January 08, 2017

昔の自転車から自動運転まで

寒の入り以降、厳しい寒さとなっています。


年の初めは暖かい日が続いていましたが、ここのところ一転して気温が低くなっています。自転車に乗っても、いよいよ寒さが身に染みる季節となってきました。さて、そんな折りですが、年末年始の自転車関連のニュースを振り返っておきたいと思います。


105歳のフランス人男性、自転車競技で新記録達成

105歳105歳のフランス人サイクリスト、ロベール・マルシャンさんが4日、パリ郊外の自転車競技場で22.547キロを60分で走破する記録を達成した。

この記録は自身が2014年に達成した26.927キロには届かなかったものの、105歳以上としては新記録。マルシャンさんはBFMTVの取材に、「最後の10分は表示を見なかった。そうでなければもっと速く行けたはず」と話している。

マルシャンさんは身長150センチ、体重50キロ。専門家によると、心臓が非常に大きく酸素消費量は運動をしていない50代男性と同程度。現在はパリ市内で1人暮らしだが、「楽観性」「笑い」「たくさんの友人」のおかげで健康を保っているという。

1911年に生まれ、22歳の時に監督から、その体形ではチャンピオンにはなれないと断言されるまで自転車に熱中した。その後は消防士や森林伐採などさまざまな職業を経験、75歳で再び自転車を始めた。

1カ月前からベジタリアンになったというマルシャンさんの1日は、10分間の健康体操と室内バイクこぎで始まる。バナナとイチゴ、ヨーグルト、砂糖入り緑茶の朝食を済ませ、新聞には毎日目を通してスポーツや栄養に関する本を読む。市場へも毎日出かけて野菜を買い、昼食は自分で調理。週に1度はグラス1杯の赤ワインを楽しみ、週に4回は友人たちと屋外サイクリングに出かける。

今回の挑戦を前にマルシャンさんは、「記録を破るために来たわけではない。105歳でもまだ自転車に乗れることを証明したい」と話していた。(2017.01.05 CNN)


新年最初はおめでたい話題から。一部テレビなどでも報道されていましたので、ご覧になった方もあると思いますが、105歳のサイクリストが新記録です。2014年の時も取り上げましたが、105歳になっても、時速22キロ以上で1時間走り切るとはすごい健脚です。

105歳でもまだ自転車に乗れると言うより、自転車に乗っていたから105歳まで健康という面もあるに違いありません。健康に長生きというお手本のような人です。高齢者になると、どうしても運動しなくなると思いますが、75歳で再び自転車を始めたという点にも注目していいのではないでしょうか。


沖縄県、自転車利用促進へ 渋滞緩和、観光創出に期待

沖縄沖縄県は全国一深刻な沖縄の道路渋滞対策と新たな観光資源の創出を目指し、自転車の利用促進を進めている。2016年12月には県を中心に沖縄観光コンベンションビューロー、41市町村などが連携し自転車利用環境創出について情報共有する「サイクリングコネクトセッション」も始動した。

自転車活用推進法が可決され、エコな移動手段として自転車が注目される中、自転車普及率・保有台数ともに全国最下位で「日本一、自転車に縁がない」沖縄がどう変化していくか注目が集まる。

10年に行われた国勢調査によると、通勤・通学時の移動手段を自家用車と回答した県民は64・6%だったのに比べ、自転車利用者は3・6%にとどまる。また、自転車保有台数を人口で割った自転車普及率は全国平均が54%なのに比べ、沖縄は約17%。県は県民が自転車に乗らない理由を「利用の機会が少ないことに加え、交通ルールを知らない」ことにあると分析し、自転車教室やポタリング(自転車での地域散策)の開催で、まず自転車に親しんでもらおうと考えている。

16年は台北市など台湾で普及しているレンタル自転車「ユーバイク」の運営会社社長と翁長雄志知事の面談も行われており、今後レンタル自転車での二次交通なども県は検討していくとみられる。(2017年1月4日 琉球新報)



台湾発の自転車シェア「ユーバイク」 沖縄展開に関心

沖縄台北市や中国泉州でレンタル自転車「ユーバイク」を運営する微笑単車(台北市)の何友仁(ハ・ヨウレン)社長は27日までに沖縄タイムス社のインタビューに応じ、「沖縄がユーバイクを導入すれば、沖縄がさらに住みよい街になる。(沖縄側が希望すれば)協力する」と述べ、沖縄での展開に関心を示した。

何社長は「今のところ、沖縄で具体的な整備計画はない」としたものの、導入前には「各種条件を慎重に評価する」とも述べた。条件として気候や人口密度、公共交通の状況、道路の状況、外出に関する人々の習慣、交通政策や道路に関する施策などを挙げた。

何社長はレンタル自転車について「自転車のシェアリングは世界の流れ。現代の都市に不可欠なシステム。自転車に乗ると、ストレスの解消や環境に対する負荷の軽減になる」と説明。「観光客に対しても、街を楽しむ上で新たな選択肢を提供することができる」と、観光振興にもつながると強調した。

沖縄については「世界各地から観光客が訪れる著名な観光地。ツール・ド・おきなわも世界的に知られた自転車のイベントだ」との認識を示した。

ユーバイクは「ポート」と呼ばれる無人のステーションで自転車を有料で借りたり、返したりする仕組み。微笑単車によると、12月16日現在、台湾ではポート907カ所、自転車2万5607台を運用。中国では同10日に泉州市安渓県で運用が始まり、泉州全体では265カ所、8520台となった。 翁長雄志知事も11月26日、同社で何社長と意見交換し、台北市内のポートを視察している。(2017年1月7日 沖縄タイムス)


これまで、沖縄からの自転車関連の話題というのはあまり聞きませんでしたが、沖縄県でも自転車の活用に関心が高まっているようです。沖縄は、唯一のモノレールを除いて鉄道がなく、クルマでの移動が当たり前になっています。わずか1ブロック先であってもクルマで行くと揶揄されるほどのクルマ社会です。

そのため県民の運動不足が指摘されており、かつて他の都道府県より長寿を誇っていた沖縄は、その順位を大きく下げています。自転車の活用を図ることで、渋滞の解消や環境負荷の低減、観光客の利便性だけでなく、県民の健康促進という効果も期待できるのではないでしょうか。


多彩なポーズで海道利用に安らぎ 自転車駐輪、人型スタンド人気 今治市内6ヵ所

島しょ部を含む今治市内6カ所に設置された人型サイクルスタンド「6人のシクロ・ツーリスト」の人気がサイクリストの間で徐々に広がっている。駐輪すると、またがったり持ち上げたり、それぞれ違ったポーズに見え、瀬戸内しまなみ海道を走る自転車愛好者に安らぎを提供している。

人型スタンド人型スタンド

「6人の―」は鉄製で3世代6人家族の設定。スマートフォンで背中のQRコードを読み取ると使い方が表示される。考案者は神奈川県鎌倉市の1級建築士、馬場俊一さん(50)。今治市中心市街地再生協議会が2012年に行ったサイクルスタンドデザインコンテストの「一台駐輪部門」で最優秀賞に輝いた。

人型スタンド人型スタンド

スタンドは同協議会とNPO法人シクロツーリズムしまなみが13年11月〜16年2月にほぼ市費で、伯方S・Cパーク マリンオアシスはかた(伯方町叶浦)、市伊東豊雄建築ミュージアム(大三島町浦戸)、早川港(宮窪町早川)、市なみかた海の交流センター(波方町波方)、JR今治駅(北宝来町1丁目)、今治城(通町3丁目)の順に設置。16年の日本サインデザイン賞で国内外の303点から優秀賞に選ばれた。(以下略 2017年1月4日 愛媛新聞)



愛媛県、自転車で四国一周ルート選定へ 愛好家呼び込み

愛媛県は21日、四国を一周する全長1000キロメートルの自転車コースを選定すると発表した。他の3県の協力を得て、2017年3月にルートを決める。自転車愛好家の人気が高まっている瀬戸内しまなみ海道とも関連づけ、四国全域で交流人口を増やす。

一周コースを設定した上で、コースを示す道路上の「ブルーライン」や休憩所「サイクルオアシス」の整備で3県と連携する。宿泊地の選定や体験ツアーを通じたPRもし、自転車による観光客を増やす環境を整える。

海外、特に台湾で一周コースをアピールする。台湾一周の自転車コースが900キロメートルで規模が近いことから、同地域の愛好家らを取り込む。

中村時広知事は同日の記者会見で「玄関口である松山を起点にし、最後にしまなみ海道に行くのが一つの考え方」と述べ、四国一周コースとしまなみ海道を連携する案も示した。(2016/12/22 日本経済新聞)


しまなみ海道を擁する愛媛県は、さらにいろいろな施策を進めています。スタンドの設置などは、小さなことですが、訪れた人にとって、他の場所とはひと味違うと感じさせるでしょう。お遍路の土地ですし、四国一周というのも可能性を秘めた取り組みかも知れません。


自転車観光の休憩所指定 浜松・浜北区の県立森林公園「森の家」

赤城へ自転車レーン 「自転車のまち・前橋」をアピール

森の家宮崎

宮崎市で1月20日にシンポジウム「自転車パラダイス“みやざき”をめざして!!」を開催



自転車「アヴィレ」で観光を 富商生がコース紹介

リーフレットを作成

富山富山商業高校の生徒が、授業の一環として市内のレンタルサイクル「アヴィレ」で巡る富山駅周辺の観光リーフレットを作った。高校生ならではの視点を盛り込んだ全三コースを掲載。市によると同様のリーフレットはこれまでに作ったことがないという。百二十部の限定で、五日から市内三カ所で配布を始めた。

作成したのは、流通経済科三年の舟橋茉奈さん、浦嶋希さん、村尾優希さんの三人。富山駅周辺の活性化や環境都市をアピールしようと企画した。昨年四月からアイデアを出し合い、夏休みに実際にアヴィレに乗って候補地を取材。昨年末に完成させた。

リーフレットはA4判で両面カラー。一時間半と二時間、両方を合わせた三時間半の各コースがあり、いずれも富山駅が発着点。富岩運河環水公園や市役所展望塔のような主要観光地だけでなく、女子高生らしくお薦めのソフトクリーム店も紹介。大人でも楽しめるようにと、昔ながらの雰囲気が魅力の千石町通り商店街も加えた。三時間半のコースは、市中心部の六カ所を巡ることができる。

舟橋さんと村尾さんがこの日、同駅前にあるCiCビル、市観光協会、富山地鉄ホテルに出向いて、リーフレットの配布を依頼した。舟橋さんは「幅広い年代の人に使ってほしい」と話し、村尾さんは「県外の人にも富山の良さを知ってもらい、観光客を増やしたい」と期待を込めた。リーフレットは、市観光協会のツイッターでも閲覧できる。

アヴィレの運用は二〇一〇年から始まり、市中心部二十カ所の貸し出しステーションに、二百二十台を配備。昨年十一月末までの定期パスの登録者数は、延べ千三百九十七人。(2017年1月6日 中日新聞)


これまで、特に自転車による観光振興やインフラ整備に熱心ではなかった地域からも、いろいろなニュースが伝えられています。自転車のまちとか、自転車パラダイスなどと名乗って、自転車による地域振興を目指そうと考えるところが増えています。

富山のニュースは、地味ですが、高校生に授業の一環としてリーフレットを作らせるというのは、面白い取り組みです。地元の若者に対する啓発にもなり、地域を改めて知るきっかけにもなります。観光客には、高校生ならではの新しい視点を提供するなど、一石何鳥も見込めるのではないでしょうか。


スーパーカー自転車に脚光 高知市の店に20台眠ってた

1970〜1980年代に子どもたちの間で大流行した自転車がある。車のシフトレバーのような変速機、角張った二つ目ライト、流線形のハンドルなどが特徴の「スーパーカー自転車」。近年、インターネット上などで再び脚光を浴びており、高知市内の自転車店でも倉庫に眠っていた品が思わぬ人気を集めている。

スーパーカー自転車

当時のスーパーカーブームを背景に、メーカー各社が次々と新商品を売り出した。方向指示器や開閉式のライトなど、自転車に必要なさそうな装備も多かったが、派手な装飾が少年たちの心をがっちりつかんだ。

高知市追手筋1丁目の高知輪業花虫商会でもかつては人気商品だった。ただ、1980年代前半からブームは徐々に下火に。売れ残った約20台は最近まで倉庫にしまったままになっていたという。

社長の岡林秀享(ひでゆき)さん(63)は「ほっぽっちょっただけ」で、それほど高値で売れるとは思っていなかったが、2016年8月末、東京から高知に帰省した長男の洋一さん(38)が倉庫を見て気付いた。

「これ、最近人気がある自転車や」試しに1台をネットオークションに出してみたところ、10分後に十数万円が付き、最終的には19万円で落札されたという。...(以下略 2016.12.13 高知新聞)


ライトやウィンカー、シフトレバーの形状は、今では考えられない形です。当時のブームの時に乗っていた方もあると思います。その年代の方には懐かしい自転車でしょう。およそ実用的とは言えないにも関わらず、高値で落札されるのは、コレクター的な需要もあるのかも知れません。


自転車購入直後に転倒で後遺症「ギアの欠陥のせい」 堺市の製造会社を提訴

自転車の購入2日後にペダルが空転して転倒し、腕に後遺症を負ったのはギアの欠陥が原因として、大阪府和泉市の男性(52)が、自転車を製造、販売した「アサヒサイクル」(堺市)とギアのメーカー「シマノ」(同)に約8100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが22日、分かった。同日開かれた第1回口頭弁論で開かれ、2社は「事故原因は争わないが、賠償額について反論する」と主張した。

訴状などによると、男性は平成26年12月11日に自転車を購入。同13日に大阪市内を走行中、トップギアに変更してペダルを踏んだ際に空転が起き、転倒して左腕を骨折し、腕が動きにくくなる後遺症を負った。

アサヒサイクルはギア部分の欠陥が原因による重大製品事故として経済産業省に報告。取材に対し、欠陥があったのは男性が購入した製品のみだったとしている。(2016.12.22 産経新聞)


シマノが訴えられています。どのような欠陥なのか、詳しいことは書かれていません。ただ経産省に報告するような重大事故で、後遺症を負うような可能性があるのだとしたら、どのような欠陥で、どのような事故の可能性があって、なぜ一件だけと断定できるのか、詳細を公開してほしいものです。


俳優・苅羽悠さんがマウンテンバイクで歩行者と衝突 40代男性は死亡 東京・六本木

30日午前5時10分ごろ、東京都港区六本木の歩道で自転車と歩行者が衝突し、歩行者の40代男性が死亡した。警視庁麻布署は、自転車に乗っていた飲食店従業員の苅羽悠(かりわ・ゆう)さん(32)=東京都渋谷区=から重過失致死容疑を視野に事情を聴いている。

同署によると、現場は港区六本木の陸橋上の歩道。苅羽さんがマウンテンバイクで走行中、反対方向から歩いてきた男性と衝突した。男性は転倒して後頭部を強打し、搬送先の病院で死亡が確認された。苅羽さんは勤務先から帰宅途中で「歩道に気を取られていて目を上げたら歩行者がいた」と話しているという。

苅羽さんは俳優としても活動しており、今年10月〜12月に放送された日本テレビ系の連続ドラマ「THE LAST COP/ラストコップ」などに出演していた。(2016.12.30 産経新聞)


これも、報道だけでは事故の状況はわかりません。歩行者に気が付かないほど、歩道に気を取られるものでしょうか。40代の歩行者は避けられなかったのでしょうか。おそらく相応のスピードが出ていたのでしょうが、歩道走行が危険なのは間違いないとしても、なぜこのような事故に至ったのかが気になります。


Uberの自動運転車はサイクリストを危険にさらす、と自転車愛好家グループが警告

車のオンデマンド配車で巨大企業になったUberは先週、州の許可なしで公道上の自動運転車のテストを行い、論議を招いた。本日(米国時間12/20)Uberは、自転車愛好家たちが、その試験車両には右折時の“右フック”(巻き込み)問題があり、サイクリストを重大な危険にさらす、と警告したため、火に油を注ぐ結果となった。

このシナリオでは、車両が自分の車線から右折しようとするとき、自転車用車線に合流してから安全に右折を完了するのではなく、曲がり角でサイクリストを妨害することもありえる。

San Francisco Bike Coalition(サンフランシスコ自転車連盟)によると、これが、自転車と自動車の接触事故の主な原因の一つであり、今年の初め、Uberのためにビデオでコンサルティングしたときにも指摘した事実である:

この種の方向変えは、重傷や死亡に結びつくような自動車と自転車との接触事故の、主な原因の一つとして知られている。それはまた、われわれが職業的運転者に提供しているすべての交通安全教育において注意を喚起している、危険な行為である。その教材には、この秋というごく最近の時期にUberのためにコンサルティングしたときの、ビデオも含まれる。

The Guardianの記事によると、Uberはこの問題を知っているが、その自動運転車両の稼働を継続した。その場しのぎの策としてUberは、自転車専用車線のある道路で右折するときには人間運転者が運転するよう、命じていたという。

この“右フック”問題が大きく報じられるよりも前にカリフォルニア州の司法長官Kamala Harris(州選出の上院議員にも選ばれている)は、州自動車局の特別許可が得られるまでUberのテストを中止するよう要求した。

Uberは、Self-Driving Coalition for Safer Streets(より安全な道路のための自動運転連盟)の創立メンバーだ。本誌TechCrunchは、この記事のアップデートのために、同社と連盟にコメントを求めている。(2016年12月20日 TechCrunch Japan)


自動運転車がサイクリストを危険にさらす可能性は当然考えられます。安全性を確立するため実験が必要なのは理解できます。ただ、事故が懸念される、あるいは可能性があるにも関わらず、知らないうちにテスト車が走行するような状況があるとしたら問題です。まだまだ、紆余曲折が予想されます。


クリエーターや自転車通勤者が選ぶ「ギアスーツ」って何?

ギアスーツここ数年、「クラシック回帰」がキーワードと言われつづけてきたスーツに、まったく異なった潮流が生まれている。ジャケットとパンツ。あくまでも形はスーツでありながら、防風、透湿(とうしつ)、防シワ、撥水(はっすい)といった高い機能を有する「ギアスーツ」と呼ばれる新しいビジネスウェアである。

最初にこういったウェアを採り入れたのは、建築家、グラフィックデザイナー、ITプログラマーといったクリエーター的な職種のビジネスマン。デスクワークで着用しているときの快適さは、カジュアルウェアに負けず、クライアントとの打ち合わせで着用すると、カジュアルウェアよりもきちんとした雰囲気になる。そんなところが、クリエーターたちが「ギアスーツ」を選んだ理由である。

次に、昨今増えてきた自転車通勤のビジネスマンにも「ギアスーツ」を愛用する人が多い。彼らが選んだ理由は、このウェアが持っているタフさにあるに違いない。先日、ある百貨店で「ギアスーツ」に関するトークイベントを行ったときに、以下のような話をした。

「スーパー120の生地だから、いいスーツです。こう勧められて購入したスーツ、自転車通勤で着用していると破れてしまいます」。ビジネススーツを購入するときに聞く、スーパー120あるいはスーパー140というのは、糸の細さを表している。数字が大きいほど細い糸を示しているので、こういった細い糸で織ったスーツは一般的にしなやかである。ただ、それがすべてのビジネスマンにとって「いいスーツ」であるかどうかは、また別の問題。自転車通勤のビジネスマンにとっては、「ギアスーツ」のタフさこそが選ぶべき理由になるというわけだ。(中略)

ファッション業界は、いまちょうど、きたる2017年春夏の展示会の最中。来シーズンの商品を見ると、ビジネスウェアのブランドからも、スポーツブランドからも、さらにはカジュアルウェアのブランドからも「ギアスーツ」の提案が増えている。つまり、この新潮流は、クリエーターでも自転車通勤者でもない、新しいユーザーにまで広がる大きなトレンドになると見込まれているということである。用途は、ビジネスだけとは限らない。快適な着心地を重視したいトラベルウェアとして、ちょっとモードな雰囲気でまとめたい週末ウェアとして。その可能性は、大きく広がっている。(2016年12月22日 朝日新聞)


すでに一部では、自転車通勤に向いたスーツなども売り出されていますが、職場まで自転車通勤している人にとって、服装の問題はいろいろと悩ましい部分があると思います。自転車通勤に向く服装が一般的になるならば、自転車通勤者にとっても選択肢が増えることになり、朗報と言えるでしょう。


自転車も「交通機関」

福岡の街を歩くと「自転車が怖い」と感じることがままある。歩道を猛スピードで走ったり、急に車道から進入してきたり。これは車を運転していても同じだ。だが自転車の人も危険だと思うことは多いはず。一応、規則はあるものの、交通の中の自転車の位置づけがはっきりしていないのも一因ではないか。

デンマークの首都コペンハーゲンでは11月に、自転車の数が26万5700台となり、25万2600台の車を上回った。通勤する人の半数以上が自転車を利用する。同国外務省のホームページによると、首都の自転車専用道の総延長は約390キロ。特に臨海地区の「サイクルスネーク」と呼ばれる曲線を描いて走る高架道は象徴的だ。幅4メートル。車や人で混雑するショッピング街を通らずに通勤できる。

自転車はバスや地下鉄と同様、交通機関の柱。「観光名所のコンゲンス・ニュートー広場などは10年内に車が入らないようにする」と、同市の環境責任者は英紙ガーディアンに語る。車もバイクも人も自転車も混然としたアジアの国と全く違う風景が広がる。(2016/12/15 西日本新聞)



確かな「居場所」を自転車に

もし、自転車が人間ならば、「身の置き場がない」と泣きたい気分ではないか。「法律上、自転車は軽車両。車道を走るのが原則」と聞いていまだに驚く人がいる。それも当然かもしれない。

車と自転車の事故多発を受け、国は1970年に一部歩道で自転車走行を容認した。緊急的な例外措置だった。ところが、自転車走行を前提にした幅広の歩道(自転車歩行者道)が増えるに従い、例外と原則が逆転した。

潮目が変わったのは2011年である。警察庁が車道走行を徹底する旨の通達を出した。増加する自転車と人の接触事故を防ぐためだ。原則に従い自転車は車道へ−と言われても安全に走行できる道がない。自転車が置かれた切ない現状である。

この夏、西日本新聞が取材したところ、自転車用道路の整備計画を策定している自治体は九州で10市しかなかった。しかも、実際の整備はなかなか進んでいない。自転車活用推進法が先の臨時国会で成立した。自動車への過度な依存から脱して自転車の役割を拡大する。それが基本理念だ。

駐輪場や自転車用道路の整備などを掲げる。自治体の取り組みは努力義務だが、ぜひ、実行に移してほしい。自転車は環境に優しく、健康にもいい。災害発生時には有効な移動手段ともなる。5キロ圏内なら、自転車による移動が最も時間がかからないという分析結果もある。

愛媛と広島を結ぶ瀬戸内しまなみ海道のサイクリングロード(約70キロ)には絶景を求めて内外から多くの自転車愛好家が集う。周辺地域の観光の起爆剤となっている。九州にはサイクリングに適した美しい海岸沿いの道路が多い。観光目的の自転車道整備も面白い試みではないか。

2020年東京五輪では大勢の外国人が来日する。今のままでは「自転車が歩道を突っ走る恐ろしい国」と驚かれてしまうだろう。歩行者を守るためにも、自転車が安心して走れる道の整備を急ぎたい。(2016/12/19 西日本新聞)


西日本新聞に、自転車が都市交通であることや、歩道走行の問題を取り上げた論説が相次いで投稿されています。このブログでは昔から再三主張していることですが、一般のメディアも、ようやくそのことに目を向けるようになってきたのかも知れません。


自転車盗んだ豪観光客、罰として「恥さらしの行進」 インドネシア

インドネシアインドネシア当局は20日、自転車を盗んだオーストラリア人観光客2人に対し、「私は泥棒」と書かれたプラカードを首にかけて、観光地の島を歩かせる罰則を科したことを明らかにした。

この観光客らは約10日前、同国中部の人気の観光地ギリ・トラワンガン(Gili Trawangan)島のホテルから自転車を盗んだところを監視カメラに撮影されていた。ホテルの支配人が警察に通報し、翌日2人は逮捕された。地元の村のムハマド・タウフィック(Muhamad Taufik)村長は「2人を尋問し、彼らは島を歩いて1周した後に、ギリから立ち去ることに合意した」と述べた。

首に掛けたプラカードには「私は泥棒。皆さんは真似をしないで」と書かれる。この島では今年、窃盗犯数人に対し、同様の罰を科しているが、外国人は初めてだという。

村長は「恥さらしの行進は私たちの村の決まり。警察が彼らを逮捕するかどうかはどうでもよく、ただ村を立ち去ってくれればよい」と述べた。(2016年12月20日 AFP)


「旅の恥はかきすて」という言葉もあるくらいですから、これは、むしろ温情のある措置と言えるでしょう。新興国だからと甘く見たのかも知れませんが、場合によっては、訪問先の国の法律によって窃盗罪で起訴され、より厳しい罰を受けることもありえます。旅先で、つい羽目を外して自転車盗などしないよう気を付けたいものです。




1日にイスタンブール、6日はフロリダでテロと見られる事件が起きています。今年もテロ事件が続くのでしょうか。

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