もあるので、特別かも知れません。ただ、最近は、ラップにのせて、さまざまな主張をする人が増えています。

例えば、地球温暖化を憂い、持続可能な社会を訴えるというような大きなテーマに対しても、ラップというスタイルを通して、主張する人々が見られます。プロのアーティストから素人まで、そんなラップミュージックが動画サイトに投稿されています。自転車と関係するものについて、いくつか取り上げてみます。



ひどい異常気候がおきていること、温室効果ガスの排出によって熱くなっていること、そして自分は低炭素に貢献する自転車に乗ることなどが、ストレートに詞になっています。我々が必要とするのは、低炭素革命であり、自転車レーンであり、屋根の上の太陽光パネルであり、そのための法律だと訴えています。

オバマよ、約束したじゃないかとか、経済的な権益を優先するビジネスに対する皮肉とか、共和党員がどうとか、いろいろリアルなフレーズも出てきます。ラップだからこそ詞に出来るフレーズ、ストレートな言い方と言えるのではないでしょうか。



大ブレイクしたカンナムスタイルのリズムとフレーズに載せていますが、「低碳スタイル」を訴えています。背景は北京の街角です。皮肉ともとれるフレーズも含めて、環境を考え、その保護を進めるべきだと、やはりストレートに訴えています。

中国では温暖化ガスどころか大気汚染が深刻であり、質の悪い石炭による発電なども喫緊の課題です。温室効果ガスは直ちに見えませんが、近年の北京などのスモッグの酷さは誰の目にも明らかであり、環境のことについて考えずにいられないでしょう。公共交通や自転車に乗れとも訴えています。



こちらは、多少ひねくれた詞です。(ドライバーにとって)、くそいまいましい自転車に乗っていると、言ってみれば憎まれ口をたたくような詞です。そうした歌詞によって、渋滞や大気汚染や温室効果ガスを生み出すだけのクルマを揶揄しています。



こちらは、アップロード当時61歳の自称老人が、夜間のライトについてラップでうたっています。自転車での安全を啓発する詞です。ラップも歌もダンスも上手くないがと断った上で、自分の思い、感じていることを素直に詞にして、啓発しています。

もちろん、こうした自転車に乗ることの環境面や、安全に対する啓発などばかりをラップにしているわけではありません。このようなメッセージ性の高いもの以外にも、たくさんの自転車に関係したラップミュージックがアップロードされています。参考までにいくつか載せておきます。












ほかの方法だと、なかなか表現しにくい、あるいは出来ないけれど、なぜかラップだと素直に表現できるということもあるのではないでしょうか。私はラップを作ったことがないので、確かなことは言えませんが、こうしたラップミュージックを聞いていると、そんな気がしてきます。

ふだん、温暖化ガスのことや環境負荷などについて、思うことはあっても、発言することは少ないのが一般的でしょう。ましてや、ラップに囲まれて育ったような若い世代の場合、そのようなテーマに触れることを、必ずしもクールとは感じない年齢層かも知れません。

より上の世代だとしても、真正面から環境負荷とか、持続可能な社会といったフレーズを口にする場面は限られると思います。誰でも動画で訴えることが可能な時代となり、実際に動画を投稿する人は多いですが、なかなかそのようなテーマを正面から主張するようなものは少ないと思います。

そう考えると、日頃感じている主張をストレートに人々に呼びかける手段として、ある意味、ラップというスタイルは貴重なものと言えそうです。環境や交通の問題に限らず、日頃考えていること、主張したいことを、ラップにしてみるというのも手かも知れません。





つまようじの少年も、浅はかな非行のフリを誇るのではなく、何かでストレートに自己主張出来たら違ったんでしょうね。

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