November 21, 2015

納得させなければ意味がない

自転車の交通ルールを守らない人は大勢います。


クルマのドライバーや歩行者、自転車に乗らない人など、多くの人から指摘、批難されるところですが、自転車に乗っている人にとっても、ルールを守らない人は危険で迷惑です。そして、事故の多くはルールを守らないことが原因で起きています。

もちろん、クルマでもルール違反をする人はいます。しかし、警察官が見ていなくても、ほとんどの人は赤信号で止まりますし、一定の秩序が保たれています。違反で捕まりたくないだけでなく、違反行為が即、事故につながりかねないことがわかっているからでしょう。

一部に無謀で危険きわまりないドライバーはいるとしても、クルマの通行には一定の秩序が出来ています。歩行者にしたって、駅などの公共の場所などでは、電車に整列乗車したり、降りる人が先だったり、良し悪しは別として、エスカレーターの片側を空けたり、という秩序が出来ています。

自然と秩序が出来るのも、危険や混乱を避けるためであり、そのほうが効率が良く、安全でスムースだからでしょう。しかし、自転車の場合はルール無視が甚だしく、危険なルール違反も多く、一向に改まりません。なぜ、自転車に限って、このようにルール違反がなくならず、秩序が出来上がらないのでしょうか。


「自転車利用者の20%が今でも右側通行している」自転車の新法案守ってますか?


右側通行こちらの調査では、読者542人のうち、ふだん自転車によく乗る人、171人に聞いたところ、およそ4割の68人が自転車の交通ルールを順守していないと答えています。このうち、道路の右側を走行している人が42人と最も多くなっています。

そのほか、通行不可の歩道を自転車で走っているのが8人、傘差し運転が4人、信号無視が4人、無灯火が2人となっています。サンプルが少なく、対象が読者だけで偏りがあるとしても、おそらく一般的にも似たような傾向、それほど遠くない結果になるのではないでしょうか。

信号無視や、一時不停止で安全確認もしないなど、危険な行為は少なくありません。しかし、一番守られておらず、かつサイクリストの多くが危険で迷惑に感じているのが、この道路の逆走、右側通行ではないでしょうか。実際に逆走に行き会うのは日常茶飯事です。


・右側に目的地があったり曲がる予定があるのに、わざわざ左側を走るのは面倒。(27歳女性/機械・精密機器/技術職)
・信号を渡らなくていいため、時間短縮になるから。(20歳女性/学生/その他)
・左側通行の法律を知らなかった。(22歳男性/自動車関連/技術職)


同じ調査で、その理由については、上のようになっています。知らなかったからと言って法律違反が許されるものではありません。仮に知らなかったとしても、危ないと思えばやらないはずです。面倒とか時間短縮というのも含めて、逆走が危険なことだとわかっていないことが背景にあるものと思われます。

「自転車はどこでも走っていいのかと思っていた」という答えをする人もあります。日本では自転車の歩道走行という世界的に見ても間違った道路行政を続けてきてしまった結果、自転車に乗るのは、歩くことの延長のように思ってしまっており、自転車が車両という意識がないことも理由でしょう。

クルマやオートバイの免許を持っている人なら、交通法規を学びますから知っているはずですが、覚えていない人もいます。「学校で習ってない」と言う人もいます。学校だけでなく、警察なども啓発活動に取り組んでいるわけですが、習ったとしても、覚えていないということなのでしょう。

逆走は危険

なかには、「自転車は右側通行すべき」と考えている人もいます。左側通行だと、背後からのクルマの接近がわからず危険という理屈です。後ろから追い越されるのが怖いから、あえて右側通行し、そのほうが安全だと主張する人です。特に最近はHVも増えていているから気づかないことも理由にしたりします。

そう考える理屈は一応理解できますが、そうだとしても、法律で決まっているのに、怖いとか自分の都合だけで逆走するのは、自分勝手、わがままでしかありません。相対速度が圧倒的に速くなるぶん危険でもあります。公共の秩序を乱すものであり、クルマにとっても、他の法律を順守している自転車にとっても大迷惑です。

結局のところ、逆走の危険を理解していないということに尽きるのではないでしょうか。また、逆走で危険な目にあっているのに、それが逆走しているからだということに気づいてないこともありそうです。おそらく考えたこともないのでしょう。しかし、逆走が危険なのは明らかです。

まず、右側通行していて右折する場合です。歩道があったり、見通しのいい交差点ならともかく、街中の比較的細い道路などで、建物などの陰になって見通しの悪い四つ角はたくさんあります。タイミングによっては、そういう場所で、正しく走行している人と出会い頭に正面衝突することになります。

出会い頭の事故が起きる

たまたま左側通行をしていても、比較的細い道路だと、深く考えずに、インコーナーを通って右折しようとする人が少なくありません。これも右側通行と同じであり、キープレフト、左側を通ることを意識していないと同じことになります。実際、そのような場面を体験したり、見たことのある人も多いと思います。

見通しの悪いカーブも同様です。左側通行していて、左カーブで突然右側通行の自転車と遭遇し、ぶつかったり、危うくぶつかりそうになった経験のある人も多いのではないでしょうか。自転車同士であっても、正面衝突は双方のスピードがプラスされますから、相当の衝撃になります。

見通しの悪い左カーブの例

自転車同士の事故だと、あまり報道されません。死亡事故ならともかく、まずニュースにはならないでしょう。でも実際には、自転車同士の事故は少なくとも年間4〜5千件は起きています。怪我の程度がそれほどでもなければ、警察に届けない事故も相当あると思いますので、その何倍も起きているはずです。

当然ながら、クルマとの事故にもなります。クルマが比較的細い道路から、中央分離帯のある幹線道路に出るような場合、クルマもオートバイも自転車も、通常、右方向から来ます。ドライバーは右を注意しながら左折することになります。このような場合、逆走してくる自転車は発見が遅れ、事故になりがちです。

右側通行は危険

交差点でなく、直線部分でも事故は起こります。右側通行している自転車が、路上駐車しているクルマを避ける形で中央方向に出た場合、駐車車両の陰になって発見が遅れることがあります。逆走に加え、夜間、無灯火だったりすると、駐車車両が無くても発見が遅れ、クルマやオートバイと正面衝突する事故が起きています。

このような、右側通行特有の危険性を理解していないからこそ、平気で逆走するのであり、また出来るのでしょう。危険な目に遭って、それが右側通行のせいだと気がつけば改めますが、それとわからない限り続けてしまうわけです。このあたりに、右側通行の絶えない理由があるように思います。

これを改めるには、単に『左側通行しましょう。』と教えるのではなく、なぜ右側通行が危険なのか、どういうリスクがあるのか、納得させるような教育や啓発活動が必要なのではないでしょうか。深刻な事故につながるリスクが高いことや、世間的に大迷惑であることに気づけば、改める人は多いと思います。

警視庁のサイトより警視庁のサイトより

これは、一般的な逆走禁止を啓発する絵です。だいたいこのような絵ばかりです。たしかに、こういうことなのですが、これでは、なぜ逆走すると危ないのかがわかりません。せっかく学校で習ったり、ポスターが貼ってあったりしても、印象にすら残らず、覚えていない、結局守らないということになるに違いありません。

信号無視や、一時不停止での出会い頭の事故などは、その危険性は予想がつきます。でも、逆走はピンと来ない部分があるため、覚えておらず、意識されず、守られないという側面があります。左側通行しましょうではなく、左側通行しないと、あなたの身が危険だと納得させなければならないでしょう。

左側通行左側通行

もちろん、禁止の理由を理解させるだけで、ルール無視の状態が全て解消するとは言いません。しかし、危険であり、割に合わないという理解が進めば、少なくとも逆走は減る可能性があると思います。そして逆走を減らすだけでも、事故の減少に大きく貢献するはずです。

学校にしても、警察などの啓発活動にしても、自転車の交通ルール遵守を促すため、地道に行なわれている活動は多いと思います。しかし、せっかくの努力が無駄になっているとするならば残念です。自転車の場合、わかりにくいリスクやデメリットを理解させるような方法に改めていくべきではないでしょうか。




北朝鮮では、若者に金正恩第1書記の髪型が強要され、厳しく取締られているそうです。笑い事ではないんでしょうが..。

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この記事へのコメント
自分もスポーツバイクに乗るまで、ルールには無関心でした 今は目に余る運転にガッカリしたり危険を感じたりして腹をたてる事もありますが、以前の自分もおそらく無意識で同じ行為をしていたでしょう
自分が今のように密に自転車に関わっていなければ道交法が厳しくなっても無関心だったと思います
ルール厳守! と、啓蒙し続けるのは大切な事ですが 移動手段としての道具以上に 大切な相棒と思っていただく方が早いかもしれません
メンテするより買い換えた方がお得な自転車ばかりだとそれも難しいですかね(安価な自転車を否定しているわけではないです いわゆるママチャリは 求められている機能を備えたよい自転車です)
例え、大安売りな自転車でも、ルブを必ずつけておおよそ何キロ乗ったら注油するように、とか たまには手入れも必要な事など手間をかけ、愛着が芽生えるようにする方が効果的かも、と思う今日この頃です
Posted by yukary at November 22, 2015 16:31
なぜか左側通行を続けると、渡れない交差点や、とんでもなく大回りさせられたり場所や、何周期かたたないと、渡れない信号交差点や必ず自転車を降りて暫く歩行者とならないと通れない所が有ったりする。道路の関係者は、自転車が左側通行する前提でもう一度点検する必要が有りますね。
Posted by なななな at November 22, 2015 18:52
対向する自転車が正面衝突する方向からやって来ることは大変異常なことです、普通は。
逆走する人も知能が0ではないので、自分の行為が異常であると気がつくはずなのですが、歩道ではこれが常態であるので異常であることに気がつきません。
自転車の歩道通行の罪深さです。
日本だけで逆走が問題となる原因です。
逆走を無くすには自転車の歩道通行禁止が最も有効でしょう。
Posted by U at November 23, 2015 21:12
yukaryさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、ルール無視の無秩序状態と言っても、今に始まったことではなく、無関心というのが大きいのだろうと思います。
おっしゃるように、単なる日用品としてでなく、自転車に興味を持てば違ってくる面もあるでしょう。
ただ、無関心と言っても、自転車に乗っている以上、事故になるリスクがあることは間違いないわけで、いかに自分が危険な乗り方をしているかに気づく人を増やすかが重要なのだろうと思います。
Posted by cycleroad at November 24, 2015 22:15
ななななさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、左側通行以前に、自転車で車道を通りづらい部分が、いまだに多いのは否めないと思います。
利用者にルール順守を促すとともに、インフラの整備も同時並行で進めなければならないでしょうね。
Posted by cycleroad at November 24, 2015 22:19
Uさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車の歩道走行が、ルールを無視し、無秩序な状態にしている元凶というのは、私もそう思います。
ただ、警察庁や国交省も原則車道走行を打ち出して、道路行政を転換しようとしていますが、一朝一夕にはいきません。
歩道走行に慣れてしまったがために、車道を逆走するような人も目に付きます。
過渡期には、車道走行と、ルールの順守を促すことを同時に進めていくことも必要なのでしょうね。
Posted by cycleroad at November 24, 2015 22:32
路上の自転車の動きを見ていて思うのは、「信号で止まる」という習慣が失われているということです。車道左側走行をしていても、前方が赤信号になると横断歩道走行、歩道走行、車道右側走行などあらゆる手段を臨機応変に使ってともかく走り続けるという講堂が習慣化しているように感じます。これが是正されて、信号で止まって信号の変わるのを待つという姿が当たり前に見られるようにならないと、左側通行の徹底は難しいと思います。
Posted by telematic at November 25, 2015 16:54
telematicさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
赤信号で横断歩道を使って右折したり、歩道を通ったり、逆走できないようにする、そしてそれを徹底すれば、左側通行せざるを得ないということになるのは、その通りだと思います。
結局、自転車はどこをどう走ってもいいという歩行者の延長のような感覚でいるのが問題であり、それを許してきた自転車の歩道走行という道路行政が一番の元凶ということでしょうね。

Posted by cycleroad at November 26, 2015 23:31
自転車の歩道通行は、警察官でさえ自転車で歩道を走っているぐらいですから、まだまだ続くことでしょう。
法律的にも「車道が危険な場合は自転車の歩道通行を認める」といった文があるぐらいですから、警察官も市民も、それに従って自転車で歩道を走っているのですから。

矛先を向けるべきは、車道を危険にしている自動車に対してでしょう。
自動車が自転車を危険運転や迷惑駐車により歩道に追いやることで、歩道で摩擦が起きている構造を理解する必要があります。
自動車が自転車の安全な進路を阻む迷惑駐車、違法駐車を、自転車レーンでさえ行って、全国の自転車レーンを機能不全に追いやっている自動車の交通モラルの最悪な現状は、これまであらゆるSNSで言及されてきたとおりです。
自動車は速度超過も繰り返しており、バスやトラックなどのプロドライバーからの幅寄せ被害などの報告もサイクリストから絶えることなくがありません。一般ドライバーのモラルなど更に下です。
Posted by GreenTopTube at November 27, 2015 08:41
さらに言えば、せっかくの自転車レーンが歩行者の進入、自動車の進入で台無しになっているケースがあちこちにあります。
自転車レーン整備にかかったコストを、歩行者と自動車が台無しにしているのです。
本来の機能を取り戻すには、自転車だけをいじめるより、歩行者自動車にも厳正な指導なり取り締まりなどが絶対に必要だと言えましょう。
着色だけの自転車レーンは自動車のモラルが低い現状、迷惑駐車、違法駐車により機能不全に陥るのは目に見えているので、車道とレーンをポールなどで分離するのが根本策であり、それしか道がないと思います。

自転車ばかりにツバを飛ばしても、何も解決には向かわない現実があるのです。
しかし、この現実事実を自転車批判で血が沸騰している人に説明するには、粘り強い態度が必要です。私たちはもっと努力する必要があるということですね。

それに、そもそもの元凶は道路行政にあるんですよね。日本は先進諸国でもっとも自転車レーンや構造分離型自転車通行エリアなどの整備を怠慢してきました。
どのような言い訳も通じないレベルの怠慢具合です。
自転車のことを考えていないような未熟で粗悪な設計の道路が多いことからもそれはわかりますよね。
諸外国では考えられない不条理な二段階右折強制も、逆に危険を増すものですから、その辺りも法改正を我々は求めていく必要があるでしょう。
道路だけでなく法律面での整備も重要です。

私たちの命と財産を守る!自転車専用レーン(通行帯)の設置を!署名サイト ACTIONなう!
http://action-now.jp/archives/101
Posted by GreenTopTube at November 27, 2015 08:41
GreenTopTubeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
クルマが危険でないと言うつもりはありませんが、ここでは、自転車のルール違反について述べており、主として自転車同士の危険について述べています。
反クルマ、クルマ憎しで、なんでも対クルマの議論にすり替えているため、見当違いの議論になっています。
もう少し、ご自身の意見を客観的にみる必要があると思います。
Posted by cycleroad at November 28, 2015 22:47
 
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