January 28, 2015

整備の必要に加え中身が肝心

東京都がアンケート調査を行なっています。


昨年11月に行なわれた、「インターネット都政モニターアンケート」の結果を先月末に公表しました。「安全・安心・快適な道路整備にむけて」と題し、道路整備についての都民の意識を調査し、今後の都政運営の参考にするものとしています。この調査の結果について、都が挙げたポイントは、次の通りです。


調査結果のポイント

・利用する幹線道路において、交通安全上必要だと思う整備
「自転車走行空間の整備」80%、「歩道の整備」60%、「電線類の地中化」40%

・歩道の歩きやすさの観点から、特に優先すべき整備は「生活道路等と交差する箇所の段差や傾きを
 改善し、歩道の連続性を確保する」が48%
「交差点の歩道部の平たん性を確保」21%、「左右の傾きを平たんに近付ける」18%が続く

・バリアフリー化を進めていくべき道路では、「日常生活で利用する道路」が91%
  「災害時に利用する避難道路」77%が続く

・交差点改良による渋滞対策
 住まいの周辺で交通渋滞が改善されていると思っている人は24%
 片側1車線の交差点での右折レーン設置により渋滞が緩和されると思っている人は76%

・住まいの周辺で無電柱化が進んだと感じる人は23%
 無電柱化により期待する効果は「歩道が広く使えるようになり、歩行者等の安全性や快適性が向上する」
 50%、 「自然災害時でも電柱の倒壊などの被害がなくなり、災害に強いまちになる」28%

・自転車走行空間の整備が望まれている箇所は、「事故の危険性が高いと思われる箇所」が86%でトップ
 「駅周辺」60%、「既存の自転車走行空間の周辺」46%が続く

・道路景観を魅力あるものにするために重要だと思うことは、「電線や電話線を地下に埋める」が
 67%でトップ 「道路上の張り紙や看板をなくす」と「街路樹など緑を生かしたまちづくりをする」が43%

※インターネット都政モニターは、インターネットが使える20歳以上の都内在住者を対象に公募し、性別、年代、地域等を考慮して500人を選任。


アンケートによれば、都民の8割が、交通安全上一番必要なのは自転車走行空間の整備だと考えていることになります。歩道を走る自転車を危険と感じている人は多いと思いますが、自転車インフラが足りないと考えている人が、これほど多いとは思っていなかったので、個人的には、少し意外でした。

自転車が走行する場所については、いまだに自転車は歩道を走るもの、あるいは走るべきと考えている人が多いことが明らかになっています。しかし、最近は歩行者との事故が増えており、マナーの悪い人が多いこともあって、危険な歩道走行に対する風当たりが強まっています。

一方で、車道を走れば走ったで、クルマのドライバーに嫌がらせをされたり、邪魔だとばかりクラクションを鳴らされた経験のある人も少なくないはずです。ふだん自転車を使っている都民は多いと思いますが、歩道でも、車道でも肩身の狭い思いをしている人があるのではないでしょうか。

ただ、これまでは、自転車独自の走行空間を求める声は大きくありませんでした。最近になって、自転車にも自転車のための走行空間が必要だと考える人が増えているということなのでしょう。そうした意識が、この結果に反映しているものと思われます。


道路整備について


地方自治体は、住民のニーズに応えるのが仕事です。道路や上下水道などのインフラ、医療や福祉、警察や消防など多岐にわたります。道路についても、日本では8千6百万台もの自転車があって、これだけ自転車に乗る人が多いのですから、自転車のための整備も当然なされてしかるべきです。

しかし、これまで、なぜか自転車に関しては、役所から疎んじられたり、遠ざけられてきた面があると思います。迷惑駐輪のため、自転車はご遠慮下さいと呼びかける場所があるだけでなく、全般的に、「市民は自転車になるべく乗らないで歩いてください。」と役所のサイトに堂々と書く自治体まであります。

自転車レーンもちろん迷惑駐輪は問題ですが、市民の自転車利用が多いということですから、基本的にはそのニーズを汲んで、駐輪場などの整備を進めるのが筋でしょう。駐輪場の整備も簡単ではないでしょうが、問題の根本的な解決に取り組まず、街の景観を壊すとして、放置自転車の撤去ばかりに注力するところもあります。

クルマより自転車のほうが、目の敵のようにされていると感じる人も少なくありません。それでも、自転車の通行の権利を主張するような声は一部に限られ、全体としては大きくなかったことを考えると、走行空間が必要と考えている人が8割もいるとは思わなかったのが正直なところです。

全く自転車を使わない人、あまり使わない人もいる中での8割ですから、自転車が歩道を走行することに危険を感じて、歩行者の立場から希望している人も相当程度いるでしょう。自転車との事故の増加を危惧して、ドライバーの立場から整備を求める人もあるに違いありません。

これだけ自転車を利用する人がいて、ニーズがあることは明らかです。加えて、都民の8割が自転車走行空間の整備を求めているのですから、整備をしないという選択肢はないでしょう。今後、速やかに、かつ広範な整備が求められるところです。東京が動けば、全国にも波及することが期待できます。


自転車走行空間整備について


ただ、この調査で、自転車レーンの整備ではなく、自転車走行空間の整備となっているところが気になります。善意に解釈すれば、自転車専用道なども含めて自転車走行空間としたのかも知れません。しかし、これまでの経緯を考えると、歩道上に自転車通行帯を設けるこれまでのやり方を想定している可能性が否定できません。

日本では、これまで40年以上にわたって、自転車を歩道走行させる道路行政が行われてきました。最初は、緊急避難的措置としていたにも関わらず、それが恒久化してしまったのです。この長年の方針に沿って、東京都は歩道上に自転車通行帯を設置するやり方を進めてきました。

2011年に、国、すなわち警察庁と国土交通省が、自転車行政における歴史的転換とも言うべき方針変更を行ないました。原則として自転車は車道を走行させることを明言したのです。自転車の走行空間は、車道に自転車レーンを設置することを原則に進めていく決定をしました。

舛添都知事しかし、この国の決定に公然と反旗を翻し、東京都は、今後とも歩道に通行帯を設置する方針を変えないと明言しました。行政の無謬性、つまり行政は過ちを犯さない、たとえ間違ったとしても決して認めないのは、行政の常とは言え、国が方針転換したのに、それに従わないことを公言したのです。

当選後、自転車レーンの整備を方針として掲げて期待された舛添東京都知事も、その後の発言で、自転車レーンについて全く理解していないことが明白になりました。車道の自転車レーンは、スポーツバイクに乗る一部マニアのためのものであり、普通のママチャリに乗る都民は歩道のほうがいいという趣旨の発言をしたのです。

こうした過去の経緯を考えると、東京都は、都民の意思として8割が自転車走行空間整備を求めていることを明らかにする一方で、今まで通り、歩道に色を塗って通行帯にするやり方を変えない、頑なに押し通そうとする可能性が否定できません。

気がつかない人も多いと思いますが、都心などを歩くとき、よくよく見ると歩道の舗装のレンガの色が違っていたりします。歩行者と自転車を分けているのです。しかし、誰も見ておらず、歩行者も自転車も色に関係なく通っています。下手をすると、自転車マークのある歩道部分が駐輪場所と勘違いされている場所もあります。

車道は怖いので、歩道上の自転車通行帯のほうがいいと考える人が多いのは理解できます。しかし、実は歩道上の通行帯は、かえって危険だということがわかっています。通行区分が守られないだけでなく、仮に守られたとしても、歩道走行することには変わりありません。

自転車レーン歩道から、そのまま青信号で交差点に進入しますが、この時左折巻き込みなどで事故になりやすいのです。自転車とクルマの事故の多くは交差点で起きており、車道走行したほうが、クルマから見えているぶん事故になりにくいことが、各種の研究で明らかになっているのです。

欧米諸国と比べて、自転車の事故が多いのは自転車を歩道走行させているからだと専門家も明確に指摘しています。自転車レーンを歩道上に設置するのはナンセンスなのです。このことを散々指摘されてきたにもかかわらず、歩道上への整備を曲げない都の担当部局は相当のへそ曲がりと言わざるを得ません。

長年の間違った道路行政の結果、自転車の車道走行が想定されておらず、走るのが怖い場所があるのは確かです。だからこそ、車道に自転車レーンを設け、ドライバーにも認識させ、誰でも安全に車道走行できるようにするため、車道に整備するのです。歩道につくったのでは意味がありません。

歩道に整備したのでは、相変わらずドライバーが気づかない、あるいは視認が遅れることで事故が発生することになります。すなわち、言い方は悪いですが、都は殺人通行帯をつくっていることになります。このことを真摯に考え、早急に方針を改め、都は車道への整備を進めるべきです。

クルマのドライバーは、普通に道路を走っているとき、車道上の他の交通には注意していても、街路樹や標識などさまざまな遮蔽物の向こう側の、歩道上の様子までは見えていません。そして交差点にさしかかり、歩行者がいないので曲がろうとしたら、いきなり自転車が飛び出してくる形になります。

自転車レーン自転車にしてみれば、信号は青ですから、そのまま交差点に進入します。ここで事故が起きるのです。ふだんクルマを運転している人、ドライバーの利益という観点に立っても、事故のリスクを増やす歩道上の自転車通行帯の整備に賛成すべきでないのは自明です。

せっかく自転車走行空間を整備するのに、相変わらず事故を誘発しかねないのであれば意味がありません。こうした理屈を、一般の都民がどれほど理解しているかはわかりませんが、車道に設置してこそ自転車走行空間として意味があることを広く知ってもらいたいものだと思います。

これまで自転車を歩道走行させるため、歩道の幅を広げてきた経緯があります。その幅を使って歩道を分けたほうが安上がり、すぐ出来ると考えるのかも知れません。しかし、そうではなく、手間はかかっても、あえて歩道を削り、車道を拡幅する形にして、そのぶんを自転車レーンにすべきなのです。

アンケートにある他の項目、電線の地中化、歩道部の平たん性などの改良、バリアフリー化、災害対応、渋滞対策、道路景観の改善などを進めるのと同時に、今ある歩道上の自転車走行空間を車道に移すことも、早急に進めていくべきだと思います。

このことにより、車道走行が普通になっていけば、例えば一人だけ流れを乱して逆走するのは困難になるなど、道路通行の秩序が出来ていくことも期待されます。今取り組めば、東京オリンピックの時に、世界的に見ても野蛮な歩道走行を世界に晒して恥をかくことも防げるでしょう。

現在、都心を中心に、歩道上に色を塗ったり線をひいている場所が意外と存在するにも関わらず、8割の人が自転車走行空間の整備が必要、現状は足りないと考えています。つまり、その存在に気づかない人も含め、歩道上の通行帯に意味がないことを端的に表わしていると見ることも出来るのではないでしょうか。

今回の都の調査、自転車レーンの整備とせずに、自転車走行空間の整備としたことに、何か意図があったのかどうかはわかりません。しかし、もしそれが、今後とも歩道上への整備を狙ったものだとするのであれば言語道断と言わざるを得ません。

東京を自転車の街に

東京都は、これだけ自転車を利用する都民が多い以上、自転車レーンの整備に最大限努力するのは当然の責務と考えるべきです。これまでニーズが高いのに整備されてこなかったのがおかしいわけですし、自らアンケートをとって、都民の意思まで確認しているわけですから、これ以上の怠慢は許されません。

同時に、もし歩道に設置すれば、構造的に都民を危険にさらすものであり、今までなかっただけで、訴訟を起こされてもおかしくありません。行政の無謬性にとらわれることなく、誤りは認めないまでも、さっさと方針を転換して、車道に整備していくべきです。

ここで述べたようなことは、専門家や識者が再三指摘していることで、議論の余地はないはずです。相変わらず構造的に欠陥を抱えた整備を続けていくのは、道義的にも責任上も許されないことを自覚すべきです。そして都民は、ただ走行空間というだけでなく、同時にその内容も強く求めていくべきでしょう。




テロリストたちは、10年も前に、いわば鉄砲玉として使った死刑囚を、今ごろになって思い出したように取り戻すことが本当に目的なのでしょうか。

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この記事へのコメント
「アンケートによれば、都民の8割が、交通安全上一番必要なのは自転車走行空間の整備だと考えていることになります。」

いきなり嘘をつかないでください。複数回答可の質問に対し、8割が選んだというだけ。歩道整備を選んだ人も6割おり、どちらも選んだ人がいずれを一番必要としているかはこのアンケートからは分かりません。

訂正したほうが良いです。
Posted by 自転車好き at January 30, 2015 21:08
こんにちは。

検索していたらこのブログに行きあたりました。
充実した内容に驚きました。

「もっと多くの人に自転車の本来の楽しさに気づいて欲しいなと考えています。なぜなら、多くの人が真の自転車に目覚めて活用し始めれば、自転車をめぐる環境も改善され、マナーも向上し、より自転車に乗りやすい街の実現も期待できるからです。」

 私もまったく同感で、ヨーロッパを中心にした自転車活用の良い例を紹介するブログを始めました。始めたばかりですが、是非時間のある時にご覧いただければと思います。
http://headlightmic.blog.so-net.ne.jp/
Posted by headlight at January 31, 2015 19:35
自転車好きさん、こんにちは。
たしかに、文章が良くなかったようです。
「交通安全上必要だと思う整備について、一番多く都民が選んだのが自転車走行空間であり、8割の都民が必要と考えていることになります。」とすべきだったかも知れません。表現の仕方が適切でなかったことは認めます。
ただ、複数回答選択なのは、見ればすぐわかることですし、リンクや引用で、ソースも明らかにしているのですから、わざと違う結果を伝えようとしたものでないことも明らかだと思います。
いずれが一番必要か、相対的なものでないのは当然理解していますし、そういいたかったわけではありません。ただ、一番多く選択されたとになっているのは事実ですし、8割にも上るのは意外だったというだけです。
この記事の主旨は、中身の重要性についてであり、ご指摘の部分は、いわば枝葉末節の部分です。
当然間違いはありますので、それを指摘していただくことに吝かではありませんが、重箱の隅をつつくような文章表現のまずい部分を大袈裟に強調し、嘘つき呼ばわりまでする必要があるのでしょうか。
Posted by cycleroad at January 31, 2015 23:13
headlightさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
趣旨に共感していただいたようで、うれしい限りです。日本では、まだまだ自転車本来のポテンシャルに気づかかれておらず、その評価も低きに留まっていると考えています。
独特の慣行もあって、マナーなどの問題もあります。同じように感じる人が増え、自転車に乗りやすい国になっていくことを期待しています。
ブログも拝見させていただきます。
Posted by cycleroad at January 31, 2015 23:19
 記事冒頭の、本記事を象徴する文言を「枝葉末節」や「重箱の隅」とされるのでしたら問題ありません。
 大変失礼な文言から入ってしまいましたことをお詫びします。

 2点目としてお教えください。
「欧米諸国と比べて、自転車の事故が多いのは自転車を歩道走行させているからだと専門家も明確に指摘しています。」

 アメリカが日本より自転車事故が少ないというデータについて、不勉強な私にソース元をご教示頂ければと思います。

 日本が目指すべき通行環境について考える上で重要なデータだと思いますので、何か一つでもURL、文献名等をお教えください。

 専門家の(論文ではない)新書や、その専門家の名前だけでは根拠とはなりませんが、お手数でしたらそれのみでも構いません。
Posted by 自転車好き at February 01, 2015 19:13
自転車好きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この記事では、中身を問題にしているのであって、交通安全上一番必要と考えているかと、交通安全上必要と考えて選んだ人が一番多いかの違いは本旨とは関係ない部分です。
海外との比較については、検索してごらんになれば、いろいろ出てきます。国交省や警察庁の調査資料などにも、例えば、自転車交通分担率と自転車交通事故死者数構成比率の海外比較のような調査結果がたくさん出てきます。
自転車の交通関係の専門家の著書やサイトなどにも出ています。
Posted by cycleroad at February 02, 2015 23:19
「都民の暮らし」の主人公はあくまでも『歩行者』であることを確認したいですね。そしてそれを支援するのがバス、電車などの公共交通、そして「自転車」でなければならないと思います。それとは別に物流の足の確保があれば必要十分です。都心ではマイカーはぜいたく品(公共空間の私物度が高い)ですから他が便利になるならば不便になってもいいと思います。
Posted by SHARETHEROAD at February 03, 2015 09:21
SHARETHEROADさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃる通りだと思います。都心でのマイカーは、公共空間の占有であり、渋滞をひどくし、排ガスや騒音など公害を増やします。
細い道でスピードを出すなど、危険な運転者の脅威なども含め、都民全体に対する弊害が大きいわけで、迂回させたり流入を抑制するのは理にかなっていると思います。
Posted by cycleroad at February 03, 2015 11:45
 自転車政策に興味を持つ人間が増え、このような闊達な議論が行われるのは貴方の望む世界だと思います。
 ですので耳の痛い話でも、今後コメント欄封鎖やアクセス禁止などの措置に出ないことを先んじてお願いさせていただきます。

http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/cyclists/pdf/01jitensha_05.pdf

P4。この「人口100万人あたりの状態別死者数」を見ると、確かに車道走行中心のイギリス・アメリカより日本の方が自転車死者数が多く、日本はイギリスの(6.2/1.9=)3.26倍、アメリカの(6.2/2.3=)2.70倍も事故が多い。

 しかしこれは人口100万人あたりの死者数であり、100万人のうち自転車利用者が多いほど死者数も増える。この「死者数」からその国の自転車環境の安全性の比較はできません。

P1。交通手段における「自転車分担率」のグラフがあり、日本が13%である一方、イギリスは2%、アメリカは1%に過ぎません。
 死亡事故リスクの比較は「死者数/自転車走行距離」で行うべきですが、この分担率が直接その国の自転車走行距離の比較に使えるわけではない。
 しかし比率がイギリスの6倍程度、アメリカの10倍程度もあれば、人口100万人あたりの合計走行距離も数倍の差が出るでしょう。

 前述の3.26倍と2.70倍程度ひっくり返せる程度に日本の自転車走行距離の方が多いはず。となれば、歩道走行が主体の日本の方が、車道走行主体のイギリスやアメリカより死亡事故リスクが高いとは言えなくなります。

 車道走行の方が歩道走行より自転車の安全性が高いという、(専門家から借りてきた)あなたの主張は疑わしいようですね。
Posted by 自転車好き at February 04, 2015 23:42
「自転車利用者が多いほど死者数も増える」のは自転車の走行環境が悪いからでは?

参考、「車道と歩道の安全性の比較」
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CCEQFjAA&url=http%3A%2F%2Fwww.mlit.go.jp%2Froad%2Fir%2Fir-council%2Fbicycle_environ%2F2pdf%2Fs2.pdf&ei=2uDSVNDSEJL38QWcyYEQ&usg=AFQjCNEGONDiGqXMEGgtbi919nh7G1oqzA&sig2=i5wtV46ADB9GzQYTQwbO3w&bvm=bv.85464276,d.dGc
Posted by SHARETHEROAD at February 05, 2015 12:23
自転車好きさん、こんにちは。
『日本の自転車走行距離の方が多いはず』という推測が入っている点で、論理の展開に無理があるのではないでしょうか。
日本での自転車利用は、最寄り駅までなど、圧倒的に近距離が多いと推測されます。日本の走行距離のほうが、むしろ相当程度短いのではないかと思います。
国が広く、移動に航空機を使うのが当たり前のアメリカと分担率を比べるのも無理があるでしょう。
このへんの議論は、私は交通の専門家ではないので、なんとも言えません。間違っていると指摘するなら、そう主張する専門家に言ってください。
SHARETHEROADさんが、フォローしてくださっているように、政府の資料などにも、歩道走行が危ないと解説されています。私はその調査に、説得力があると思っているだけです。
貴殿がおかしいという根拠は、推測が入っている時点で説得力がありませんが、百歩譲って、いろいろ調べれば、そうではないとする研究があるかも知れません。
しかし、それは専門家が議論する領域であり、私としては、そのような調査ができるわけでもなく、専門家の説を借りてくるしかありません。
専門家の見解や政府の資料を疑わしいと思うのは貴殿の勝手ですが、統計の処理やそこからの結論の導き方に文句を、私に言われてもしょうがありません。

別にコメント欄を封鎖するつもりはありませんが、いきなり嘘つき呼ばわりするなど誹謗中傷や、枝葉の部分での揚げ足、独りよがりで的外れな指摘に、いちいち答える義理はありません。そうしたコメントは、おっしゃるような闊達な議論とは言えません。
そういうコメントが続けば考えます。
Posted by cycleroad at February 05, 2015 23:07
SHARETHEROADさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
たしかに、政府の資料にもアメリカの事例を挙げて、『自転車が歩道を通行した場合、車道を通行する場合よりも6.7倍、事故にあう確率が高い。 』となっていますね。
こうした研究成果は、私もあちこちで見たことがありますが、それを自分勝手な理屈で解釈して、疑わしいとする人もいるようです。
疑うのは勝手ですが、私に文句を言われても困ります。
わざわざフォローしていただき、ありがとうございます。

Posted by cycleroad at February 05, 2015 23:19
確かにこれだけでは憶測です。ですのでデータを引いてきます。
http://www.mlit.go.jp/common/000990569.pdf
P5、縦軸はその国の走行環境の安全さの目安となる「自転車走行1億kmあたり死者数」ですが、イギリスは日本より高くなっています。
http://vtpi.org/puchertq.pdf
アメリカは上のデータP13にありますが、日本の二倍以上高いようです。

http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/bicycle_environ/2pdf/s2.pdf
P6の「6.7倍」という値は、

・全年齢を対象とした事故件数を、16歳未満の子供を含めない自転車利用者の通行位置比率で割った値。歩道走行の割合が高い子供の走行距離を加味しないことで、通行位置の車道走行の比率が高まり、結果として実態より車道走行の事故率が低く、危険性が低いように見えるもの。
・その16歳未満の子供を含めない通行比率も、出典元のアメリカ研究とは別の調査から引いてきたもの。そして「最近の自転車走行で走らせた空間」という質問に対する回答なので、実際の歩車道の通行比率を示すものではない。
・出典元のアメリカ研究では、事故の発生個所の歩車道区分が必ずしも正確ではないとしている。
・通行比率や「6.7倍」という値は出典元のアメリカ研究論文には記載が無く、日本の研究者が他の調査から引用し算出したもの。

以上から、出典元論文も認めているようにデータの正確さに乏しく、「車道の方が歩道より安全」という根拠には不十分のものです。

上記国交省論文は、P4で車道の事故リスクが低いケースだけを出典元から抽出していたり、他ページにも多数の論理飛躍があるなど疑問点が多い。(続きます)
Posted by 自転車好き at February 06, 2015 12:12
(続きです)
http://blog.cycleroad.com/archives/52001279.html
以上は才倉様が批判された某ブログ記事(の次の記事)を参考にさせて頂きましたが、当該個所については「自分勝手な理屈で解釈」ではなく、出典元論文に明記された内容に基づくものです。

仰る通り、これ以上データの信ぴょう性や専門家の主張について才倉様のブログ上で意見するのは適当でなく、ロンドン記事と合わせて以上に致します。

出典元アメリカ論文を含め、多くの資料がネット上で収集できる現在では、本職の専門家でなくともある程度の検証が可能です。2014年の研究捏造問題からも、研究者の成果であっても常に懐疑的な視点からの検証が必要だということは公になった通りです。

特に自転車の通行位置は、直接的に自転車の事故数や死傷者数と関わる重大な問題です。
才倉様はこれに関して行政の首長を批判されておりますが、ここが個人ブログであったとしても「専門家がそう言っている」だけで検証の責務を免れるものではありません。

理想的な自転車社会の実現を目指す貴方の理念は理解しますが、貴方には記事執筆に加え、いやそれに優先して、時間をかけてやるべきことが多いと思います。

辛辣なコメントとなりましたが失礼しました。
(ロンドン記事への最後のコメントも同時に行いますが、連続投稿等で規制がかかる場合は少々お待ちください。)
Posted by 自転車好き at February 06, 2015 12:17
自転車好きさん、こんにちは。
前回も書いたように、政府の資料を疑うのは貴殿の勝手ですが、私に統計の処理やそこからの結論の導き方に文句を言われてもしょうがありません。
その点について議論するつもりはありません。政府に言ってください。
某ブログ記事については、再三コメントを求められたので自分の考え方を述べただけです。ただ、それも自分のブログで意見を書いただけで、他のブログのコメント欄にくどくどとあげつらったわけではありません。

論理的に考えられる方のようなので、よく聞いていただきたいのですが、ネット上で資料を検証できるからと言って、必ず私がそれをしなければいけない理由はありません。
全て検証するのは不可能ですし、そんなことをしたらキリがありません。だれも意見は書けなくなります。私は研究者でもなければ、政治家でも行政の担当者でも交通の専門家でもありません。
もちろん、それなりに調べて書いていますが、ただの自転車乗り、一素人が自分なりの解釈や考え方を、ブログで書いているだけです。何か大きな思い違いをされてはいないでしょうか。
もちろん、反対の意見もあるのは理解していますし、中には問題もあるでしょう。それを知った上で、総合的に判断して、片方の立場に立っているだけです。

私が議会で発言するとか、政策を決定するとか言うならば、それなりの根拠が必要でしょう。しかし、私が自分のブログで、好き勝手に述べるのに、なぜそのような検証を強要されなくてはならないのでしょうか。
いちいちその意見の論拠まで細かく検証されていないから説得力がないと感じる人がいたとしたら、それだけのことです。
2014年の研究捏造問題と個人のブログを同等に語るなど、何を言い出すのやら、噴飯もの、失笑せざるを得ません。全く次元が違います。立場も責任も影響も違いますし、比較の対象にも、検証が必要な根拠にもなりません。
(続く)
Posted by cycleroad at February 07, 2015 12:02
(続き)
個人のブログが何らかの立場で発信していて、仮にその立場の元となる専門家の意見に賛否があったとしても、何か問題でしょうか。その立場や意見を快く思わない人は、見なくなるだけです。仮に多くの専門家の意見が間違いだったと判明すれば、修正するだけです。

ここは単なる個人のブログに過ぎません。ニュースや著名人、専門家の意見に対し、自分の考えを述べている個人のブログは無数にあります。個人のブログで専門家の見解に意見を言うのに細かい検証の責務を免れないなんて、貴殿だけの理屈、身勝手で独りよがり、的外れな理屈です。検証したい貴殿のような人はすればいいですが、他の人にも強要することではないでしょう。人それぞれにスタイルがあり、あなたの性癖に付き合う義務はありません。何を考えているのか理解できません。

首長、政治家は個人であっても公人であり、その政策について批判するのは民主主義の基本です。
私がブログを書く前にやることがあるなんて、指図されるいわれはありません。貴殿に何の権限があるのでしょうか。その主張が、どこの影響を受けているかは、だいたい想像がつきますが、何度も言うように私は専門家の立場で発言しているわけでもなく、学会に研究を発表しようというわけでもありません。

私の意見が気に入らないのは、わかりますが、だからと言って執筆姿勢まで、筋違いな批判をするとは何様なのでしょうか。
何から何まで的外れであり、政府資料の妥当性に対する貴殿の思い込みをここで述べることも含めて、全くの迷惑コメントでしかありません。自分のブログなり何なりでやるなら関知するところではありませんが、本来は即刻、全て削除していい誹謗中傷の類であり、迷惑行為に過ぎないことを、おわかりにならないでしょうか。
いかにご自身の主張がおかしいか、自分勝手か、よく考えてみることをお薦めします。


Posted by cycleroad at February 07, 2015 12:03
数年前に東京から地方に引っ越しました。
東京がいかに自転車で走り易いかを恐怖とともに痛感させられる日々。
東京で自転車に乗っていて命の危険を感じる事って年に何回ありましたかね。

「歩道通行可」歩行者一人分の幅、左はブロック塀、眼前に立ちはだかるバス停標識、
車道に降りようとすれば15cmの段差、通れと言う方が無理です。
路肩を走れば蓋もない側溝が突然口を開ける。無灯火でも足元が見える東京とは違います。
まばらな街灯の谷間に入れば真っ暗闇です。グレーチングと路面の間には3cmの隙間。
下水升が舗装面より2cm高く突き出す。ラリーストの様に危険箇所は暗記しないと。
近距離広照射角と遠距離高照度のライト2連装は必須です。

歩道もない生活道路を、郊外の工場へ行き来する大型トラックがギリギリ擦れ違う。
自転車が1台いればたちまち渋滞です。トラックの運転経験もあるから分かります。
トラック運転手も自転車が怖いんです。なのに自動車の視点を知らない子供達は
お喋りしながらフラフラと蛇行する。想像通り通学自転車の事故は後を絶ちません。
都市計画もないまま開発が先行してしまった街で「遠回りでも安全な道を」は絵空事。
戦場の様な道を通らない限り学校に行けないんです。

そして濃密な公共交通網もない。半径5kmに鉄道駅もバス停もない地帯はザラ。
自家用車を持っていなければタクシーを呼ぶか自転車に頼るしかない。
1時間に1本のローカル鉄道廃止が討議される財政状況では再開発も出来ないでしょう。
状況改善を訴える議員はいましたが、幹線道路と市庁舎周辺が整備されただけ。
やっつけ仕事の東京都道路行政が理想郷に思えて来ます。

東京は悪い。地方はもっと悪い。想像も出来なかった位には悪い。
往来がまばらになった深夜の走行を楽しんでいた頃が夢の様。
Posted by Tom at March 29, 2015 21:39
Tomさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
東京も地域によって差があると思いますし、地方にもいろいろ環境の違いがあるとは思いますが、そんなに悪いですか。
道路を拡幅して歩道等を整備するのは予算の問題もあるでしょうし、土地の収用ができずに、おそろしく長い間ちっとも進まないという例も少なくないと思います。
そんなに狭い生活道路をトラックが行き交うというのは、早急に改善すべきと思えますが、それもされていないとなると、かなり劣悪な道路環境ですね。
私も東京以外の地域で生活したことがありますし、もちろん東京が最悪だとは思っていませんが、地域によっては、東京を上回る危険な状況があるのが現実なのでしょう。
東京の道路行政にも問題がありますが、地域ごとに、いろいろ問題を抱えているということなのでしょうね。
Posted by cycleroad at March 30, 2015 23:46
 
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