September 19, 2015

ドアツードア通勤を実現する

オフィスに求められるものはいろいろあります。


立地や面積、賃料といった基本的な条件だけでなく、職種によってはエリアが重要な意味を持っていたり、外観や見た目が重要な要素となることもあるでしょう。交通の便や最寄り駅からの距離も重視されるでしょうし、ビルの新しさやグレードなどが考慮されたりします。

当然ながら、仕事をする上での快適性も重視されます。照明や空調なども、細かく制御できると便利です。いまやOAへの対応は必須ですし、配線などの自由度だけでなく、電気の容量や、通信回線の容量なども求められます。別途、機器がおけるスペースが必要だったりするかも知れません。

耐震性も気になるところです。帰宅難民の発生に備えて、食料や物資の備蓄スペースなども考える必要があるでしょう。大規模な災害発生時でも、本社機能を維持できることが重要だったり、防災体制の面でも、万一の火災発生時などに、安全に避難できることが求められます。

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駐車場の大きさやエレベーターの輸送能力、トイレや給湯などの水周りの設備、セキュリティーなども重要なポイントに挙げられるはずです。今どきなら、省エネ性能も重視されます。フロアの広さも使い勝手に直結しますし、将来に向けた拡張性も考慮しておく必要があるかも知れません。

貸しビルならば、さまざまな賃貸条件や貸主の信頼度もチェックされるはずです。他の入居テナントの顔ぶれも気になるところですし、社員の昼食など、福利厚生面も疎かに出来ません。ビル周辺の環境も、社員の心理から会社のイメージにまで影響する可能性があります。

ちょっと考えただけでも多岐にわたります。企業のオフィスは、社員が快適に仕事が出来て、能力を発揮し生産性を上げるだけではなく、会社の信頼や企業イメージにもかかわります。多くの優れた人材を採用するためにも重要な要素となるに違いありません。

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以前、アメリカ・シリコンバレーに本拠を置く、名だたるIT企業が、こぞって社員の自転車通勤環境の整備に力を入れていることを紹介しました。最近の若い世代は、クルマを買って郊外の広い家に住むより、狭くても便利な都市部に住んで、自転車で通いたいと考える人が増えているからです。

若い世代の興味の対象が変わってきており、アメリカでも都市部を中心にクルマ離れの傾向が見られると言います。IT企業が欲しい優秀な人材は、クルマよりもコンピュータやスマホに興味があり、SNSを使いこなし、通勤に便利な都心に住んで自転車で通いたいと考えていることが、調査等で明らかになっているのです。

もちろん、他にもいろいろな要素があるわけですが、若くて優秀な人材を集めるためには、自転車で通勤できる環境は、もはや当然の条件のようになっていると言います。アップルやグーグル、フェイスブック、リンクトインなどを始め、多くのIT企業が自転車環境の整備には力を入れています。

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さて、そうした傾向はシリコンバレーに限りません。イギリス・ロンドンでは、企業のオフィス選びに、自転車通勤環境が重視されるようになるだろうことを見越して、先行して整備を行なうところが出ています。建築設計事務所、“Studio RHE”によるビルの再開発です。

ロンドンは世界で一番オフィスの賃料が高いと言われており、足元の市況も堅調に推移しています。中心部では新しく開発する余地が限られる中、歴史のある古いビルの改築・拡張・リニューアルが行なわれています。そのリニューアルでは、さまざまな部分が改装されますが、斬新な発想が盛り込まれています。

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なんと、自転車で直接、各オフィスまで乗り入れ出来るよう、専用のスロープが設けられているのです。少なくともロンドンでは初の、サイクル・イン・オフィス、自転車で入れるオフィスです。9階建てビルの上の階まで、自転車に乗ったまま上り下りすることが出来ます。

これならば、自分の愛車をオフィスの自分のデスクの脇などに置いておくことが出来ます。高価なスポーツバイクに乗って通勤している人も少なくないでしょうから、これなら盗難対策は万全です。地下の駐輪場などに置いて、いたずらされる心配もありません。

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オフィスに自転車を、そのまま持ち込むなんて、日本の常識では考えられないでしょうが、欧米では、必ずしも驚くようなことではありません。しかし、都心のビルの上の階に持ち込むのは簡単ではないはずです。ビルのエレベーターに自転車を載せられない場合も多いに違いありません。

仮に載せられたとしても、朝夕の通勤時間に、自転車を持って乗るのは顰蹙を買うでしょう。荷物用のエレベーターがあったとしても、自転車通勤者で順番待ちになって時間がかかるかも知れません。でも、こんな専用スロープがあれば、混雑や周囲に迷惑をかけることもありません。

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上まで自力で上がるのは大変のように思えますが、自転車好きなら、さほど苦にはならないのではないでしょうか。画像を見る限り、勾配が緩やかにとられていますし、自転車通勤するような人なら、わけもないでしょう。ちょっとしたヒルクライム気分かも知れません。

もちろん、そのほかにもシャワー室や着替え用の部屋、ロッカーなども設けられています。まさに自転車通勤する人に優しいビルディングとなっています。これは話題性も満点ですし、入居する企業にとっても、イメージアップや、人材確保にも貢献するのではないでしょうか。

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これまで何度も取り上げてきましたが、ロンドンでは、ロンドンオリンピックを契機に、名物市長、ボリスジョンソン氏が自転車革命を進めてきました。自転車のスーパーハイウェイをはじめとするインフラ整備や自転車シェアリングなどが導入され、オリンピック期間の渋滞低減にも大きな成果を上げました。

狭くて混雑する上、運休や遅れの絶えない世界最古の地下鉄が不便であることや、地下鉄やバスの同時多発テロが起きたこともあり、五輪後もロンドン市民は自転車に乗るようになりました。いまや、世界有数の自転車都市と自他共に認めるまでになっています。

ロンドン市街では渋滞対策としてクルマの流入が抑制されていますし、自転車が一番速くて便利です。今後も自転車通勤する人が増えるのは間違いないでしょう。そして、若い人材を集めるためにも、自転車通勤環境は重視されていくに違いありません。

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こうした自転車フレンドリーなオフィスビルは、その自転車通勤環境の良さが評価され、人気が出ることが予想されます。稼働率のアップや、高水準の賃料も期待できます。奇抜なアイディアにも見えますが、“Studio RHE”の先を見越した戦略的な設計と言えるのではないでしょうか。

日本では、まだまだ自転車通勤は一部の人の話であり、メジャーとは言えません。しかし、少しずつではありますが、その効能を理解し、奨励するような企業も出てきています。満員電車を避けてリフレッシュし、仕事が能率アップするだけでなく、社員の健康増進になり、健康保険組合の財政改善なども見込めます。

さすがに、スロープまでは無理かも知れませんが、盗難や使い勝手に配慮した駐輪場、シャワー室やロッカールームといった設備は十分検討の余地があるでしょう。日本でも先行投資として、自転車フレンドリーなオフィスを開発しようというところが出てくることを期待したいものです。




専門家や著名人なども相次いで声を上げていますが、安全法案採決についての新潟弁護士会会長のコメントが話題になっているようですね。

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