February 12, 2015

誰もが使いたくなるアイテム

少しずつ日が長くなってきています。


それでも、まだ夜のほうが長い時期なので、夏場に比べれば、相当程度早く日が暮れます。1日の中で、一番交通事故の多い時間帯が薄暮の頃と言われており、夜間と併せてサイクリストにとっては、十分な注意が必要な時間帯と言えるでしょう。

薄暮や夜間に事故が起こりやすい要因は、ドライバーから見えにくいことが挙げられます。夜間の視認性を上げるため、自転車には反射板の取り付けが義務付けられていますが、それだけでは十分と言えないので、なるべくなら、周囲からの視認性をアップさせるような方策をとることが望ましいとされています。

出来ればリアのライトなども携行したいところですが、大きなものではかさばりますし、邪魔になります。そこで、駐輪するときに使うワイヤー錠を光らせてしまおうと考えた人たちがいます。(株)TBWA博報堂という会社が立ち上げたベンチャー支援プログラムです。

駐輪時に固定物に施錠するために使うチェーンロックは、走行時には無用の長物となります。これを光らせることで、走行時にサイクリストの視認性のアップにつなげるアイテムにしてしまおうというアイディアです。言われてみれば、なるほどと思わせる発想です。

city fireflycity firefly

以前、似たようなアイディアで、駐輪時にはU字錠のように使えて、走行時にはライトとリアライトに使えるという製品を取り上げたことがあります。それと比べると、身体に巻きつけて使うぶん、光る面積を大きく出来ます。視認性のアップにより効果的と言えるでしょう。

ワイヤーロックを曲げる方向によって、ロックとライトを使い分けます。その名も“city firefly”、街の蛍です。この製品は、世界のデザインイノベーション分野の最も権威ある賞と言われる“Red Dot Design Award 2014”のデザインコンセプト部門において、“Best of the Best”賞を受賞しています。

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ふだん自転車乗りが使うワイヤーロックは、小さく巻けるタイプが多いのではないでしょうか。シートポストに巻きつけたり、サドルバッグの中に入れたりする人が多いと思います。これは一つの輪のまま、たすきのように身体に巻いて走行するスタイルです。

日本ではチェーンロックを身体に巻く人は少ないと思いますが、アメリカあたりに行くと、けっこう目にします。向こうは盗難が多く、厳重に施錠しないとあっという間に盗まれてしまいます。ですから、使用するチェーンロックも、日本人が見たら笑ってしまうほど太くて頑丈なものだったりします。



簡単には切断できない太い鎖、それこそトラックでも引っ張れるのではないかと思うくらい太いチェーンを、若い女性が身体に巻きつけて走っていたりします。そもそも小さく巻けるような細いものではないので、身体に巻きつけて移動するのが、むしろ自然なのです。

日本では、チェーンロックを身体に巻きつけている人は多くないと思いますが、慣れれば問題ないと思います。、視認性のアップにも貢献するのであれば、特に都市部では、身体に巻いて携行するスタイルは、十分にリーズナブルなものになると思います。

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ところで、事故防止のための夜間の視認性について、その重要性は洋の東西を問いません。よく目立つようなアイテムを身につけることが推奨されますし、自分から身につける人も少なくないでしょう。しかし、それを地方政府が法律で制定し、市民に対し強制的に義務付けるとなると話が違ってきます。

アメリカ・ワイオミング州では、自転車に乗る時、オレンジ色などの蛍光色に光るベストの着用を義務付ける法案が提出されています。光る面積は200平方インチ以上、政府発行のIDを取り付けたベストを、自転車に乗るときは、昼夜を通して着用しなければなりません。すでに法律で決められている反射板とは別にです。

安全反射ベスト当然ながら、地元サイクリストたちは、この法案に反発しています。こんな全米一馬鹿げた法案は、絶対に通すわけにはいかないという声が上がっています。確かに安全を考えたら、このようなベストを着たほうがいいのは、その通りでしょう。しかし、それを強制するのは違うだろうと反発するのも無理はありません。

200平方インチというと、およそ36センチ四方くらいの大きさです。子供も着用ですが、それほどの面積がとれるのかという声もあります。一人ひとりに発行した政府のIDを取り付けなければならない理由も疑問です。自由の国・アメリカで、このような法案が出されること自体、不思議な印象を受けます。

アメリカといっても、州によって大きく違うので、ワイオミングでは、安全が優先とする意見も多いのでしょう。義務付けないことには、夜間の視認性が原因の事故が減らないということがあるのかも知れません。こうしたルールを義務付けようと考えるのも、一概におかしいとは言えません。

ただ、事故の加害者となるのは、クルマのドライバーであり、被害者になるサイクリストのみ、このような強制をする一方で、ドライバーたちに事故防止に努力を義務付けるような規制をしないのは、不公平ではないかという不満が根強くあるのも間違いないようです。

安全反射ベスト安全のためのルールで、ある程度、個人の自由を犠牲にしてでも、罰金などの強制力のある規則で義務付けているものは、いろいろあります。とにかく安全が第一、事故防止のためには、やむを得ないというだけならば、こうした規制は増えていく一方です。

自転車のヘルメットの着用については、国や地域によって、義務付けるところと規定がないところとバラバラです。もし事故が起きた時のことを考えれば、着用していたほうがいいのは間違いないでしょう。でも、だからと言って強制すべきではなく、自分の責任において着用しない自由も認められるべきだという考え方もあるからだと思われます。

クルマのシートベルトのように、世界的にもほとんどの国で義務付けられているものもあれば、チャイルドシートのように、まだまだ法的な規制はない国が多いものもあります。いずれも安全を考えれば使うべきですが、規制にはバラつきがあります。ただ、長い目で見れば、いずれは収束していくのかも知れません。

やはりシートベルトは登場してからの歴史が長いので、ほとんどの場所で義務が当たり前になっている一方、シートベルトと比べて、格段に歴史の浅いチャイルドシートは、まだまだそこまでコンセンサスが得られていないと見ることもできます。でも、いずれ義務化の方向に進んでいくのが一般的なのかも知れません。

反射ベストそう考えると、ワイオミングは嚆矢であり、今後長い間には、少しずつ反射ベストが義務付けられていくという可能性も否定できません。今は違和感がありますが、多くの地域で推奨され、少しずつ義務化していけば、ごく当たり前のことと感じるようになる可能性もあります。

個人的には、反射ベストは第一カッコ悪いですし、風通しも悪そうです。すぐ汗で臭くなりそうですし、これを着て街を歩きたくありません。常に携行するなど、いろいろ不便そうです。その点、“city firefly”のようなアイテムなら、邪魔にならないし、どうせロックは必要なのだから、使ってもいいかなと思わせるものがあります。

安全のためにベストを義務化するという考え方も、わからないではないですが、どちらかと言えば強制されるのではなく、自分で考え、決める自由がほしいと思います。そのためにも、こういうこと関しては行政ではなく、企業に頑張ってもらいたいものです。

強制ではなく、自分から使いたくなるような商品を使ったら、結果として安全性の向上にもなっていたというのが理想的でしょう。便利で機能的で、デザインもよく、使いたいと思わせるもので、それでいて安全にも貢献するようなアイテムというのは、まだまだ開発の余地があるような気がします。




幸福感を測れる装置が開発されたそうですが、たぶん測れるのは心地よいと感じている度合い程度で、人によって千差万別の幸福を機械で測れるなんて、おこがましい気がするのは私だけでしょうか。


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