May 25, 2015

どこから買うかで変わること

地域の個人商店が減る傾向にあります。


以前から指摘されていることで、いま始まったことではありませんが、昔からある商店街などを通ると、そのことを実感します。必ずしも過疎に悩む地方の町に限ったことではありません。人口の増えている東京や埼玉、神奈川といった都県でも場所によっては、いわゆるシャッター街になっています。

原因の一つには、郊外型の大型ショッピングセンターなどに客が流れていることが挙げられるでしょう。日本各地で起きている状況だと思いますが、郊外に大型の駐車場を備えた大規模商業施設がつくられ、品揃えや価格的な魅力の劣る地元商店街は苦戦を強いられています。

週末、クルマで郊外の大型ショッピングセンターに行き、まとめて買い物をする人が増えています。平日は忙しく、毎日買い物に行くより、クルマで出かけてまとめ買いする方が便利で効率的と考える人が増えているのは間違いないでしょう。昔とは確実に生活のスタイルが変わりつつあります。

もう一つは、高齢化の進行です。地域の商店街を利用する、昔からのお客は高齢化が進んでいます。高齢になると、買い物に行けなくなる人も増えます。宅配の給食サービスなどを使う人も増え、商店街の貴重な得意客が減る方向にあるのは否めないでしょう。

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三つ目は、インターネット通販の普及です。ネットで買い物をする人が増えた分、リアルの店舗に足を運ぶ人は確実に減ります。共働きや子育てに忙しい人にも便利ですし、家まで届けてくれて時間と手間が省けるのは魅力的です。そうした人が増えれば、地域の商店街を使わなくなる傾向に拍車をかけます。

地域によって差はあるものの、全国的に見られる現象でしょう。時代と伴に流通のスタイルも変わると言えばそれまでですが、これによって困った事態も起きます。クルマの使えない高齢者などは、日々の食料や日用品を調達できない状況に追い込まれます。いわゆる買い物難民です。

人口の増えている東京近郊や、都内であっても、場所によっては起きていると言います。都市近郊なら、どこへ行ってもコンビニはある気がしますが、実はそうでもありません。実際は、かなり偏在しており、住宅街には歩いていける範囲にコンビにすらない場所も少なくないと言います。

食料品や日用品が地元で手に入らないというのは、住民にとって大きな不便です。クルマやネットが使えない人だけの問題のように思えますが、そうとは限りません。シャッター街が増えて不便になり、寂れた印象になれば、長期的には住もうとする人が減り、地価も下落するでしょう。

地域の雇用も減りますし、地元に落ちるお金は確実に減ります。ネット通販や郊外の大型商業施設を運営するような企業の多くは東京などに本社があります。地域の消費は大都市の企業の売上げとなってしまい、地域経済の規模は確実に縮小することになるでしょう。

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こうした流れは、固定資産税の評価額を低下させ、法人の道府県民税や事業税をはじめ、多くの地方税収を減らします。地域の自治体の税収が減れば、それは住民サービスの低下にもつながるはずです。実際にインフラの更新すらままならない自治体が増えつつあります。

郊外やネットで消費し、地元でお金を使わなければ、結局は住民自らの首を絞めることになりかねないわけです。結果として地域経済が縮小し、自治体としての機能が低下することになります。東京一極集中の加速がもたらす弊害であり、地方創生が叫ばれる所以でもあります。

たしかに郊外の大型ショッピングセンターやネット通販は便利です。品揃えも多く、地元商店街と比べて魅力的なのも理解できます。市民一人ひとりの選択を責めるわけにはいきませんが、一方で地域経済にダメージを与え、自治体の財政を脅かし、その存続すら危うくしかねないわけです。

こうした問題は、少子高齢化が急速に進む日本だけの課題ではありません。日本よりは相対的に深刻度が低いかもしれませんが、ヨーロッパの国々などでも懸念されつつある問題です。その一つの対応策として注目すべき事例がドイツにあります。

Kiezkaufhaus

ネット通販サイト、“Kiezkaufhaus”は、よくある通販サイト、オンラインショッピングモールとは少し違います。出店しているお店は、全てドイツ中西部の、Wiesbaden という地域にある、いわゆる地元の商店ばかりです。大資本のチェーンや地域以外の商店はありません。

いわば地域密着型のオンライン・ショッピングモールです。ネット上の商店ですが、すべて地元にもリアルの店舗があります。各個人商店が一つのネット通販サイトに参加している形で、食料品や日用品から、雑貨や書籍など、さまざまな商品が揃っています。

同時にリアルの商店も営業していますが、足が悪くなってお店に行けない高齢者や、忙しくてネットで購入したい人でも、地元の商店から品物を買えるわけです。購入した商品は、地域の商店から届けられます。地元の少し遠くて行けない店からも買える、現代版の御用聞きでもあります。

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そして、その宅配には自転車を使います。しかも、配達するのは主に地元の高齢者です。電動アシスト付きのカーゴバイクなら高齢者でも問題ありません。地元から配達するので、自転車でも十分な距離です。そして地元密着で近いので、当日の14時くらいまでに注文すれば、その日のうちに届くのが大きな強みです。

最近は日本でも、トラックのドライバーのなり手が減り、人手不足から流通費の上昇が懸念されていますが、ここでは高齢者を使うことで、人手を確保しています。このことは、地域の雇用を増やすことでもあり、高齢者の生活を支え、その健康増進にもつながります。

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もちろん、自転車で届けることは環境負荷を低減することでもあります。環境意識の高いヨーロッパでは重要なポイントです。地元から配達されるので、ネット通販のように物流センターを別につくる必要もありません。この通販を使えば、地域を走り回るトラックが増えることもありません。

地域の消費者は、ネット上の無数のサイトのどこからでも買えるわけですが、近くて配送が早いだけでも、十分競争力はあるでしょう。さらに地元で消費することにもなるわけで、そのことが地域の振興にもなり、税収も上がって、ひいては住民サービスにも反映するとなれば、十分に選ぶ理由になるはずです。

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日本では、大手チェーンのスーパーのリアルの店舗が、電話やネットで注文を受け、宅配するサービスを展開しています。こうした大手チェーンは東京などの資本ということを意識する人が増えれば、その脅威にも十分に対抗出来るに違いありません。

これは一石二鳥にも三鳥にもなる、とても有意義な取り組みと言えるでしょう。地域の買い物難民を減らし、地元商店の存続を助け、地域経済を活性化させ、自治体の財政にもプラスになります。環境負荷も抑え、高齢者の雇用を増やすことで生活を支え、その健康増進にまで貢献します。

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最近日本でよく言われている地方創生にもつながるはずです。市民の利便性を尊重する一方で、地域経済や地域の商店街の衰退防止を両立させる可能性があります。まず、地域で消費することの重要性を広く認知してもらう必要がありますが、これは日本でも期待できる方法なのではないでしょうか。




サラリーマン川柳の大賞、「皮下脂肪 資源にできれば ノーベル賞」だそうですが、自転車に乗れば燃料の代わりになりますよね。

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