March 20, 2016

みんなで出来るサイクリング

タンデム自転車に乗れる場所が増えています。


日本では2人乗り、タンデム自転車の公道の走行は禁止されている都道府県が多いわけですが、近年解禁する府県が増えてきています。二輪のタンデム自転車が公道をどこでも走行できるのは、山形、群馬、新潟、長野、愛知、京都、兵庫、広島、愛媛、佐賀、宮崎の11府県になっています。


タンデム自転車、都心での解禁は? ネックは先導役不足

2人乗りのタンデム自転車が公道を走れる地域が増えている。7年前までは長野県だけだったが、今年、愛知、群馬、京都の3府県が加わって11府県に。なぜいまタンデムなのか?

タンデム自転車解禁10月中旬、兵庫県の淡路島。海沿いの道を9台のタンデム自転車が駆け抜けた。NPO法人「サイクルボランティア・ジャパン」のイベントだ。ハンドル操作がいらない後部座席に視覚障害者や知的障害者が座り、ペダルを懸命にこいでいた。普通の自転車より、車体が2・4〜2・5メートルと長いのが特徴だ。全盲の飯田育生(いくお)さん(52)は浜松市から参加した。

「風を感じられるのが魅力。1人では行けないところに行けるのが楽しい」と声を弾ませる。地元の静岡県では「安定性がある」(県警)として三輪のタンデムなら公道を走れるが、「二輪の方が軽くて乗りやすい」と飯田さん。折りたたみの二輪タンデムを持参し、各地のイベントに足を運んでいる。

タンデム自転車は、道路交通法上は公道を走れるが、都道府県の公安委員会が走行できる道路を限定したり、三輪に限られたりするケースが多い。警察庁によると、二輪のタンデム自転車が公道全般を走行できるのは、山形▽群馬▽新潟▽長野▽愛知▽京都▽兵庫▽広島▽愛媛▽佐賀▽宮崎の11府県。

何が、解禁の決め手だったのか。普及を目指すタンデム自転車交流協会の岡田勝博事務局長は「県や県議会に障害者団体などが要望して前進するケースが多い」と話す。(2015年12月18日 朝日新聞)


さらに、富山と鳥取が加わることが報道されています。


富山 タンデム自転車 県内一般道、来月OK 2人の仲 こいで深めて

サドルとペダルが二つずつある2人乗りの「タンデム自転車」の一般道での走行が、県内で来月1日に解禁される。一般道で走行が可能になるのは全国で12番目、北陸3県では初めて。これを受け、富山市は5月からタンデムの無料レンタルを始める。市の担当者は「カップルや友人同士でサイクリングして、楽しんでほしい」と話している。

自転車の二人乗りは、都道府県の公安委員会が禁止しているため、タンデム自転車の一般道での走行も認められていなかった。今回、県公安委が道交法の施行細則を四月一日から改正することで、県内すべての公道で走行が可能となる。

タンデム自転車は、有名観光地がある長野や京都、サイクリングの名所がある愛媛など十一府県で解禁されている。県内では、車に頼らない「コンパクトなまちづくり」を掲げる富山市が利用を進めようと、県警に現行規則の見直しを要請していた。さらに、タンデム自転車には前方に健常者が乗れば、後部に視覚や聴覚に障害がある人も乗車できることから、県内の視覚障害者支援団体からも要望書が出されていた。

同市は既に、神通川の有沢橋東詰でタンデム自転車を貸し出し、道路使用許可を取って河川敷で走行できるようにしていた。五月からは、サイクリングロードが近くにある岩瀬カナル会館と、駅に近く観光客の利用も見込まれる市総合体育館でもレンタルを始める。市の新年度予算には四台の購入費五十万円を盛り込み、準備を進めている。

市の担当者によると、乗りこなすには一定の技術が必要とも。担当者は「前と後ろのこぎ手が息を合わせないと進まない。呼吸を合わせることで、仲も深めてもらえれば」と利用を呼び掛けている。(2016年3月19日 中日新聞)




タンデム自転車 県が無料貸し出し

◇鳥取と倉吉 最大2泊3日

県は今月から、県立鳥取産業体育館(鳥取市天神町)と県立倉吉体育文化会館(倉吉市山根)で、2人乗りのタンデム自転車の貸し出しを始めた。県が定める自転車道だけを走行でき、無料で最大2泊3日レンタルできる。

鳥取タンデム自転車は、複数人数分のペダルとサドルが設けられたもの。小回りが利かない反面、1人乗りより高速で走行できる。公道では原則、走行禁止。ただ、健常者が制動を担当すれば、視覚障害者も自転車の爽快感を楽しめるとして、県は昨年、自転車道など特定区間で運転できるよう道交法の施行細則を改正した。

両体育館には各1台が配備された。走行できるのは、千代川河川敷の県道鳥取河原自転車道線8・6キロ(鳥取市江津―同市国安)と、天神川河川敷の県道倉吉東郷自転車道線5・4キロ(倉吉市伊木―湯梨浜町はわい長瀬)の2か所。米子市でもタンデム自転車が利用できる自転車道の整備を進めており、2016年度中に貸し出しを開始する。

利用は体育館に直接申し込む。自転車とともにヘルメットも借りられる。問い合わせは、鳥取産業体育館(0857・24・2815)、倉吉体育文化会館(0858・26・4441)。(2016年03月08日 読売新聞)


記事にあるように、視覚障害者の団体の要望などによって解禁に動く例が多いようです。ただ、単に視覚障害者の利便性というだけでなく、タンデム解禁とともにレンタル自転車を用意してカップルにアピールするなど、観光客の増加、地元の観光を振興する思惑もあるようです。

実は、道路交通法ではタンデム自転車の公道走行が禁止されていません。法律上は、日本全国どこでもタンデム自転車で走れることになっています。しかし、都道府県ごとの条例や、その中身を定める細則などによって、各都道府県の公安委員会が禁止を定めているのです。

そのため、各都道府県によって、タンデム自転車の公道走行の可否が分かれることになります。それぞれの都道府県で、タンデム自転車が危険だと判断しているということなのでしょう。しかし、例えば、京都や愛知が走行可で、岐阜や滋賀が不可、愛媛が良くて香川がダメというのも、腑に落ちない部分があります。

それが地方自治だと言われれば、そうなのでしょう。しかし、隣の県で、それほど交通の状況は変わらない場合も多いでしょうし、県境まで来たら、それ以上進めないというのも不便です。自転車に乗るほうの立場としては、今ひとつ釈然としないのは否めません。

たしかに、車体が長いため、小回りがきかないなど、特に交差点が多い都市部などでは、危険だとする考え方もわからないではありません。普通の自転車と同じように、歩道の上などに駐輪されたら、歩行者の邪魔になるなどの懸念もあるでしょう。

富山ただ、それならば、市街地への乗り入れを禁止して、郊外は認めるほうがリーズナブルな気がします。一つの県全体を一律に禁止する必要はないと思います。何より、県によって対応が違うというのは、利用したい人にとって不公平感があるのではないでしょうか。

今のところ、視覚障害者団体等からの要望がない都道府県、タンデム解禁による観光客誘致などのメリットが大きくない都道府県は、特に解禁する気はないというスタンスなのでしょう。解禁したとしても、実際問題として、それほどニーズがないだろうと考えるところもあるのだろうと思います。

それでも、徐々に解禁する府県が増えている状況を見れば、横並びの意識が働く可能性もありますし、今後も拡大が期待できるかも知れません。タンデムの希少性から、観光客などに好評、インバウンドも増えるといったことにでもなれば、解禁する自治体も増えそうです。

ところで、実は規制されているのは、2輪のタンデム自転車に限られていることは、あまり知られていません。各都道府県の交通細則などで定められている条文をよく読むと、2輪のタンデム自転車が想定されており、3輪のトライクのタンデムを想定していないところも少なくないと言います。

つまり、トライクのタンデムだったら、13府県以外の禁止されている都道府県でも乗れてしまうところがあるのです。ただ、実際には、わざわざトライクのタンデム自転車を買って乗ろうという人は、ほとんどいないというのが実情でしょう。常に使いたいというニーズは少ないものと思われます。

さらに言えば、4輪のタンデムだと、ほとんどの都道府県で禁止する条文がなく、法令上は乗れてしまうそうです。そのため、わざわざ前後輪をダブルにして、2輪のタンデムと、ほとんど幅の変わらない3輪や4輪のタンデムを試作する会社もあります。ただ、やはりあまりニーズはないようです。

2人乗り、タンデム自転車は、サドル、もしくは座席が2つある自転車です。普通、思い浮かぶのは、上の記事にあるような、前後にサドルがあるものです。でも、実は左右に並んで乗るタンデム自転車もあります。例えば、アメリカの通販サイトには、3輪や4輪で、2人以上で乗れる自転車がいろいろ売られています。

Family CycleFamily Cycle

法令上は、このような並列で乗るようなタンデムに乗れてしまうことになるわけです。とは言っても、遊園地などならいざ知らず、こんな自転車は現実的ではないと笑う人が多いかも知れません。でも果たしてそうでしょうか。こんなタンデムはナンセンスでしょうか。

もちろん、都市部などの交通量の多い場所で使われたら、交通渋滞が発生するなど、周囲の迷惑になりそうです。駐輪などの問題もありますし、あまり現実的でないのは間違いありません。しかし、都市部でなければ、そんな場所ばかりではありません。

QuadracyclePedicab

一部の国道やバイパスなどを除けば、地域内の道路の交通量が少なく、4輪の軽車両が走っていても、それほど邪魔にならないような地域もあるはずです。3輪や4輪で幅があると言っても、軽自動車がゆっくり走っているのと同じで、追い越せばいいだけです。特に問題にならない場所もあるでしょう。

リゾート地などなら、自転車での移動で十分なところもあるに違いありません。速度はゆっくりでも、環境にも優しいですし、イメージアップになる可能性もあります。観光客を呼ぶため、他のリゾート地と差別化するために、こんな多人数用自転車を貸し出したら面白いのではないでしょうか。





観光客のうち、ふだん自転車に乗らない人や高齢者でも、こんなタンデムなら乗りやすいはずです。家族や友人と並んで話をしながら走行出来ます。運転者以外なら写真を撮ったり、何か食べたりも出来るでしょう。また違ったサイクリングの楽しみ方が広がるはずです。

家族や同行者の中に、自転車に乗れない人、体力や脚力的に一緒に走行できない人がいる場合もあります。そのような場合でも、誰かがペダルをこげば、一緒に乗って巡ることも出来るようになります。小さな子供がいる家族でも、一台で安心してサイクリングが出来ます。

Quadracycle地域によっては、過疎で交通量の少ないような場所もあります。ならば、それを逆手にとって、3輪や4輪のタンデム自転車を貸し出すことで、話題になったり、観光客の集客になる可能性もあるのではないでしょうか。交通量の多い国道やバイパスを除くなどすれば、十分可能な場所もあると思います。

公共交通が充実していない場所では、クルマの運転の出来ない高齢の住民のアシとして、あるいは乗り合いの共用交通としても使える可能性があります。前後2輪のタンデムだと危険かも知れませんが、3輪や4輪ならば、安定して転倒の危険もなく、荷物もたくさん載ります。買物難民を解消するかも知れません。

これまでのような前後のタンデムだけだと、乗れる人やニーズも限られます。しかし、タンデムにもいろいろな種類があります。さらに多人数で乗れる自転車もいろいろあります。一般的なタンデムの概念にとらわれなければ、もっといろいろな可能性が広がります。

現在、多くの都道府県でタンデムは危ないからと、一律に禁止されています。解禁するところでも、その想定する形状や用途は限られているようです。幅のある自転車は、他の交通の邪魔だとの懸念もあるでしょう。でも、そんな固定観念や思い込みを捨て、もっと柔軟に考えてみてもいいような気がします。




指定暴力団の分裂による抗争が各地で起きていますが、一般人が巻き込まれることのないように願うのみです。

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この記事へのコメント
40年前にも
銀座のデパートで4輪自転車が展示されているのを
見ましたが
これこそ
電動アシストにすれば
おじいちゃんが孫たちと一緒にサイクリング出来ますね。
Posted by ロードバイク初心者 at March 25, 2016 22:18
ロードバイク初心者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おそらく40年前とは性能が全然違うと思いますから、十分に実用的だと思います。
電動アシストにする手も有効だと思いますし、場所によっては、親子三世代のサイクリングも現実的になるでしょうね。
Posted by cycleroad at March 26, 2016 23:07
 
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