October 25, 2015

シンプルにすると便利になる

市販品は、ある程度汎用とならざるを得ません。


日用品でも家電でもソフトウェアでも、何でもそうだと思いますが、製品を売るのに、ある程度広い購買層を想定しなければ、採算が厳しくなります。オーダーメイドならば、要望に応じた機能や仕様を絞ることも出来ますが、市販品の場合は、ある程度の汎用性がないと、お客を絞りすぎることになってしまうでしょう。

結果として、使う側としては、あっても使わない機能や、必要のない仕様、無駄だったり邪魔になったりする装備が残ることになります。自転車にも、当然のようになっている装備や仕様の中に、よく考えると不要なパーツ、いらない部品もあります。

例えば、汎用性の高いママチャリと、舗装路走行に特化したロードバイクを比べると、タイヤの細さやフレーム素材の違いなど以外にも、異なる部分があります。ママチャリにある、前カゴ、泥除け、チェーンカバー、スタンド、荷台、ライトなどが、ロードバイクには装備されていません。

もちろん、ライトなどは必要に応じて後から装着すればいいわけで、ロードバイクに乗るようなシーンにおいて、必要のないもの、邪魔なもの、余計なものを標準で装備する必要はありません。多くの人が使わないであろうものを用意しておいても無駄ですし、かえって不親切ということになるでしょう。

市販品であっても、ある程度の市場規模があれば、製品をカテゴリーに分け、汎用性を狭めることが可能になります。それによって顧客のニーズに応えたり、差別化して使い勝手や性能をアピールすることが出来るわけです。まさに自転車の場合は、市販品の中でもカテゴリーが分けられ、それぞれ特化しています。

自転車の種類によって、それぞれの用途に応じた装備になっています。ただ、人によって、あるいは使い方や使う場所によっては、それでもなお使わないもの、なくても困らないものがあるでしょう。さらに思い切って、不要な部分を取り除くことで汎用性は狭まりますが、より便利になる可能性があります。

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

こちら“FlyKly Smart Ped”は、電動アシスト機能付きのキックスケーターです。一般的なキックスケーターの車輪を大きくした進化形と言えます。ただ、このメーカーは、自転車に後付けで取り付けて電動アシストにする車輪を販売しているメーカーなので、自転車から不要な部分を省いた発想でもあるようです。

つまり、自転車からサドルやペダルやチェーンを省いてしまった乗り物というわけです。近距離の移動や街中での使用を考えたら、いずれも省くことが可能で、なくても問題はありません。かえって実用的かも知れません。電動アシスト機構は残すことで、『実用的なキックアシスト電動自転車』と位置づけています。

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

FlyKly Smart Ped

必要最低限のパーツで構成されており、シンプルなデザインです。コンパクトで、小さく折りたたむことも出来ます。蹴って進むと電動アシスト機構が作動します。単に蹴って進むだけと比べて、アシストが効くぶん、長く進むことが出来るようになっています。

都市部での移動には必要十分であり、アシストがあるのでラクに移動出来ます。街中での走行に充分なスピードで、雑踏の中を移動するような場合でも邪魔になりにくいのが利点です。コンパクトにたためて持ち運びも簡単です。バスや地下鉄などに持ち込むのも容易です。

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

立って乗る形なので、スカートの女性でも問題ありません。コートを着たままなど、自転車に乗るのには邪魔になるような服装でも乗れます。こうした服装を選ばないという点は、街中での、ちょっとした移動には便利で、大きなメリットと言えるでしょう。

公共交通と組み合わせて、都市を移動するのに便利な乗り物、まさに都市交通の手段となりえます。これは、単なる自転車の1カテゴリーに留まらず、新しい都市交通の手段、今までの交通手段の代替手段となりうる、マルチモーダルな次世代の乗り物となる可能性を秘めていると評価する向きもあるようです。

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

FlyKly Smart PedFlyKly Smart Ped

実は、今から100年ほど前のニューヨークでは、AutoPed という乗り物が一世を風靡していました。古い写真を見ると、この“FlyKly Smart Ped”と見た感じ、とても近いものがあります。こちらは小さなエンジンが搭載され、スロットルがついていました。後のスクーターの元になったと言われています。

便利な乗り物として、当時は交通警察官や郵便配達などにも使われていたようです。小回りが効き、細い路地でも入っていけるので重宝されました。その後、シートがプラスされて着座式となり、今のようなスクーターへと進化していったため、この形は姿を消してしまいました。

Photo by Piero,licensed under the Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0 Unported.This image is in the public domain.

AutoPed

100年の時を経て、Eバイクからサドルやペダルなどを省いていったら、まるで先祖がえりしたかのように見える乗り物になったのが面白いところです。でも中身は、地面を蹴って進むキックスケーターの電動アシスト版ということで、よりエコでクリーンな新しい乗り物に進化しています。

何か新しい製品を開発しようという場合、今までにない機能をプラスして便利にしたり、新しい役割や使い方をプラスしようと考えるのが一般的でしょう。FLYKLY 社も、普通の自転車の後輪に取り付けて電動アシストにする、いわばプラスする商品を販売しています。



FlyKly Smart Ped

そんな発想を一転、極力不要な部分を減らし、思い切ってマイナスすることによって生まれた乗り物ということになります。AutoPed にシートなどがプラスされていった流れとは逆に、電動アシスト自転車から、不要な部分をマイナスした結果の製品です。その意味で逆転の発想と言えるかも知れません。

これも例によって、クラウドファンディングサイトで資金調達中です。スクーターに比べれば、足で蹴ったり、立って乗る必要があるぶん、ラクさは後退します。しかし、あれもこれもと機能や装備を欲張るのではなく、用途を絞って特化し、シンプルにする戦略が評価され、支持は伸びているようです。




傾斜マンション、丸投げや工期など業界の構造的な問題で氷山の一角だとしたら恐ろしいものがありますね。

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