September 16, 2016

街での移動と共有経済の行方

所有から共有へと変わりつつあります。


いわゆるシェアリングエコノミーの拡大です。例として挙げられるのが、Uber(ウーバー)や、Airbnb(エアビーアンドビー)でしょうか。どちらもすごい勢いで世界に広がっており、経済の仕組みを根本から変える存在として、既存の産業にも大きな影響を与えつつあります。

Airbnb(エアビーアンドビー)は、個人の家の空いていてる部屋などを、旅行客とシェアします。欧米では、B&B(ビーアンドビー)、ベッド&ブレックファーストと言って、日本で言う民宿やペンションのような、個人宅に泊まらせる、一泊朝食のサービスは昔からありました。

それを、エアー、つまりインターネットなどを利用して、手軽にマッチングできるようにしたわけです。これによって、特に民宿を経営している人でなくても、自宅の空いた部屋や使っていないマンションなどを、旅行者に手軽に貸す、すなわちシェア出来るようになったわけです。

Cycle.land

Uber(ウーバー)は、すでに世界70か国、450都市以上に配車事業を展開しています。スマホのアプリで、タクシーなどが呼べるだけではなく、一般の人が運転する自家用車を呼んで、移動に使うことも出来ます。日本では、白タクとされて違法になってしまいますが、世界では市場が拡大しつつあります。

どこかへ移動したいというニーズに対し、これまではタクシーなどを使うしかなかったケースでも、一般の人のクルマの空いた時間、空いた座席を利用することで、今までより安い料金での移動が可能になります。これまで、使われていなかったリソースを有効活用することにもなるわけです。

例えば、一人で通勤する人のクルマを、同じ方向へ通勤する人でシェアすれば、今まで無駄になっていた座席が有効に使えて、同乗者はタクシーより安く移動てき、所有者も対価が得られ、どちらも得をします。このようなマッチングを、スマホの普及などが容易にしたわけです。

Cycle.land

必要な時に、必要な移動手段が手軽に使えるならば、たまにしか使わない人は、クルマを所有しないという選択も可能になります。実際、マイカーなど、週末にしか使われず、その大半の時間はガレージに置かれているだけのクルマは、相当な割合に上ると言われています。

必要な時、手軽に移動できるならば、わざわざクルマを買って、さまざまな経費をかけて所有している必要はなくなります。金銭的に大きなメリットです。クルマは売れなくなる一方、クルマ全体の稼働率は上がって効率的に活用されることになるでしょう。シェアリングエコノミーは社会に大きな変革を促します。

シェアリングエコノミーは、宿泊やクルマだけではありません。例えば、ブランドバッグのシェアサービスなども登場しています。必要な時、使いたいブランドの最新のバッグが使えて便利ですし、毎回違うバッグを選ぶといった使い方も可能です。特に女性にとっては、うれしいサービスでしょう。

Cycle.landCycle.land

よそ行きのバッグは、それほど使う機会は多くないでしょうし、毎回料金を支払っても、買うより得になるケースも多いはずです。いつも最新の流行のバッグが持てるのも魅力かもしれません。自宅の収納のためのスペースがいっぱいになってしまうこともないわけです。

イベントなどで、ある一定の時だけ、近隣の駐車場が軒並み満車になってしまうような場合があります。一方で、自宅の敷地や、所有する土地に、臨時に駐車させてもいいという人もいるでしょう。両者をマッチングするようなサービスも始まっています。そのほかにもいろいろな分野で、所有から共有へと変化しているのです。

当然ながら、自転車もシェアする対象になります。昔からあるレンタサイクルだけでなく、最近は都市型の自転車シェアリングサービスが、世界中の都市で導入されています。貸し自転車屋と違って、街角に自動で借りたり返却したり出来る無人のステーションがあって、使いたい時、使いたい場所で借りられるサービスです。

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パリやロンドン、ニューヨークといった世界の大都市をはじめ、全世界で500以上の都市に広がっています。その多くは、シェアする台数やステーションの設置個所も多く、広い地域に展開されて、地下鉄やバスなどと同じ、都市の公共交通として機能しています。

ただ、自転車の活用が盛んな街であっても、そうした自転車シェアリングサービスが、まだ導入されていない街も数多くあります。例えば、オックスフォード大学で有名な、イギリスのオックスフォードもその一つです。これまで、地域でのサイクルシェアリングサービスはありませんでした。

それなりのニーズがないと、事業として成り立ちませんし、公的資金で導入するにしても、維持費がかさんで継続させるのが困難になります。使用する自転車の購入やステーションの設置費用、決済などのシステムだけでなく、メンテナンスや適正な配置を維持するための運搬など、いろいろなコストが必要です。

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オックスフォードで導入の予定はありませんでした。そこで、同大学の卒業生、Agne Milukaite さんらがベンチャーを立ち上げ、新たなシェアリングサービス、“Cycle.land”の展開を始めました。これを使えば、個人が所有する自転車を、スマホのアプリなどを使って、簡単に借りたい人とマッチングすることが出来ます。

借りたい人は、リストの中から借りたい場所や自転車のタイプなどの条件にあうものを選んで申し込みます。料金はネットを通じて少額決済ができる“Paypal”を使って決済します。借りる人は、一般のレンタサイクルより安く借りることが出来る一方、貸す人は、使っていない自転車を貸しておこづかいを稼げます。

これならば、都市型自転車シェアリングサービスと違って、始めるのに大きな資金は必要ありません。自転車は個人のものですので、購入費用は発生しません。メンテナンスを含め、所有者が維持していくので、特段の維持費も不要です。稼働率を気にする必要もないわけです。

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貸出ステーションの設置も必要ありません。それぞれが駐輪している場所から、借りる人が乗っていくだけです。番号式のロックの番号を聞けば開錠出来ますから、所有者もいちいち立ち会う必要はありません。回収や配送もありませんし、人件費もかからないので、サービス開始の敷居は限りなく低いと言えるでしょう。

料金は、自転車によってまちまちです。安いものは一日1ユーロ、あるいはそれ以下のものもあります。通常のレンタサイクルだと、一日15ユーロ以上のようですので、自転車は古いかも知れませんが、とてもリーズナブルな料金で借りることが出来るわけです。

今のところ、都市型の大規模なシェアリングサービスと違って、街角で借りて、別の街角へ返すような使い方や、時間単位での貸し借りには向きません。しかし、オックスフォードのような街でのニーズは、観光や所要で訪れた人の足とか、地元の人が臨時に使うなどでしょうから、おそらく、それで十分と思われます。

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このような、個人と個人を結ぶ自転車シェアリングサービスは、目新しいものではありません。すでに多くのベンチャーなどが始めています。このブログでも、そのいくつかを取り上げてきました。このサービスも、そのうちの一つということになります。

この“Cycle.land”、オックスフォード大学なども支援していますが、オックスフォードだけのサービスではありません。当面、同市を中心に展開していくことになりますが、イギリスの他の街や、さらには世界も視野に入れています。可能なら、Uber や、Airbnb のようなプラットフォームにしたいと考えているようです。

競合が多数ありますから、世界標準にするのは簡単ではありません。これからも同種の試みや、新たな仕組み、アイディアで参入してくる企業も多いに違いありません。ただ、いずれにせよ、自転車の利用についても、シェアリングエコノミーが広がっていくことは間違いないでしょう。



と言っても、誰もが自転車を所有しなくなるわけではありません。毎日通勤で使うような人は、所有したほうが便利でしょう。自分の愛車を貸したくない人だって多いに違いありません。ただ、それほど頻繁に使わないから貸してもいい、あるいは、必要な時に使えれば、所有しなくてもいいという人も大勢いるはずです。

自転車の世界でもシェアリングエコノミーが広がっていけば、メリットも多々あります。仕事や旅行などで出かけた先で、手軽に自転車が使えれば便利でしょう。輪行で、自分の自転車を持っていかなくても済むようになります。レンタカーを使う人が減って、環境負荷が減るかも知れません。

街にあふれる迷惑駐輪、放置自転車なども理屈としては減ることになります。街の駐輪のキャパシティには限りがあるわけですから、共有が進んで、全体の台数が減るならば、歩行者の通行の邪魔になることも減るはずです。自治体も撤去や移送作業にかかる経費を減らせることになるでしょう。

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既存のレンタサイクル店にとっても、必ずしもマイナスとは限りません。“Cycle.land”にも、地元のレンタサイクル店が登録して所有する自転車を載せています。個人のものと価格帯は違いますが、借りたい人の中には、メンテナンスされた程度のいいものや、カーゴバイクなどを選びたい人もいるに違いありません。

レンタサイクル店にとっても、借りてもらう機会が増える可能性があるわけです。利用者も、個人のものから業者のものまで、同じプラットフォームで探せて、比較検討できるのは便利です。単なる貸し自転車ではなく、自転車による観光ツアーを提供する業者などにとっても、新たな利用者獲得手段になるでしょう。

クルマの販売が激減するなど、経済が大きく変わる可能性のある分野とは違って、自転車の場合は、それほど大きな社会の変革を促すものではないかもしれません。しかし、移動の選択肢が増えて便利になったり、環境面なども含めて、いい変化が起きていく可能性はありそうです。




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