September 22, 2015

必要ならば出かけていく姿勢

教育の大切さは誰もが認めるところでしょう。


教育の機会はあまねく提供されなければなりません。生きていく上での力となり、能力を引き出し、幸せを求める力の基礎となります。それだけでなく、教育は国の将来を背負って立つ人材を育てる国家百年の計でもあります。親の経済力が子供の教育に影響して、格差が再生産されることがないようにする必要もあります。

ただ、機会が与えられたとしても、学ぶのは本人の意欲の問題もあります。子供を勉強嫌いにさせないためには、幼い頃から読書に親しませ、本を読む習慣をつけることも有効とされています。子供の知的好奇心を刺激し、本に親しむためにも、まず本と接触する機会をつくることが求められます。

Bibliobicicletaしかし昨今、子供が本に親しむ機会の減少が危惧されています。小さな頃からゲーム機などが身近にあるため、本を読む時間が奪われているのも事実でしょう。最近は、デジタル化の影響もあり、街から書店が急速に減っていることも、本との接触機会を奪うことになっているかも知れません。

いわゆる格差の拡大によって、子供に本を十分に買い与えられない世帯が増えていることもあるのかも知れません。もちろん、公共の図書館で本を借りる手もあるわけですが、自治体の財政悪化で蔵書が減っていたり、図書館が偏在化して、本屋も図書館もない、言ってみれば本の砂漠地帯とも言うべき地域があると言います。

近くに図書館があったとしても、利用しなければ意味がありません。本を読まない親の子供は本嫌いになる傾向があるそうですし、親が忙しくて、なかなか連れていけないこともあるでしょう。かと言って、最初から子供がすすんで図書館へ通うようになることは期待出来ません。

子供の頃から本に親しむことの大切さに気づいてない親の割合も多いと思われます。最近は、娯楽やレジャーも多様化し、楽しいことがたくさんあります。なかなか親子が本とふれあったり、めぐり合う機会、時間をとれないことも、子供が本を読まない傾向に拍車をかけているのかも知れません。

このような事態に危機意識を持ち、積極的に本と子供を近づけようとしている人たちがいます。図書館の司書たちも、図書館で待っているだけでは、子供たちが来てくれないことを憂慮しています。来てくれないならば、こちらから行く必要があるとばかりに、行動する人たちがいます。

BibliobicicletaBibliobicicleta

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そんな人たちがアメリカ各地で自転車に乗り、子供の元へ、本とめぐり合う機会を作ろうとアプローチしています。自転車の後ろにトレイラーを取り付け、公園やショッピングセンターや、街の中へ繰り出し、子供たちと接触しようとしているのです。

Bibliobicicleta”と呼ばれています。“Biblio”はラテン語からきている接頭語で、「本の」という意味です。“bicicleta”はスペイン語の自転車、bicycleです。つまり、本の自転車です。そのままですが、これに乗って子供たちの元へ出かけ、本に興味を持ってもらおうとしています。

BibliobicicletaBibliobicicleta

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牽引するトレイラーが、本棚スタイルでなく、マガジンラックスタイルなのは、より子供たちの興味をひく工夫でしょう。文字だけの背表紙が並んでいるより、カラフルな絵や写真の入った表紙のほうが子供たちの目を惹きつけ、興味を持ってもらえるであろう事は想像に難くありません。

貸し出すスタイルのものもありますが、無料で本を進呈している“Bibliobicicleta”もあります。よく言われるように、アメリカには寄付の文化があって、幼児教育の重要性や昨今の状況に対する危機感に賛同して、資金や中古の本を寄付をする人も少なくないのです。

BibliobicicletaBibliobicicleta

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“Bibliobicicleta”は、いわば小さな出張図書館です。図書館のほうから出かけていくことで、子供たちに本を読む喜びを知ってもらうことに大きな価値と意義があります。一冊一冊の本は、やがて忘れられてしまうでしょう。しかし、本に親しむ習慣は、将来きっと子供たちの役に立つはずです。

本に親しむ習慣が、知的好奇心や学ぶ意欲を育み、結果として子供たちに幸せをもたらすでしょう。そんな幸せの元を届ける素敵な役割を担っているのです。小さな活動ではありますが、国の将来のためという意味でも、その根っこを支える貢献となっているのではないでしょうか。

BibliobicicletaBibliobicicleta

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これでも100冊程度は積めるといいます。そりゃ自転車よりトラックのほうがたくさん積めるでしょう。でも、自転車だからこそ、子供たちのいる場所へ入って行き、近づいていけます。子供の目線で本を見せられ、子供との距離も縮まります。だからこその“Bibliobicicleta”なのです。

アメリカは、教育の力を十分に理解しています。国として教育に力を入れ、世界のトップ100の大学のうち、半数近くがアメリカの大学です。世界中から優秀な人材が集まり、その優秀な人材が多くのイノベーションをもたらし、ビジネスを展開し、他の国を圧倒するパワーをもたらしているのは間違いありません。

BibliobicicletaBibliobicicleta

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加えて、このような草の根の活動が広がっていることに、アメリカの強さを見る思いがします。格差が大きいのも確かですが、このような活動によって、アメリカの児童の学力を底上げしようとする人たちがいることも、見逃せない点であり、国力の源泉の一つとなっているのかも知れません。

日本でも教育の重要性を否定する人はいないでしょう。ただ、往々にして、それは教育の制度や、先生の教え方などの問題に目がいきがちです。学校、あるいは塾に任せ、教育委員会の姿勢や政府の教育政策を批判するだけではなく、ほかにも必要なことがあるはずです。

子供に勉強を押し付ければ、うまくいくとは限りません。もっと小さい頃から、本に親しむ機会をつくり、知的好奇心を育てれば、自分から調べたり、学んだりする姿勢も育つに違いありません。そして、それは親が与えられる大きな贈り物であることに、もっと注意してもいいのではないでしょうか。




ラグビー日本代表の歴史的快挙、次の日本でのW杯開催に向け、国内の関心を高めたのも大きな成果ですね。

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