October 07, 2016

商売道具もバージョンアップ

脱サラや起業をする人たちがいます。


それまでの経験や専門性を生かして独立開業する人もあれば、今どきならインターネットを使った商売を始める人もあるでしょう。いろいろな事業を始める人がいると思いますが、昔から定番と言えるのは飲食店でしょうか。身近ですし、不況などにも比較的強いと言われています。

ただ、店舗を構えて開業するとなると、ある程度の資本が必要になります。それも、お客の多い駅前など、場所によっては高額になります。飲食店の種類によってはノウハウや調理の腕も必要となるでしょう。什器備品なども必要ですし、従業員も雇用しなければなりません。

リスクを下げたいなら、移動販売も考えられます。軽トラやバンなどを改造する資金は必要ですが、店舗を構えるのと比べ、必要な資金は大幅に小さくて済みます。固定の店舗と違い、売り上げが芳しくなかったら、いつでも場所を変えることが出来ます。これは大きなメリットです。

Wheelys

さらに、クルマでなく自転車にすれば、初期費用もランニングコストも大幅に抑えられます。そう考える人に向けて、移動営業するカフェ用の自転車を提供する会社を始めた人たちがいます。以前にも取り上げましたが、“Wheelys”です。いまや、去年一年間だけで、世界60か国に500台以上を出荷するまでになっています。

WheelysWheelys

移動カフェ用のカーゴバイクを販売するだけでなく、月額費用をとって、フランチャイズとしてノウハウの提供やサポートもしています。個人のカフェよりも、“Wheelys”という看板の元に営業したほうが、より信頼感があり、利用してもらいやすいということもあるでしょう。

WheelysWheelys

さて、その“Wheelys”が、さらにパワーアップしています。これまでに何度か仕様やコンセプトをブラッシュアップし、今では、“Wheelys 5”です。元々は、オーガニックのコーヒーを自転車式のカフェで提供するというシンプルなものでしたが、環境への配慮など、新たにコンセプトを加えて、より魅力を高めてきています。

“Wheelys”というブランドを、2、3、4、5とバージョンアップしてきたスタイルは、コンピュータのOSやソフトウェアを思わせますが、それを意識しているのは間違いないでしょう。今度のバージョン5のコンセプトは、オープンソースだと言います。

WheelysWheelys

最初の“Wheelys”は、まさしくカーゴバイクの荷台部分に商売道具を載せただけのものでしたが、今回のものは、モジュール化したバーツを選ぶことで、さまざまな機能や特徴を持たせたり、移動式カフェを拡張させることが可能となっています。カフェに加えて新たなメニューの販売も可能なプラットフォームです。

例えば、エスプレッソのモジュールを組み込めば、新たにエスプレッソコーヒーをメニューに加えることが出来ます。フリーザーを加えて、アイスクリームを販売したり、クレープメーカーを加えて、クレープも併売することも可能です。ほかにもジューサーや、各種のコーヒーメーカーなどが用意されています。

WheelysWheelys

WheelysWheelys

コーヒーだけでは、他と差別化できないとか、売り上げをもっと上げたいといった挑戦や試行錯誤も可能にしているわけです。もともと、場所を自由に移動して、お客のいる場所で営業できるのが、自転車カフェのメリットですが、時と場所によっては、違うメニューが欲しいケースもあるでしょう。そうしたニーズに対応します。

ソーラーパネルや風力で発電する装置などを装着することも出来ます。LEDを使ったサインとか、ビルトインのスピーカー、ハンドシンクといった装備もあります。もちろん、自転車部分についても、電動アシストやディスクブレーキなどが用意されています。

WheelysWheelys

バージョン1では、文字通りのカーゴバイクのままでしたが、新しいバージョン5では、営業時にカーゴバイク全体が屋台の店舗のようになる一方、移動時には小さくたためるようなシステマティックなものとなっています。初代に比べ、全体のデザインも洗練されてきています。

モジュールや装備の選択によって、さまざまにカスタマイズできるようになっており、同じ“Wheelys”でも、多様なスタイルの店が誕生することになります。国や地域、営業する場所や顧客層、季節や時間帯、周辺環境や競合店の有無など、さまざまな要素に対応して、より柔軟に変化させられるようになっているわけです。

WheelysWheelys

例によって、今回も“Indiegogo”で資金調達を行っていますが、早々に目標額を大きく上回る資金を獲得しています。スウェーデン発の自転車カフェのブランドとしても、支持を集めていることがうかがえます。移動式カフェを始めようという人たちの選択肢の一つとして、認知も広がってきているようです。

さまざまな飲食店の中でも、コーヒーは調理の腕も、特別なノウハウも必要としません。人手もかかりませんし、フランチャイズなら、開業の敷居も低そうです。さらに、コーヒーだけでなく、さまざまなメニューを組み合わせたり、独自にカスタマイズ出来るならば、繁盛する確率も高まるかも知れません。

WheelysWheelys

日本では、カフェ市場が飽和状態に見えます。昔ながらの喫茶店に加え、スターバックスやタリーズ、ドトールなどのセルフサービス式のカフェも増えました。さらにマクドナルドなどのファーストフード店でもコーヒーは提供されており、街には競合店がひしめいているように思えます。

しかし、そんな中でも、数年前にはコンビニ・コーヒーが大ブレークしました。だからと言って、他のカフェがそのぶん減ったわけではありません。最近も全国各地で、郊外型のカフェチェーンが増えていますし、新たに参入するチェーンも出てきています。



つまり、素人目には飽和状態に見えたものの、実はそうではなく、市場は拡大しているわけです。昼食を何回も食べる人はいませんが、コーヒーを飲む回数は1回とは限りません。今まで飲まなかったような場面で飲むようになったケースも増えているのでしょう。

街に、チェーンのカフェなどがあるのは見慣れた光景ですが、まだまだ近くにない場所もたくさん存在するはずです。通勤経路に移動式のカフェが出ていれば、新たに飲む気になる人が出てくるかも知れません。公園とか、散歩道の脇にお店が出ていたら、つい足をとめる人もあるに違いありません。

WheelysWheelys

イベント会場とか、行列ができるような場所、一時的にたくさんのお客があふれるような場所もあるでしょう。オフィス街以外でも、昼間の人口が増えるのに、お店が不足しているような場所もあるはずです。今まで飲まなかったようなシーンで、飲みたくなるようなケースもあるに違いありません。

日本人の消費量がどこまで伸びるのかはわかりませんが、さらに拡大すると見る企業も多いようです。自転車カフェで機動的に探るならば、埋もれたニーズが見つかっても不思議ではありません。日本でも“Wheelys”のような移動式カフェが展開出来る余地は、まだまだあるのかも知れません。




サッカー日本代表のイラク戦、ハラハラしましたが、よく勝ちました。やはり、最終予選は簡単ではありませんね。

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