June 09, 2015

女性達が乗りやすくなる工夫

女性が自転車に乗ることを阻むものがあります。


セットした前髪が崩れるとか、汗で化粧が崩れるとか、いろいろあるかも知れませんが、やはり問題となるのはスカートではないでしょうか。もちろんパンツスタイルなら問題ないわけですが、年代や好みでスカートをはく人は多いわけで、どうしても自転車に乗りにくいというのはあるでしょう。

日本の場合、ママチャリが普及しているので、スカートで乗る女性を見ないわけではありませんが、例えママチャリであっても、やはり乗りにくいというのはあるでしょう。近距離ならともかく、気も使うでしょうし、自転車に乗ろうとする女性を阻む壁の一つと言えるでしょう。

そこでメーカーとしては、フレームの形状を工夫して、スカートでもまたぎやすくしたり、ドレスガードをつけて、スカートがタイヤに巻き込まれないようにしたり、チェーンカバーでチェーンに巻き込まれないようにしたりするわけです。女性用として販売される自転車もいろいろあります。

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt


普通だと、そのような発想になると思いますが、逆転の発想で、スカートのほうに工夫をして、自転車に乗りやすく出来ないかと考えた人がいます。アメリカ・ジョージア州のサハンナという街にある“Forest and Fin”という会社の創設者でデザイナーの、Lara Neece さんです。

彼女は、仕事のミーティングに行く時でも、公園に出かける時でも、シーンに関係なく毎日はいて自転車に乗れるようなスカートが欲しいと考えました。自転車に乗るからといって、いちいち着替えるのは面倒です。でも、スカートで自転車に乗るのには技術がいります。

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt

The Bicycle Wrap Skirt

あまり短いとめくれ上がってしまいます。めくれ上がらないようにと長くすれば、チェーンなどに巻き込まれたりします。長いことスカートで自転車に乗ってきた彼女が、自転車に乗るのに完璧な自転車用スカートは出来ないものかと考えて作ったのが、“The Bicycle Wrap Skirt”です。

素材は、ポリエステルやスパンデックスで出来ている他のスカートとは違い、リンネルとコットンの混合で、自然なものが使われています。洗濯機で洗うことも可能です。そして、環境に配慮した、いわゆるサステイナブルな材料を選んでいる点も見逃せません。

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt



スカートのへりに隠されたファスナーが、風でめくれ上がるのを防ぎます。サドルにまたがっても、カギなどの貴重品を落さないよう、深くなったビルトインポケットもついています。常に携行するサイフや携帯電話用に、ボタンのしまる布製のポーチがウェストバンドに取り付けられるようになっており、取り外しも出来ます。

スカートが後方に流れて、タイヤなどに巻き込まれないようにする取り外しも可能な2本のストラップもついています。さらに、これらの機能的な仕組みは、ほかの手持ちのスカートでも使えるようになっています。なかなか心憎い配慮です。

The Bicycle Wrap Skirt

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt

しかも、体型を良く見せるための工夫がなされており、誰でも着こなせるように考えてつくられています。自転車に快適に乗るための機能が盛り込まれているからといって、決してスカートとしてのデザインやファッション性を犠牲にはしていません。

もちろん、これはキュロットスカートやスコートのような、スカートに見せかけたショートパンツ状のものではなく、れっきとしたスカートです。いかにも自転車用という外見は全くなく、普段はくスカートとして全く違和感のないものとして仕上がっています。

The Bicycle Wrap Skirt

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt

自転車に乗るのに便利な機能は見えないようになっているので、周囲の人は普通のスカートだと信じて疑わないはずです。オーソドックスで、汎用性の高い融通のきくデザインなので、仕事や遊びや、いろいろ着まわすのにも向くはずです。素材的にも、高品質で耐久性にも優れた生地を使っています。

それは生物分解が可能な素材で、信頼のおけるメーカーから供給されており、アメリカで縫製されます。染料も自然由来のものを使っています。包装などにまでこだわり、環境にも配慮された、カーボンフットプリントも低い製品となっています。

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt



Lara Neece さんは、このスカートで、女性が自由に自転車に乗ることが出来るようにしたいと考えています。自転車に乗るのに男女差をなくしたいのです。それは男性が、彼女や奥さんと、どこへでも気軽に自転車で出かけられることも意味します。そのことでも温暖化ガス削減に貢献したいと考えているのです。

クラウドファンディングサイトで資金調達を試みたところ、早々に目標額が集まっています。おそらく多くの女性たちの熱い支持があったに違いありません。これを受けて、この夏の生産に着手すると共に、さらに多くのサイズを加えたり、新たなスタイルの展開を計画しています。

The Bicycle Wrap SkirtThe Bicycle Wrap Skirt

不便を感じていた女性も多かったのでしょう。女性でないと思いつかない視点といい、自転車ではなく、スカートのほうを改良するという逆転の発想といい、環境への貢献や配慮といい、なかなか優れたプロジェクトと言えるのではないでしょうか。資金が集まるのもうなづけます。

自転車に乗りたいなら、スカートをやめればいいじゃないか、というのは男性の発想です。スカートで乗れてこそ乗る気になる女性も少なくないはずです。地球上の潜在的ユーザーの半分は女性です。こうした工夫が広がれば、自転車に乗る人はさらに増えるかも知れません。




なでしこジャパン、辛勝でしたが、まずはいいスタートを切ったと言えそうですね。この後も期待したいと思います。

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この記事へのコメント
どのようなファッションでも自転車に乗りやすいように、という工夫が広がるのは
自転車利用者の裾野を広げ、気軽に利用できるという自転車のメリットを更に高める尊い活動だと思います。
開発者の方々、そして、こういった記事を書いて広めてくださる方々(サイクルロード氏も当然含め)に拍手、ですね。

セットした前髪が、という節で思い出したのですが
世界中の自転車政策にまつわる人々が手本にしようとしているオランダでは、意外にもヘルメット推奨には反対で、その理由として、ヘルメット推奨をすると自転車利用者が減ってしまうから、なところがあるようです。実際、ヘルメット利用者はほとんど居ない状態です。
たしかに、ヘルメット着用を推奨して、ヘルメット着用を避けたいということで自転車利用者が減ると、自動車乱用が蔓延しかねないですし、そうすると大気汚染や渋滞がヒドくなったり、自動車が増えることによる重大事故も増えて、逆に道路における危険が蔓延してしまう、というような考えだと思います。

ヘルメットの認識について日欧の差の(週刊 自転車ツーキニスト621) (2015年6月25日発行) | 疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」 - メルマ!
http://melma.com/backnumber_16703_6226386/
Posted by GreenTopTube at July 04, 2015 19:03
交通弱者優先インフラを徹底すれば、自転車のみならず、歩行者にとっても安全なインフラということにもなるでしょうから、たしかに同意できるところです。
自動車は車道のみならず、横断歩道や歩道、歩道のない通学路にすら進入しており、日本においては歩道では自転車より自動車のほうが遥かに歩行者自転車を加害しているという現実がありますし、歩行者にヘルメットをさせるのは変ですからね。
自動車締め付け強化と、歩行者自転車等の弱者保護インフラの整備徹底をすれば、ヘルメットという投資や不便を自転車利用者にさせずとも安全が確保できるという考えは、立派だと思います。日本もそれぐらいの柔軟な発送と意気込みがほしいところですよね。

http://melma.com/backnumber_16703_6226386/ より

■ヘルメットが要らないインフラを?

 アムステルダム市は「自転車なしでは生活できない首都」として名高い“自転車先進都市”だ。
 あらゆるところに自転車専用道や自転車レーン、駐輪場などのインフラが整備され、ドライバーはことごとく自転車優先のポリシーを理解し、自転車と公共交通機関(トラムやバスなど)の連携も、最大限にうまくとれている。最近では、世界的な自転車ブームもあって、自転車の数もさらに増え、普及率はとっくに100%を超えた。
 ところが、その街で自転車を見ていると、奇妙なことに気づく。そうした中でヘルメットをかぶっている人がほとんどいないという事実だ。
 これは私が最初にオランダを訪れた14年前からそうだったけれど、この国の人々は、自転車に乗る際に、基本的にヘルメットをかぶらない。
Posted by GreenTopTube at July 04, 2015 19:09
なぜか。アムステルダム市の自転車行政担当者に問いただしてみると拍子抜けというか、驚くべき返事が返ってきた。

■お国柄の違い、考え方の違い

「なぜ、みなヘルメットをかぶっていないのでしょうか。アムステルダム市ではヘルメットを推奨していないのですか?」
 ところが、当方の問いに、担当者は目を白黒させた。
「なぜヘルメットを推奨? 私たちはサイクリストが事故に遭わないように、走行環境を整えているんですよ? いわば“ヘルメットをかぶらなくても安全な道路”を作ろうとしているのです」
Posted by GreenTopTube at July 04, 2015 19:09
GreenTopTubeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私もヘルメットは、他人や、ましてや国家が押し付けるものではないと思います。必要だと思う人はかぶるでしょうし、それでいいだろうと思います。
「セットした前髪」について書いたのは、女子中高生に対してアンケートをとったところ、自転車で通学したくない理由の第一位に、これが来たという調査を以前に見た記憶があったからです。
男性にとっては意外な気がしますが、それくらい、年頃の女性には重要なポイントになるのでしょう。
当然ながらヘルメットなんてかぶらせれば、自転車利用は減ってしまうでしょうね。
Posted by cycleroad at July 04, 2015 23:47
cycleroadさん,こんばんは.

私はやはり,自転車にスカートは安全性や運動性の面で好ましくないのではと感じます.

これについては今般,当方のYahoo!ブログ

http://blogs.yahoo.co.jp/cs433485/55108419.html

でも所感を記しておりますので,1度ご笑覧頂ければ幸甚です.
Posted by マイロネフ at July 08, 2015 18:11
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車に乗るのにスカートが向かないのは誰が見ても明らかです。そんなことは当の女性たちも含め、誰もがわかっていることでしょう。そこを議論しているわけではありません。
スカートだと乗りにくいから乗らない、スカートで乗れるなら乗りたい、自転車に乗るため、一日スカートをあきらめたくない、と考える女性たちに、いかにスカートでも乗りやすくするかという話であり、論点がズレています。
Posted by cycleroad at July 09, 2015 23:29
 
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