March 17, 2015

自転車とクルマで対立しない

少しずつ気温も上がってきました。


彼岸の入りを控え、だいぶ日も長くなってきました。自転車に乗るのをためらうような厳しい寒さは峠を越えたようです。前回は最近の自転車関連のニュースを取り上げましたが、事故や警察などの関連ばかりになってしまったので、それ以外の話題をいくつか取り上げておこうと思います。



ロンドンに、クルマのドライバーを撮影しながら走行するサイクリストたちがいることを、AFPが報じています。ヘルメットに搭載したカメラで危険な運転をするのドライバーを撮影し、その映像を証拠として警察に提出するという活動をしています。

この人が強い口調でレッドカードを出す気持ちは理解できますが、それでトラブルやケンカになったりしないか心配になってしまいます。でも、この毅然とした態度に圧倒され、警察官ではないものの、公務員や何かの団体の指導員か何かかと思ってしまう人もいるのかも知れません。

この方は、自身の事故をきっかけに、この活動を始めたようですが、2度の事故に、もうたくさんと思ったにもかかわらず、道路の安全を向上させるべく立ち上がった気力は見上げたものです。このような目的で録画している人は、他にも数十人いるとあります。

警察も、その告発する全案件を処理しているということは、この活動による交通安全への貢献を評価しているということなのでしょう。こうした活動が広く知られるようになれば、動画サイトにアップして「恥をかかせ」なくても、危険で悪質なドライバーは減ることが期待できるかも知れません。

当然ながら、ドライバーの反発は予想されます。自転車利用者の中にもルール違反をしたり、危険な走行をする人がいるのも確かであり、言いたいことはわかります。しかし、自転車も悪いという理由で、自転車を危険に晒すような運転を正当化するのは間違いでしょう。

いつでも自転車が正しい、ドライバーが悪いと言うつもりはありません。しかし、ひとたび事故が起こった場合、死傷するのは必ず自転車側です。自転車という相対的交通弱者に対して、保護し優先することが定められているわけで、ドライバーは自転車と対等な立場ではありません。譲るべき立場だと思います。

たまに、自転車と見れば、全て目の敵にするようなドライバーがいます。傍若無人な自転車乗りに遭って、腹に据えかねる経験をしたのかも知れません。しかし、だからと言って、それを全て自転車と、ひとくくりにするのは間違っています。何も問題のない自転車利用者を危険に晒したり、煽るような行為は言語道断です。

当たり前ですが個々の自転車は別なわけで、「自転車も悪い」と、自転車に乗る人を全て一緒のように感じてしまうから、自転車と見れば煽ったり、危険な運転をするのでしょう。クルマと自転車という対立で考えるべきではないと思います。

最近は日本でも、動画サイトにアップされた違法行為を証拠に、警察が検挙に踏み切る例も報告されています。近年、動画用のカメラも小さく軽く、高性能になってきています。危険な運転や違法行為をするドライバーには、動画という手段で対抗するスタイルが増えてくるかも知れません。


渋滞解消「切り札」は自転車 フォード、電動折りたたみ式開発 自己矛盾に冷笑も

米自動車大手フォード・モーターが、都市部で深刻化する交通渋滞を解消する切り札として、折りたたみ式電動自転車を開発し話題になっている。自動車に積んだり、電車に持ち込んだりして通勤に使うことを提案。さらに自動車のスペアタイヤや座席などをフレームに取り付けて組み立てる“変身自転車”の特許も申請した。自動車と自転車を組み合わせた新しい交通システムの普及を目指すという。

ただ、渋滞や大気汚染の原因を作っている自動車メーカーが、環境にやさしい自転車の利用を推奨するという自己矛盾に冷ややかな声もある。

電動折りたたみ式

切り札は自転車フォードは、スペイン・バルセロナで5日まで開かれていた世界最大級の携帯端末見本市「モバイル・ワールド・コングレス」で、折りたたみ式電動自転車「MoDe(モード)」の試作品を公開した。

英BBC放送(電子版)などによると、200ワットの電動モーターを搭載し最高時速は25キロ。運転者が疲れない心拍数を維持する補助機能を備えた電動ペダルや、後方の自動車の追い越しなどを探知し振動で知らせてくれる超音波センサーを装備している。

専用アプリをダウンロードした米アップルの「iPhone(アイフォーン)6」を取り付け、ナビゲーションとして利用できる。道案内のほか、走行中の運転者に道路の危険情報や最寄りの駐輪場の料金といった情報も提供できるという。

フォードで先進技術研究部門を担当するケン・ワシントン副社長はBBCに対し、「都市部の移動で最も必要なのは自動車、バス、電車、電動自転車といったあらゆる交通手段をシームレスにつなぎ、その時々の交通状況に対応できるようにすることである」と語り、交通渋滞解消に威力を発揮するとの期待を示した。

車のトランクだけでなく、電車やバスに持ち込めるほどコンパクトになるため、フォードでは、まず自宅から車でターミナル駅まで行き、電車に自転車を持ち込み、最寄り駅から自転車に乗って職場に行くといった通勤スタイルを想定している。

「変身」機能を装備

さらにフォードは、この試作品よりも画期的な組み立て式電動自転車の開発をもくろんでいるようだ。英紙デーリー・メール(電子版)などによると、フォードが申請した特許は、自動車のスペアタイヤが2つに分かれて自転車の前輪と後輪になり、ジャッキはペダルに、座席のヘッドレストがサドルになり、フレームに取り付けると自転車に変身する仕組み。この自転車を人気車種に装備する計画だという。

フォードは申請文書で「都市部の移動手段はこれ以上増やすことができず、道路網や道路幅を拡張しても、通勤者は駐車場探しや大気汚染に悩まされる」と指摘し、新たな交通システムの必要性を訴えた。

ただ、そもそも渋滞や大気汚染は自動車に原因があるうえ、フォードなどの米メーカーは最近のガソリン安を受け、エコカーより大型・大排気量の車の開発に注力するなど、“先祖返り”も指摘されている。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、自転車関連の特許出願について、皮肉交じりにこう伝えた。「フォードは将来の交通問題への対処に取り組んでいたが、結局それは自転車に乗るという単純極まりないものになった」(産経新聞 2015.3.7)


フォードがクルマに載せて使う折りたたみ自転車を開発したことは、以前にも取り上げましたが、最近あちこちのメディアでも話題になっているようです。クルマメーカーの渋滞や大気汚染対策に、結局は自転車を使うというプランしか示せないことに対する軽蔑や冷笑、失笑のような論調も少なくありません。

たしかに、フォードともあろうメーカーが、クルマで勝負するのではなく、自転車を使うという解決策を出したことに対して揶揄するような意見は当然出てくると思います。しかし、私はクルマメーカーも自転車という手段を使うのは、むしろ自然なことであり、当たり前のことだと思います。

渋滞する都市部で、実際問題として一番速い移動手段が自転車であることも少なくありません。排気ガスを出さず、環境負荷も低く、燃料も不要です。さらに、電車やバスに載せて移動したりも出来ます。フォードの副社長が言うように、あらゆる移動手段をシームレスにつなぐことが出来ます。

一方、自転車だけでは不便な場合もあります。長い距離を移動するような場合はクルマの機動力が勝りますし、荷物の積載能力なども比較になりません。自転車の弱点を補う点でも、クルマに載せる形にするのはリーズナブルであり、当然の答えでしょう。

電車と組み合わせるパークアンドライドも、電車で移動した後の移動が徒歩だけになります。あらゆるケースに対応できる組み合わせとして、クルマと自転車の組み合わせはメリットがあります。フォードが採用しなくても、とうの昔から、そのように組み合わせて使っている人もいます。

フォードを揶揄したり、冷笑するのも、やはりクルマ対自転車という対比、対立で考える思考があるからでしょう。両者を二者択一で考えるのではなく、一緒に使うことで、さらに便利で効率よく実用的ならば、対立させる意味はありません。そう考えれば、フォードの提案は自然な帰結ではないでしょうか。


足立区駐輪場 盗難防止 ICタグで

駐輪場の自転車にICタグを取り付け、盗難防止に役立てる社会実験が来月から、足立区の区営駐輪場計六カ所で始まる。区と開発企業が共同実施する。区によると、都内自治体では初めての取り組みという。

実験では、希望者の自転車のサドルやハンドルに、それぞれの住所、氏名、電話番号の情報を入力したタグを装着する。タグは三センチ四方のプラスチック板状。駐輪場にはタグの電波を受信するアンテナを設置し、自転車の入出庫時間を記録する。盗難に遭った場合でも犯行時間を特定できるため、防犯カメラの映像と組み合わせて犯人特定が容易となる。

自転車盗犯などが強引にタグを外すと、盗難自転車であることを示す文字が表れる仕組み。駐輪場には持ち運びできるアンテナも置き、周辺の放置自転車から盗難自転車を探すことなどに役立てるという。

開発したのは区内の企業で、実験用としてシステムを無償提供した。期間は一年間で、五千人に参加を呼びかける。区は今後、実験結果に応じて拡大するかどうかなどを検討する。担当者は「盗難被害に一定の歯止めがかかるのでは」と話している。(2015年2月18日 東京新聞)


都内自治体では初めてとありますが、似たような実験は、過去に三鷹市などでも行なわれています。足立区が知らないだけで、特に目新しい実験ではありません。むしろ足立区の担当者は、10年経っても同じような実験を繰り返していることを知り、その不明を恥じるべきでしょう。

せっかくICタグを使っても、今さら入出庫時間の管理と所有者情報くらいでは、知恵も工夫もないと言わざるを得ません。時間を元に犯人と思しき人物の画像が判明しても、それを捜査したり公開して人物の特定に結び付けなければなりません。そのような捜査に人を割けたとしても検挙につながるとは限りません。

ICタグICタグがついた自転車が放置されていると通報してもらえれば、管理の担当がそのICタグをチェックして、持ち主に返すこともできる、と説明しています。でも、いちいちどんな自転車が放置されているか、注意して通報する人がいるのでしょうか。

大多数を占めるママチャリの盗難では、わざわざタグを外す必要もないでしょうし、乗り捨てて放置するのに、タグがあろうとなかろうと、ほとんど関係ないと思います。放置自転車が盗難車か否かの判断には使える可能性がありますが、それも盗難届けが出ているものに限られます。

届けが無ければ、所有者本人が放置したのか盗まれて放置されたのか、見分けがつきません。ただでさえ、格安のママチャリが氾濫しています。撤去されても引き取りに行かず、少し古くなったら使い捨てにするような人が大勢います。盗まれてもいちいち盗難届けを出さない人もいる中で、果たして有効に機能するでしょうか。

むしろ、不法駐輪している自転車の持ち主を割り出したいという区側の思惑が見え見えですが、たいしたメリットもないのに、わざわざ個人情報の登録に協力するでしょうか。格安の自転車が氾濫し、使い捨てのように乗り捨てる人も多い中で、果たしてタグによる所有者管理が機能するでしょうか。

仮に制度として導入を目指すとしても足立区だけでは意味がないわけで、区が単独でやる実験ではないでしょう。こうした管理システムは、原則として全ての自転車を登録しないと意味をなしませんし、費用対効果を考えても、成立する事業になるでしょうか。

今どきの発想ならば、タグによる位置情報、移動情報を、いわゆるビッグデータとして収集し、それを解析することで自転車政策に生かすということになるでしょう。しかし、その前に、そこまで費用をかけてデータを収集しても、いかすほどの政策が出来るか、収集する意味があるかという話になるはずです。

時々、こういう実験を思いついたようにやり出す自治体があります。しかし自治体の職員が思いつく程度の実験は、過去に各地で何度も行なわれているのが普通です。わざわざ税金を使って繰り返すまでもなく、同じような実験を昔やったことのある自治体に結果を教えてもらえば済む話です。

縦割り行政の常で、そのような情報は共有しないのでしょうけれど、調べればすぐわかることです。そして、やっても意味がなかったということも、すぐわかるでしょう。市民の血税を、毎回同じような意味のない実験に使うならば、駐輪場の一つでも設置したほうが、ずっと有効です。

統一地方選挙が近いですが、この時期は候補者たちが集会を開いたり、意見を聞くためのアンケートを配るなど、市民の意見を聞く姿勢を打ち出すのに躍起になっています。自分の地域の役場に、このような無駄な金を使わせないよう、首長や議員の候補者に言うには、いい機会かも知れません。


上野みなみが銀 日本勢5年ぶりメダル

上野みなみ選手<自転車:トラック世界選手権>◇第1日◇18日◇パリ

女子ポイントレースで23歳の上野みなみ(鹿屋体大大学院)が28点で2位に入り、銀メダルを獲得した。日本勢のメダルは2010年、男子スクラッチで3位の盛一大以来5年ぶり。

10周ごとの通過順位などによって得る通算ポイントで競うレースで、上野は序盤から積極的な走りが光った。上野は「すごくうれしい。(国際大会では)3位が最高順位で、3位の壁を壊すことができたかなと思う。周りを見て走ることができた」とコメントした。

男子チームスプリントの日本は11位、女子チームスプリントの日本は13位に終わった。女子4000メートル団体追い抜きの日本は予選で4分35秒929の日本新記録を出したが、12位で敗退した。(2015年2月19日 日刊スポーツ)



【魅惑アスリート】“美貌レーサー”が躍動した自転車の世界選手権

上野みなみ選手2月18〜22日にかけてパリで開催されたUCI(国際自転車連盟)世界選手権で、日本女子で初のメダル獲得という快挙が演じられた。女子ポイントレースで23歳の上野みなみ(鹿屋体大大学院)が2位となり、不振の続く日本自転車界に明るい光をともした。

笑顔の可愛いホープが、来年のリオデジャネイル五輪だけでなく、5年後の東京五輪でも活躍が期待される存在に浮上した。一方、女子オムニアムでは23歳の“美貌レーサー”が女王を破り、悲願の金メダルを手にし、こちらもリオ五輪に「自信」を得ていた。

世界選手権の第1日。10周ごとの通過順位などで得る通算ポイントで競うレースで、上野は序盤から積極的な走りをみせた。「自分はダッシュが弱いので、逃げが持ち味だと思っていた」と最初の10周を逃げて2位で通過。その後は集団で力をため、中盤を過ぎてから再び仕掛けてポイントを稼ぐという、冷静さと大胆さを併せ持った頭脳的な走りで銀メダルをたぐり寄せた。

2011年にはこの種目で4位。ジュニア時代を含め、過去の国際大会で自身の最高位3位をも上回った。「3位の壁を壊すことができたかなと思う」とチャーミングな笑顔を見せた。(以下略)(2015.03.09 夕刊フジ)


先日も競歩で世界新記録が出ましたが、いろいろな種目で選手の活躍が報じられています。日本では、自転車競技はマイナーであり、あまり露出度が高くありませんが、今回の上野みなみ選手の世界選手権2位という快挙はニュースになっています。

上野みなみ選手なかには、その実力より、美人選手だとか美貌がどうのという面にスポットを当てる報道もあります。本人にしてみれば、そのような取り上げられ方は不本意かも知れませんが、そのような取り上げ方によって、結果として競技の人気に火がつくという例は少なくありません。

卓球も地味なスポーツと言われて、人気も今ひとつでしたが、福原愛選手の登場で、注目が集まったのは間違いないでしょう。バドミントンのオグ・シオペアとか、女子のカーリングなど、あまり大きく報じられなかった競技に、ヒーローやヒロインが出てガラリと扱いが変わるケースがあります。

選手に対するマスコミの扱いが大きくなった結果、競技の人気が上昇し、観客が増え、スポンサーがつき、強化予算が増えたり、参加人口が増えるなど、いい循環に入る種目もあります。やはり、注目される人気選手の有無は、競技人気にも大きく影響します。

日本でも自転車競技の人気が上昇し、注目されるようになれば、自転車そのものに対するイメージやスポーツとしての自転車への理解も進むに違いありません。そのことは、社会での自転車の利用やインフラの整備などにもいい影響を与えるはずです。その意味でも、自転車競技に注目選手がもっと出てきてほしいものです。




免震ゴム偽装、社内で問題が発覚した後も納入するなど、会社の組織や管理体制も相当問題がありそうですね。

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この記事へのコメント
足立区駐輪場の記事ですが、
> 開発したのは区内の企業で、実験用としてシステムを無償提供した。
とありますので税金が無駄に使われているという指摘はあまり関係無いのではと感じます。

しかし防犯のためにICタグをわざわざ使う理由は私もあまり感じられません。
犯行時間を特定できなくても、犯人を特定できるくらいの防犯カメラであれば自分の自転車は特定できます。
発生件数がとても多くカメラの映像を確認する時間も取れないならば意味があるかもしれませんが、そこまで発生するのならばレンタル鍵を配った方がいいかと。
Posted by NuE at March 18, 2015 09:32
NuEさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
システムを区内の企業が提供したことを見落としたわけではありません。
もし、それだけで実験ができるのであれば、それは一企業の話ということになります。
区の社会実験としてアナウンスしており、「共同実施」とあるからには、それなりに区が資金を使っているのは間違いないでしょう。
具体的にどのくらい費用がかかったのかは知りませんが、営利企業がシステムを無償提供してもメリットがあるわけですから、それなりの資金が投下されていると見るのが自然でしょう。
そもそも予算が通ってしまえば、役所にはコスト意識というものが希薄です。
また、安い実験なら税金を使っていいという話でもありません。
過去にも同様の実験が繰り返されており、なんら区民のためにならないことが予想される以上、私は無駄だし、問題だろうと思います。

Posted by cycleroad at March 18, 2015 23:32
 
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