July 30, 2016

既存の店舗とお客を結ぶ戦略

最近、街から減っているものがあります。


いろいろあると思いますが、その一つに街の本屋さん、書店があると思います。全国の書店は減少の一途を辿っており、1999年に2万2千3百店あった書店が、2015年には1万3千5百店弱となっています。身近な書店がどんどん閉店していくと感じている人は多いでしょう。

読書人口が減ったこと、ネットやスマホに時間を使う人が増えたこと、電子書籍の普及など、いろいろ原因はあると思います。しかし、何といっても、アマゾンなどに代表される、オンライン書店、ネット通販の拡大が大きな原因であることは間違いないでしょう。

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クリック一つで買えて、家まで配達してくれますし、マイナーな本でも検索で簡単に探せます。在庫という点でも、街の本屋とは比べものになりません。オンライン書店を使い始めたら、その便利さに、リアルの書店で買わなくなったという人は多いに違いありません。

確かに便利であり、特に中小の本屋が街から消えていくのは仕方がないところかも知れません。オンラインで買える時代に、リアルの本屋は必要ないという人も多いでしょう。ただ、昔からの本好きの人の中には、いつも立ち寄っていた本屋がなくなっていくことに、一抹の寂しさや不便さを感じている人もあるのではないでしょうか。

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最初から決まっている本なら、ネット書店のほうが便利ですが、リアルの本屋には、本を探す楽しさがあります。思わぬ本と出会って買うこともありますし、実際に手に取って、中身を見て買いたくなる本もあるでしょう。仕事帰りなどに立ち寄って、話題の本をすぐに手に入れることも出来ます。

オンラインの書店も便利ですが、街のリアルの本屋がなくなるのは困るという人も多いのではないでしょうか。これは世界的な傾向ですが、そんなニーズに応えるため、新しいビジネスを考え出した人たちがいます。イギリス・ロンドンをベースに事業を開始したスタートアップ企業、“NearSt”(ニアストリート)です。

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この企業、ロンドンの街中にあるリアルの書店を束ねて、アマゾンなどのオンライン書店と対抗しようと考えました。各店舗の在庫データを統合し、ネット上で検索、注文することが出来ます。スタイルはネット書店ですが、実際はロンドン市内のリアルの本屋から買うことが出来るわけです。

郵便番号を入力すると、自宅から一番近い本屋から本を買えるようになっています。リアルの店舗の在庫から、欲しい本を検索して、在庫もすぐわかるわけです。地元の本屋を応援したい、在庫があるなら最寄りの本屋から買いたいという人と、地元の本屋をつなぐサービスでもあります。

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商品は店頭で受け取ることが出来ます。例えば、自宅から徒歩10分のところにある本屋に商品があれば、ネットで注文して取りに行くことで、わずか10分で欲しい本を手に入れられることになります。もちろん、ついでの時に立ち寄ることも出来るわけで、これは地元の本屋ならではのメリットと言えるでしょう。

場合によっては、取りに行くのが面倒だったり、遠い本屋にしか在庫がないこともあります。そんな時は5ポンドの送料を支払えば、注文して1時間以内に届けてくれるサービスを展開しています。大手のオンライン書店でも、一部の地域で即日配達などのサービスをしていますが、1時間というスピードは魅力でしょう。

実は、このスピード配達に自転車(一部スクーター)を使っています。市内の本屋から、本を一冊だけピックアップして顧客の元へ届けるのに、いちいちトラックやバンを使っていたのではコスト的に合いません。自転車だったらコストも安く、小回りも効きますし、トラックより素早く届けることが出来るというわけです。

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中小の本屋の中には、店番のほかに店員を雇えなかったり、配達まで対応するのは困難な店もあるでしょう。この部分もニアストリートが担います。本屋は、売れたらニアストリートに販売手数料を支払うことになりますが、今まで、すくい取れなかったお客を増やすことが出来ます。

ニアストリートは、ネットで探す消費者とリアルの店舗を結ぶことで、新たなビジネスを構築しようと考えているのです。それでいて、すでにあるリアルの書店と提携するわけですから、在庫を抱えたり、倉庫を確保する必要もありません。これはなかなか上手いアイディアです。

そのほか、店舗によっては、ウェブ上で実際の店内を見て回ったり、陳列棚を眺めて、拡大して見たりすることも出来るようになっています。本屋に行かなくても、実際の店舗を歩き回る感覚が味わえます。検索で探すのではなく、パッと目に入ったり、意外な本との出会いがあるかも知れません。

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ビジネスとしては、リアルの店舗を使ったオンラインショップであり、地元の消費者と地元の本屋をつなぐオンラインサービスということになるでしょう。ただ、自転車を使うことで、スピード配達を可能にしたところもポイントだと思います。

このニアストリート、まだスタートしたばかりで、今後消費者に受け入れられ、大手オンライン商店に対抗していけるかはわかりません。しかし、新しい試みであり、ユニークなアイディアであることは間違いなさそうです。リアルの書店の減少を憂う本好きの人にとっては、日本でも展開してほしいサービスでしょう。

インターネットの普及によって、減りゆく商売、リアルからネットへ移行しつつある商売は、本屋に限らないと思います。やり方によっては、リアルの店舗を活かすようなサービスは、まだまだ考えられそうです。そして、もしかしたら、自転車で素早く小口配達というのもポイントになるかも知れません。



いよいよ夏本番という陽気になってきました。ただ、この時期多い水の事故には注意したいものです。

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